『Coco (リメンバー・ミー)(2017)』
<個人的な評価:10点中10点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
最高傑作...............!!
ストーリーも最高、曲も最高!!!
こんなに素晴らしい映画を今まで観てなかったとは。さっき一人で家で動画で観た!!
映画スクリーンで再度観たい!という気持ちもあったが、久々に号泣しまくったから、逆に映画館ではなく、家で人知れず観れて良かった涙。
個人的に、私が好きな FROZEN や LION KING も上回る傑作。
メキシコが舞台なのはわかってたが、他には、もちろんネタバレも予備知識もなく観たから、そのおかげで、途中まで主人公と同じように騙されて、だからこそ、全てわかった時、感動も倍。
人が本当に死ぬのは忘れ去られた時
このメッセージが、強く心に響いた...
死生観は文化や宗教、そして人それぞれで違うけど、でも私はこのメキシコの死生観はけっこうしっくりくる。
日本のタイトルは、作中で出てた主題歌の Remember Me だけど
そのタイトルも良いけど、
映画全て観たあとだと、「Coco」ってタイトルの方が、しっくりくる...
そう、Cocoへの曲、最愛のCocoに会いたかっただけなのに...涙。
文化的背景も興味深い。
死者の日というメキシコの盛大なお祭り(日本でいうお盆、他の国にも似たような風習はある)が舞台。
でも、お盆と違って、なんか骸骨をかざりまくったり、不気味な骸骨面をしてPARTYをしたり、前からメキシコで、こういうお祭りがあったのは知ってたけど、不気味で何だか死神信仰みたいで怖いな(無知だった自分)と思ってたが、実際は、家族愛あふれる盛大なお祭りで、大切な文化なんだなと、改めて学んだ。
そのような文化的背景はもちろん昔から知ってたけど、やはり不気味で怖いなという先入観があった。でも、この映画を通して、そういう先入観もふっとんだ。
死者の日は家族や友人達が集い、故人への思いを馳せて語り合う日なのだ。
市街地はマリーゴールドの香りに包まれ、公園には露店が立ち並び皆、ワイワイしている。
死を恐怖するのではなく、逆に死者とともに楽しく笑い合って歌って踊ろう!とか、陽気なメキシコ人らしい。墓地にも派手な装飾が施され、夜間にはバンドによる演奏なども行われてるのだ。
そう、この映画に出てたように...
映画のあらすじ:
“遠い昔、メキシコのサンタ・セシリア出身のリヴェラ家の夫が、音楽家になる夢を追いかけて家族を捨てる。残されたその妻ママ・イメルダは音楽を嫌うようになり、家庭に「音楽禁止の掟」を立て、習得した製靴で一人娘のココを育てる。製靴業は掟と共に代々引き継がれ、リヴェラ一族は靴屋として繁栄。当のココは存命ながらも認知が衰えつつあった。そのひ孫で12歳のミゲル・リヴェラは他の家族と同様、靴屋を継ぐことを期待され、音楽は聴くことすらも禁じられていたが、密かにミュージシャンを志していた。彼が信奉するエルネスト・デラクルスは同郷の伝説的ミュージシャンで、『リメンバー・ミー』など誰もが知るヒット曲を連発するも、1942年にステージ上で曲を披露している最中に事故で亡くなっていた。ミゲルは家族に隠れて屋根裏に彼のグッズを並べ、自作のギターで彼の曲を弾いていた。
そして年に1度、他界した先祖が家族に会いにやって来るという死者の日、リヴェラ家でも先祖を迎える準備をしていた。自宅の祭壇には先祖の写真が飾られ、その中には幼き頃のココが入った家族写真もあったが、家族を捨てたという父の顔の部分は破られていた。そこでミゲルはその高祖父が持つギターがデラクルスのものと同じであることに気付き、高祖父はデラクルスだと推測する。”
さて、私はネタバレ一切踏まずに観たので、実は主人公ミゲルと同じように、騙された笑。
普通に、デラクルスが先祖だなと思ってみてた。
そして、ずっとモヤモヤしてた。そんなに音楽を世界の為に奏でたいなら最初から結婚するな、子供作るな、無責任な男だなと思った。私は逆に、どうしても、ママ・イメルダや残された家族が可哀想で感情移入してしまったし、音楽禁止令を作った気持ちも痛いほどわかる。
妻子を捨てて、世界の為に音楽を〜!とか、ほざいて、人気者でモテモテになっている男が、美化されるのか。そういう価値観を美化している人も少なからず、この世にはいるけど、個人的に私の価値観と相いれないので、そういう話だったら微妙だなーと思いながらも、観つづけた。
そして、どんでん返し。
やっぱり、デラクルスみたいな派手な奴が先祖じゃなかった!!!!!
