5回予定の「2011東京インターナショナルオーディオショウ」詳細レポートの第1回目は「14:00〜14:50 G604:リンジャパン 井上千岳氏」だ。昨年の感動を思い出しつつ期待して席に着いた。
機器構成はKLIMAX 350 (ペア税込420万)+KLIMAX SOLO/d (ペア税込315万)+KLIMAX KONTROL SE (税込178.5万)+KLIMAX DS/1 (税込294万)+LINN LP12 EKOS SE(税込349.7万)+LINN RAKK4 (税込21万), RAKK2 (税込14.7万)というLINNフラグシップKLIMAXシリーズの勢ぞろいだ。
試聴曲は次の通り6曲。その途中に色々と解説やお話が入った。
「ネットワーク・オーディオ機器を選ぶ際には44.1kHz/16bitの音が良い物を選びましょう。自分が聴きたい曲がハイレゾで提供されるとは限らないのですから。」と言い曲をかけた。
1) (曲名聞き取れず)
2)ポール・ルイス: ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」変ホ長調 op.73より第2楽章、第3楽章
「今までDSは4回のメジャーアップデートを行って音が良くなったり機能が増えたりして進化しています。」リンジャパンの担当者にシャーシを開けたDSを持ってもらい回路構成の説明を行った。「アルミ削り出しのシャーシを使うことでノイズを低下させた上に放熱を行っています。」
3) マイルス・デイヴィス:プラグド・ニッケルよりソー・ホワットテーマ
4)HRダイアナ・クラール:ザ・ルック・オブ・ラヴよりクライ・ミー・ア・リヴァー
「ビット数が増えると情報量がアップして、サンプリング周波数が高くなると音域が広がります。」とハイレゾ音源の特徴を解説した。
「DSの音を良くする方法は次の順番で行うといいでしょう。」とポイントを4点語った。
a)アナログ・クリーン電源を使用する。
b)ノイズ混入はないのでNASの電源もクリーン電源から取る。
c)高価なLANケーブルを使いたいのであればHUBからDSの間に使うのが効果的だ。他は一般のケーブルで良い。
d)DSやNASはしっかりとしたラックに設置して振動対策をとる。
5)モーツアルト:ピアノコンチェルト
6) Helge Lien Trio / NatsukashiiよりNatsukashii
最後に井上氏は「DSは高価だがアップグレードサービスがあり最新モデルと同じ音が楽しめる」「NASからデジタルデータを直接読み込むのでPCのノイズが入らず音質的に有利だ」「プログラマブルなのでDACの様に陳腐化しない」とDSの優位性を3つ上げて締めくくった。
正直言ってこの講演内容には驚いた。確かに10/12(水)の記事でDSM発表をAVアンプに対する対抗製品だと書いたがここまでLINNがPCオーディオに対して危機感を持っているとは思わなかった。昨年の講演では音楽を聴かせるのがメインで余裕の横綱試聴会だっただけに意外だった。DSを買う予算の1/5もあればUSB DACやアクセサリーで色々と工夫して音質を向上出来るのだから営業的にも影響が出てきているのかもしれない。
昨年ほどのインパクトはなかったものの音は良かったし、井上氏はDSを愛用しており音楽のことを語る時の楽しそうな口調も相まって非常に心地よいひと時を過ごさせてもらった。
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