『A Cure for Wellness (2016)』
<個人的な評価:10点中8.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
思った以上に良かった。
グロ系かなと思ってたけど...たしかにグロはあったけど...
でも、思ったものと違った。当初、観る前は、サイコパスの拷問グロ系だと思ってたので。
ぜんぜん違った。好みのタイプの、ゴシックサスペンス系だ。
ウナギは本当に気持ち悪いし、ウナギが出てくるシーンだけは、グロでイヤだけど...
(でも、これを観たあとでも、高級ウナギ、食べまーす笑。)
舞台が城ってのが良い。
そして血塗られた歴史。男爵夫婦の近親相姦。不思議な少女。マッドサイエンティスト。
ゴシックホラーにサスペンスとサイエンスを混ぜ、舞台が古城。
グロもあるが、なにより、作品の雰囲気が好き。
私は、けっこう、雰囲気で観るので...
だから、好き嫌いももちろんある。私の映画評価も、全部個人的なものだ。
(私が好きストーリー、私の好き嫌い、私が芸術と感じるもの、全てが繁栄しているのが、私の個人的評価。)
途中から、所長と少女の関係や彼らの正体がわかったから、そのあとも、面白く観れた。
何年生きているんだよ...
所長はイケメンでダンディな雰囲気が好きだったけど、端正な顔はマスクだったんだな。(元々の正体もたぶんイケメンだろうけど、炎で肌が焼け落ちてオペラ座の怪人以上の醜さになっている)
所長の正体こそが、男爵。確実に200歳以上。
少女の正体は、その男爵の実の娘。男爵と男爵夫人(妹)の間にできた娘。成長がとっても遅いので、実際は彼女も200歳以上。
目の前で、最愛の妹をあんな方法で殺されたら、誰もが狂うだろう。
元々、男爵はマッドサイエンティストだったが、さらに、狂っていったんだろうね。
個人的な評価は、8.5。
男爵は死ぬべきだが、ちょっと救いがなさすぎる。悪!として、簡単に処理すべきではないキャラだ。
男爵時代の回想もあればよかった。幼少期の男爵と妹とか。
あと、少女は、最後、外に出たけど、ちゃんと生きられるのかどうかも謎。
外からきた王子様的な他人に救われ、ハッピーエンド?みたいな感じが、どうも苦手。
薬がなくなってしまったら彼女の身体は、どんどん老いていって、崩れさって消えてしまうのではないか、と思う。だって実質、200歳だよね...
だから、最後の展開は、なんだか都合が良すぎるなと思った。
ただ、最後の会社の人達とのシーンは、なかなかだった。
城にいた人達も、狂っている男爵も、会社にいた人達も、みんな病んでるし、ある意味おかしい。
主人公はそれに気づいたから、あの車に乗らなかったし、わが道をいったんだろう。
他人を、自分の一族の存続のために利用する男爵。
人間を、金の為に使い捨てのコマかのように扱うNYCの Wall Street。(←こっちは今でもある本当の話で日常茶飯事。日本の話に置き換えると、〇通が良い例)
悟った主人公!
でも、まあ、申し訳ないが、主人公くん、それでも君は現実世界に言ったら捕まるがね笑。
悟りを得たのはよろしいが、君はヒーローでも何でもなく犯罪者だ。金融犯罪を犯した罪は消えないぞ。
とだけ、言っておきたい。
現実世界に戻って、主人公が捕まってダンジョン行き。
少女は一気に年老いて死亡。
それこそが本当のエンディングだろう..と、そこまで妄想します。
まあ、なんていうか作中にあった都合よすぎる展開ではなく、シェイクスピア的な悲劇的で、でも美しいエンディングだったら、評価は9以上になったと思う。
例えば、最後に男爵夫人の妹の幽霊が出てきて、男爵を炎の中に連れていくとかね。
もういい、一緒に逝きましょう...一緒に眠りましょう...っていって。
ただ、この作品は、もう一つの解釈もできる。
まず、個人的に主人公に関しては好きでも嫌いでもない。
シーンによっては、この人、実は死んでいるんじゃないの?思う部分もある。
いや、とらえ方によっては、実は死んでいるという見方もあるかもしれない。
もう、車の事故でとっくに死んでいて、全部幽霊が経験した事。あの冒頭の車の事故はかなりヤバかった。なのに、なぜかピンピンしているタクシーの運転手。違和感ある。そして、主人公の母親の予言。その予言こそ伏線ではないのだろうか。
あの時、彼はもう死んでいたのではないか?
そして結局、彼は山から出られない。
最後、車に衝突したシーン。かなりの衝突にみえたが、何事もなく、起き上がって、その後も、チャリに乗っていった。
もしかして、最後は、山を下りて普通の世界に戻ったのでなく、あの世へ逝ったのでは?
ずっと、魂が、城に閉じ込められてたけど、ようやく、あの世に逝けた?
という解釈もできるかもしれない。
少女の魂は開放され、
主人公の魂も任務から解放され、
ようやく天国へ逝ける。。。
そのようなとらえ方もあるのかなーと思ったり。
まあ、私は個人的に雰囲気が好きな映画でした。
後半のダンスのシーンも好き。奇妙で狂気じみてて独特な雰囲気がするけどなぜか美しい。
ちなみに、本当に私は人なんて、どっちもどっちだと思う。
他人を、自分の一族の存続のために利用する男爵。
人間を、金の為に使い捨てのコマかのように扱うNYCの Wall Street、又は日本の〇通。
動物(ウナギも含む)を、美食や健康の為に繁殖させ、殺し食べまくる私達人間。
高貴な血統である男爵にとっての村人は、私達にとっての食用動物となんら変わらない。
だから男爵は村人を殺してもなんとも思わないし、私達は動物を食べてもなんとも思わない。
部下をコマのように扱い金儲けする組織も、そうだ。
ある日、動物が知恵をえて、私達人間に反乱を起こしたら、私達の運命も男爵と同じになるかもしれないね。
人間がいかに自己中心的な生き物か、私は昔からわかってた。
そして私はとっくに悟っていて開き直っているので、自分の為に、限度はあれど、今日も明日も美食つづけます笑。それこそが、Wellnessです。
城はこれがモデル。
実在します。遠くからみた城は、これでしょう。
こういう城に住みたいと憧れる。
実際は、城でロケしたのではなく、別の場所だけど。
美しい。
こういう場所に住みたい。