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本ブログにて何度か、海自幹部中級課程というものに言及してきました。
(関連記事):『幹部中級艦船装備課程の始まりはドタバタに・・・』
江田島の幹部候補生学校については、いろいろ取り上げられることが多くあります。
図1 江田島1術校
引用URL:https://www.city.etajima.hiroshima.jp/cms/files/uploads/akarennga.png
しかし1尉3佐が教育を受ける、幹部中級課程については体系的に解説されたことがありません。
今回リクエストがあったので、数回にわたって海自幹部中級課程の解説をしていきます。
(前回記事):『護衛艦はアイドルマスターである!』
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(1)まず中級幹部課程とは何ぞや?学校に行くの?
最初に簡単なことからで、中級幹部とは何ぞや?中級課程って何?のところから!
図2 1尉
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/hatinohe/images/fashion/classchapter/classchapter/classchapter-img01.jpg
海自では、1尉および3佐を中級幹部としています。
1.1 中級幹部はおっさんへの入り口?
幹部自衛官になると、初級・中級・上級幹部なんていう呼び名がついてきます。
@初級幹部:3尉および2尉
A中級幹部:1尉および3佐
B上級幹部:2佐および1佐
C高級幹部:将補以上の幹部
中級幹部は、まさに部隊の中核であり艦艇や航空機・地上部隊で中核となる存在です。
図3 機長
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/naha/img/311101-04.jpg
年を取りおっさんの入り口だが一番仕事が面白くなる時期であり、見識を広められるのが中級幹部です。
1.2 B幹C幹でも幹部中級課程に行けるの?
中級幹部になって3年目ぐらいから、続々と幹部中級課程にて教育を受けるとになります。
そこには、A・B・C幹部の壁は全く無く、補職の要求として中級幹部として、より活躍してもらうために中級課程で学んでもらうことになります。
C幹(とっつあん幹候)の人でも、優秀な人は3佐になるために中級課程を受講します。
図4 C幹
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FNXn7QwVIAIiX03?format=jpg&name=4096x4096
私が中級課程の時は、地上救難(クラッシュ)の班長になるため中級課程を受講したC幹の人がいました。
図5 地上救難
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/Y-vXvlUygZU/hq720.jpg?sqp=-oaymwEhCK4FEIIDSFryq4qpAxMIARUAAAAAGAElAADIQj0AgKJD&rs=AOn4CLDVloNJWc2t1JPbM6wLBgxbE1OaAQ
C幹部でも1尉クラスになると、海自だけでなく自衛隊全般の深い知識が要求されるため大変だったそうです。
1.3 陸自や空自で比較すると?
海上自衛隊の幹部中級課程は、やや特殊なところがあります。
それは「職種(マーク)」を決定する、特技課程でもあるためです。
図6 陸海空比較
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/streaming/qa/section02/pdf/item_01.pdf
海自の幹部中級課程について、陸空で該当する課程は、
@陸上自衛隊:幹部上級課程(AOC)
A航空自衛隊:幹部普通課程(SOC)
となりいずれも、東京目黒の幹部学校で教育を受ける形になります。
幹部中級課程は、指揮幕僚課程を受験するための条件となっております。
海自の場合は、A幹にとって特技(職種)を決める課程でもあるため教育期間は20週から1年と幅広くなっています。
幕僚業務の基礎を学ぶ、大切な課程でもあります。
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(2)海自中級幹部課程はいろいろあるよ!
海自の幹部中級課程は、いろいろなコースに分かれているのが特徴です。
図7 陸自幹部上級課程
引用URL:https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/09/17/3b04f2560a5e00f51d635767cbcbb8d9a37fafa9_xlarge.jpg
部隊幕僚としての基礎知識を養うのが、基本となっています。
2.1 海自中級幹部課程はどんなコースがある?
