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2024年12月27日

海自幹部中級課程の紹介A(3・2術校)

『装備や機関などは別の術科学校だよ!』
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海自幹部中級課程という教育課程は、関東周辺にも存在します。

航空装備や艦艇装備・機関など、いろいろな課程があります。

図1 3術校
図1 3術校.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/FPVl3yKWDTo/maxresdefault.jpg

意外と知られていない分野ですが、中級幹部課程も設置しています。

あなたの知らない世界が、海上自衛隊を支える!
(前回記事):『海自幹部中級課程の紹介@(全般・4術校)
\こちらもご参考にPR!/
(1)3術校での幹部中級航空装備課程!

千葉県下総にある、下総航空基地に併設して海自3術校があります。

図2 機体整備
図2 機体整備.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/3mss/about/img/mission/am.jpg

機体整備や発動機整備など、多岐にわたる分野があります。

1.1 航空装備といってもいろいろある!

航空装備というと、整備員のイメージがあるかもしれませんが結構多岐にわたる分野があります。

図3 FE
図3 FE.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FA1Gp_GUYAALY1r?format=jpg&name=medium

中には、機上整備員(FE)など搭乗員となって整備を行う職種もあります。

そんな中で幹部になると、航空機全般の整備補給業務について精通している必要があります。

図4 整備
図4 整備.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FBIkbxVVIAMD9YP.jpg

そのための課程として、幹部中級航空装備課程が3術校に設置されています。

1.2 航空機の高度な技術者を目指して!

幹部中級航空装備課程は、航空整備を行う幹部について高度な知識などを教育します。

図5 幹部総合
図5 幹部総合.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/3mss/about/img/mission/avo.jpg

整備補給隊などで管理業務などをしたり、第51航空隊での研究開発など進路は様々です。

最近だとDDHの整備長(3佐)など、艦艇と航空機両方を知る必要があります。

そのため、航空整備幹部を集めて43週にもわたり教育を行います。

基本は航空装備幹部のみが対象ですが、公募幹部(航空系)も入校します。

A幹B幹部関係なく、必要である人材を教育します。

1.3 あんまり接点がなかったので・・・

ただ私ペンギンは、幹部中級航空装備課程とはあんまり関わりが無い状態でした。
(江田島の「共通教育」課程でも、航空装備は秋の後期課程であるため)

実はあまり内容を知らない課程だったりします。

DDHの整備長は、中級課程を修了しないと配置されないぐらいしか聞いてません。

図6 DDHのF-35B
図6 DDHのF-35B.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/sf/news/10/img/1005-01/03.jpg

これからDDHには空自F-35Bを搭載することになり、ますます大変な課程になります。
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(2)2術校は機関と情報戦もやってるよ!

私が修了した幹部中級艦船装備は、横須賀の2術校で実施されています。
図7 2術校
図7 海自2術校.jpg
引用wiki

昔は海軍水雷学校があり、実は海上自衛隊生誕の地でもあります。
2.1 2術校は幹部中級課程を3課程実施

横須賀の2術校は、機関・語学・艦船造修・情報などを主に教育しています。

その中で幹部中級課程は3課程実施されております。
(参考):『海上自衛隊の教育訓練に関する達
@幹部中級機関課程:機関屋さんを育てる
A幹部中級艦船装備課程:艦船装備を育てる
B幹部中級情報戦課程:???

このなかで、幹部中級情報戦課程は全く内容がわかりません!(情報・サイバー系?)

私が現職のころには無かった課程で、マジにわかりませんのでご了承ください。
(情報職の幹部中級課程創設の噂は聞いたことがあった)

そのため、機関と艦艇装備について語っていきます。

2.2 機関課程は機関科のスペシャリストに!

幹部中級機関課程は、機関の専門家を養成する課程となります。

水上艦の機関長だけを育てるわけではなく、ごく少数ですが潜水艦幹部も入校します。
(潜水艦でも機関の専門家が必要だから!)

