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2023年02月05日

新型狙撃銃はHK417ベースか〜!【自衛隊】

『HK417を導入するとは思わんかったな〜!』
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2023年1月23日に、防衛省から突然発表された新型狙撃銃の導入についてはなかなか驚きのHK417となりました。

M24A2の調達から切り替えになるとは、なかなか想像できないものですね。

図1 HK417
図1 HK417.jpg
引用wiki

ボルトアクションから、セミオートマ式への切り替えは米軍M110A1導入を参考にしたのかもしれません。

中々興味深いところです。
(前回記事):『【海上自衛隊】修理費があ!修理費がああ!「いなづま」の件に思うこと!
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(1)M24A2から大転換とは!

陸上自衛隊の対人狙撃銃と言えば、M24が2000年代に導入されて活躍していました。

図2 M24狙撃銃
図2 M24狙撃銃.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTKExqVUsAA7p2t?format=jpg&name=large

新型としてM24A2導入の気配があったので、かなりの大転換とも言えます。

1.1 公表イメージはドイツHKG28タイプにする気かも?

発表された「新たな重要装備品等の選定結果について」では、対人狙撃銃のイメージ図が掲載されていました。

図3 イメージ図
図3 新対人狙撃銃.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2023/01/23e.pdf

イメージ図を参考にすると、HK417がベースとなったドイツ軍採用モデルG28を考慮していると思われます。

HK417のアルミ合金レシーバーをスチール製に変更した、HKG28は狙撃銃としては妥当といえます。

図4 ドイツHKG28
図4 HKG28.jpg
引用URL:https://www.facebook.com/Bundeswehr/photos/?tab=album&album_id=1377356058995649

ただ入札次第では、安い?HK417がそのまま入ってくる可能性も否定できないのが入札の悲しいところです。

1.2 FMSの納入遅れにブチ切れたかな?

M24対人狙撃銃については、FMSにて米国から輸入していましたが米軍の都合が優先されるため納入スケジュールの遅れが話題になります。

図5 M24米軍
図5 M24米軍.jpg
引用wiki

2001年の対テロ戦争にて、M24狙撃銃の所要が増えた結果初期のころに注文したM24が3年遅れで納入されるなどなかなか配備が進まないところがありました。

1.3 小銃選定のついでに検討したかな?

20式小銃での選定時には、7.62mm型の小銃も試験が行われていたことから狙撃銃更新を狙っていたのかもしれません。

図6 M24A2
図6 M24A2.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTKEsjQVUAA7XD1?format=jpg&name=large

普通科教導連隊などで一時期出現していたM24A2だと、FMSでの導入から逃れられません。

対人狙撃銃配備の不足を補う900丁の調達なら、直接HK社から購入する方が何かと都合の良い部分が出てくるでしょう。

某海洋事業部があれだけHK416を運用していることから、アフターサービスも良いと判断したのでしょう。
(警察のMP5整備も含めて、日本はHK社の活躍場所が広がってきた)
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(2)SR-25を選定しなかったのは結果的にはよかったかな?

本ブログでは、色々と狙撃銃について何度か書いてきたことがありました。

図7 MSG-90
図7 MSG-90.jpg
引用URL:https://fanblogs.jp/sstd7628/file/E7B5B1E588B6E59381E79BAEE58886E9A19E.jpg

なぜか海自なのに、MSG-90狙撃銃の補給区分が詳しく決まっていることを説明したりしています。

2.1 艦補処時代にSR-25を検討したことがあった。

以前の記事で、特警隊用にナイツ社SR-25を検討したことがあると書いたことがあります。
(関係記事):『【海上自衛隊】装備品の銃に関するあれこれ雑記

図8 SR-25
図8 SR-25.jpg
引用URL:https://fanblogs.jp/sstd7628/file/kizi6-8203-thumbnail2.jpg

特別警備隊編成当初の時代は、ナイツ社SR-25やHK416・HK417が最先端として持ち上げられていました。

しかしながら、慎重な検討で初期装備としての導入を見送ったことがあります。
(関係記事):『【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関係する研究について

図9 特別警備隊
図9 特別警備隊.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EEUFeS_X4AAMhOG?format=jpg&name=small

あの時期に、SR-25を見送ってMSG-90にしたのはまあ正解だったといえるでしょう。

最近は対物狙撃銃で、GM6lynxを試験しているようですので戦闘研究が進んだといえます。
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(3)特殊作戦群の対人狙撃銃が早く出てこないかな?

GM6 lynxは肩撃ち射撃ができるから自動小銃!と強弁できるかもしれません。

図10 GM6 lynx
図10 GM6.jpg
引用URL:https://i0.wp.com/www.forgottenweapons.com/wp-content/uploads/2021/10/Screen-Shot-2021-10-31-at-10.07.18-AM.png?fit=713%2C525&ssl=1&w=640

疑問なのは、陸自特殊作戦群が使用している対人狙撃銃(中距離域用)でしょう。

3.1 狙撃銃映像はまだまだ出てこないだろうなあ・・・

特殊作戦群については、編成以来公式写真が出てこないことで有名でした。

図11 特殊作戦群
図11 特殊作戦群.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FeXiw7mVQAAsZ4q?format=jpg&name=900x900

2022年についに、オーストラリア国防省につられてついに画像が公式発表されました。

まあ極秘の部隊ですから、これ以上の露出は避けたいとところでしょう。(SBUが露出しすぎなだけ?)

関連する情報として、特殊作戦群が使用していると思われる対人狙撃銃(中距離域用)の推測をしたことがあります。
(関連記事):『【自衛隊】ナゾの対人狙撃銃(中距離域用)について判明していること!

完全な憶測でしかありませんが、想像以上の狙撃銃があるのかもしれません。

今後も狙撃銃については、追っかけていきたいと思います。
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posted by sstd7628 at 13:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 自衛隊

2023年01月12日

「いなづま」の修理費があ!修理費がああ!!【海上自衛隊】

『むらさめ型護衛艦ってよくプロペラ吹っ飛ばすよね(怒)!』
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2023年1月10日に発生した護衛艦「いなづま」の座礁にて、海上自衛隊のあわただしい新年が始まりました。

浅瀬を突っ切って、プロペラと舵・さらには艦首ソナーラバーウィンドも損傷した模様です。

まあ事故原因の調査は、これから進められていくのでしょうが単純ミスだったら目も当てられない状況です。

思えば「むらさめ型」護衛艦って、しょっちゅうプロペラ破損をやらかす問題児だったなあ〜。
(関連記事):『【海上自衛隊】特定秘密漏洩の先陣を切ってどうする!
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(1)うお〜い何しとんねん!