2024年現在での、海自幹部中級課程については以下の課程が設置されています。
@1術校管轄(江田島)
・射撃課程(44週):いわゆる大砲屋さん
・水雷課程(44週):魚雷・水測などの海中もの
・航海課程(44週):航海技術を極める人
・航空用兵(20週):パイロット・TACOOなどが幕僚業務を学ぶ
・一般課程(20週):施設・薬剤・衛生など専門職種向け
・掃海課程(1年):掃海艦艇長を育てる課程
・船務課程(44週):船務長などを育てる課程
A2術校管轄(横須賀)
・機関課程(44週):機関長など機関全般の専門家
・艦船装備(26週):艦船装備幹部の見識を広げる
(ペンギンはこの課程を修了しました)
・情報戦課程:情報・サイバー戦などの中級幹部課程
B3術校管轄(下総)
・航空装備課程(43週):航空整備幹部の見識を広げる
C4術校管轄(舞鶴)
・経理補給課程(40週):経理補給幹部などの教育
D潜水艦教育訓練隊(呉)
・潜水艦課程:潜水艦幹部の科長へのステップアップ
これがない!アレがない!なんて意見もありますが、2024年現在での設置課程です。
図8 潜水艦課程
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIszaEPbcAAkooa?format=png&name=360x360
時代によっていろいろ、教育課程が改変集約され何度か記事で触れた艦艇用兵課程も現在は課程が廃止されています。
中級課程では、約3か月ほど「共通教育」で各課程が集合して教育を受けます。
(関連記事):『中級課程江田島共通教育で幕僚要務の準備!』
2.2 全員絶対行くの?
基本的に中級幹部になった時には、中級課程で幕僚業務などを習います。
ただ例外として幹部中級課程に行かない場合もあり、
@5年以内に定年退職予定の幹部(中期的な教育体系を組むため)
A長期専従者(術科の専門家・特別体育班所属など)
B警務官で警察大学校研修などを受けるもの
C医科歯科幹部(防衛医大大学院に進学する時期のため)
D心身不調者・成績不良者
図9 警務隊
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/hamamatsu/force_tihou/img/keimu/keimu.jpg
これらは中級幹部課程ではなく、その他の教育(幹部特修科など)で補うことになります。
2.3 3佐または2尉もたまにはいる!
幹部中級課程では、1尉および3佐を対象として課程教育を行います。
ただ勤務教育体制の都合上や、大学院進学・海幕勤務・防衛省各機関への派出で中級課程がずれることもあります。(外部に派出だと、2〜3年の間長期で勤務するため)
そのため、各課程ではたまに3佐になってから中級課程に来ることもあります。
また2尉でも、教育体系の都合により中級課程に進むこともあります。
(河野元統幕長もそんな感じです。)
意外と面白いのが幹部中級課程ですので、まずは4術校の中級経補課程から見ていきましょう。
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(3)舞鶴4術校で行う幹部中級経補課程
舞鶴の4術校では、幹部中級経補課程が解説されています。
図10 4術校
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/fourmss/densip.pdf
経理補給給養などの聖地です。
3.1 幹部中級経補課程はどんなもの?
幹部中級経補課程は、中級幹部に対してより高度な業務を行う教育をしています。
幹部専門経理補課程を卒業して、大型艦(DDG・DDH・TVなど)補給長や各種経理部門や補給部門などを経験してきます。
(DDでの補給長は、中級経理補給課程までに経験済み)
図11 キャリア
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/fourmss/densip.pdf
契約や予算要求、部隊の経理補給責任者となるため高度な知識を中級経補課程で学ぶのです。
3.2 経理補給分野以外も課程に入れる!?
幹部中級経補課程と聞くと、専門の人間だけしか入れないと考えてしまいますが、薬剤官(薬剤師)や衛生医事管理の人間が少数だけ中級経補課程に入校します。
図12 薬剤官
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ev_SMH8VIAA181L?format=jpg&name=4096x4096
医薬品や医療衛生器材・各種医療消耗品の調達管理を行うため、経理補給知識も必要になるためです。
自衛隊独特の入札契約制度を理解しながら、医薬品・衛生資材を購入するため大変だそうです。
(同期の薬剤官が、必要品が入札不調で大変や〜!と嘆いていました)
海幕や統幕で医療を理解しないアホどもに、医薬品調達を任せるわけにはいきません。
3.3 幹部中級経理補給も大変だぜえ〜!
