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2018年09月12日

ストローを見て(九月?日)



 先日知り合いの日本語ができるチェコ人と喫茶店に入った。最初はビールでもと誘われたのだが、体調が回復していなかったので、コーヒーにしてもらったのだ。30度は超えていなかったものの、チェコにしては暑い日だったからか、知人はチェコ語で「リモナーダ」というジュースを頼んでいた。ガラスのコップに注がれたジュースには氷がたくさん入っていて、ストローが挿されていた。
 そのストローは普通のプラスチックの物ではなく、銀色の恐らく金属製のものだった。それで、そういえば大手のファーストフードのお店がプラスチックのストローをどうこうするなんてことを発表していたなあなんてことを思い出した。あれは、プラスチックから紙のストローに置き換えるとかいう話だっただろうか。
 いわゆる環境保護意識の高い人たちは、こういうのに喝采を浴びせるのだろうけど、80年代半ばに環境意識に目覚め、90年代半ばに環境保護論者たちの論理についていけなくなって、環境保護にうるさい連中を信用できなくなった人間としては、賞賛する気になんかなれない。これが、ストローを必要とする商品の販売を中止するとかだったら、また話は別だけど、最近のストロー騒ぎを見るにつけ、90年代のあの不毛極まりなかった割箸撲滅キャンペーンを思い出してしまう。

 増え続けるプラスチックゴミを減らすために、先ず隗より始めよで、第一歩として小さなストローを選んだのは理解できなくはないけれども、ストローをプラスチックから別な素材に置き換える前にできることはあるだろうと思ってしまう。恐らくファーストフードのお店では、今でも普通のコーラなんかの飲み物を購入した場合にも、もれなくストローだけではなく、ストロー用に切れ目の入ったプラスチックの蓋もついてくるのだろう。あれ、本当に必要なのか。
 個人的には、レギオジェットで紅茶やコーヒーを注文すると紙コップにプラスチックの蓋がついてくるのが邪魔で仕方がない。こぼれないようにというのなら、最初から入れる量を八分目ぐらいにしておけばいい話だし、コーヒーなんか半分ぐらいしか入ってないのに蓋がついているせいで、注文を間違えられたこともある。ミルクなんかいらないと言ったのに……。たまに普通のカップでコーヒーを出してくれることもあって、そっちには蓋なんかついてないんだから、紙コップの場合もなくても問題ないはずである。

 まあ、今回のストロー騒動の結果、EUの誇るプラスチックのリサイクルシステムが、実は機能破綻していたということが明らかになっただけでもましなのかもしれない。チェコもそうなのだが、EUではプラスチックゴミの回収率は非常に高くなっている。チェコなどニュースでこれ以上回収率を上げるのは難しいだろうなどと言われていたぐらいである。
 問題は回収したプラスチックのゴミを資源としてリサイクルできているかどうかで、今回の騒動の裏には、EU内で回収されたプラスチックゴミのかなりの部分が中国に「資源」として輸出されており、そのEUからのゴミの輸入を中国が停止したという事実があるようである。つまり、EUのリサイクルは中国へのごみの輸出によって支えられていて、それが不可能になったことで破綻の危機を迎えているのである。それで慌ててゴミ削減の方向に舵を切って、スケープゴートにされたのがストローだったということなのだろう。

 考えてみれば、EUで販売されるプラスチック製品の多くは中国製である。中国からヨーロッパに輸出されたプラスチック製品がゴミとなって中国に輸出され、再度製品としてヨーロッパに輸出されるというのは、リサイクルとして健全なのだろうか。中国がEU産のゴミの輸入を停止したのも、再度材料として使うのには問題のあるレベルの毒性があったからなんて話もあるから、EUが輸出していたのは資源としてのプラスチックゴミではなく、文字通りプラスチックのごみの山だったのだろう。
 この件に関して中国の対応をあれこれ言う人もいるようだけれども、そもそも回収したごみを輸出しなければ成立しないようなサイクルをリサイクルと呼んでいいのだろうか。これでは昔日本が、規制の厳しい日本には建設できない工場を規制の緩いアジアの国に建設して、公害輸出と批判されていたのと大差ない。まあ、EUの中心たるドイツは、かつてドイツ企業がチェコに、ゴミを書類上は資源として輸出して北ボヘミア各地にゴミの山を作り出して放置した責任を放棄するような国だからなあ。気にも留めないのだろう。
 環境問題に関してヨーロッパを先進国として崇めたてるところのある日本はどうなんだろう。ヨーロッパほど悪辣なことはせず、リサイクルの資源ゴミに関しては、変な言い方だけど地産地消を実現していると信じたいところである。もしくは、そのまま資源として利用できるところまで処理した上での輸出とかね。ただなあ、環境破壊でしかない畑や森林をつぶしての太陽光発電所の設置につながる電力政策では、日本もEUに追随する愚行を犯しているようだから、ゴミ問題でも同じようなことをしているかもしれない。

 プラスチックのゴミによる海洋汚染がしゃれにならないところまで来ていて、太平洋の真ん中には海流の関係で集まったゴミに覆われた海域があるなんて話は、すでに何年も前から話題になっている。不思議なのはこの集められたゴミを何とかしようという声がほとんど聞こえてこないことで、ゴミの絶対量を減らすことで流出するゴミの量を減らすのと同じぐらい、海洋に漂うゴミを回収して流出したゴミの量を減らすのも従だろうに。技術的に難しいのか、経済的に割が合わないのか。
 グリンピースあたりが大々的に資金を集めて、太平洋浄化プロジェクトなんてのを始めてくれたら、最大限言葉を飾っても胡散臭いとしか思えない環境保護系の団体も見直せるのだけどね。チェコからも参加者の多い、東南アジアの海岸でゴミ拾いなんて活動は、小回りの利く現地の小さな組織に任せて、一つ大きなことをやってもらいたいものである。

 うーん。久しぶりにこの手の話を書いたら異常に時間がかかってしまった。日付の調整のために書き始めの日付で登録する。覚えてないから「?日」である。
2018年9月12日11時25分。








posted by olomoučan at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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