2018年01月04日
75年間の壮大な調査で判明 人間が最後に幸福を感じるために必要なもの
あなたが幸福になるために追い求めているものは何だろうか?お金、キャリア、名声などの項目が挙がるかもしれない。そして現在も、それらを手に入れたり維持したりするために日々努力を積み重ねている人もいるだろう。
しかし、人が幸福になるためにはもっと他のものが影響しているようだ。
□研究で分かった人生の健康や幸福になるための要素
米ハーバード大学で健康と幸福に関する長期の研究が行われている。研究では、男性724人に対し、家族歴、生活状況、健康などに関する大規模な追跡調査が75年間行われた。
研究結果によれば、80歳になったときの体の健康や幸福度を左右するのは、「親密な人間関係を持っているかどうか」ということだと分かった。
さらに、50歳代の人間関係が濃密であるほど、80歳代の健康や幸福な状態である割合が高いとしている。逆に人間関係が希薄で孤立している人は、認知症や病気にかかりやすく、幸福度も低くなった。
□健康や幸福に役立つ人間関係とは
人間関係は、人生の困難な状況において、クッションのような緩衝作用を発揮するという。もちろんその人間関係は、良好なものでなければならない。不穏な関係はかえって精神的ストレスの原因になり、健康を害する原因となる。
ちなみに良い人間関係とは、必ずしもパートナーがいなくてはならないとか、付き合いが広ければ良いというわけではないという。家族や友人、地域のコミュニティなど相手が誰にしろ、信頼でき助け合うことができる関係だ。
□人間関係が健康に及ぼすこんな研究も
米ノースカロライナ大学の社会的つながりと病気の関連を調査した研究がある。
人間関係の「広さ」は、若年期と老年期の健康維持に、人間関係の「質」は、働き世代の健康にかかわっていることが分かった。
たとえば、若年期に孤立すると、運動しないのと同程度の健康リスクを生じ、老年期では高血圧や糖尿病などのリスクが上がるという。また中年期に社会的なサポートを持つ人は、肥満になりにくくなるそうだ。
□しばらく連絡をとっていない家族や友人に声を
良い人間関係を築くことは難しいと思われがちだが、本当はもっとシンプルなものだ。しばらく連絡を取っていない家族に電話してみたり、パートナーや友人といる時間はそれに集中するなど、些細なことから始められる。
もしあなたが将来の幸福や健康を願うのなら、まずは身近な人間関係を良くすることに努めると良いだろう。