過去にもアメリカ文化を取り上げたドキュメンタリーでディズニーが語られることがあったのでこのこと自体は驚かないがついに放送大学でも特集するのかと思うと興味深い。
そう言えば『錯覚の科学』でも第2回「視覚の錯覚 見ることは考えること」の回だったか、ディズニーランドは遠近法の錯覚を利用して建築されている。ゲートを抜けた先にあるメインストリートは先になるほど道幅が狭まって長い道に、シンデレラ城は上部が小さく建てられていて高い建物に見えるようにしているとかが例として取り上げられていた。
ディズニーランドのMainstreetが重要なのは郷愁を思い起こさせるからだけでない。それは地方の生活と経済の中心としてあった大通りが1950年代以降都市に人口が集中したことで車社会を前提とした郊外住宅地が建設され田舎町のメインストリートが消滅した生活圏の変化があったからと説明されていた。
戦後人々が望んだ古き良きアメリカの幸せを見させてくれるカリフォルニア・ディズニーランドが1955年に開園されたのはそんな時代背景があるとのことだ。
古き良きアメリカの幸せは『白雪姫(1935年)』の中にある。小人たちの採掘労働に、白雪姫の家事には疲労が伴わない。当時信じられていた神話としての究極の幸せが天空に輝くお城で、映画は「2人は幸せに永遠に暮らしました」と終わると解説されると、娯楽映画は本当に時代を反映していると納得してしまう。
ウォルトは幼少期の家にあった納屋を自宅に再現したとの話もあった。昔ディズニー家が納屋でサーカスを披露したという納屋の中での娯楽が『蒸気船ウィリー(1928年)』の誕生に繋がったという説も面白い。
現在ライトノベルを起点としてコミックスやアニメで異世界転生ものが流行しているが、これも数十年後には平成令和の日本の社会と経済状況から解説されるのだろう。
ディズニーファンはカリフォルニア・ディズニーランドだけではなくミズーリ州マーセリンにあるウォルト・ディズニー・ホームタウン・ミュージアムを訪れる必要があることが大変良く分かった講義だった。(^_^)
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