当然イベントは撮影録画録音禁止なので記憶を頼りに私が見聞きした内容を記録しておく。記憶をもとに書き起こしているので間違いがあったらその時は勘弁して頂きたい。(敬称略)
3/22(日)13:00〜13:45 Program3「還暦業界人トークセッション 〜60歳、語る〜」
出演者はMC、株式会社サンライズ代表取締役社長 宮河恭夫、株式会社アニプレックス代表取締役社長 植田益朗、株式会社エー・ティー・エックス代表取締役社長 岩田圭介、声優 古谷徹の5名。植田社長は還暦の赤ちゃんちゃんこから連想して赤い彗星シャアのコスプレをしていた。
1.仕事の流儀
4名がアニメ業界に入った経緯、仕事に取り組む心構えを話した。
植田社長:仕事を楽しむ。楽は手抜きで、苦労の後に楽しみがある。
古谷氏:手間暇金を掛けて役作りする。役作りは形から入るので演じるキャラクターのイメージに合った服装で仕事場に行っている。スタジオで好み女優を見つける。(笑)
宮河社長:仕事で文化祭前日のワクワク感を維持する様心掛けている。サンライズは新しいことをやり続ける。『機動戦士ガンダムUC』(2010年2月公開)では劇場公開と同時に映像配信、BDパッケージ販売等を行ったが、このイベントは最初皆から反対された。それをどう突破するかワクワクした。
岩田社長:テレビ東京の番組制作費は大手の半分だった。新聞で『それいけ!アンパンマン』(1988年10月放送開始)の関連商品売上が多額と聞いてアニメ制作に取り込むよう上司に進言した。アニメは子供には夢を、大人にはお金を与える。(笑)
MC:この4月のアニメ新番組は50本との話だ。ファンや関係者から「多過ぎる」「食い合う」「観る時間が無い」「レコーダーのHDがいっぱい」との声が出ているが?
植田社長:アニプレックスはこの4月は9本の新番組を放送する。アニプレックス創業時は金なし、放送枠なし、作品なしの3重苦だった。今は制作スケジュールが厳しく放送前日納品の時もある。
古谷氏:アフレコ時に画のない作品が多過ぎる。『巨人の星』(1968年3月放送)や『機動戦士ガンダム』(1979年4月放送)の時はちゃんと画があったのに今では『ONE PIECE』(1999年10月放送開始)ほどの作品でも線でアフレコする状態だ。『名探偵コナン』(1996年1月放送開始)の様に画があればキャラクター同士の間合いが分かり演じ易くなる。
宮河社長:アニメーター不足で優秀な人が忙しく画が間に合わず線撮りになってしまう。アニメーターは感性を生かす仕事なのでデジタル化出来ない。サンライズは今後も手書きにこだわる。
2.アニメの未来
4名がアニメ業界の未来について語った。
宮河社長:世界中でアニメ視聴者が増え海外ビジネスが広がると見込んでいる。新しいマーチャダイジングがあるはずだ。若い人には新しいことにチャレンジして取り組んで欲しい。
岩田社長:テレビ東京の大ヒットアニメは『NARUTO -ナルト-』(2002年10月放送)の次が『妖怪ウォッチ』(2014年1月放送開始)と、10年以上の間隔が空くものなので、その間も作り続けることが大切だ。アニメファンがDVD売上ベスト20のアニメ監督のリストを送ってくれたが、これを見ると監督の高齢化が心配になる。1960年代生まれが多く、その下の世代がいない。あと10年経過したら人気監督がいなくならないよう30歳台の監督を育てたい。
古谷氏:海外のアニメコンベンションに出演することが多いが、海外のアニメーターや声優のレベルが上がっているので日本は油断してはいけない。高齢化社会に向けてオヤジ主人公のアニメを作って欲しい。劇場アニメで予算があると役者を使うのは止めてもらいたい。若い声優にはテクニックに走らず心で芝居をするよう助言している。ガンダムパイロットを演じられれば一生食える。(笑)
植田社長:私はツキがある。『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(1991年5月発売)や『鋼の錬金術師』(2003年10月放送)のヒットに関わることが出来た。人が集まるパワーを生かしたい。
吾朗監督の話と言いアニメーター不足は深刻なようだ。確かにガンダムの主人公を演じられればゲーム化等で何度もお呼びが掛かることだろう。もっとも空気なガンダム主人公もいるような気もするが…。(笑)
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