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2020年04月02日

自宅監禁日記(三月卅日)



 朝起きたら、ラジオのニュースで、リトベルとウニチョフ地区の閉鎖が延長されることなく終結したというニースが流れているのを、寝ぼけ頭で聞いた。起きたのは7時前、先週までの時間だと6時前ということになるから、久しぶりの超早起きである。今週は、夏時間一週目で多分体調はよくないままだろう。
 ゴミがたまっていたので、ごみ捨てで何日かぶりに家を出る。通りを歩く人の数は、それほど多くない。前回出たときは、指定された時間に買い物に向かうお年寄りをちらほら見かけたのだが、今回はいなかった。時間が違ったのか。普段職場に向かう時間と同じぐらいの人通りだったと言っていいか。

 後でテレビのニュースで聞いたところでは、リトベルとウニチョフ地区の閉鎖が解かれた理由として、公式には感染の経路がほぼ完全に確定できたことが上げられていた。でも、延長されたら地区の人たちの精神の安定に大きな悪影響を与えることも考慮されたのだと思う。非常事態宣言下で外出禁止されているだけでも、気が重いのに、その上に閉鎖措置も加わったらと思うとぞっとしない。
 ただ、当初の千人単位で感染者が出る恐れがあるというのは、今のところ杞憂に終わっていて、出張検体採取所を軍が設置して、地区の人たちを優先的に検査しているわりには、感染者の数は増えていないようにも思える。今日の時点で、この二つの地区だけで、120人ぐらいというのは、人口一万人あたりにするとリトベル地区が35人、ウニチョフ地区が18人ほどで、これはプラハよりもはるかに高い数字になっている。

 コーヒーを飲んでから、仕事開始。今日はビデオ会議がないので、一日中文書の処理。そこの抜けた柄杓で水を汲むようなむなしさに、すべてを投げ出したくなる。隣の部屋で仕事をしているうちのもあれこれいらだつことがあるのか、こちらまで聞こえてくるような声で罵りの言葉を投げている。別の部署のアホからすでに何年も前に提出した情報を再度まとめて提出することを求められたのだとか。これもまた、自宅待機やら在宅勤務の弊害である。することのないアホが余計な仕事を増やすのだから。
 オンラインで在宅勤務というのは、使用するソフトが問題なく使え、ネットの回線が安定していることが前提となる。それがないものねだりなのはいうまでもないことで、頻繁に保存していかないと書いたものが、時間をかけて書いたものが消えてしまうことになるし、オンラインでビデオ会議をしていても、相手が何言ってるかわからず、こちらの言っていることもわかってもらえないということになってストレスがたまる。

 これもまた在宅勤務が職場に出ての仕事よりも疲れる理由のひとつだけど、今日は特にPCかソフトの調子が悪いようで、うちのの罵りが響く機会が多い。こっちは、問題が起こると、罵りの言葉を投げるよりは、PCの電源を落として、しばらく休ませるという名目で休憩することにしている。頭に血が上った状態で仕事をすると間違いが増えるし、血圧も上がるような気がする。
 今回のコロナウイルス騒ぎで、高血圧の人も重症化しやすいというデータが出ているのはいいのだが、高血圧の定義もいろいろあるし、どのぐらいの値から危なくなるのか教えてくれんもんかと思う。知人は血圧200近くまで行っていたと言っていたけど、こっちはせいぜい140ぐらいのものである。このぐら一昔前には高血圧の範疇には入っていなかったような気もするんだけど。

 夜のニュースで嫌な話を聞いた。世界中のサッカーチームで、選手たちが給与の削減に賛成して、選手以外の仕事をしている人たちの雇用を守ろうとしているってのは、日本でも報道されているいいニュースなのだが、チェコのチームでも、選手側とチーム側で話し合いが行なわれて、合意がなされたところがいくつかある。チームによっては、チーム側が契約解除もちらつかせて圧力をかけたなんて話もなくはないのだけど、これはまだ許容範囲に収まる話。
 衝撃のニュースはスロバキアからやってきた。近年のスロバキアリーグで最強チームのひとつであるジリナが清算手続きに入ったというのである。リーグ戦の中断で入場料収入がなくなり、このまま行けば最大の収入源である選手たちの移籍金も入ってこず、経営していけないということでクラブをつぶす決断がなされたらしい。最終的にこの決断に至ったのは、選手たちの団体と給料の削減の話し合いで合意できなかったからだというけれども、チーム側から出されたのは80パーセントの削減と言うもので、とても飲めるものではなかったという話もある。

 そして管財人となった人物が、今年の夏、もしくは冬で契約が切れる選手たちに、15人ぐらいだったかな、契約解除を通告した。移籍させても金にならない選手に、今後いつ試合が再開されるか見通しの立たない状態で給料は払い続けられないということなのだろう。その結果、残ったのは若手を中心に契約が何年か残っている選手だけになったようだ。不思議なことに、清算手続きに入っていながら、リーグが再開された場合には残った選手を使って出場することは可能だという。
 チェコもスロバキアも、一部を除けば財政的には不安定なチームが多いから、今後もこういうことが起こる可能性は高い。ハンドボールのチームとか大丈夫なのかなあ。入場料収入は高が知れているだろうけど、閉鎖地区内のリトベルのチームとか心配である。
2020年3月31日10時。



https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/






posted by olomoučan at 06:57| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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