2018年01月08日
「ため息」はもはや悪者ではない!意図的につけばモチベーション向上に
「ため息をつくと幸せが逃げる」の言葉もあるように、ため息は一般的にマイナスのイメージで捉えられることが多い。しかし、実は必ずしもそうではなく、ため息に深呼吸や複式呼吸と同じようなリフレッシュ効果が認められたという。意外にも、ため息にはプラスの効果もあるのだ。
□ため息はストレスサイン
一般的に、ため息はストレスを抱えているサインと見られている。
例えば、仕事でうまくいかず肩を落としたときなどに、がっかりして思わずため息をついてしまうこともあるだろう。また、ため息の回数増加はうつ病の初期症状のサインであるともされている。
しかし、実際のところため息が原因でストレスになるわけではない。ストレスを抱えているからこそため息をつくのであって、ため息自体が悪者ということではないだろう。ため息は、ストレスが表に現れ出た症状で、ストレスから心身を解放するための、ある種の生体反応の一つともいえる。事実、ため息には体にとってプラスの作用があることが報告されているのだ。
□意識的にため息をつくことでリフレッシュできる!?
関西大学で、ため息の心理学的作用についての研究が行われた。被験者は58人の学生で、一つは「ため息」グループ、そしてもう一つは「通常呼吸」グループの2つに分けられた。
被験者には認知課題が出され、「ため息」グループでは認知課題を行う前に、意識的にため息をつくように指示された。その結果、「ため息」グループは「通常呼吸」グループよりも積極的に、難しいパズルの問題や単調な課題を続けることができたという
研究グループはこの結果から、ため息には仕事に対するモチベーションを上げる働きがあると推測し、意識的にため息をつくことでリフレッシュ効果が認められるとしている。
□ため息=大きな吐息でリラックスを
ため息とはいわば「大きな吐息」だ。大きく息を吐く行為には、深呼吸や複式呼吸のように、神経の高ぶりを抑えてリラックスさせる効果がある。大きく息を吐くことで、より多くの酸素を取り込むことができ、内臓の働きや血行を活発にする。そして、疲労回復に効果があることも提唱されている。
ため息は、それ自体が体に悪いものではない。むしろ、体にとっては良いものと考えられる。しかし、ため息にプラスの効果があるとはいえ、人との会話中にため息をついたりすると、相手にいい印象は与えないだろうし、失礼にもなりかねない。
ため息をつくときはTPOを考えて、できるだけ大きく深呼吸するように思いきりするのがよいだろう。