2016年11月20日
ビルの高層化に伴うエレベーターの高速化競争
現在世界中で高層ビルが建築され、それに伴い設置されるエレベーターも高速化している。
一般的なマンションのエレベーターの速度は分速30〜60mだが、高層ビルとなると分速100〜150m位、早いのは350mもある。
したし最新の超高層エレベーターの速度はなんと分速1200mを超えるものが設置されようとしているのだ。
以下の表の様に最近の世界のエレベーターの高速化競争は日本のメーカー(東芝、日立、三菱)によって行われている。
<現在のエレベーターの上昇速度順位>
1位 台北101(台湾)(分速:1010m、建物の高さ:509m、2004年、メーカー:東芝)
2位 横浜ランドマークタワー(分速750m、建物の高さ296.3m、1993年、メーカー:三菱電機)
3位 東京スカイツリー(分速600m、建物の高さ634m、2012年、メーカー:東芝)
3位 サンシャイン60(分速600m、建物の高さ239.7m、1978年、メーカー:三菱電機)
3位 高雄85ビル(台湾)(分速600m、建物の高さ378m、1996年、メーカー:三菱電機)
3位 上海環球金融中心(中国)(分速600m、建物の高さ492m、2008年メーカー:日立)
3位 ブルジュ・ハリファ(U.A.E ドバイ)(分速600m、建物の高さ828m、2010年、メーカー:OTIS)
3位 広州タワー(中国)(分速600m、建物の高さ600m、2009年、メーカー:OTIS)
上表で判る通り、現在、世界一速いエレベーターの速度は、台湾台北市の「台北101」(地上高さ509m、101階)に設置された東芝製で分速1,010m(時速60.6km)。
この速さは地上1階から89階までをわずか”39秒”つまり「1分間に1キロメートル以上移動(上昇)する」
2004年、イギリスのギネス社により、「世界最速クラスのエレベーター」としてギネスブックにも認定された。
しかし上記表トップの分速1010mは今年中に三菱と日立のエレベーターで塗り替えられる。
三菱電機は、最近完成した中国上海市の「上海中心大厦(上海タワー)」(地上高さ632m、128階)に分速1080m(時速64.8km)の高速エレベーターを納入した。
また、日立製作所(日立)は、2016年の開業を目指す中国広州市に建設中の「広州周大福金融中心」(地上高さ530m、111階)に分速1200m(時速72km)のエレベーターを納入する予定。
しかし三菱電機は2016年5月10日に世界最高速度となる分速1230m(時速73.8km)のエレベーター技術を開発したと発表し、この技術を7月中旬に「上海中心大厦(上海タワー)(632m)」に納入しているエレベーターの1台に適用させた。
私の理解の範囲内で言えば、2011年に上海タワーを受注した三菱電気が当時の最高速度を上回る分速1080mで設計したが、この5年の間に日立の上記の情報を知ってから何がなんでも世界一を目指すべく技術開発をし、
日立の分速1200mをほんのわずか上回る分速1230mのエレベータを開発してもとの分速1080mのエレベーターを1台だけ差し替えて世界一と言っている、という様な後出しじゃんけん的な感じがする。
数字的には確かに世界一ではあるが・・・。
どうせならもっと大幅な速度アップだったらと思われる。
いずれにせよ今後とも世界のエレベーターの高速化競争に注目してゆきたい。
(三菱、日立の競争はもちろん、外国勢の巻き返し等も)
ところで
これまで、エレベーターの速度は上昇速度だけについて述べてきたが下降速度は一般には話題にはならない。
漠然と上昇速度と同じと思っている人が殆どの為ではないだろうか。
実は下降速度はいくつかの制限があり、速度が上げられないのだ。
結論を言えば下降速度の最高速度は横浜ランドマークタワーの分速750mが今でも最高で、
中国の分速1200m級のエレベーターも下降速度は分速600mなのだ。
この理由は、上昇より下降の方が体への影響が大きい為下降速度は大幅に抑えられているため。
ビルの高さが高いほど上昇距離も長い為、速度は出しやすいが、上昇速度と同じにすると気圧の影響を受けるので
下降速度は落とさなければならない。
横浜ランドマークタワーの上昇と下降の速度が分速750mで同じというのは凄いことで、人間の体の気圧への対応を十分に計算された結果だそうだ。
更に
エレベーターにはもう一つの競争がある。それは運搬性能つまり一度に運べる人数の最大化だ。
これまで国内で最大だったのは大阪・梅田地区の「梅田阪急ビル オフィスタワー」に納入した80人乗りだったが、
今年10月東京港区六本木に全面開業したオフィスビル「住友不動産六本木グランドタワー」に納入された東芝製90人乗りが、今の所国内最大だ。
東芝はスピード競争ではなく、大量輸送の方に発展の向きを変えたようだ。
今後もビルの高層化、大型化とともに、エレベーター技術の発展にともなって、更に高速、大容量、高性能なエレベーターが開発されて行くものと思われるので、新規エレベーター情報に注目して行きたい。