最初にニュースを聞いたときは、「じんつう」事故に続いて何しとんねん!と思う状況です。

図1 プロペラ破損
図1 プロペラ破損.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FGlXtLZWQAgaJaw?format=jpg&name=900x900

舵とプロペラ破損と聞いて、こんな状況になんでなるねん!と思いました。

1.1 年次検査の機関公試での事故かな?

情報を総合すると、JMU因島での検査で出港した護衛艦「いなづま」が、周防大島の南の海上で暗岩に接触して航行不能となったと思われます。

図2 護衛艦いなづま
図2 護衛艦いなづま.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/pco/hiroshima/event/20210731/105_03l.jpg

母港が呉の4護衛隊群所属になっており、活発に活動していた「むらさめ型」護衛艦です。

それなりに古いとはいえ、まだまだ現役バリバリの艦艇が派手に事故ったものです。

1.2 なんで浅瀬を突っ切てるねん!

海上自衛隊の船乗りとしては、周防大島周辺と言えば江田島の近くでもありホームグランドとも呼べる場所です。

図3 周防大島
図3 周防大島.jpg
引用URL:https://kotobank.jp/image/dictionary/nipponica/media/81306024008424.jpg

進路ミスなのか?海図(チャート)確認不足なのか?外力で流されたのに気づいていなかった?

想像される原因は多数ありますが、『なんで深度7mラインがある浅瀬を突っ切てるねん!』

これはもう、徹底的に事故原因を調査するしかないでしょう。

1.3 呉造修補給所の嘆きが聞こえそう・・・

海上自衛隊の関係では、非常に頭の痛いところとなっているかと思います。

図4 多用途支援艦
図4 多用途支援艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ams/hiuchi/img/main_4301.jpg

現場には、えい航をするための多用途支援艦が到着したようなので何とかえい航して呉港に入港させる形になるでしょう。

呉造修補給所の艦船部は、現在てんやわんやの状況となっているのが目に浮かびます。

ただでさえ2022年度予算の時期内なので、ここから修理費をかき集めてドック入りはかなり厳しい状況かもしれません。

年次検査中であれば、JMU因島工場に引き返すという手段も取れるでしょうが因島工場ではプロペラ軸系の工事はちょっと難しい状況でしょう。

予算があ!予算があああ!と激しく慟哭の涙が流れる状態です。(しらね火災でえらい目にあった)
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(2)むらさめ型護衛艦ってホントにプロペラ飛ばすことが多いなあ!

むらさめ型護衛艦というと、現職時代はほんとに「プロペラ折れました〜(涙)」となることが多かった印象があります。

図5 米海軍プロペラ
図5 米海軍.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/CZyPxy_WYAAZEvB?format=jpg&name=4096x4096

米海軍もたまにやらかすけど、むらさめ型はほんとにペラ破損が多かったです。

2.1  可変ピッチプロペラは複雑!

護衛艦では標準装備となった可変ピッチプロペラ(CPP)については、かなり複雑な機能です。

図6 CPP
図6 CPP.jpg
引用URL:https://www.khi.co.jp/mobility/marine/machinery/img/propeller_im01.jpg

護衛艦用CPPについては、通常の可変機構に加えていろんな細工がしているため非常に扱いが繊細です。

1枚のプロペラ翼製造に3か月はかかるため、艦船補給処で予備のプロペラ翼を保管しています。

しかしながら、景気よくぶっ壊すので現職時代に「むらさめ型」の予備品が底をつきそうになったことがあります。

補給本部が、大量に予備品を注文したおかげで何とかやりくりできた部分がありました。

2.2 ソナードームはマジで予備品が少ないぞ〜

問題は、ソナードームも損傷しているという情報があることです。

図7 ソナードーム
図7 ソナードーム.jpg
引用wiki

写真は、米海軍イージス艦に搭載しているSQS-53のソナードームです。

むらさめ型護衛艦に搭載しているOQS-5は、船底装備ですが強化ゴム(補強用ワイヤー入り)で製造されています。

一応交換年数が定められており、予備品もあるのですがなかなか交換費用が厳しいことになるでしょう。
(中のソナー素子も点検交換が必要かも?)

2.3 運動性が良くなった弊害?

むらさめ型護衛艦は、船体設計が良くなり凌波性も向上したため荒波を乗り超えていきます。

図8 凌波性
図8 波乗り越え.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FUjTjcAVEAAAD_x?format=jpg&name=large

こんな感じで、派手に乗り越えた結果「プロペラ曲がった〜!・折れました〜!」と造補所・艦補処に連絡が来ることがよくありました。

はつゆき型・あさぎり型・イージス艦やDDHではそんなになかったのに、なぜかむらさめ型だけペラ交換が多かったんですよ。
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(3)さらに事故が続かなきゃいいけど・・・

2022年には、護衛艦「じんつう」が横須賀港内で接触事故を起こしており事故が続く印象があります。

図9 護衛艦じんつう
図9 じんつう.jpg
引用wiki

船の事故は結構連続して起きるから、本気で注意が必要です。

3.1 ジャイロコンパスの狂い補正ミスだとやべえぞ!

海図を見ると、一直線に浅瀬を突っ切った航跡になっているようです。

図10 ジャイロコンパス
図10 ジャイロコンパス.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/D_AuQcvVUAE9ldP?format=jpg&name=large

艦橋での操艦では、ジャイロコンパスを見ながら操艦を行います。

厳正に狂いが無いようにチェックをしながら、航行を行いますがコンパスチェックを忘れていたなら大問題です。

どうも航跡を見ると、ジャイロコンパスの狂いを放置したまま全速航行したような感じしかしません。

今後の徹底的な原因究明が望まれます!
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2022年12月26日

【海上自衛隊】特定秘密漏洩の先陣を切ってどうする!

