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2024年8月末に、令和7年度防衛費概算要求が公表されました。
一番の驚きは、海自水上艦隊大改編となったことです。
図1 海自改編
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引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830_summary.pdf
このほかにも、装備品の価格高騰や注目すべき点などがいくつも出てきました。
いくつかトピックスを取り上げたいと思います。
(前回記事):『海保が強襲揚陸艦を持つのかい?!』
\こちらもご参考にPR!/
(1)装備品価格高騰が激しいなあ!
材料費や為替レート激変の結果とはいえ、装備品の価格高騰が止まらない状況です。
図2 F-35戦闘機

引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830.pdf
F-35A戦闘機が1機150億円を超えてきたのは、かなり厳しい状況です。
1.1 護衛艦・潜水艦共に1000億円越え!
海上自衛隊についてみると、護衛艦と潜水艦共に1000億円を超えてきたのは要注意です。
図3 護衛艦潜水艦

引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830.pdf
もがみ型護衛艦のコンセプトでは、省人化・多機能型で500億円ほどで建造できていました。
いわゆるフルスペックになる、新型FFM(改もがみ型)がここまで価格高騰するとメリットが失われます。
最悪、令和7年度で1隻削減もありうるでしょう。(VLS搭載をあきらめるか?)
潜水艦に至っては、おやしお型1隻520億円の世界からものすごく高価になっています。
本気で価格低減のために、性能とのトレードオフを考慮すべきです。
図4 USV
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引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2023/pdf_oral_matl/15_1055.pdf
2023年度から研究が始まった、潜水避航型USVが潜水艦価格高騰の切り札になるかもしれません。
1.2 US-2価格低減と事業継続を断固として実施せよ!
製造継続が危ぶまれていた海上自衛隊のUS-2について、ようやく1機219億円の予算が付きました。
図5 US-2
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引用wiki
2021年に約170億円だった調達費用は、2024年度見積もりでは約700億円まで高騰しました。
数年に1機しか調達されず、部品製造事業者の撤退もあり9号機で生産終了とさえ言われました。
試作機1号(9901号)の部品流用などで、10号機の予算がようやくついた状況です。
図6 救難
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引用wiki
救難専用機なんか不要だ!なんて意見もありそうですが、P-3CやP-1・戦闘機など外洋で墜落した航空機搭乗員を迅速に救助する装備は必要です。
(戦え!だけど救助なんか用意してない!では部隊の士気は上がりません)
US-2については、何としても価格低減と共に事業継続を行う必要があります。
1.3 中国に北太平洋を明け渡すかい?
1000海里以上を飛行して、迅速に救助を行えるUS-2飛行艇は貴重なものです。
図7 捜索救助協定
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引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EsZVRhtUYAAXJvj?format=png&name=small
1979年に日米で、洋上における捜索救助エリアを定めた協定があります。
日本側は、最大1700海里の所まで救助に向かいますがUS-2があってこその距離です。
US-2の価格高騰をもって、救難飛行艇放棄!捜索救難担当区域も破棄したい!
中国だったら、AG-600飛行艇をもって喜んで交代するかもよ?
図8 AG-600
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引用URL:http://images.china.cn/attachement/jpg/site1004/20140116/001ec94a25c51441b36861.jpg
その代わり、小笠原列島に中国軍を常駐させしますか?(中国なら当然要求する)
短期的に予算抑制に目がくらんで、日本の主権を放棄するようなことは絶対避けるべきです。
US-2及び後継機の開発は、日本が独立国であることを示す装備品です!
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(2)通信衛星関係はいろいろ注目だね!
令和7年度概算要求は、衛星通信関係で色々注目点が出ています。
図9 コンステレーション
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引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830_summary.pdf
コンステレーション衛星も注目ですが、各種通信衛星関係は面白いものが出てきました。
2.1 スターリンク衛星受信機整備開始!
艦艇乗りと言えば、一度出港したらネット回線に接続できないのが平成までの常識でした。
図10 艦艇
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引用URL:https://news.kddi.com/kddi/business-topic/2024/05/20/image/p_index_03.png
そんな中で、2024年遠洋練習航海にて「かしま」「しまかぜ」にスターリンク受信機を搭載する実証実験が行われています。
ダウンロード速度220Mbbsという、大容量通信で家族との連絡やネット回線に接続できる凄さです。
図11 予算
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引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830_summary.pdf
働き方改革や勤務環境改善の切り札として、早期に各艦艇に装備して欲しいものです。
時代が変化しているのですねえ~!
2.2 次世代FLTSATCOM導入に踏み切る!
通信関係で注目すべきは、米軍の衛星PATSに参加することです。
図12 PARTS
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830.pdf
米軍や西側艦艇との衛星通信で、FLTSATCOMを1985年から海上自衛隊は使用してきました。
ただ送信速度は遅く、近年では電波妨害への脆弱性が問題となっていました。
ようやくというべきか、電波妨害に強い新型FLTSATCOMであるPATSへの参加が決まったというべきでしょう。
図13 衛星関連図
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引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/rev_gaibu/pdf/2023_01_siryo_054.pdf
防衛省専用Xバンド衛星「きらめき」の他、商業用衛星・コンステレーション衛星を組み合わせて使います。
ますます宇宙空間の利用が、重要なことになるでしょう。
2.3 きらめき1号2号後継衛星も重要になる!
防衛省専用Xバンド通信衛星「きらめき1号」「きらめき2号」が、宇宙空間で運用中です。
令和7年度概算要求にて、きらめき2号後継機の予算要求が出ました。
図14 きらめき
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引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240830.pdf
2024年10月には「きらめき3号」の打ち上げですが、あくまで民生用C2号機の代替です。
来年には「きらめき1号」の後継機予算要求も、控えており待ったなしの状況です。
海自がソマリア沖で活動できるのも、「きらめき2号」のおかげです。
今後も通信衛星には注目していきましょう!
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(3)J/FPS-Xの調達要求ならずか!
残念なのは、空自次期警戒管制レーダーJ/FPS-Xの要求が無かったことです。
図15 MIMO
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引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/MIMO_27.pdf
参考記事で、開発難航中と書きましたが2025年度(令和7年度)には間に合わず!
(参考記事):『冷戦の亡霊OTHレーダーが復活するとは!』
3.1 古いレーダーサイトの更新を!
航空自衛隊のレーダーサイトには、まだ古い警戒管制レーダーサイトがあります。
図16 J/FPS-2
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引用wiki
1970年代に配備が開始されたJ/FPS-2が3セット残っている上に、1950年代に米軍から供与されたレーダーサイトも2セットあります。
(米軍供与レーダサイト:襟裳第36警戒隊・串本第5警戒隊)
FPS-Xでは、ぜひとも換装を急いで欲しいですね!
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
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