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2020年08月26日

ハンドボールも無事再開(八月廿三日)



 サッカーとは違って、途中でリーグ戦を打ち切って終了にしてしまったチェコのハンドボール界だが、九月からのシーズンはどうなるのだろうと考えて、協会のホームページを覗いたら、見違えるほど変わっていた。ページの一番上には、にこにこと笑っている男の人の写真があって、どこかで見たことがあると思ったら、かつて代表でセンタープレーヤーとして活躍したアロイス・ムラースのインタビュー記事だった。
 それによると、これから始まる新シーズンで、世界最高のリーグであるドイツリーグで、三人ものチェコ人監督がチームの指揮を執ることになったというので、そのうちのムラースが登場したのである。他の二人は、現役時代に全盛期を過ごしたキールで、引退直後に就任したコーチから昨夏監督に昇格して途中で終わったけどチームを優勝に導いたフィリップ・イーハと、2014年のチェコ代表監督就任と同時にドイツの2部のチームで監督を始めて、この夏1部のチームに移ったダニエル・クベシュである。

 二人が最初から男子チームのコーチ、監督から始めたのに対して、ムラースは最初は女子チームの監督だったという。ドイツの5部リーグにいたチームを3部にまで引き上げたところで、別の男子チームのコーチ兼、ジュニアチームの監督に移り、その仕事が評価されて、2部から昇格したチームの監督に迎え入れられたらしい。本人は、監督としてのキャリアは対照的だけど、我々三人ともセンタープレイヤーで、試合全体を見通しながらプレーしていたのが監督業に役に立っているとか言っていた。
 チェコ代表では、どちらかというと目だたいない存在だったムラースが、少しずつキャリアを積み上げてドイツ1部のチームの監督にまでなったのは素晴らしいことである。ムラースの話では、ドイツ以外で、三人も1部の監督を出している国はないのだとか。チェコのハンドボールの指導者たちも捨てたものではないのである。

 それはともかく、すでに9月からのシーズンの試合のリストのようなものも掲示してあって、日付はわからないけれども、リーグが開催される方向で準備が進んでいることをうかがわせる。さらに下のほうまで目を通すと、SNSのハンドボールというコーナーがあって、その記事から女子のカップ戦の準決勝以上が、行われているらしいことがわかった。
 それで、該当する記事やページを探してみたら、この週末を使って、なぜかクトナー・ホラで、土曜日に準決勝、日曜日に決勝と三位決定戦が行われることになっていた。最近はやりの「ファイナル4」とかいう形式の開催だが、これが予定通りだったのか、武漢風邪で打ち切りになったシーズンの特例だったのかはわからない。準々決勝まで終わっていたから、こんな形で実施することができたのだろう。男子の方はそこまで進んでいなかったのか、試合が行われるという情報はどこにもない。

 準決勝に進出したのは、我らがオロモウツと南ボヘミアのピーセク、オストラバのポルバと北ボヘミアのモストだった。スラビア・プラハがいないのがちょっと不思議だったけど、カップ戦はリーグ戦と違ってメンバーを落として下位のチームに負けることもあるからなあ。土曜日の準決勝はオロモウツとモストが勝って決勝進出を決めた。モストは最近は毎年決勝に出ているけど、オロモウツの決勝進出は久しぶりのような気がする
 決勝ではオロモウツは終盤まで接戦を演じたようだけど、最後に突き放されて準優勝に終わった。残念ではあるけど、今のオロモウツがモストに勝てるとも思えない。三位決定戦はオストラバの予想通りポルバが勝って、地域的に見ると、上からボヘミア、モラビア、シレジア、ボヘミアとバランスのいい順番になった。

 そして、今月末からは女子のスロバキアと合同のインテルリガが始まり、9月の初めからは男子の一部、エクストラリガが始まるようである。開催の可否の基準は、おそらくサッカーに準じると思われるが、財政基盤の弱いハンドボールであれだけの検査が実施できるかどうかはちょっと心配。
2020年8月24日15時。










タグ:オロモウツ
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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