『イージス漏洩の二の舞いを海自がやるとは!』
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2022年12月26日、海上自衛隊での特定防衛防衛秘密漏洩事件の処分が下されました。

流出元となった、I1等海佐については懲戒免職となりましたが大元の海自OB元海将の名前は最後まではぐらかされた感じになりました。

図1 海幕長
図1 海幕長.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/about/topmessage/img/sakairyo_2.jpg

まあ防大派閥の関係もあり、言いたくなかったんでしょう。

色々怪情報が飛び交う前に、知りえる情報を流しておきましょう。
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(1)ペンギンはI1等海佐の元部下でした。

私ペンギンも海上自衛隊にいましたので、関係情報やいろんなバックグラウンドを知る立場にあります。

今回の懲戒免職事案について、ちょこっとばかり関係者が混じっているので驚いています。

1.1 ペンギンは、I1海佐の元部下でした。
実のところを言うと、懲戒免職となった「I1海佐」の元直属部下だったことがあります。

直属の部下として、1年以上勤務しているため結構いろんなことを知りえました。

海の世界だと、1年ほど上司と部下の関係を続けると結構後々濃いつながりとなります。

そのため良い面も悪い面も知ることになります。

元部下という関係上実名を避けることで、最低限の義理は果たそうと思います。

1.2 あんまりよい上司じゃなかったんだよね・・・

結論から言うと、I 1海佐はあんまり良い上司ではなかったというのが元部下ペンギンの結論です。

実際に同僚だった幹部自衛官が、2名ほどツブされたのを目の当たりにしました。
(パワハラではないけどやりにくい人だったなあ・・・)

ペンギンはほとんど箸にも棒にも引っかからなかったのか、ツブされることはなかったです。

他にI1海佐の部下になった人からも、あんまりいい評判はなかったんですよね。

1.3 I1海佐は一般大出身者の幹事付経験者

知っている正確な情報として、I1海佐は防大出身者ではなく一般大出身で幹部候補生学校に入った経緯があります。

なんだか防大出身の先輩後輩関係が〜なんて、まるで防大出身者であるような情報が出回っていますが全くの間違いです。

ただ優秀だたっため、海上自衛隊幹部候補生の「幹事付」(通称:赤鬼・青鬼)になるほど優秀だったのですが・・・

元部下として、この人情報保全意識大丈夫かな?と思ったことがあります。(任務艦)

だから元部下で1佐クラスまで上がってきた人間に、後ろから刺された状態になったのかもしれません。
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(2)漏洩先のOBはあの人かな?

今回特定秘密の漏洩先として、元自衛艦隊司令官を経験したOB(元海将)の情報があります。

ネットでK提督だろう!なんて情報がありましたが、別の元海将が思い当たる節があります。

2.1 I元海将じゃないだろうか?

思い当たる節として、I元海将(防大出身)ではないかな?と個人的には思っています。

図2 自衛艦隊
図2 自衛艦隊.jpg
引用wiki

アノ人に心酔していたから、ついつい漏洩してしまったのかも・・・

Twitterで情報発信をしている、空自で情報職域の幹部をしていた「Sonoda Hiroki氏」が思いっきり呆れています。
(いつもTwitterでの知己のある情報発信に感謝しかありません!)

図3 Sonoda Hiroki氏のTwitter
図3 Twitter.png
引用URL:https://twitter.com/SonodaHiroki/status/1606866724393222146

I元海将って不思議と人を引き付ける魔力みたいなものがあったので、心酔する幹部は結構いたんですよね。

防大・一般大出身の垣根を越えることができた、不思議な魔力を感じる人でした。
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(3)OB問題は根が深いぞ〜?

自衛隊OBが現職に情報を求めてくることはよくあるんですよね。

私の場合、装備幹部でしたので入札・予定金額の話・検討中の装備情報を求めてくる人が多かったですね。

特に「M重工(名航宇宙)」って、的確に元上司だったの顧問(将官クラス)をあてがってくるのですげえ嫌でしたね。

イージス情報漏洩事件で、あれだけ海上自衛隊へのバッシングが起きたのにまた情報漏洩をやらかすとは情けないにもほどがあります。

情報保全の再度規律徹底を望みます。
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2022年12月02日

射程3000kmと感度3000倍って似てるよね?【軍事技術】

『んほお〜〜♡!トンじゃう〜〜〜♡!!』
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いきなり変な発言ですが、最近の反撃能力を睨んだ長射程誘導弾の話を聞くとこんなことを思い浮かべます

射程3000kmと感度3000倍って似てるよね?(対魔忍に浸食された思考)

図1 極超音速誘導弾
図1 極超音速誘導弾.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20220831.pdf

長射程を見据えるのはいいのですけど、後方支援態勢(弾薬庫など)が大変になるだろうなあ〜。

トマホーク巡航ミサイル導入に前のめりだけど、衛星通信やデジタルマップのことも考慮してるのかな?
(関連記事):『【軍事技術】イスカンデルのデコイ機能がついに露見?!
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(1)射程3000kmってIRBMじゃね?

防衛大綱や中期防の改訂により、反撃能力としての長射程誘導弾が大量に量産されるようになります。

図2 極超音速誘導弾
図2 極超音速誘導弾.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2020/poster/kenkyu_06.pdf

ひと昔前だったら大炎上ものだった、反撃能力の長射程誘導弾開発が行われることに時代の変化を感じます。

1.1 HGV(極超音速誘導弾)を日本が保有する時代になるとは!

ひと昔前だったら周辺国に軍事的脅威を与える!の掛け声で、研究さえできなかったであろうHGVの具体的な装備化計画が進むことに時代の変化を感じます。

図3 HGV
図3 HGV.png
引用URL:https://chanakyaforum.com/wp-content/uploads/2021/10/Hypersonic-1.png

弾道ミサイルと違い、極超音速で低空を飛行することで敵策源地攻撃の切り札となるでしょう。

北朝鮮を始め、中国や世界各国が必死になって開発しているところですので順当な開発といえます。

1.2 射程3000kmまで延伸するんか?!

そんな中で、研究開発中の極超音速誘導弾について射程3000kmまで段階的に射程延伸するというニュースが登場してきました。

図4 島嶼防衛用高速滑空弾
図4 島嶼防衛用高速滑空弾.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/fukuda.pdf

12式SSM能力向上型と共に開発が進む島嶼防衛用高速滑空弾にて、とりあえず早期装備型で射程1000km・発展型で射程2000kmを目指すことになります。

そんな中で、本命の極超音速誘導弾(HGV)にて射程3000kmを目指すというニュースが流れています。

北海道から発射して、南西諸島の防衛に寄与するという発想はなかなかすごい時代です。

しかし射程3000kmと聞くと、感度3000倍!のフレーズに似てきています。

信管の感度も3000倍になってたら嫌ですね〜!

