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2020年04月21日

自宅監禁日記(四月十八日)



 この日記もどきを始めて何回目かの週末がやってきた。カレンダー上は週末で、出来るだけ仕事はしないように意識するとはいうものの、平日と過ごし方自体はあまり変わらない。休日が平日化したと言うよりは、普段から休日は外に出ないことが多いから、平日が休日化したといったほうがいいか。夏休みのような長期の休みと同じだと考えようにも、仕事の、山ほどはないから、小さな丘がその考えを否定する。
 日本で安倍首相の発案で、実は官僚のアイデアかも知れんけど、各家庭にマスクを二枚配布することになったなんてニュースに何かの悪い冗談だろうと思ったのは四月の初めのことだったと記憶するが、実際に配布されたのかどうかは知らなかった。それが今日、配布されたマスクが小さすぎて使い物にならなかったというニュースが流れた。マスクがないと騒いでいるからみんなに配ってしまえという冗談みたいな政策は、冗談以下の結末を迎えたのである。

 結局、日本政府に欠けているのは、自分たちが責任を持って対策を決めて実行するという強い意思なのだろう。だから、たかだかマスコミの素人どもの叫びに答えて緊急事態宣言を、実際にどんな対策をとるのかも決めないままに、出してしまうのである。収入が減った家庭にお金を出すという話が、すべての人にということに変わってしまったのも、ケチだと批判されたからだと考えると、こんな政府で日本は大丈夫かと心配になる。建設的な批判のできないマスコミ側の無能さもひどいものだしさ。
 こういうお金を出すのは、経済を破綻させないためなのだから、個々の家庭に金を出しても仕方がない。企業の業績が悪化して倒産したり従業員を大量解雇したりするのを防ぐのが最大の目的のはずである。だから、まともな経済対策をしている国は個人に支援するのではなく、企業に対して人件費を肩代わりするような政策を取っている。個々の家庭の経済状態が一時的に改善しても、その後仕事を失ったのでは、支援金を出す意味などあるまいに。

 今日のニュースでは週末で行楽日和だったために、ジョギングやサイクリングに繰り出す人や、景勝地に足を伸ばす人が多いというニュースが流れた。この外出自体は問題にはならないのだが、問題はマスクをしていない人の姿がちらほら見かけられることで、警官の仕事が増えているようだ。自治体によっては、外来者が町に入るのを禁止するために町の検問を設けて、居住者以外が街に入るのを拒否したところもあるという。

 昨日だったかな。夕食後にうちのがネットで演劇の公演を見ていた。観客を集めての公演どころか、役者たちが集まることも禁止されている劇場では、過去の公演を撮影したものを、時間を指定してネット上で中継しているところがあるのだ。先週は「チェトニツェー・フモレスキ」でザハールカ役を演じていた俳優が主役を勤めたロシアの演劇を流していたので、一緒に見たのだけど日本語でも芝居の台詞は聞き取りにくいのに、チェコ語でとなると部分的にしかわからなかった。作品は「パベル1世の死」だったかな。知らない作品なので、登場人物の誰が誰なのかよくわからなかったのが一番つらかった。
 公演を禁じられた劇場の中には、オーケストラがオンラインでチャリティーコンサートを開催しているところもあるし、それが直接収益にはつながらなくても、色々工夫して活動を継続している。この手の劇場の多くは国や地方自治体の援助で経営が成り立っているから、入場料収入がなくなっても経営が成り立たないと言うことはない。入場料収入で外国から客演してくれる人を呼ぶと言っていた劇場長もいたが、この騒ぎで招聘自体ができないのだから、そこまで大きな問題にはならないはずである。だから、社会貢献のためにいろいろ工夫しているのである。

 歌手の中には、外出禁止で外に出られなくなった高齢者が住む団地まででむいて、出前コンサートを行っている人もいる。高齢者にはパソコンは苦手と言う人も多いだろうし、生で聞く音楽は格別だと考える人もいるはずだ。ニュースでは音楽をきいて涙を流しながら拍手をする人の姿が流されたが、音楽そのものに感動しただけではなく、社会から見捨てられていないことを確認できた喜びも大きかったのだろう。
2020年4月19日15時。






https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/








posted by olomoučan at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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