経理補給幹部は、水上艦から潜水艦・航空部隊・防衛装備庁など幅広く活躍する場所があります。
海外派遣では、現地企業との交渉も行うのでほんとに大変です。
ある意味、海自の全てを支える戦士を育てるといってもよいでしょう。
幹部中級経補幹部課程は、強いところですよ!
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中級掃海課程は、掃海艦艇長になるための教育のほかに機雷戦・嫌い整備開発研究・水中処分員(EOD)の指揮監督・航路開啓など非常に多岐にわたります。
機雷はほんとに奥の深い世界の上で、水中処分員を艦艇長として指揮管理する業務もなかなか難しいそうです。
EOD出身の幹部も多い中で、掃海具をえい航した掃海艇の操艦方法など相当難しいため時間がかかるそうです。
海外の軍大学などへの派遣は、指揮幕僚課程(CS)の時に一部の人間が派遣されます。
中級課程を修了してから、在外大使館の警備対策官に海自から行く人が1〜2名ほどいたりします。
大学院(博士課程)に進学する幹部は、ちょうど中級課程と重なるので博士課程の最中に「共通教育(3か月)」だけ受講して大学院に戻る感じです。
なかなか、教育課程も面白いですよ!
さっそく幹部中級課程を取り上げていただいてありがとうございます。掃海課程が一番期間が長いのは、艇長教育もあわせて行うからでしょうか?警務官には警察大学校への出向があったり、幹部中級課程は奥が深そうです。海外や国内の軍学校や大学院に派遣され、それが中級課程扱いとなる場合もあるのでしょうか?今からこのシリーズが楽しみです。
そうでした、「ベースライン」でした大変失礼いたしました!
FFMの構想は、間違いではなかったのですが、むらさめ型護衛艦の代替艦じゃ〜!と吹き上がる人のなんと多いことか・・・
まあ、むらさめ型護衛艦も導入時には「こんな貧相な艦艇!(ステルス性を揶揄して)」と批判されたけど時間が解決するかな?
ホント鉄砲屋になるA幹が、精神論に走る兆候はなんでやろ?
(艦砲やミサイル射撃で命中するときのアドレナリンかな?)
「バッチ」じゃなくて「ベースライン」です。
「OPY-2とOYQ-1をもって、DEよりはるかに効率的に警戒監視」をしつつ「有事の際は上陸支援(機雷掃討&対地射撃)」
「水上艦隊はその分後方で訓練とプレゼンスを行い、真正面からの殴り合いに備える」とされてますので、(哨戒艦も含めて)現状のリソースだと方向性は間違ってはいないと思うんです。
一部の人がその辺の状況を理解せず
「ぼくのかんがえたさいきょうのごえいかんじゃないといみがない!むだにへいたいをころすのか!!」
と言ってくるのを見てると腹しか立ちませんが。
>「ミサイルは気合で命中させろ!」と砲雷長に言われたときはずっこけました。
私の前で言ったら・・・・えぇ、素敵な地獄を主背してやるところですね・・・・・
(ロジハラ上等!!)