1.3 やっぱIRBM・・・?

しかし射程3000kmという長射程となると、いくら島嶼防衛用の極超音速滑空弾(HGV)です!と主張しても世界から疑念を持たれそうですね〜?

図5 IRBM
図5 IRBM.png
引用wiki

今は絶滅したソ連のSS-20など、中距離弾ミサイルに近い状況になるかもしれません。

一応攻撃型兵器の保有は憲法違反になるので、島嶼防衛用として射程3000kmに制限する形になるでしょう。

弾道飛行しないから弾道ミサイルじゃないもん!という論理で何とかミサイル技術管理レジーム(MTCR)から逃れてほしいところです。
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(2)トマホークミサイル導入交渉は15年遅い!

反撃能力の整備に関して、トマホーク巡航ミサイル導入の話が持ち上がってまるで既定路線のようになっています。

図6 トマホーク巡航ミサイル
図6 トマホーク巡航ミサイル.jpg
引用wiki

国産ミサイル導入までのつなぎとして、お手軽に導入できると踏んでいるのでしょうが後方支援態勢が考慮されていない?

2.1 トマホーク導入は15年遅い!

私ペンギンはかつて海自にいたころに、対艦型トマホークミサイル(射程450km)導入の話をよく聞きました。

図7 対艦型トマホーク
図7 対艦型トマホーク.jpg
引用URL:http://www.ausairpower.net/USN/BGM-109B-Cutaway-S.jpg

海自としては、射程の短いハープーンや90式SSMではいずれ長射程化している中国のSSMに対抗できなくなると危機感を抱いていました。

2004年の16大綱でも調達計画に言及するほど、長射程トマホークの導入が言われていましたがあまり盛り上がらず結局導入する機会を逃してしまいました。

もしもあの時に導入計画が進んでいれば、トマホーク巡航ミサイルの対地型導入もすんなりいったでしょう。

しかしながら危機が目前に迫った状態で、いきなりトマホーク導入は議論が15年遅かったとしか言いようがありません。

2.2 電子マップは?システム改修は?

トマホーク巡航ミサイルを導入するときに問題となるのが、電子マップとシステム改修です。

電子マップとは、TERCOM(地形等高線照合)とDSMAC(デジタル式情景照合)の機能を活用するための基礎情報です。

図8 TERCOMとDSMAC
図8 TERCOM.jpg
引用URL:https://vcdn1-vnexpress.vnecdn.net/2013/08/31/328070-397-1377930533.jpg?w=680&h=0&q=100&dpr=1&fit=crop&s=he9xSzeXwZIaBxp_gFSWVg


電子マップ基礎情報が膨大であり、単にミサイル本体を買っていてイージス艦のVLSに搭載すれば反撃能力を獲得できるわけではありません。

トマホークシステム(TWS)導入の初期費用を米軍資料で読んだことがありますが、普通に対艦ミサイルを買い増しした方がいいくらいの準備費用が発射までにかかります。

図9 イージス艦発射
図9 イージス艦発射.jpg
引用wiki

米海軍でのイージス艦からの発射映像に慣れすぎてしまって、日本のイージス艦からも簡単に撃てると思われているかもしれません。
(下手をすると防衛省上層部や国会議員も思ってるかも・・・)

しかし日本のイージス艦のイージスシステムからは、TWS(トマホーク武器システム)などの機能を完全にオミットしているため最初からプログラム構築をし直す必要があります。

イージスシステムのプログラムは膨大なソースコードがあり、簡単にこの機能追加!ができないところがあります。

図10 こんごう型護衛艦
図10 こんごう型護衛艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddg/kongou/img/173_05l.jpg

こんごう型護衛艦導入の時は、日本独自の機能(FCS-2・NOLQ-2・127mm主砲など)追加で非常にシステムインテグレーションに苦労したと聞いています。

この時日本はTWS導入をしないため、完全にシステムから切り離した「ジャパンカスタム」仕様になっています。

2.3 TWS導入にはプログラム全部総入れ替えになるぞ〜!

BMD器材の導入時にもかなりシステムインテグレーションには苦労したのに、一度オミットしたTWSの機能を導入するのは容易ではありません。

ただ発射機能のコントロールだけでなく、システム全般や衛星通信系統まで影響を及ぼすためプログラム総入れ替えになるでしょう。

そのためミサイル本体約1億円だ〜!と騒いでも、LCCで考えるととんでもなく高価になる可能性もあります。(プログラム構築・電子マップデーター費用・米国との連接)

そもそも米国が売却してくれる確約は?(英国がようやくトマホーク売却となったのに?)
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(3)これからも反撃能力には注視が必要!

日本もようやく危機感に目覚めて、反撃能力の長射程誘導導入に動くことになりました。

図11 12式SSM能力向上型
図11 運用構想.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/2020/pdf/jizen_08_honbun.pdf

しかしながら、開発には時間がかかるためトマホークが導入されるか?12式能力向上型配備が間に合うか?となるでしょう。

トマホークミサイル導入は、米国の気分次第でどうにでもなるためしっかりと今後を見据える必要があるといえます。

これからの状況を注視していきましょう!
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2022年11月01日

ラムだっちゃ!あなたはどのラムが好き?【面白話】

『あなたはどのラムだっちゃ?!ミサイル?対戦車もあるよ?!』
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今回は久々に趣向を変えて、懐かしアニメの復活と軍事の話にしてみましょう!

2022年10月から41年ぶりに、うる星やつらが復活しました。

図1 ラム
図1 ラム.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fe7dSWgUcAM8Z6I.jpg

ラムだっちゃ!の名セリフは、懐かしさと色々な想像を掻き立てるものがあります。

アナタは、どんなラムが好き?
(参考記事):『【アニメ】デレマスアニメで梨沙が使うショットガンは何だろう?
\こちらもご参考に!PR/

(1)RAMだっちゃ!近寄るあなたを撃退するぞ!

