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2020年04月24日
自宅監禁日記(四月廿一日)
お昼時にテレビをつけて、チェコテレビが自慢をする「ウチーテルカ」という学校に行けなくなった子供たちに勉強させるための教育番組を目にすることがあるのだが、正直言ってあまり感心しない。時間的な制約や、人的な制約を考えるとしかたのない面もあるのだろうが、子供向けのチャンネルDと言いながら、教育番組に力を入れていないのがいけないのだ。
その点、日本のNHKは昔から授業で使えるような科目別の学習用の教育番組を作っていたから、レベルが違うはずである。久しぶりに見てみたいと思ったのだが、NHKはチェコテレビと違ってケチなので、放送中の番組をネット上で見られるのは、日本国内で受信料を払った人だけである。ニュースも細切れになったニュースは記事として見ることができるけれども、番組としてのニュースは視聴できない。
例外だったのは、東日本大震災のときで、あのときは24時間体制で放送されたニュースを特別に誰でも視聴できるようになっていた。それで、PCで仕事をしながら、耳で音声を聞いて、気になるニュースの場合には映像も見るという使い方をしていたのだが、その後はまた外国からは見られなくなってしまった、ヤフーのテレビ局のニュースの映像も国内でしか見られなくなっているものが多いし、口ではグロバールと言いながら、やっていることはせこいのが日本のマスコミなのである。
とまれ、教育テレビの番組の情報を求めてNHKのホームページを覗いてみたら、「NHK for school」というコーナーがあった。教育テレビで放送されている番組なのか、ネット専用の番組なのかは知らないが、小学生から高校生までの科目ごとの学習用の番組が色々見られるようになっていた。自分が子供のころに見たことのある番組がないかと探したのだが、そもそも番組の題名を知らないのだった。
下は小学校低学年向けから上は高校生向けまで、国語、社会、理科などの番組を中心につまみ食い的に見てみたら、過度のバラエティー化というNHKの劣化した部分が如実に現れていて、見ていられない番組も低学年向けを中心にいくつもあったが、真面目に丁寧に作られている、感動的なまでにすばらしい番組もあって、これこそがNHKの存在意義なのだと思わされた。ドラマとかバラエティーとかNHKのするべきことではない。
一番気に入って連続でいくつも見てしまったのが、「考えるカラス」という番組。対象は小学校1年生から高校生までと幅広い。どの学年で見ても、いや大人が見ても、それぞれの知的レベルに合わせて学べること、考えさせられることがありそうで、うならされてしまった。何より素晴らしいのは、完全な謎解きをしないことで、後は自分で考えたり、調べたりして答を出せと突き放している感じが心地いい。
優秀な先生がこの番組を使えば、考えることができる子供たちが集まっているクラスで条件をつけて、例のアクティブラーニングが成立するようにも思えた。ただ、同時に下手な先生が使うと考え方まで指導することになりそうで、子供たちの集まり方によっては、一人の子供が考えの最初から最後まで主導してしまいそうな恐れも感じた。この番組は、集団で見るのではなく、一人で見てああでもないこうでもないと頭をひねるのが正解なのだろう。そして自分なりの考えを持って先生に質問できれば最高である。
番組中の「考える練習」コーナーは、実験の結果を予想して、番組の最後で結果を見ることができるのだが、いろいろ頭をひねって予想しても、三つの選択肢の中から選ぶだけなのに、正しい答を選べることは滅多にない。最後の最後の途中までしかない実験の理論的な説明を聞いて、ああそういうことかと理解できることはさらに少ない。考えても考えても正しい理論的な説明に近づけない気がすることもある。だけどこのわからなさが気持ちいい。
さすがはNHKといいたいところだけど、低学年向けの番組で演出過剰、演技過剰で、発音が悪くて名に言ってるのかわからないような役者が出てくるのはどうなんだろう。子供たちを馬鹿にしすぎじゃないかなんてことを考えてしまう。受けを狙うのは担任の先生に任せればいいのだから、淡々と真面目に進行する番組を作るべきだろうに。自分がガキだったころを思い出すと、子供向けの演出過剰の番組は見たくなかったけどなあ。
本来なら別の題名にするのだろうけど、非常事態宣言中なので今日も同じ題名にしてしまう。
2020年4月21日24時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/