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2020年08月21日
武漢風邪対策また大混乱(八月十八日)
八月も半ばになって、夏休みの終わりが近づいてきたこともあって、政府主導の武漢風邪感染対策にもまた大きな変化がみられるようになった。妥当だと思われるものもあれば、何で今さらと言いたくなるものもあるのだが、とりあえずは、喜ばしいほうから始めよう。
先日もサッカーのスラビアを例に、このままではリーグ戦がまともに開催できなくなるというようなことを書いたが、スポーツ界が動いた。その結果、リーグ運営マニュアルというか、各チームに対して、感染者が出た際にどのような対応を取るべきなのかをまとめたマニュアルが作成され、感染者が出たら、即時にチーム全体が隔離されて活動を停止するというルールは撤廃された。
現時点ではサッカーとアイスホッケーのプロリーグ、恐らくは一部と二部が対象となっているが、順次対象となるスポーツを広げ、最終的にはすべてのスポーツで、一番上から一番下までのリーグで適用されることを目標としていると国会議員になってしまった、アイスホッケーの元チェコ代表のゴールキーパーが語っていた。フリニチカだったっけ。スキーのジャンプのヤンダも国会議員になったけど、元スポーツ選手の国会議員ってのはどうなのかね。
それはともかく、このルールの改定のおかげで、新シーズンが無事に開幕し、最後まで開催される可能性が高くなった。ハンドボールも少しはテレビで見られそうだ。サッカーのような屋外競技とは違って屋内競技だから、観客を入れる際に制限は厳しくなるだろうけど、もともと何千人も客が入るスポーツではないから、そこまで気にしなくてもよかろう。
いいのか悪いのかよくわからないのが、義務教育レベルの授業に関して、登校ができなくなった場合に実施されるオンライン授業が義務付けられたことである。春から行われていたオンライン授業は緊急だったということもあって、義務ではなく希望者のみが出席すればいいことになっていて、学校の成績には反映されないことになっていた。それもどうかと思うけどさ。
それがこの九月から始まる学期からは、オンラインに授業が移行した場合には、出席が義務となり、成績にも反映されることになった。チェコはネットへの接続環境はそれほど悪くないのだが、すべての子供がいる家庭で問題なくオンラインで授業が受けられるとは限らないし、複数の子供がいる場合に、PCの数が足りなくて同時に授業が受けられないなんて事態も発生しそうだ。
チェコに国産のコンピューターメーカーがあれば、国費で大量に購入して子供がいる家庭に配布するなんて手も、国内企業の支援と雇用対策を兼ねて行えるのだろうけど、現状でそれをやると喜ぶのは外国企業だけということになるからなあ。ネット環境の更なる整備も、田舎の地方自治体が補助金もらってやってたりするけど、ただでさえ足元見られて割高の契約を結ばされているところが多いから現状でやるのはまずいよなあ。
一番いいのは、仮にマスクの着用の義務とか、制限が科されるにしても、例年通り九月一日から学校で普通に授業が行われることである。文部省と厚生省の話し合いで作成されたマニュアルも配布されて、当然とはいえ、感染者が出た場合の対応など、春の対策よりははるかにまとまっていてわかりやすいと好評である。武漢風邪対策としてうがい手洗いの励行とマスクの着用を徹底すれば、普通の風邪やインフルエンザ対策にもなって、怪我の功名なんてことになるかもしれない。
そうなのである。学校は通常通り授業が行われることになったが、教室外ではマスクの着用が義務付けられた。これは学校だけでのことではなく、自宅、職場以外の屋内と公共交通期間内では、9月1日からマスクの着用が再び義務化されることになった。昨日の政府の記者会見で発表されたのだが、突然の決定だったのと、これまでは、感染状況は特に問題のあるものではなく、国全体にかかわる規制は導入しないと説明されていたのとで、混乱と批判を呼んだ。
現時点でマスクの着用が義務化されているフリーデク・ミーステクでは、状況が改善に向かったことで明日、水曜日にマスク着用の義務が撤廃されることになっているのだが、義務の軽減は二週間弱で終わることになった。地方レベルでの感染対策と、国家レベルでの対策が、うまく連携していない印象を与える。いや、恐らく、規制の再強化はバビシュ首相の鶴の一声で決まったんじゃないかとまで考えてしまう。厚生大臣も辞任を批判をあびて辞任を求められることも多いが、辞任しても次の引き受け手がいなさそうである。そんな感想を、以前自らも医師である上院議員が述べていた。
チェコの厚生省では、チェコ国内の各旧オクレスを単位にして、信号機風に危険度に応じて色分けするというのを始めている。ほぼ問題がない地区は白で、多少問題があるのが緑、危険度が上がると、黄色、赤と変わっていく。その地図によれば、現在色がついているのはプラハと、フリーデク・ミーステクだけで、それも緑色。この状態で規制を強化するというのは、こんな地図を作成する意味がないじゃないかという当然の批判が出ている。
夏休みに入るころから、感染者の絶対数ではなく、人口十万人当たりの数で感染状況が紹介されることが増えているのだが、これも、大都市、とくにプラハの感染者が多いのを隠す目的があるようにも思われる。カルビナーで千人を越える大規模集団感染が発生してなお、感染者の絶対数ではプラハの方が倍近く多いのである。それが見えなくなる発表の仕方には、恣意を感じてしまう。カルビナーだけでなく、モラビアシレジア地方全体なら、プラハよりも多くはなるのだけどさ。
夏休みの間は、感染の危険性があって感染者の数が増える恐れがあっても、観光業を支援するために、あちこち出かけやすいようにしておいて、夏休みが終わったら観光業よりも感染の拡大防止を優先して規制を強化するというのなら、それはそれでかまわないと思うのだが、そんな説明は全くなく、突然の規制の強化には反発を感じる人も多くなりそうだ。
2020年8月19日10時。
具体的にどこでマスクの着用が義務化されるのかについて、二転三転していて、いったいどうなることやらである。最初はレストランは義務化しないと言っていたのに、翌日にはやっぱり義務化するとなって、今日になって、首相との会談でやっぱりしないことになった。8月20日追記。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/