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2020年04月25日
自宅監禁日記(四月廿二日)
今日届くかなと思った買い物は届かなかった。夕方になって、メールで配達業者から荷物を受け取ったので、近日中に配達するという連絡が入った。届くのは明日か明後日か。金曜日に届くのは午前中に予定があるから、好ましくないのだけど、荷物受け取るぐらいだったら問題ないかな。問題は荷物を受け取りに降りるのにマスクが必要かどうかだけど、マフラーでごまかそう。
チェコの社会では、政府が発表した規制の解除のスケジュールについて、遅すぎるという批判の声が日に日に大きくなっている。感染者の数も、犠牲者の数もチェコよりも多い国々でも、規制の解除が始まっている中、非常事態宣言と国境の封鎖では果断な拙速とも批判されかねない早目の決定した際とくらべると、規制の解除に向けての政府の動きは迂遠なものに見えてしまうのだろう。
伝染病の専門家たちが危険性を強調して、慎重な姿勢になるのは医師として当然のことだろうが、国家を維持していくためには、いつまでも経済活動を制限しているわけには行かない。病気のリスクを考えつつ規制をどのように解除していくかは政治家が判断しなければならない。感染者がなくなるまでとか、全国民を検査するまで解除しないというのであれば、政治家なんて必要ない。
ヨーロッパではすべての国で厳しい外出制限や店舗の営業禁止が実施されているものと思っていたら、スウェーデンでは以前のイギリスと同じような対策をとっているようで、レストランなども通常通りの営業を続けていて、規制されている大人数の人の集まるイベントも、解禁が近く、すでにサッカーリーグの再開の日程も決まっているという。
この手の規制は、非常事態宣言もそうだけど、導入よりも解除のほうが難しいものだ。だから、チェコの政府が専門家の意見に基づいて慎重な姿勢をとるのも理解できるし、産業界がより早い規制の解除を求めるのも、チェコ経済の現状を考えると納得できる。この二つの意見の間で落としどころを見つけるのは大変そうである。日本を見ると……。
ところで、四月末で終了する現在の非常事態宣言を延長するかどうかを巡って、政治家たちの、特に与党内の駆け引きが激しくなってきている。バビシュ首相を中心とするANOの閣僚達は、これ以上の延長は必要ないと言い、内相で対策本部の長を務めるハマーチェク氏と社会民主党の大臣達は、延長を求めて動いている。
延長不要論は、非常事態宣言が解除されても、外出禁止などは継続するのだから、コロナウイルス対策に変化はないと言うものである。言い換えれば現在の対策は非常事態宣言が前提のものではないと言うことになる。そこで疑問は、それならどうして一度延長する必要があったのかというものである。最初の延長時に野党が何のために非常事態宣言が必要なのかと批判していたけれども、あのときはどんな理由で延長を押し切ったんだったか。最近感染者の増加数が減る傾向にあり、完治者の方が多く、感染中の人の数が減り始めているのが、非常事態宣言の延長を求めない理由になっているのだろうか。
社会民主党のハマーチェクが延長を求めるのは、現時点ではコロナウイルスの流行が終わっていないことと、医療物資などを内務省が入札なしで集中的に購入し必要に応じて配布するシステムが使えなくなることが理由とされている。このぐらいは非常事態宣言が出ていなくても可能だろうと思うのは、こっちの政治がよくわかっていないからだろうか。
これに対してANOは、中国から次々に運び込まれる物資の集積が進んで、医療機関などにはすでにかなりの備蓄ができているから、購入システムが理由なら延長は不要じゃないかとか言っている。それに、ANOが非常事態宣言解除後も一括購入のシステムは残せばいいじゃないかと提案したのには、ハマーチェク氏が内務省の責任で行うことを拒否したらしい。
これはウイルス騒動が収束の気配を見せ始めたことで、またぞろ醜い政治的な争いが始まったと見てよかろう。これまでなすことなく大人しかった野党も本格的に政権批判を始めたし、ここでポイントを稼いでおかないと次の選挙で凋落するのは目に見えているから、ANO以外の政党も必死である。ANOは現在の危機に政権にあることを十分以上に活用して支持を集めているから、今更あせる必要はない。そのやり口に目を顰める人たちがいるのも確かなことではあるけれども。
2020年4月22日24時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
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