ヘクターこそが、ミゲルが敬愛した本当の高祖父だったのだ!!
そして、ヘクターは、ずっと故郷に帰りたがってた。愛娘に会いたがってた。
でも、裏切られて殺されてしまったのだ。自分の本当の死因さえもわからずに、自分が事故死したと思い込み、ずっと死者の国をさまよってた涙。そして、ずっと、Cocoに会いたがってた...
若さゆえに、家族を捨てるという過ちをしてしまい、でも故郷に帰りたがってたんだね...
そして彼の曲は、世界の為への曲ではなく、娘への為の曲だった。
そんな彼の本心にふれる事が出来て、共感と号泣。
デラクルスの本性が出る前から、デラクルスには一切共感できなかったけど、ヘクターには共感できた...
この人が、先祖で良かった...
ミゲルも生意気な反抗的な少年で、いらっとする部分もあったけど、ミゲルはデラクルスの本性を知り、ヘクターとイメルダの本心を知って、死者の国で家族の大切さを学んで成長した。
私が実はこの作品で一番尊敬しているのは、ママ・イメルダ。
ミゲルの高祖母。とにかく、強い女性。精神的に強く立派。気が強くなるのも当たり前だ。
夫に捨てられても、めげずに、女手一人で、娘ココを育て上げ、ココを養うために靴作りを始め、大成功して、製靴業は代々引き継がれたのだから、素晴らしい女だ。
でも、この人も昔は、歌ってたんだよね...涙。
全ての女性がそうってわけではないけど、女性って子供産んだら母親になり、変わる事はよくある話だ。
母になるのだ。子供を守る為ならば、鬼にだってなるし、般若にだってなる。子供を守り育てる事が生きる糧なのだ。それが、母の強さだ。この気持ちがわからない男性もいるよね。
それが極端な方向に行くときもある。ミュージシャンになる夢を追って家族を捨てたヘクターを憎んで、死後も音楽を嫌い一族にも音楽を禁止して、リヴェラ家に「音楽禁止の掟」を作ったイメルダ。
とても現実的で人間らしいと思う。だからこそ、その極端さも含めて、共感できるし、理解できる。
一番苦労してきたのはイメルダだよ。
夫に捨てられても夫を愛し帰りを待ってる妻〜みたいな女を妄想したい人もいるかもしれないが、リアルはそんなに甘くはないし逆にそんな感じの女だったら、凄いな〜とは思っても共感はできなかったかも。
(だから私はGOTのCersei Lannisterが好きで共感できるんだけどね。いくら双子で愛していても、Jaimeには、子供を愛するCerseiの気持ちがわからないよね)
ママ・イメルダは再婚もせずに、男に頼らずに、ココを養うために靴作りを始め、大成功したのだ。
凄い人だよ。尊敬。
でも、そんなママ・イメルダも、夫ヘクターが家を出る以前は音楽を愛し自らも素晴らしい歌声の持ち主。
作中で、仕方がなく、歌いだした時は、感動した。あの曲、好きだな。
ママ・イメルダも、ヘクターには、愛憎の感情があったんだろうね。
愛しているからこそ憎らしい。すごくわかる。
主題歌は、Remember Meだけど、私は、La Llorona も大好き。
La Llorona、あれから何回もきいている。
原題は、La Llorona だけど、友達に聞いたら、日本語バージョンも良いよとの事で、YOU TUBEで聞いた。
普段、オリジナルしか聞かないし吹替なんか、個人的にありえない派だけど、この曲は、オリジナルのスペイン語も良いし、英語でもいいが、日本語バージョンも最高だ。
哀しきジョローナ というタイトル。おススメです。
ヘクターの本心と死の真実を知り、最終的に、ヘクターとママ・イメルダの関係は修復されたのが良かった。
ミゲルの高祖父は、家族を捨てて、あちこちで女をつくり、派手な生活をしたデラクルスのような奴じゃなくて、ヘクターのような実は家族思いの人で良かった。
最後、ミゲルとココのシーンには感動。
家族ともわかりあって良かった。
その後、ココは亡くなったけど...
でも、死の世界で、大好きなパパに再会できたようだ...
最後、なんだかんだでハッピーエンドで良かった。
DISNEYは全部ハッピーエンドだけど、これほど、心地よい、しっくりくる、感動できるストーリーは久々なので良かった。
私も亡くなった祖父祖母に手をあわせよう...
Only the forgotten are truly dead.