図8 DE員
図8 DE員.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Flqyb1jaYAE3hKp?format=jpg&name=900x900

機関といっても、エンジンにはDE(デイーゼル)・GT(ガスタービン)・電動機(潜水艦)などいろいろあります。

さらに機関科では応急工作(ダメコン)や、燃料・真水管理・電気系統など多岐にわたる業務があります。

図9 NBC戦
図9 NBC戦.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2009/2009/image/ld301010.png

NBC戦対処も機関科の所掌なので、幅広い知識と経験が要求されます。

一応艦長になれるルートはあるとは言え、機関科の専門家を育成するところです。

燃料・真水・応急工作など技術と密接にかかわるため、機関長の後は後方幕僚として活躍することも多くなります。

それなりに覚悟のいる課程でもあり、幹部中級艦艇装備課程と同じ2術校で教育する効果もあります。

2.3 海自術科学校統合はどうなる?!

2022年12月に決定された、「防衛力整備計画」(旧:中期防)では海自2術校(横須賀)と1術校(江田島)を統合する計画が決定されました。

横須賀2術校が手狭であり、集約というのもわかるけどうまくいくかな?

図10 GT実習棟
図10 GT実習棟.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/twomss/jyuujitu/sisetu/dai2GT_photo01.jpg

エンジン実習室など、大物をちゃんと移転できるか不安です。
(江田島は、生徒部が廃止になり機関科が移転できるスペースはある)
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(3)中級艦船装備は要検討だね!

幹部中級艦船装備課程は、平成中期に新設した課程だったりします。

秘密保全上、幹部中級艦船装備課程の写真は存在していません。
(情報収集対象となるため、集合写真も含めてデジタル写真撮影は禁止になりました)

3.1 幹部中級艦船装備課程はどんな課程?

中級艦船装備課程は、いくつか記事を書きましたが1尉または3佐の艦船装備幹部が集まっています。

基本はすでに「職種(マーク)」をもっていますが、たまに艦艇幹部からの職種転換組も混ざります。

中堅技術者として、さらに技術力と知見を広めるように教育を受けます。

3.2 中級艦船装備課程ができた切実な実像

以前の艦艇装備幹部は、中級一般課程に入校しており独立した課程はありませんでした。

しかし、指揮幕僚課程(CS)や専攻科への志願者が減少して、組織構成上問題になってきました。
(CSなど時間の無駄!技術者なら現場優先!幹部特別課程で取り戻せる!という空気があった)

そのため指揮幕僚課程受験の前段階として、独立した課程を設けた経緯があります。
(代わりに、初級幹部専門課程の教育時間を減少させた)

結果として以前は20週(5か月)あった初級技術者の教育期間を失い、専門が身につかないまま中級課程に来る状況が起きています。
(HMS様が良く指摘していただいている部分です。)

もう一度、サムライ配置1配置の必要性も含めて教育体制を根本から変えないとだめだろうなあ!

1981年以前の艦船装備に進んだ初級幹部は、サムライ配置なしで造修所などでじっくり教育していました。

しかし「88艦隊」整備のため、サムライ(士)が多数必要になり艦船装備も海上配置につけられました。
(海軍時代でさえ造船官育成は、サムライ配置をしていない)
図11 サムライ配置
図11 サムライ配置.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/gsdf-wae_boshu/lp1/jio-koukoku/ziei_html_ol/images/occupation_img5.png

練習艦隊実習幹部の半年間の後、1年〜1年半の期間技術者として教育できる期間がサムライ配置で消えてしまいます。
(大問題にはなっていたけど、惰性で人事配置が続いてしまっている)

3.3 岐路に立つ艦船装備

艦船装備幹部は、今後教育体制を大転換しないと海軍技術魂を失い弱体化していくといえます

少数の個人の資質に頼っていては、どこかで大崩壊が起きるかもしれません。

専門装備課程の時に海上技術安全研究所に、教育委託を行い技術力を取り戻すべきでしょう!
(海技研など国土交通省組織から公募幹部で転職してきた人が、海自技術を必死に支えている状況です。)
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この記事へのコメント
2MSSオープンスクール参加者さま、コメントありがとうございます。