軍事オタクがラムと聞くとどうしてもこんなことを思い浮かべます、

図2 RAM
図2 RAM.jpg
引用URL:https://prd-sc101-cdn.rtx.com/-/media/rmd/lang/ja/capabilities/products/ram-missile/2021-08/images/ram_gal_img1_ja.jpg?rev=6831bd377156415a9e51095227dde61f&w=1600&hash=ACFF7C1113F1074DFEB26C7A8E61B343

対艦ミサイルを迎撃するRAMを思い浮かべるところがあります。

1.1 海のRAMは全方位!
海軍の世界だと、RIM-116 RAM(Rolling Airframe Missile)が最初に浮かんできます。

図3 いずもRAM
図3 いずもRAM.jpg
引用wiki

いずも型護衛艦から搭載が始まったSeaRAMは、CIWSのレーダーと組合わせたもので海上自衛隊のこれからの守護神といえます。

カミナリサマのように、近寄る敵を撃退できるでしょう。

1.2 ラムに嫌われたあぶくま型護衛艦も忘れないで!

RAMについては、いずも型護衛艦から搭載となりましたが本来ならば「あぶくま型」護衛艦に搭載されるはずでした。

図4 あぶくま型護衛艦
図4 あぶくま型護衛艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/de/abukuma/img/233_01l.jpg

あぶくま型護衛艦(61DE)が計画された1980年代には、RIM-116の開発も少し進んでおり搭載の見込みはほんとにあったんです!

対空装備の余裕がなかったあぶくま型護衛艦に、対空能力を増強させる予定でしたが完成が遅れて計画が流れてしまいました。

本来なら主砲の後ろに搭載する予定で、しっかりと空間も確保していたのに結局実現しませんでした。

2000年代にFRAMで、あぶくま型に搭載する予定が持ち上がったのですがなかなか予算が下りず計画が流れました。

1.3 たかつき型の増強として!

2000年代は、近代化改装したたかつき型護衛艦が退役する予定となり対空増強能力の減少が問題視されていました。

図5 たかつき近代化
図5 たかつき近代化.jpg
引用wiki

「たかつき」「きくづき」2艦の改装に終わった近代化FRAMを増強するはずが、むらさめ型護衛艦建造に予算が取られたのが痛いところでした。

ホントはRAMがもっと普及していたのに〜!
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(2)LAMだっちゃ!あなたの装甲撃ち抜くぞ!

ラムと聞いて陸自の人が聞くと、この装備を思い浮かぶかもしれません。

図6 LAM
図6 LAM.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FcAiYGyagAAgnyc?format=jpg&name=4096x4096

110mm個人携行対戦車弾(LAM)が想像できます。

2.1 貫通能力は最高レベル!
LAMについては、自衛隊が保有する個人携行の対戦車兵器の中では最高レベルと言えるものです。

図7 戦車貫通
図7 戦車貫通.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EYRK06JUYAAZUvh?format=jpg&name=small

61式戦車の正面装甲ぐらいなら貫通できるでしょう。

一度陸自の見学でLAMを持たせてもらったことがありますが、なかなか重いところがあります。

2.2 あなたのハート(装甲)を撃ち抜くぞ♡!
LAMの名前にふさわしく、戦車や装甲車などの車両についてはかなりの威力を持っています。

図8 LAMだっちゃ!
図8 対戦車射撃.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/36i/images/photogrally/2/2-7/2-7_7.jpg

狙われた方は、たまったもんじゃないでしょうが強力な装備といえます。

ハート(装甲)を化学エネルギーで撃ち抜く、なかなか強力なアタックといえます。

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(3)あなたのラムはどんなもの?

ラムと聞くと、アニメの他にいろんな軍事的発想が出てきます。
図9 衝角
図9 衝角.jpg
引用wiki

私は衝角(ラム)を思い浮かべますね〜。

3.1 物理力のヒロインもいいよね!
アニメだとファンタジーですが、物理力で侵入してくるヒロインもいいかもしれません。

図10 こんにちは〜!
図10 バッテイングラム.jpg
引用URL:https://www.meme-arsenal.com/memes/14b17ba973baac03656ced0fc4d899d9.jpg

そんなヒロインがいたらいやだ!

アナタのラムだっちゃ!はどれが好き?
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2022年10月03日

軍艦のステルス性の誤解と効果の狙いについて!【軍事技術】

『軍艦のステルス性は数秒でも探知を遅らせるのが目的!』
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2022年になって、米海軍駆逐艦ズムウォルトやフリーダム級LCSが横須賀に寄港するなどなかなかぶっ飛んだ時代となりました。

軍艦のステルス性を極めたような、駆逐艦ズムウォルトはもはや別次元のものとなっています。

そんな中で、最近の軍艦によくあるステルス性を求めてカクカクした形状となるこにどんな意味があるのかという疑問があるようです。

レーダーに映らないというより、レーダー探知を遅らせることが目的といえます。
(前回記事):『【世界情勢】現代補給戦は恐怖の物量戦!
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(1)駆逐艦ズムウォルト来訪!

2022年になり、あの米海軍ズムウォルトが横須賀に来訪したことはかなり驚くべきことです。

図1 駆逐艦ズムウォルト
図1 駆逐艦ズムウォルト.jpg
引用URL:https://cdn.dvidshub.net/media/thumbs/photos/2209/7436955/1000w_q75.jpg

もはや未来の軍艦と思われましたが、艦砲が開発中止となりアーセナルシップ状態です。

1.1 最近の軍艦なんでステルス性を追求するの?

海上自衛隊も、むらさめ型護衛艦以降はステルス性を追求した設計となり「もがみ」型護衛艦はステルス性を優先した設計となりました。

図2 もがみ型護衛艦
図2 もがみ型護衛艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ffm/mogami/img/1-10.jpg
まあつるペタだの、軍艦の威厳が無いだの散々な言われようですがステルス性を追求している以上仕方ありません。

私も参考記事で散々、ステルス性を追求したロシア艦に文句を言っています。
(参考記事):『【ロシア】ソ連感の無い軍艦なんてただのロシア軍艦だ!

なんでここまでステルス性を追求するのか?理由としてはレーダー探知をできるだけ遅らせることに重点を置いているからです。

1.2 従来設計だとレーダーに探知されやすい!