>「技術の上に現物(艦艇)があり、その運用がある」
まさにこの言葉が、軍艦の開発と運用の本質です。
ただ現在では、技術が怪しくなり現物(艦艇)建造の基準となる運用要求があっちこっち迷走してしまい、結果として現場に負担が押し付けられる形になっています。
せめてもがみ型FFM(30FFMバッチ1)は、機雷戦主体の艦艇であると公式に割り切りをつけて運用すべきだったと思っています。
多目的護衛艦と聞こえはいいですが、護衛艦として使おうとするといろいろ不足が出てきます。
運用構想も、割り切りが足りなかったと思います。
(米海軍イージス艦に乗せた、AN/WLD-1も結局イージス艦での運用には合わずすぐに撤去されています)
ミサイルや射撃など、大砲屋こそが技術や理論に精通しているべきなのに、なぜか勉強しないA幹が多いんですよね。
「ミサイルは気合で命中させろ!」と砲雷長に言われたときはずっこけました。
まあほんとに勉強してる人は、熱心に情報収集してGQM-163導入にこぎつけてます。
海幕や幹部学校の無知蒙昧による暴走を許しているのは何に起因するのでしょうか?>
この部分は、自衛隊が平成元年前後に契約関係職員の中に技術部門の人間を含めるようになったことから、弱体化して暴走を止める力がなくなったといえます。
以前は、5〜10年スパンで監督官・検査官が仕様書作成や検査、技術研究にいそしむことができました。
契約関係職員に仕様書作成の監督官等を含めることにより、3年以内に絶対交代(A幹は民間と癒着するかもしれないから1年交代を基本!)という無茶苦茶な論理が、振りかざされました。
(若い技術者を1年で無関係な部署に異動させれば、当然技術力もつかないまま中級幹部や上級幹部になってしまいます。)
技術部門は「回転ドア」と揶揄され、平成10年代までは何とか技術力を保持していたものの、平成20年代以降はもはや技術者と呼べるのはB幹と技官の状態になってしまいました。
(ごく少数の造船工学出身A幹や工学系大学院出身幹部が何とか食らいついてる状況です)
今後10年の海自艦船技術系統は、もっとひどくなってくると思います。
(貸費学生出身のA幹が再び将補・海将になれば事態は変わると思います。)
工廠制度の復活については、かなり内部でも真剣に検討されています。
海自2術校を1術校に統合する話が出ましたが、跡地に横造補所工作部を拡張して事実上の装備・機関製造修理工廠庁舎建築という話が現職時代に進め圧れていました。
大湊の1万トンドックを利用した修理工廠や佐世保SSK跡地の案もありましたが、呉の製鉄所跡地という恰好の獲物も対象になるでしょう。
海洋政策は、内閣府で目立てる!と分かった途端に、艦艇出身幹部が「これからは防衛部でやる!」と出世栄達の手段替わりにしてし合ったところがあります。
内部からは、避難轟轟でしたが防衛部が押し切ってしまったのです。大変ご迷惑をおかけします!
「物理学と統計学によって成り立つのが射撃理論」なので鉄砲屋こそ基礎理論に習熟しなきゃいけないのですが「THE 精神論」の権化なんですよね・・・・・
そりゃ「アメリカはやってる!この程度のデータを取れば実現可能だ!!やるべし!!!」とか言い出す馬鹿が出るわけですわ。
>御前会議(装備研究会議)で、当時存在していた海幕技術課長(1佐)が「技術部部門は反対する!貴様ら帝国海軍の友鶴事件を忘れたか!このままだとトップヘビーで再び転覆するぞ!」と吠えて、海幕長が運用構想研究のやり直しを指示しました。
ま、まともな課長と海幕長でよかった・・・・
ですがFFMも「LCSよりはまし」な結果になりかねないので、マジで
「技術の上に現物(艦艇)があり、その運用がある」
という考えでいないと・・・・・