新しい情報をありがとうございます!
1術校にすべて移転するのかと思っていましたが、新講堂建設など田浦の地にまだ残りそうですね。
組織上1術校横須賀分校みたいな感じで、校長職(海将補)を削減するなど組織のスリム化を図るのかもしれませんね。
Posted by 管理人 at 2025年01月05日 14:20
HMSさま、コメントありがとうございます。

>海幕と補本は機関関係で「機関故障!予備エンジンありません!」の地獄を見た方が良いんじゃないですかね?

インド洋でのLM2500故障・予備エンジン不足は艦補処当直士官の時に対応しましたが、海幕・補本の素晴らしい泥仕合の末に片舷運転のまま日本に帰国させるというやらかしをしてくれました!
(当時数年前からIHIから予備エンジン不足を指摘されたのに予算不足で調達できず)あの地獄は進化して、2009年の時ミサイル迎撃の時にLINK16機器故障で危うくイージス艦がミサイル失探しかかるヤバさに・・・

とにかくLM2500については、民間でも運用していることから広範囲な整備体制を引く必要があると思います。

COGESは、軍用のロールスロイスWR-21(イギリス45型搭載)がコケなかったらもっと軍用にも広まっていたと思います。

IHIの生産整備工場と共に、造修補給所工作部ガスタービン科を官民合同会社にして整備能力を上げるべきかもしれません。
Posted by 管理人 at 2025年01月05日 14:16
お初にお目にかかります。
1MSSと2MSSの統合については組織的な統合の意味が大きいようで
この前の2MSSオープンスクールでも新しく建て替えられたばかりの内燃実習場がありました。
古い内燃実習場の跡地には新設の教育をするための講堂が立つそうなので、田浦の地にはまだ残り続けるようです。
Posted by 2MSSオープンスクール参加者 at 2025年01月05日 11:21
管理人様、おはようございます。

すぐにデカい大物は艦補処・補給本部に管理調整を仰ぐ必要> うーん、その次の段で「補給本部・海幕が補給管理の権限を越えて」とありますが、海幕と補本は機関関係で「機関故障!予備エンジンありません!」の地獄を見た方が良いんじゃないですかね?(一度インド洋派遣時にあったようですが)

 というのは最近客船業界が静粛化&高出力化(出入港時、とにかく船内で電気を使いまくるので)でLM2500を煙突に収納して使うようになってきており、バルチラのディーゼル4基とGEのLM2500を1〜2基主機という「CODAG搭載の軍用艦艇ですか?」というような代物や(20年前のDP号ですら1本使っている)、COGESを志向するLNG船や客船が出ていて(ガスタービンで発電→高温の排気ガスを廃熱回収装置で水蒸気を生成して蒸気タービンで再度発電するので熱効率が高い代わりに即応性に欠けるが、どちらも一定の速度で航行するため問題にならない)、船主や運航会社が資金力にモノを言わせてGE社本体やライセンス契約結んでいるエンジンメーカー(日本だとIHI)に「金は出すから交換用のLM2500を直ちに寄こせ」と言ったら、簡単に渡してしまうでしょう。

https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/416/416310.pdf

折しも伊MSC社のMSC Bellissimaが先日、主機故障で那覇で動けなくなって(同船はディーゼル電気推進のみ)、航海キャンセルになりましたから、リスク管理の観点でもCODAGやCOGES化は今後進むでしょうし(訴訟合戦になったら、相手方は高額の訴訟費用を簡単に支払える「金持ちの船客」しか居ませんし)。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1603942
Posted by HMS at 2025年01月05日 09:50
疑実屋さま、HMSさま、コメントありがとうございます。

そうなんですよね、現在の十条(補給本部)が変に力をもってしまっている補給体制も絡んで話を難しくしているところがあります。

航空機修理では、補給本部が一番力を持ち一括で中央調達で対応している体制のため艦船修理補給体制にも航空修理のような考えを持ち込もうとして結果としていびつな体制になっています。