以前のようなゴテゴテとした軍艦であると、装備品がむき出しとなりレーダー反射断面積(RCS)が大きくなってしまいます。

図3 あさぎり型護衛艦
図3 あさぎり型護衛艦.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/dd/asagiri/img/152_01l.jpg
あさぎり型護衛艦の右舷後部格納庫に至っては、ステルス性が損なわれる!と散々批判を受けたものです。
(設計当時の1980年代はまだステルス性の配慮はなかったため)

いろんな平面や曲線が折り重なると、どうしてもステルス性が損なわれるものです。

レーダーの発達とステルス研究の成果により、1990年代から軍艦にも対レーダーステルス性を追求するようになったのです。

1.3 レーダー探知が少しでも遅れるのを目指す!

軍艦がステルス性を追求して、各国とも似たような設計となるのはどうしても避けられない状況です。

図4 フランスアキテーヌ級駆逐艦
図4 フランスアキテーヌ級駆逐艦.jpg
引用wiki
フランスのアキテーヌ級駆逐艦もどこかで似たような設計になっています。

図5 対艦ミサイル補足
図5 対艦ミサイル補足.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EsGNgDNVQAAl3Jd?format=jpg&name=small

とにかくレーダー探知・艦ミサイルのシーカーが目標補足する時間を数秒・数マイルでも遅くできると、生き残れる確率がぐっと上がります。

そのため艦艇のステルス性追求は、全く無意味ではありません。
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(2)航空機とは違う艦艇のステルス性・RCS低減の意義!

ステルス戦闘機などでは、可能な限りレーダーに映りにくい設計を行っています。

図6 F-35A戦闘機
図6 F-35A戦闘機.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/equipment/sentouki/F-35/images/gallery/f35img0004.jpg

しかしながら、艦艇の場合は航空機とは少しばかりステルス性への考えが違います。

2.1 シー・シャドウみたいにはいかない!

艦艇の究極のステルス性を追求したのが、米国で開発された「シー・シャドウ」でしょう。

図7 シー・シャドウ
図7 シーシャドウ.jpg
引用wiki
米国で1982年に就役した実験艦シー・シャドウは、水上艦の究極のステルス性を追求したものです。
かなりステルス性に優れていましたが、乗員の居住性や武器搭載などに問題がある状況です。

水上艦は、戦闘にてできるだけ遠距離の目標を探知すると共に居住性確保のためある程度の容積が必要です。

そうすると、ある程度妥協してできるだけレーダー反射(RCS)が少ない設計となります。

2.2 水上艦のRCS低減はいろいろな方法で!

航空機のRCSについて、360度全方向のデーター表は結構出ています。

図8 航空機RCS
図8 航空機RCS.png
引用URL:https://www.researchgate.net/profile/Henning-Heiselberg-2/publication/224186083/figure/fig5/AS:393073545760771@1470727444716/Frequency-averaged-polar-RCS-of-a-metal-model-of-aircraft-fighter-F-35.png

同じように、艦艇でもステルス性を図る指標としてRCS(レーダー反射断面積)があります。

図9 艦艇RCS
図9 艦艇RCS.PNG
引用URL:https://www.c-130.net/forum/download/file.php?id=30480&mode=view

艦艇の場合、真横のRCS共に艦首・艦尾のRCSも結構大きいものがあります。

その他、角度によってはRCSが低くなるところもあり結果としてRCSを低減させるには外板を傾けていくのが一般的になります。

2.3 AC-14アンカーが意外とステルス性の問題となる!

海上自衛隊でも、昔に艦艇の洋上でのRCS計測をいくつもの艦艇で行い意外な結果が出たことがあります。

各艦艇とも、設計段階でのRCS予測クリアする結果でしたが意外なものがステルス性を失わせる結果が出たことがあります。

図10 護衛艦アンカー
図10 護衛艦アンカー.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/dd/takanami/img/113_04l.jpg

それは、艦艇に当然装備されているAC-14アンカーがRCS増加の要因となることでした。

洋上で航行している護衛艦は、AC-14アンカーが艦首の外壁に張り付いていますがこのアンカーが意外とRCSを増大させている原因と判明しています。

図11 フォーミダブル級フリゲート
図11 フォーミダブル級フリゲート.jpg
引用wiki

19DD(あきづき型)にてアンカーの艦内格納が検討されましたが、船価上昇の原因となるため「もがみ型」護衛艦になってようやく、フォーミダブル級フリゲートのような格納型になったのです。

もがみ型護衛艦のステルス性追求の方法として、アンカーの艦内収納が行われました。
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(3)ISAR(逆合成開口レーダー)には弱いよ!

艦艇のステルス性追求は、レーダー探知を少しでも遅らせる効果がありますが苦手なものもあります。

図12 逆合成開口レーダー
図12 ISAR.png
引用URL:https://www.slideserve.com/hugha/advanced-synthetic-aperture-radars-powerpoint-ppt-presentation

逆合成開口レーダーと呼ばれるレーダーは、艦艇の揺れによる電波の乱れを利用して目標探知を行うためステルス性があまり意味をなさない場合もあります。

しかしながら、ISARが搭載できるのは今のところ航空機が中心です。

将来的には、ISARを持った水上レーダーも登場するでしょうが今のところはカクカクのステルス性追求で十分でしょう。

今後の技術革新を迎えると、艦艇のステルス性も変化するかもしれませせんよ〜!
電波のステルス性は、キツネとタヌキの化かし合いです!
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posted by sstd7628 at 14:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 軍事技術

2022年08月31日

現代補給戦は恐怖の物量戦!【世界情勢】

『やっぱり補給戦は恐ろしい物量戦になるな〜!』
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2022年2月にウクライナ戦争が開戦して、半年が経過しながらいまだに終戦の兆候が見えない状況です。

国土防衛戦となったウクライナでは、恐ろしいほどの弾薬燃料などが消費されています。

図1 弾薬ケース
図1 弾薬ケース.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FbJWNdiVsAE2BuY?format=jpg&name=small

積みあがった弾薬ケースの山を見て、我が国の弾薬備蓄と共に輸送手段の確保という現実問題に直面します。

ホントに現代戦は、物量戦と輸送力の戦いとなるでしょう!
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(1)恐ろしいほどの弾薬消費量!

