『Victoria:Season 1 (2016)』
<個人的な評価:10点中6.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
先日、フィリップ殿下がお亡くなりになられた。
それをキッカケに、また英国のロイヤルファミリーの歴史を復習しようかなと思った。
エリザベス女王とフィリップ殿下には共通の先祖がいる。
そう、ヴィクトリア女王だ。
下記は本物のヴィクトリア女王の写真と、家系図。
この家系図は、かなり省略されたもので、ヴィクトリア女王には、実際に、もっと沢山の子供がいるが、これは、エリザベス女王とフィリップ殿下の先祖にフォーカスされて作成されている。
これからもわかるように、ヴィクトリア女王の長男エドワード7世の血筋から現エリザベス女王に繋がり、ヴィクトリア女王の娘アリス王女から、フィリップ殿下に繋がる。フィリップ殿下とエリザベス女王は、みいとこ同士だ。
エリザベス女王は、王女時代は大切に育てられた箱入りプリンセスだったのに対して、フィリップ殿下は、国を追われ一家で亡命した王子で、温かい家族というものに縁がなかった人だ。父親は愛人と消えて家庭を試みず、母は精神病院に入れられて、幼いフィリップは寄宿学校で育ち、休みの日は親戚の家をたらいまわし。そのような背景から、フィリップ殿下は家族には強い憧れやこだわりがあって、だからこそ最後まで家族を大切にしたのだろう...涙。フィリップ殿下の英国&女王陛下への忠誠と献身と義務と責任感、その女王でもある妻への愛と献身、そして子供達や孫たちや曾孫たちへの愛も強い。長男チャールズ皇太子とは確執があったけど、それも長男に対して強すぎる想いがあったからかなと思うと切ない。
ネグレクトではなく、将来、国王になる長男チャールズに、強く国王らしい男(漢)に、なってほしい!と、フィリップ殿下の理想像を押し付けすぎたんだろう。(本来なら、フィリップ殿下こそ国王になる器がある男だ)でも、チャールズ皇太子も父親の本心や愛を知ってたから苦しんだんだろうし、先日の葬儀の時も大粒の涙を流してたよ...
みんな悲しんでたけど、チャールズ皇太子が特に悲しんでたし。
とにかく、フィリップ殿下は、色んな意味で強い性格の人ではあったが、あのロイヤルファミリーの家長であり、家族へのこだわりが強く、家族への愛が深い人でもあった。
フィリップ殿下とエリザベス女王は、育った環境が違う。でも共通点もあって、やはり、同じ先祖だから、通じ合うものもあったのかと思う。なにより正真正銘の王族同士で、エリザベス女王は無責任な叔父を反面教師に、フィリップ殿下も、その叔父と自分の父親を反面教師にして、そして、良い王族とはなんであるべきかを知っているんだろう。2人は本当に運命の相手同士。
(私の、母の従兄妹に、First Cousin (いとこ)で恋愛結婚したのがいるけど、70過ぎた今でもとても仲睦まじいし羨ましいと思う。我が家では昔も別に近親婚をするような習慣は一切なかったはずだが、たとえ今の時代であっても恋愛結婚だったら誰も強くは止めないと思う。とはいえ、私の場合だけど、いとこたちは、兄弟姉妹同然だから、仲はいいけど、そういう目では見た事はないね笑)
ただ、興味深い事に、エリザベス女王とフィリップ殿下は、単純に、普通のみいとこ同士という血筋だけではないのだ。2人の血筋はもっと深い。
なんと、2人の共通の先祖である、ヴィクトリア女王&アルバート王子こそが、First Cousin、正真正銘のいとこ同士なのだ。とはいっても、育った環境は違う。エリザベス女王はイギリス、アルバート王子はドイツだ。だから、それぞれの国のカルチャーは違う。
でも、血筋的に、さすがに、いとこ同士となると、子供の遺伝病とか心配になるが...
ヴィクトリア女王の場合は、近親婚の影響による病気というより、ヴィクトリア女王自身が、血友病の持ち主だから、これが王族の呪いの病として、その後も、影をおとす事になるんだけど、当時は、まだ知る予知もない。ただ、それがあっても、王族は繁栄しまくった。血友病はロシアンルーレットにようなので、別に子孫全員に受け継がれるわけではない。現にエリザベス女王とフィリップ殿下は、血友病ではないし、子供達も誰も血友病ではない。
このヴィクトリア女王は、たくさん子供を産んで、その子供達が、今のヨーロッパ王族を占めているのだから凄い。
さて、そんなヴィクトリア女王のドラマを観てみた。ちなみに、ドラマを観る前から、上記の簡単な歴史や血筋の事は知ってた。知ってたからこそ、知らない事もあるのかな?と期待をしてドラマを観たが...
