アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2018年01月01日

一時は吸引も

父の点滴は外れない。
食事を摂れなくなって一日が経った。

痰が絡み、吐き出す力も低下。
肺の音も良くなく、一時は吸引も。

父の状態は、現時点では落ち着いてはいるものの
未だに食事は摂ることを許されず、
水分も、とろみをつけたものしか与えることを許されていない。

今日は、ポカリスエットにとろみをつけたものを与えた。
それでも父は嬉しそうにして飲んだ。

やはり喉の渇きが半端ない様子。

ベッドの上の父が口をパクパクしていた。
何かと聞いたところで、父は会話ができない。

空中に字を描く父。
当然、それを見ても理解不能。
こんな時五十音表があればなぁ・・・とつぶやいたところで
周りを見渡してみても、ありそうでない五十音表。

仕方なく父の目の前に自分の手のひらを見せて
ここに描くように促す。

・・・ちっちゃい・・・父が描く字がちっちゃい。
出来る事ならもう少し大きく描いて欲しい・・・
そう言ったところで、それが父の精一杯だ。

何度も何度も描かせて、父の口元を見つめ続けた。
何だろう・・・どこか痛いのか・・・苦しいのか・・・
何かが欲しいのか・・・それとも暑いのだろうか・・・
お腹が空いた??・・・

意思の疎通が取れないのはとても苦痛で、なおかつ歯痒い。
父はそれ以上に思っているはずだ。
それが分かるだけに、分かってあげられないことが余計に悔しい。


そんなやり取りを続けること数分。
やっとわかった。
父が言いたかったのは「コーヒー」だ。
父はコーヒーが飲みたいのだ。

私が行くときは必ずと言っていいほど
コーヒーを持っていく。
父の大好きなブラックコーヒーだ。
父は私の事を息子と認識するより先に、
コーヒーと認識しているかもしれない・・・と
冗談交じりに思うことがある。

とろみのついたコーヒーでもいいのだろうか・・・
そう考えているうちに
父は目を閉じ眠りについた。

明日にしよう・・・寝てしまったことを理由に
逃げるようにして帰宅した。
ホントに辛いのは父なのに
してあげられないことを要求されることが辛い。

早く・・・早く父の点滴が外れないだろうか。


スポンサードリンク









この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7149735
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
リンク集
カテゴリアーカイブ
AD
最新記事
にほんブログ村 病気ブログへ
にほんブログ村 にほんブログ村 病気ブログ 末期がんへ
にほんブログ村 病気ブログ がん 闘病記(永眠)へ
にほんブログ村 にほんブログ村 介護ブログ 親の介護へ
にほんブログ村
プロフィール
satorichさんの画像
satorich
緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
プロフィール


がん・腫瘍 ブログランキングへ
最新コメント
陽子線治療の不可 by satorich (12/25)
陽子線治療の不可 by 弥生 (12/24)
父のいないボランティア活動 by satorich (11/20)
父のいないボランティア活動 by まりあ (11/19)
免疫力と体温と癌 by satorich (11/12)
ファン
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。