ウクライナ戦争については、SNSの可視化により近代戦の状況を明らかにしています。

図2 砲弾準備
図2 砲弾準備.jpg
引用URL:https://images.wsj.net/im-611613/?width=700&size=1.5

供与された西側155mm砲弾準備をしている光景が、写真にも出てくるようになりました。

1.1 弾薬ケースの山を見て戦慄が走る!
数日前に、ウクライナ某所での155mm榴弾砲に使用する装薬の空ケースが積まれた写真が登場しました。

図3 榴弾砲射撃
図3 榴弾砲射撃.jpg
引用URL:https://d1ldvf68ux039x.cloudfront.net/thumbs/photos/1411/1661651/1000w_q95.jpg

榴弾砲を射撃するときには、当然として発射装薬が必要となります。

最近では射程に合わせて、装薬量を簡単に変更できるユニバーサルチャージャーが主流となっています。

1.2 装薬がドーナッツ状になるユニバーサルチャージャー!

装薬単位を簡単に変更できるM232A1は、相当数がウクライナに供給されかなりの射撃量となっているようです。

図4 捕獲されたM232A1
図4 捕獲された装薬.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FWwlOzrXgAcLLgo?format=jpg&name=large

ロシア側にも捕獲されていますが、相当量の装薬が砲弾と共に戦場に補給されている状況です。

1.3 補給部隊への負担はものすごい状況に!
これだけ射撃しているということは、補給部隊が輸送して前線部隊に砲弾・装薬を届けるのにかなりの作業量となっているといえます。

図5 装薬搭載
図5 装薬荷下ろし.jpg
引用wiki

発射装薬がケースに入って簡単に持ち運びできるようにはなりましたが、補給を行うトラックなどに搭載荷下ろしをする手間が相当かかることになります。

さらに分散した砲兵部隊へ、適時に補給をしていくとなると現代戦の桁違いの物量消費を見せられて戦慄しかありません。

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(2)弾薬備蓄もいいけど輸送・搭載荷下ろし作業を考慮してるかな?

ウクライナ戦争の影響からか、長射程対艦ミサイルの大量備蓄方針が政府主導で決まるなど変化しています。

図6 弾薬庫
図6 弾薬庫.jpg
引用URL:http://www7b.biglobe.ne.jp/~chi-tan/images/maehata1.jpg

弾薬備蓄は良いことですが、弾薬庫が準備できるんですかね?

2.1 弾薬庫の補修もままならない状況

現状においては、弾薬庫の新設工事はいろんな影響を受けてなかなか進まない状況です。

さらには、既存の弾薬庫についても補修工事について何度も会計検査院にツッコミを入れられている状況です。

図7 工事概要
図7 工事概要.jpg

引用URL:https://report.jbaudit.go.jp/org/h27/IMG/2015-h27-0567-0-z0.jpg

2015年ごろから、さんざん弾薬庫の土堤はちゃんと補修しろやゴルァ!と会計検査院に言われている状況です。

さらなるミサイル弾薬備蓄と言われても、ちゃんと弾薬庫が準備できるのかな?

2.2 輸送能力の整備も重要!
弾薬備蓄を増強するのもいいですが、弾薬を実際に現地に届けるという輸送能力の向上も忘れてはいけません。

(参考記事):『【幕僚編D】反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!

以前に紹介した、自衛艦隊後方幕僚部の演習に参加したときも弾薬燃料があっても輸送手段・補給拠点までの輸送に非常に苦労しました。

さらに現場では、弾薬燃料食料品などあらゆるものについて搭載荷下ろしは人力を必要としています。

図8 03陸演
図8 03陸演.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FBuqEfgVEAQRNcN?format=jpg&name=900x900

自動化が進んだといっても、まだまだ人力で搭載荷下ろしが必要な状況です。

そんな輸送能力を強化することが、完全に忘れられてる気がします。
(後方が地味だとでも言いたいんかい〜!)

2.3 ウクライナ補給部隊の苦労に共感する。

そんな中で、北部東部南部の戦線にまんべんなく補給を届け続けているウクライナ軍の補給部隊の奮闘はかなりのものです。

図9 ウクライナ寿司
図9 ウクライナ寿司.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1537649689520394240/pu/img/j2xKyglFvolOHcT0.jpg

6月ごろに、ウクライナ兵が野外で寿司を食べている光景を見てまだ何とか補給ラインが機能していることがよくわかります。

今後は、冬に向けた準備となりさらに苦労が多くなるでしょうが頑張ってほしいものです。
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(3)戦争は補給戦だよ!

戦争については、前線で撃ちあうだけではなく補給戦にて大量の物量を補給できるかどうかで決まるとも言えます。

図10 ロシア空挺兵
図10 ロシア空挺軍.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fad0TZTXwAMHQZ5.jpg:medium

精鋭であるはずのロシア空挺軍第7親衛空挺師団兵士でさえ、サビた機関銃を侵攻直前に供与されたという話を聞いて兵站の重要性を痛感しました。

ホントに、現代戦は補給の物量戦にかかっていますよ!
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posted by sstd7628 at 13:51| Comment(9) | TrackBack(0) | 世界情勢

2022年07月30日

北朝鮮軍の必読本をようやく買えました!【雑記】

『すんげえ内容いっぱいで買ってよかった!』
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2020年ごろに、北朝鮮軍に関する本が登場したと聞いてから2年が経過して最近ようやく購入することができました。

「朝鮮民主人民共和国の陸海空軍」(The Armed Forces for North Korea )と呼ばれるオランダで発行され日本語版が出たものです。

図1 表紙
図1 本.gif

近年北朝鮮に関する本や特集はあれど、陸海空軍に関してここまで情報を集めた本はないでしょう。

お値段以上のすごい価値のある本として、北朝鮮を理解する上で必須本です!
(前回記事):『【軍事技術】VLSの洋上再装填が話題なので・・・
\こちらもご参考に!PR/

(1)お値段以上のすごい価値のある北朝鮮軍の書籍

以前から、本ブログでは北朝鮮関係を追っかけていましたが基礎情報が足りないと痛感していました。

(参考記事):『【北朝鮮】イスカンデルミサイルもどきを再整理してみる!