1998年の「10改変」にて、補給本部(需給統制隊から改変)ができたときに、中途半端に造修補給所を地方総監部に残したのがまずかったと思っています。(ほんとは補給本部。艦補給処の下に
各造修補給所を指揮下に置く予定だった)

私は艦補給処(補本隷下)にいましたので、いびつな状況を体験しておりすぐにデカい大物は艦補処・補給本部に管理調整を仰ぐ必要が出てしまいます。(しかも補給本部・海幕が補給管理の権限を越えて「ああしろ!こうしろ!」とトンチンカンなことを現場に押し付け!)

ホントに、1998年以前のように現場に権限がある状態に戻すべきかと思います。
Posted by 管理人 at 2025年01月04日 12:12
管理人様、疑実屋様、こんばんは。

十条により不具合等の報告フォーマットが「A4サイズ1枚+補足事項1枚」と決められていたりすることも手伝って、出す結論が単純化してしまう者も多い> うーん、外部からはその点も見逃せなくて、以前は紙でのやり取りが主流でしたから各地方隊の造補所が窓口として仕切ることに意味がありましたが、現状ではデジタル化&業者の統廃合が進んだことで佐世保だろうが呉だろうが舞鶴だろうがほぼ三菱、JMU、JRC特機等が相手方でしょうし、造補所の監督官は直系の上部組織である地方総監部ではなく、傍系の補給本部を見て仕事しているのではありませんか?だったら補給本部の隷下部隊で良いとなってしまいますが(=国有財産法や関連法令の改正を伴いますので面倒だからしないと思いますが)。

 そこで先日来の指摘である、造船所や造機メーカーの側が統廃合や人材流出で対応できなくなった場合に大混乱を起こすのが確実ということになってしまいます。意思決定者が地方から遠ざかると、基本的には中央の都合でしかものを考えなくなり、決定権を持たない(権限が与えられていても、能力や経験が伴っていない)若輩者が折衝することになるので、いちいち中央にお伺いを立てないと意思決定できなくなってしまい、業者は「基地の担当者に話しても埒が明かない」と業を煮やすので、自衛隊への不満を政治家へどんどん陳情して、結果的に現場に負担がかかることになります。

正直、厳しいです……> ご同情申し上げます。。。

Posted by HMS at 2025年01月04日 01:32
管理人様、HMS様、明けましておめでとうございます。本年の更新も楽しみにしております。

>その説明を端折ったり、不適切な説明を往々にしてはいないでしょうか?

この点は大いに問題だと思います。
HMS様の論点からは少しズレるかと思いますが、「お客様」(※少なくとも彼ら自身は、後方は彼らの意を汲み奉仕するものだと思っている)が「是か非か」「使えるのか、使えないのか」「○○日までに直るのか、直らないのか」という二値的な観点しか持っていなかったり、十条により不具合等の報告フォーマットが「A4サイズ1枚+補足事項1枚」と決められていたりすることも手伝って、出す結論が単純化してしまう者も多いです。
10秒で読める1枚紙で示すことばかりが求められる組織では はなく、ある程度時間を費やし、様々な資料や論拠を基に、少なくとも単なるyes or noではなく if〜then〜の話ができる組織にならないと、技術を志す者に立つ瀬などありません。

以前のコメントに引き続き、愚痴のようになってしまいました……。正直、厳しいです……。
Posted by 疑実屋 at 2025年01月02日 18:47
HMSさま、コメントありがとうございます。

>その説明を端折ったり、不適切な説明を往々にしてはいないでしょうか?

