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「右利き」誕生は約180万年前? 初期のヒト属の化石から証拠見つかる

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人類が左手よりも右手を好んで使用するようになったのは、今から約180万年前だった可能性がある――化石の分析から「右利き」の起源に迫る調査結果が、米カンザス大学やコロンビア大学、南アフリカのウィットウォータースランド大学進化学研究所、伊ルイージ・ピゴリーニ国立民俗博物館、スペインのバルセロナ大学などの研究チームによって発表された。

研究チームは、1995年にアフリカのタンザニア、オルデヴァイ渓谷で発見された、180万年前の「ホモ・ハビリス」というヒト属の化石「OH-65」の分析を続けていた。

ホモ・ハビリスは240〜140万年前まで存在していたヒト属。現生人類の祖先と同じく「アウストラロピテクス」から枝分かれしたと考えられ、頭蓋骨の化石調査から、脳の構造などは現生人類とほぼ同じであったとされている。

今回の調査では、ほぼ無傷だった上部顎を調査。すると、前歯上部の前面(唇側)に、肉眼でも確認できるほどの縦方向の縞模様が確認された。顕微鏡で詳しく分析したところ、ほとんどすべての縞模様が、左上から右下に向かって流れていることが判明した。

模様は非常に深く細かいことから、食物による傷ではなく、石に擦られて生じたと考えられ、主任研究者であるカンザス大学のデビッド・フレイヤー名誉教授は、OH-65が口に肉などを入れ、歯で噛みながら左手で引っ張り、その間に右手で石器を使用して食物を切り取ったときに、歯も擦ってしまったと推測している。

統計によると現生人類の90%は右利きとされているが、類人猿では右利きと左利きはほぼ50:50とされており、右利きの起源を探ることは、現生人類誕生の解明につながる可能性もある。

フレイヤー教授は「手の動きと言語は、どちらも脳の左側に由来する機能であり、両者の間には弱い関係があることから、利き腕の概念の確認は、初期人類の言語能力解明も期待できる」ともコメントしている。




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