一般的なマンションのエレベーターの速度は分速30〜60mだが、高層ビルとなると分速100〜150m位、早いのは350mもある。
したし最新の超高層エレベーターの速度はなんと分速1200mを超えるものが設置されようとしているのだ。
以下の表の様に最近の世界のエレベーターの高速化競争は日本のメーカー(東芝、日立、三菱)によって行われている。
<現在のエレベーターの上昇速度順位>
1位 台北101(台湾)(分速:1010m、建物の高さ:509m、2004年、メーカー:東芝)
2位 横浜ランドマークタワー(分速750m、建物の高さ296.3m、1993年、メーカー:三菱電機)
3位 東京スカイツリー(分速600m、建物の高さ634m、2012年、メーカー:東芝)
3位 サンシャイン60(分速600m、建物の高さ239.7m、1978年、メーカー:三菱電機)
3位 高雄85ビル(台湾)(分速600m、建物の高さ378m、1996年、メーカー:三菱電機)
3位 上海環球金融中心(中国)(分速600m、建物の高さ492m、2008年メーカー:日立)
3位 ブルジュ・ハリファ(U.A.E ドバイ)(分速600m、建物の高さ828m、2010年、メーカー:OTIS)
3位 広州タワー(中国)(分速600m、建物の高さ600m、2009年、メーカー:OTIS)
上表で判る通り、現在、世界一速いエレベーターの速度は、台湾台北市の「台北101」(地上高さ509m、101階)に設置された東芝製で分速1,010m(時速60.6km)。
この速さは地上1階から89階までをわずか”39秒”つまり「1分間に1キロメートル以上移動(上昇)する」
2004年、イギリスのギネス社により、「世界最速クラスのエレベーター」としてギネスブックにも認定された。
しかし上記表トップの分速1010mは今年中に三菱と日立のエレベーターで塗り替えられる。
三菱電機は、最近完成した中国上海市の「上海中心大厦(上海タワー)」(地上高さ632m、128階)に分速1080m(時速64.8km)の高速エレベーターを納入した。
また、日立製作所(日立)は、2016年の開業を目指す中国広州市に建設中の「広州周大福金融中心」(地上高さ530m、111階)に分速1200m(時速72km)のエレベーターを納入する予定。
しかし三菱電機は2016年5月10日に世界最高速度となる分速1230m(時速73.8km)のエレベーター技術を開発したと発表し、この技術を7月中旬に「上海中心大厦(上海タワー)(632m)」に納入しているエレベーターの1台に適用させた。
私の理解の範囲内で言えば、2011年に上海タワーを受注した三菱電気が当時の最高速度を上回る分速1080mで設計したが、この5年の間に日立の上記の情報を知ってから何がなんでも世界一を目指すべく技術開発をし、
日立の分速1200mをほんのわずか上回る分速1230mのエレベータを開発してもとの分速1080mのエレベーターを1台だけ差し替えて世界一と言っている、という様な後出しじゃんけん的な感じがする。
数字的には確かに世界一ではあるが・・・。
どうせならもっと大幅な速度アップだったらと思われる。
いずれにせよ今後とも世界のエレベーターの高速化競争に注目してゆきたい。
(三菱、日立の競争はもちろん、外国勢の巻き返し等も)
ところで
これまで、エレベーターの速度は上昇速度だけについて述べてきたが下降速度は一般には話題にはならない。
漠然と上昇速度と同じと思っている人が殆どの為ではないだろうか。
実は下降速度はいくつかの制限があり、速度が上げられないのだ。
結論を言えば下降速度の最高速度は横浜ランドマークタワーの分速750mが今でも最高で、
中国の分速1200m級のエレベーターも下降速度は分速600mなのだ。
この理由は、上昇より下降の方が体への影響が大きい為下降速度は大幅に抑えられているため。
ビルの高さが高いほど上昇距離も長い為、速度は出しやすいが、上昇速度と同じにすると気圧の影響を受けるので
下降速度は落とさなければならない。
横浜ランドマークタワーの上昇と下降の速度が分速750mで同じというのは凄いことで、人間の体の気圧への対応を十分に計算された結果だそうだ。
更に
エレベーターにはもう一つの競争がある。それは運搬性能つまり一度に運べる人数の最大化だ。
これまで国内で最大だったのは大阪・梅田地区の「梅田阪急ビル オフィスタワー」に納入した80人乗りだったが、
今年10月東京港区六本木に全面開業したオフィスビル「住友不動産六本木グランドタワー」に納入された東芝製90人乗りが、今の所国内最大だ。
東芝はスピード競争ではなく、大量輸送の方に発展の向きを変えたようだ。
今後もビルの高層化、大型化とともに、エレベーター技術の発展にともなって、更に高速、大容量、高性能なエレベーターが開発されて行くものと思われるので、新規エレベーター情報に注目して行きたい。
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