乗員の「知恵と勇気」でなんとかしているというのが理解されないんですよね。
(T提督のFFM評はそういう意味では正しいのですが・・・・戦いは数というのをあの方は無視しているように思えます。)
帝国海軍以来の伝統である造船官・造兵官の気質が、平成半ばから縮小してしまった> お話ししにくいかもしれませんが、「ぼくのかんがえたさいきょうのごえいかん」に代表されるように海幕や幹部学校の無知蒙昧による暴走を許しているのは何に起因するのでしょうか?このままだと工廠制度でも復活させないと造船所や装備各社側で抱えきれない事態が続出すると思います(=少子高齢化と技術の継承の両面で後10〜15年後に限界が来ると業界内で認識されているため)。
海洋状況把握(MDA)や、海洋基本法ができたとき> その時期に本部に出入りしていたので、たぶんお会いしていると思います。よく勉強されている方でした。その後に来たのがひどくて・・・それなのにこの前のMDAの会議に出てきたという。。。国内はまだそれでも何とかなりますが、国際機関だとアホさ加減が白日の下にさらされてしまうので、先のReCAAPの場合、海保や自分のような海運会社の人間がフォローしないと「こいつは仕事が出来ない」と他国から信用されなくなってしまいます(困)。
本当に造船各社や装備各社には、申し訳なく思っております。
「アホの子」が量産されたときは、造補所など現場でも扱いに困り膨大修士課程で再修業や艦艇幹部への再度の職種転換をして資質のない人間をを排除していったのですが、まだ残っているかもしれません。
帝国海軍以来の伝統である造船官・造兵官の気質が、平成半ばから縮小してしまったところがあります。
(技術に真摯に取り組み、新技術に貪欲であれ!がどこに行ってしまったのか・・・)
電気の直流と交流の違いが判らない!なんてのが艦艇装備艦幹部でござい!と部下としてきたときの恐怖・・・
(結局使い物にならず、艦艇幹部に再度配置転換させる羽目に)
新技術や新分野について、勉強不足で消極的な権限争いもひどくなってきました。
海洋状況把握(MDA)や、海洋基本法ができたときに内閣府の本部立ち上げに艦艇装備の同期が1名出向しました。
非常に勉強不足を実感して、現在も海幕で頑張っているんですが、なかなか船乗りが勉強不足・だけど内閣府など目立っ事のできる場所に行きたい!という出世欲だけの人間が、派出されてしまう傾向があります。(航空畑はかなり勉強するけど人がいない)
冗談抜きで、専門分野以外でも勉強する幹部を育てる部隊内の空気を作らないと未来が無いと思います。
参考資料で回ってきた専門誌を見てたら、「それは仕事に関係のあるのか?!さっさと仕事しろ!」なんて言われる時代でした。
(ちなみに専門書は改正された海事法規の解説本・・・)
2008年あたりに、次期護衛艦(当時は33DDもしくはDDXと呼んでいたものです)の運用構想研究(性能要求のもとになる研究)が報告されるときでした。
ある程度の基本性能も形にして、報告するのですが19DDより小型省力化が既定路線でした。
研究部隊の艦発隊を出るときは、まともな形だったのが幹部学校・海幕に報告されるときに、
「19DD以上(4900トン)の装備搭載で船を2000トンに圧縮!」
なんていうトンデモ護衛艦が、海幕長も参加した御前会議(研究開発会議)の報告対象となりました。
装備端は、会議開催前まで徹底的に抵抗したけど「我々のほうが技術をわかっている!(防衛部の鉄砲屋)と効く耳を持たなかったところがあります。
(艦船装備なんて船乗りじゃない!とマジに装備体系課長が中級艦艇装備課程学生に暴言を吐くことも普通の時代でした)
(19DDの時にSPY-1F導入をたくらんだのも、この連中!)