今の海自の宿痾を適切に表現していただき、ありがとうございます。
まさに、装備幹部を含めて海自全体が2000年代以降この兆候に陥っているといえます。
候補生学校や実習幹部のことは、「AかBか?!」でどっちかすぐに答えを出すのが良い幹部として教育されましたが、実際の現場はA〜Fぐらいまでの選択肢を適切に説明・提示すべきです。

しかし、普段の業務の忙しさにかまけて論理的思考より「楽に説明できる方法」がもてはやされています。
徹底的に、論理的説明を行う手法を早くから叩き込むしかないかと思います。(海自の根本から改革するしかない)

意思決定者(高級幹部)の知識不足・知識のアップデートができていないのは、かなり問題で改革をしているもののなかなかうまくいくどころかもっと悪化しています。

現職時代に「90年代問題」という、1990年代に任官した幹部自衛官が上級・高級幹部になった時大変なことがおきるぞと予言されていましたが見事に的中してしまったといえます。
「敵がいない」状態での、不勉強さがいまの高級幹部の醜態となっています。
(パワハラ問題で3年以上も航空集団司令部付で塩漬けされてる海将補など)
年次を無視して、知識と業務に向き合える人間を選抜していくしかないと思います。
(従来は、仕事ができる人間ほど将官になれない組織になってしまったのが海自です)
Posted by 管理人 at 2025年01月02日 12:44
管理人様、今年もよろしくお願いいたします。

内部の論理にとらわれて技術者養成を怠ってきたつけ> うーん、装備幹部は加えて「どうしてその方針が適当なのか」「なぜ他の方法ではダメなのか」の決定要素を説明すること&理解すること(胸算を示す)が他の科以上に求められると思いますが、その説明を端折ったり、不適切な説明を往々にしてはいないでしょうか?仮にA案とB案があるとして、説明者の「〇〇という理由でA案(orB案)は不適」(=自分自身では図面を引いたり、機械を操作したりということが入隊後にはないので、説明者自身が理解できていないから説得力のある説明が出来ないor何らかの思惑(採用すると後が面倒、内容が気に入らない、関係者からクレームが来る)があって別の案に決定を誘導したいので〇〇を言い訳にして不適切な報告になってしまう)という点はどうされているのでしょうか?

もう1点、意思決定者(高級幹部)の知識の乏しさ(incl.理解力不足&不勉強さ)で「〇〇という理由でA案(orB案)は不適」というのは前段と現象は同じでも天地の懸隔がありますが(=諸先輩方の伝統を否定することになるので承服できないor既存の延長線上にない新技術なのでなぜそうなるのか理解出来ない⇒結果として根回しの済んでいた方針を土壇場でひっくり返される大惨事が発生。通るにしても「何だかよく判らんが、担当者がこれで良いとしているのだから若い者にやらせてみよう」=中途半端な信頼で提案された内容を十分に理解していないのでやはり後で取り返しのつかない大惨事が発生。だが、「言った言わないは言った者の責任。指揮官に伝わるように伝えるのが仕事」と言われるはず)、その点はどうされているのでしょうか?
Posted by HMS at 2025年01月01日 15:45
HMSさま、コメントありがとうございます。

非常に鋭いご指摘ありがとうございます。
本来なら2010年代の造船不況時に、積極的に公募幹部の募集をかけて造船業界からの技術者を海上自衛隊隊や技術研究本部が行うべきでした。

しかし、内部の論理にとらわれて技術者養成を怠ってきたつけが出ています。隊員募集・教育も大改革すべきでしょう。
海技研への教育委託は、ぜひとも行うべきです。

公募幹部の募集については、地本事務所の広報官任せになっていたところがあり完全に後ろ向きだったと素直に反省しております。
サイバー系自衛官や技官の募集のように、好条件募集を行っていくことが今後求められることでしょう。

個人の使命感に依存して、公募幹部の給与福利厚生を改善してこなかった海自には全面的な意識改革が必要です。

そらじのF-35Bについては、整備員は全員機密アクセス許可が下りた空自隊員のみにとなるようですので海自も空自と合同教育課程を作るなどして改革していくべきでしょう。

