『劇場版:零 〜ゼロ〜(2014)』
<個人的な評価:10点中7.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
ホラーゲームの零シリーズをモチーフにした映画。
零のゲームは、知ってるし興味あるけど、友達がやってるのを観た事があっただけで、ちょっと遊んだけど、
私自身は怖くて、クリアはした事がないです!
怖い映画を観るのは、ちょっと隠しながら観れるけど、ゲームってスクリーン隠せないから怖いんだよ。
だから興味はあるけど、ホラーゲームは、やらないです笑。
人がやってるのをみるのは好き!
さて、この映画...
雰囲気だけは良かった映画だった。田舎のミッション系全寮制女学園(親が一切でてきてないあたり、たぶん孤児院)が舞台で、ゴシックホラー的な雰囲気がする。
ゲームも、和風ゴシックのような感じだったから、大体、予想はついてた。
というか、雰囲気が良いという以外の点では、ツッコミどころ満載。
ミッション系の学校なのに、マリア様ではなく、シェイクスピアのオフィーリアを信仰しているような部分があったり笑。なぜ、オフィーリア。
まあ、この映画の作品じたいが、オフィーリアの死に様と片恋を、モチーフにしているからだろうけど。
オフィーリアの絵まで飾ってたり、卒業式の歌がオフィーリアだったり...
ミッション系の学校なのに、おかしすぎる。まさにファンタジー世界。
そういう現実では、ありえない謎の雰囲気があるのも良いんだけどね。
シェイクスピアのオフィーリアの話は、私も好きで、高校時代にLiteratureで、勉強した。
そういえば、ちょっと前に、Netflixで、映画『Ophelia(2018年)』を観たけど、最悪だったな笑。
現代のフェミニストな感覚に毒されていて、シェイクスピアの哀愁漂う本来の雰囲気がぶち壊しだった。
現代の感覚で、ああいう古典の映画を作ると、場違いで、雰囲気ぶち壊しなんだよ。
どんなに綺麗に着飾っても、中世っぽくみせかけても。
つか、オフィーリアは、あの映画に出てたような強気な女じゃないと思う。フェミの願望を押し付けないでほしい。シェイクスピアをちゃんと読んでたら、あんな改変映画は作れないよ。(現代女性、というかクソフェミが見て好むような映画を作りたいあまりに変な改変しちゃった感じ)
だから、最近の欧米の映画は、微妙と感じる物も多い。特にNETFLIXで出てる新作とかは...
友人いわく、ポリコレに毒されているらしいけど。
まあ、そんな事はどうでもよくって、ただ、なんか違う...と、たまに観ていて思う。
そういう意味では、まだ、この映画、零の方が、シェイクスピアの、オフィーリアをうまくとらえているだろう。モチーフにつかってるだけで、実際に、シェイクスピアの物語には踏み込んでいないけど。
でも、片恋、報われない恋、禁断の恋、まだ大人ではない少女の不安定な気持ちとか、そして、裏切り、腹黒さもあって、始終哀愁漂うような雰囲気が、ちょっとシェイクスピアっぽい。
とはいえ、本当に雰囲気だけの映画なので。ちゃんと観れば、突っ込みどころ満載です。
キャラの無駄使いもあるし。無理やり感もあるし。
全て説明がいかないと納得いかないとか、矛盾があるものは好きじゃないとか、そういう人にはおススメできない。
ただ、閉鎖的な女学院、森、池、清楚な制服、美少女、謎のオフィーリア信仰、消えた少女たち、呪い、赤い糸...
そういう不思議な雰囲気が好きな人は、まあ...一応、雰囲気だけは楽しめると思います。
私も一応楽しめたので。
あと、レズ要素?が出てきます。
少女が少女に恋する。
憧れなのか、恋なのか...よくわからない所があるけど。
でも、それさえも、純粋に綺麗に描かれていて、欧米映画にありがちな過激な性描写などは一切ない。
そういうのが一切ないからこそ、この女学院が浮きだっていて、俗世から離れたような雰囲気がするから良い点でもある。
ちなみに、簡単に説明するとストーリーは...
【舞台は田舎のミッション系全寮制女学園。カスミは、同級生の中でも最も美しいアヤに憧れを抱いていた。アヤは言う。午前0時になる千分の一秒前。写真にキスをすれば、同じ呪いにかかる……。写真にキスをした少女は、次々と消えていってしまうのだった........】
というものです。
てか、アヤ(と思われている人物)の写真が怖い。
美人だけど。
こういうのって、過激な幽霊メイクしたものより、不気味。
これが、不気味の谷の現象かな。
美しい顔なんだけど、人間離れしていて、でも人間で。
まるで、人間によく似た美しい人形のよう。
生きているようにもみえるし、死体のようにもみえる。
そんな感じの不気味な写真が、暗い部屋の中で、浮きだってみえるのが、怖い。
ただの写真なのに、空間にブレンドしていて、本当に、そこに人物がいるかのような雰囲気で怖い。
物語の結末というと、アヤという少女には、双子の姉がいて、マヤという子だった。
マヤは幼い頃に殺されてしまった。
一緒に学園に入るはずだったが、殺されてしまった。
犯人...というか全ての黒幕は、院長。
うーーーーーーーーん!院長、野放しかい!!!!!!
院長は、最後死なないの?
そこだけが、納得いかんかった。なんで、のほほんと生きているんだよ。
あんなに沢山の無実の人たちが死んだのに。
院長怖いよ。
双子の片方を殺すなんて。
生贄に捧げるとか怖い。
自分が死ねばいいのに。
自分が死ぬのが怖いからって、まったく関係ない子供を生贄捧げるとか...
ただのクズです。
黒幕の院長は死ななかったけど、沢山の少女が犠牲になった...
そして、あの姉弟はどうなったの?死んだけど。
なんで、院長が生きてて、あの姉弟が死ぬんだ?
近親相姦なのか、ただ単に姉が障害もってる弟の面倒をみているのか不明のままに終わったけど。
過去に、2人が報われない恋で、心中しようとして、でも死ねなくって、弟の方が障害者になったのかな?と予想してたけど、一切明かされないまま死んだな。
あの引きずるような足は、なんの意味があったの?
あの二人も心中しようとして、死ねなかった二人なの?
だから、姉が弟の面倒をみているの?
最後、いい加減に面倒みるのが疲れたから、開放されたくって、溺れた弟を助けなかったけど。
でも結局、2人とも死んだし。
ちょっと、消化不足です。
元々結婚している配偶者を深く傷つける不倫は大嫌いだし、駆け落ちすれば何とかなる身分違いの恋にも興味がわかないけど、本当の意味での禁断の恋はけっこう好きです。近親相姦も姉弟、兄妹、双子に限るけどね。
ホモセクシュアルやレズはよくわからないけど...でも、もう、LGBTの恋愛が否定されなくなった世の中だから、あまり禁断!とは思えなくなったのかも。(国によっては、犯罪!という所もあるけど)
でも、私の感覚からすれば、まあ、それらも普通の恋愛ストーリーと変わらないというか...
だからこそ、興味がわかない。普通の男女の恋愛ものとかも興味ないからね。
近親相姦や、昔の時代の話とか、この映画のような閉鎖された不思議な雰囲気の女学院が舞台の物語だったら、逆に興味わく。
私が映画やドラマを観る一番の理由は、非現実感を味わう事だから。
という事で、突っ込みどころ満載だけど、現実離れした不思議な雰囲気の映画でした。
個人的評価は、7.5点です。けっこう高い方です。