その点ではガッカリだ。うーん笑。
ある程度は、フィクションとして、とらえた方がいいかも。
実は前に、1話の半分ぐらいまで観て、そこまで面白くなかったので途中で辞めたけど、今回、頑張ってSeason 1を全部観た。つまらないわけではないけど、やはり、Crownなどと比べると、ちょっとなーと思う。ヴィクトリア女王と彼女の夫アルバート王子が主人公なんだけど、本当にこんなにイチャイチャしてたの?って思う部分もあるし、ヴィクトリア女王からは、現エリザベス女王にあるような威厳、冷静さ、賢さがあまりないように見えた。現エリザベス女王は、幼い時から、賢く責任感があり真面目だったけど...
私のイメージにあるヴィクトリア女王は、やはり、ヨーロッパ王族の大祖母!って感じで、とてつもなく、凄い人ってイメージだから、ちょっとそのイメージとはかけ離れている。これから、もっとしっかりしていくのかな?なんだか、Season 1を全部観終わったけど、ずっと夫とイチャイチャしてばっかりで、この人、女王の威厳らしさがあまりなかった笑。
キャラ的に、あまり好きになれなかったかな。
ヴィクトリア女王も、アルバート王子も。
苦手ってほどではないけど、まだ、尊敬できるようなエピソードはない。
小生意気な若い女王と、顔はイケメンだけど、ぼそぼそと喋る配偶者って感じという印象しかない。
やっぱり、エリザベス女王とフィリップ殿下の方が大好きだ。というか比べられないぐらい現エリザベス女王とフィリップ殿下の方が最高だ。
エリザベス女王は、なりたくて女王になったわけではない。彼女の父親も、無責任な兄から王位を押し付けられただけで、なりたくて国王になったわけではないのだ。それでも、国王になったからには、しっかり責任を全うしよう!と、DUTY COMES FIRSTな国王だった。エリザベス女王も、その父親の早すぎる死の後に、父親の意思をついで、DUTY COMES FIRSTの立派な女王になった。
当初は、本当に不安だらけだったようだ。女王になったからって偉そうにふるまうなんて事はなかったし、自分の母親の事も大切にしてたし、政府、母親、夫、色んな事で板挟みになって、頑張って今まで女王をやってきたのがエリザベス女王だ。フィリップ殿下とエリザベス女王は、エリザベス女王が女王になる前、まだ若かった王女時代に結婚をして、幼い子供も二人いた。まだ、25歳ぐらいだったのに、幼い子供を二人抱えながら、妻から急に女王になった...しかも最愛の父親の早すぎる死。フィリップ殿下とエリザベス女王の若いカップルは、とても戸惑ったし、でも、だからといって逃げないで、しっかりと、いや、歴史上のどの君主よりも、しっかりと、長く長く責務を全うしたのだ。フィリップ殿下は99歳で亡くなったけど...エリザベス女王は、孤独な未亡人になったエリザベス女王は、今も頑張っている......曽お祖母ちゃんは今でも頑張っているのだ。 愛する夫の葬儀で、孤独に1人で座っている老婆をみてると、込み上げてくる切ないものがあるね。
逆に、ヴィクトリア女王はエリザベス女王の正反対だ。
少なくとも、このドラマの中では、ヴィクトリア女王は、女王になる事を喜んでたし、女王になった瞬間、色々と偉そうにふるまい、自分の母親にも冷たく、信仰心もない。
悪人では決してないが、はっきりいって、とても子供っぽくて、小生意気な人だ。
アルバート王子も、フィリップ殿下のように波乱万丈の幼少期を歩んだわけではなく、元からプライド高いドイツの王子様で、ボンボン。
ただ、両親は不仲で、母親も不在の幼少期だったから、家族には憧れがあったんだろうけどね。
まあ、実際のヴィクトリア女王はどんな人か、書籍でしか軽く知らないので、なんとも言えないけど。
ただ、このドラマは、ちょっと小生意気さが目立つなーと思った。本当にこういう人だったのかどうかは不明。少なくとも、このドラマの中では、あまり尊敬できない、まだまだイマイチな人物像...という印象だった。
Season 1は、長女を生んでおしまい。
今のところ微妙だから、Season 2では、きっと、もっと成長して凄い女性になっていくのだろうと期待したい。