そらじは、ほんとにフットワークが軽くて新技術に意欲的に取り組んでいます。
伝統に縛られすぎた海自も、意識の大改革が必要です。
(911を経験して有事の自衛隊に慣れた海自幹部がぼちぼと将補に昇格し始めており、上層部の意識も変わるかも?)
Posted by 管理人 at 2024年12月29日 15:00
管理人様、疑実屋様、こんばんは。


艦船装備幹部は、今後教育体制を大転換しないと海軍技術魂を失い弱体化>
公募と技官に期待するほかありません>

残念ながら今後は公募幹部に人を出せるほど造船・造機メーカーに余裕がありません(造船所の設計部門から来たような公募幹部は今後期待できない=造船所の裏事情まで知り尽くしているので修繕などで契約の取り方で造船所の痛いところを突いて迅速化できるような人材がもう出せない)。造船業の就労者数は 2018 年までは 8 万人台を維持してきましたが、建造需要の低迷に伴い2016年以降減少を続け、2022年には 6.3 万人まで減少しています(=受注低迷で操業を落とした2010年代後半の造船不況下で人材が他業界に流出した)。10〜20代の減少幅が特に顕著で少子高齢化に加えてこの層は造船会社間の人材獲得競争に加えて、半導体世界大手・台湾積体電路製造(TSMC)の熊本の新工場などの好条件を出せる異業種競合も相手にしなければならず、技官も成り手が減少します。「海技研に教育委託」と申し上げているのはコンプラに抵触しない形での最後の官民一体の場が公式に設けられる&最低限「理系学部出身の初任技術者」にはなれるという点にかかっています。

加えて公募幹部の認知度自体が低い(=前身の技術海上幹部について、そういう採用制度があることをほとんど周知してこなかったので、応募者が集まらない=気づいた希望者が地本事務所で相談しない限り、案内も不十分)ですから、短大や高専の専攻科(募集要項を読む限り、「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構により学位を授与された者」も対象になっている)出身者でも応募可能なはずですが、これまた熊本高専みたいにTSMCに全振りする家が現れないとも限りません(というより、九州・沖縄地方の他8高専(久留米、有明、北九州、佐世保、大分、都城、鹿児島、沖縄)はその方向で動いている)。公募幹部の知名度の低さについてうみじ事業部はどのような対策をお持ちなのでしょうか?


https://www.murc.jp/library/survey_research_report/koukai_240524/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC091PH0Z01C23A1000000/?msockid=37a36f7b009c6ec712f67c4101766f8f

幹部中級航空装備課程とはあんまり関わりが無い状態> 自分も航空は疎いのですが、記事中にあるように「DDHには空自F-35Bを搭載することになり、ますます大変な課程になる」のであれば、そらじ事業部に一部を渡した方が良いのではないでしょうか?(航空装備は艦船装備ほど悪化していないようですが、組織名称を変えてでも空幕より隊員を茨城県のJAXA筑波宇宙センターに常駐させたり、虎ノ門で宇宙協力オフィス立ててスタートアップ企業の支援までやるそらじ事業部に一日の長があります)
Posted by HMS at 2024年12月28日 23:19
疑実屋さま、こめんとありがとうございます。

ご同業社とお見受けいたします、本当にお疲れさまです。
艦船修理費・武器修理費はいつの時代も不足して、本当にやるべき修理までできなくなってしまっています。(けど年度末になぜか余る)

せめて航空整備幹部並みに、じっくり育てて技術力を高めないと海軍以来の伝統が崩壊してしまうでしょう。

技術者が書類仕事と経理原価算定など、本来業務に取り組めない状況を何とかしないと大崩壊が待っていると思います。
Posted by 管理人 at 2024年12月28日 11:11
コンプライアンスの強化による書類仕事の増大、故障件数に対する艦修/武修の不足(最低限の仕事しかできない。超音波での板厚測定とかやってみたかったなぁ……)、初級Aの3ローテ等々……少なくとも平均的な能力の艦船装備Aが技術屋でいるのはもう無理です。Bはコンプラ面が弱いですし、公募と技官に期待するほかありません……。
Posted by 疑実屋 at 2024年12月28日 08:27
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