御前会議(装備研究会議)で、当時存在していた海幕技術課長(1佐)が「技術部部門は反対する!貴様ら帝国海軍の友鶴事件を忘れたか!このままだとトップヘビーで再び転覆するぞ!」と吠えて、海幕長が運用構想研究のやり直しを指示しました。
ホントにあの時期は、防衛部や装備体系課が技術軽視で「ぼくのかんがえたさいきょうのごえいかん」を暴走して作っていたのです。
技術なんぞ船乗りの片手間でできる仕事だ!(マジに言われた暴言です!)なんていう連中がはびこったので、もがみ型FFMが新型FFMになるような状況です。
中級課程の外部委託や民営化については、検討されては消える感じ> うーん、娑婆っ気っを抜く幹候校ならば話は判りますが、幹部の見識を広めて最新の情報・技術に触れる必要がある中級課程でそれはかなり重症だと考えます。せめて船舶海洋工学研修の講義レベルである「理系大学卒業の初任技術者」相当になってもらわないと造船所の人間に何を言われているのかすら理解できない「アホの子」が量産されてしまいます(すでに被害が出ているようですが)。防衛費削減が続いていたならなおさら内製化は断念してもらわないとお座なりの知識でおかじ事業部の謎水騒動みたいなことが頻発しそうですが(そろそろ防衛費削減期に採用された頃の連中が高級幹部になるはずです)。
https://fanblogs.jp/sstd7628/archive/314/0
これがない!アレがない!> 以前別稿でうみじ事業部の場合、海戦法規関連は実務経験に裏打ちされる必要があるのでおかじ&そらじ事業部のように純粋養成しないというくだりがあったかと思いますが、昨今の状況を考えると設置してほしい(上位の海洋法関連で)というのがあります。過日も海洋状況把握(MDA)関連の会合で「明らかにこいつ勉強してきていない(三層構造の「海しる」で最上位の防衛省=海保の階層しか頭にない)」というのが来ていましたから、海保大に設置された海上保安国際研究センター&政策研究大学院大学あたりで体系化された課程化しないとシンガポールにあるアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC) みたいにうみじ事業部からも人を出しているのに中国海軍(「海賊」という国際共通の犯罪行為に対処しているので人を出しやすい)の人間よりも知見がない(「海賊対策は海保の領分」という意識が強い。おかげで調整にものすごく苦労した)不勉強な人間を寄こされても困るので。。。
https://www.academy.kaiho.mlit.go.jp/education/organization/center/index.html
30FFMが、DDX/DEXとして構想されていた時の技術軽視はひどかったです。
(冗談抜きで「友鶴」事件の二の舞になるところでした。)
すいません、詳しくお聞きしたいのですが・・・・
(FFMは他人事ではなくなってるので)
中級課程の外部委託や民営化については、検討されては消える感じが進んでいました。(防衛費削減が続いていた時代)
各造船所・K・Mの重工や電機などから、提案があっても費用分担や1尉クラスを外部に出していいのか?なんていう声で、教育効果そっちのけで「制服を着た能吏」のメンツでつぶれていたりします。
さすがに航海・機関などは、民間技術が進んでいるため少数を外部研修に出すようになってきました。
私が終業した幹部中級艦船装備課程も、将来的には外部委託に移行する前提で独立して創設されたけどいまだに会社研修・見学でお茶を濁す程度です。(就職氷河期で入隊した学生教育に金はかけられん!という考えが蔓延したせいです。)
艦船装備課程の教育については、本気で海技研の研修を受けるべきと考えます。
中級課程の前の幹部専門課程(3尉クラス)は、20週の教育期間が8週に短縮されたうえに文系大学出身者がクラスの半分以上を占めてしまう状態(装備課程A幹20人のうち15人が文系という年も)があり、早急に改善が必要です。
ただ最近は、兵科幹部による技術分野軽視の兆候が激しくなってきているんですよね・・・
30FFMが、DDX/DEXとして構想されていた時の技術軽視はひどかったです。
(冗談抜きで「友鶴」事件の二の舞になるところでした。)
教育課程が改変集約され何度か記事で触れた艦艇用兵課程も現在は課程が廃止> 改廃が可能なのであれば、もう少し外部委託又は民営化の方向に行かないのでしょうか?異論があるかもしれませんが、造船会社研修があるのであれば、どうしても内部で行わなければいけない部分を除いて外部委託を本気で検討する時期に来ていると考えます(艦艇要員は1人でも多く現場に回すべき)。ことに海技研は防衛装備庁と研究協力に関する取決めをしており、造船学科以外の出身者に対する研修も行っていることから、うみじ事業部用に造船会社と調整して委託研修コースを設けた方が良いのではないでしょうか(海保の装備技術部はここで研修を受けさせています)。
航海と機関もすでにうみじ事業部からMETSに来ている人がいますから、量の問題になると考えますが。
https://www.nmri.go.jp/service/contribution/domestic_collaboration.html
https://www.nmri.go.jp/service/training/ship-training/2024.html