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2020年08月25日

感染者は監督?(八月廿二日)



 木曜日の時点で開催が危ぶまれていたプルゼニュとオパバの試合は、三回目の検査の結果が出て開催されることが最終的に決定したのは、試合開始の三時間前だったという。金曜日の午前中に陽性の選手が出たというニュースが流れたオロモウツの場合には、その日の夜遅くには二度目の検査の結果が出て開催が決まったから、混乱は小さかったはずだ。ただ試合を見るためにスタジアムに出向いた観客は混乱したに違いない。
 本来ならチームを指揮しているはずのラータル監督と、コーチの姿がなかったのである。GMを務めるミナーシュが数年ぶりの現場復帰で代理を務め、監督とコーチは病欠と発表された。オロモウツで感染が明らかになったのは選手一人と、チームスタッフ二人、大事開幕戦で監督とコーチの二人が不在だということは、恐らく陽性の判定が出たのはこの二人だったのだろう。

 チェコでは感染者の実名は、プライバシーを尊重して、本人が希望したり取材に応じたりしない限り報道されることはないから、現時点では憶測に過ぎないけれども、いずれは監督本人がインタビューであれこれ語ってくれるに違いない。こういう経験は、他のチームでも監督が感染するという可能性はあるわけだし、広く共有して次に生かしていく必要があるものだからさ。
 試合のほうは、前半の得点を守りきってシグマが勝った。後半PKを取られたけど、リベレツの選手が失敗してくれたおかげである。それに加えて、リベレツのフロマダはシグマ側に退場モノの行為があったのに審判が見逃したとかいっていた。今シーズンはほぼ全試合でビデオ審判が置かれることになっているはずなのだけど、この試合はどうだったのだろう。まあ、オロモウツが勝ったから問題はない。

 昨日の夜の時点で、プラハの保健所の指示でチーム全体が活動停止に入ることが決まったようなことが言われていた、4人もの陽性者を選手から出したボヘミアンズだが、チェコテレビも、放送予定だったカードを変更することを発表した後で、サッカー協会と保健所の話し合いがあったのか、再度検査を行って全員陰性だったら、試合が行われることになった。
 ボヘミアンズのほうはその二回目の検査で全員陰性という結果が出て、明日の試合が行なわれるのは確実化と思われたのだが、今度は対戦相手のムラダー・ボレスラフでも陽性の選手がいたことが明らかになった。こちらも再度全員の検査を行って、その結果で最終的に試合開催の是非を決めることになるようだが、チェコテレビでは、再度予定を変更して、当初の予定通りボヘミアンズとボレスラフの試合を放送することになっている。

 さらに日曜日に試合を行うことになっているチームの中で、バニーク・オストラバと、チェスケー・ブデヨビツェでも検査で陽性の選手が一人ずつ出た。この二チームも土曜日中に二回目の検査を受けて、陽性だった選手を除くと全員が院生であることが確認されたため、日曜日の試合は予定通り行なわれることになっている。
 今シーズンは、いつもより2チーム多くて、全部で18チームのうち、すでに7チームが感染者を出している。昨シーズン末のカルビナーとオパバを入れれば、半数の9チームになる。週に一回以上のペースで全員検査をしていれば、間違いも含めて陽性になる選手は今後も出続けるに違いない。十二月半ばの中断前までに、感染者ゼロというチームが残っているだろうか。2部のチームやアイスホッケーのチームでも感染者が出ているところがあるし、試合の内容や結果よりも、開催されるかどうかが気になってしまう。

 今日は午後からは自転車のロードレースのチェコ選手権(スロバキアと共催)を見ていたのだが、来週から始まるツール・ド・フランスでは、感染選手が二人出た時点でチーム全体が出場を禁止されることになっているなんてことを言っていた。ツールへの出場が決まっているクロイツィグルとサガンは、感染の危険を減らすためにチームから出場を禁止されたのだとか。全チーム最後まで走りとおせるといいのだけど、むずかしいだろうなあ。
2020年8月23日10時。











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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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