図2 北朝鮮
図2 北朝鮮.jpg
引用URL:https://img9.yna.co.kr/etc/inner/JP/2017/05/22/AJP20170522000500882_01_i_P2.jpg

そんな中で、北朝鮮軍に関する本が外国で登場すると聞いて待っていました。

1.1 OSINTサイトOryxから登場!

北朝鮮の陸海軍に関する本を出版したのは、オランダに本拠地を置くOSINTグループOryxです。

図3 Oryx
図3 oryx.png
引用URL:https://1.bp.blogspot.com/-HLfgaUHRLnc/XwNGwWwCQYI/AAAAAAAAN5g/Uh4v-kIdiWoEuTZgIs6TUabEYBEzGswDgCK4BGAYYCw/s1600/23.png

私が最初にoryxを参照するようになったのは、沿ドニエストル共和国の情報を捜索する中で偶然出会ったものです。
(参考記事):『【世界情勢】ルーマニアをめぐる世界情勢がロシアの戦争の火種になる!

この中で、ルーマニア情勢の発火点の一つとしてトランスニストリア(沿ドニエストル共和国)の情報を探していました。

日本語サイトでは、まず発見できないであろう沿ドニエストル共和国の情報が入手でき非情に参考になりました。

1.2 北朝鮮情報の参考としても利用!

さらに、北朝鮮情報について日本では探しにくい情報のありかなども発信されていて非常に参考になりました。

図4 北朝鮮兵士
図4 北朝鮮兵士.png
引用URL:https://militarywatchmagazine.com/m/articles/2017/12/28/images/image_5a47c8c37a0da5_72243078.PNG

突然パレードに登場した、ヘリカルマガジン装備の北朝鮮兵士などについても冷静な論評に関心していました。

1.3 Tarao Goo氏という貴重な存在

そんな中で、日本においてoryxの情報について翻訳・紹介しているというTarao Goo様という存在を知りました。

図5 Tarao Goo様のTwitter
図5 Tarao Goo.png
引用URL:https://twitter.com/GreatPoppo

Tarao Goo様がいなかったら、発刊して間もなくの2021年に和訳版の本が登場することもなかったでしょう。

本気の情熱にて、北朝鮮軍本の和訳版出版に尽力した活動に敬意を表します。
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朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍 [ ステイン・ミッツァー ]

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(2)5~6万円の値段が付いていても不思議じゃないほどの内容!

発刊された北朝鮮軍の本は、「朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍」という名称で発行されました。

近くの書店になかなか入荷せず、最近ようやく入荷して購入できました。

2.1 お値段以上の衝撃と情報の充実!

北朝鮮軍の本を入手して思ったことは,

・価格5〜6万円以上する本として売ってても不思議じゃないぞ!(税込み5720円)
・知りたかった情報が全部ある!

という衝撃の感想でした。

図6 先軍915
図6 先軍915.png
引用URL:https://x0.ifengimg.com/res/2021/230CC8EF7EA0DE38C48185CEACE1D746506CABEB_size312_w553_h333.png

今まで知らなかったことや、知りたかったけどどれが本当の話なのか不明だった部分が全部書いていました。

2020年までの情報ですが、十分北朝鮮軍を理解するうえで必読本といえます。

2.2 北朝鮮にT-72戦車はあるのか?
北朝鮮を調べていると、色々な戦車の写真が登場してくるのですが一つの疑問が根底にありました。

図7 T-72戦車
図7 T-72戦車.png
引用wiki

それは、T-72戦車が北朝鮮に存在するのかどうかというものです。

先軍915などT-72戦車に似た最新鋭戦車が出てくるものの、オリジナルのT-72戦車が登場する気配がありませんでした。

結果として、北朝鮮軍本では少なくとも1両のT-72戦車が北朝鮮に渡っているという情報が得られました。

しかも、T−62戦車をベースに国産化戦車にT-72戦車の技術が適用されていることが紹介されています。

2.3 北朝鮮海軍にOTOメララがあるのか?
また北朝鮮軍のウワサとして聞いていた中で、イタリアOTOメララ76mm速射砲が存在するという話がありました。

図8 北朝鮮展示会
図8 北朝鮮展示会.jpg
引用URL:https://21stcenturyasianarmsrace.files.wordpress.com/2022/01/north-korean-naval-weapons-exhibition-2021.jpg

2021年の北朝鮮武器展示会には、OTOメララ76mm速射砲そっくりの兵器が展示されていました。

北朝鮮軍本では、この情報にも触れておりリビア経由で現物を入手した上で北朝鮮が国産化に成功して海外輸出までしてることまで書かれています。

図9 ミャンマー海軍
図9 ミャンマーフリゲート.jpg
引用wiki

そうなると船体が中国技術援助で建造されたミャンマー海軍のフリゲートに、北朝鮮国産化のOTOメララ76mm速射砲が搭載されていた理由が説明できるわけですね〜?
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(3)やはりOSINTはすげえ!

北朝鮮に関する情報は、日本にいるとやはりどこかバイアスがかかった情報が多く入ってきます。

図10 核弾頭起爆装置
図10 北朝鮮起爆装置.jpg
引用URL:http://www.journalist.or.kr/data/photos/20170936/art_1504486822.jpg

核弾頭起爆装置と思われる写真が出ても、日本では冷静かつ理論的な論評が期待できない状況です。

3.1 海外の冷静なOSINTは参考になる!

海外のOSINTを行うグループについては、北朝鮮核ミサイル問題に冷静かつ理論的な論評を行ってくれるので参考となります。

Oryxについてはウクライナ戦争にて脚光を浴びましたが、2013年ごろから着実かつ冷静にOSINTを行ってきました。

冷静なOSINTとその集大成としての書籍出版に今後とも期待しましょう!

3.2 keenedge1999様がサイトをオープンしましたよ〜!

そんな中で、旧ブログのころから経験と知識に富んだコメントを寄せてくださったkeenedge1999様がブログを開設いたしました。
(サイト):『Keenedgeの湯治場(第二源泉)

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2022年06月29日

VLSの洋上再装填が話題なので・・・【軍事技術】

『VLSの洋上再装填は難しいのよね〜』
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ここ最近、護衛艦などのVLS搭載艦について洋上での再装填が話題になっています。

図1 洋上再装填
図1 VLS洋上再装填.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/CsPhy51UEAAczac?format=jpg&name=360x360

一応Mk41VLSについては、洋上にて航行中でも再装填ができるけど非常に難しいところがあります。

現代では、洋上で再装填よりも最寄りの港にて再装填する方が効率的といえます。

アーセナルシップを用意するか、革新的な装填システムの出現が望まれます。
前回記事):『【海上自衛隊】護衛艦「じんつう」やっちまったなぁ〜
\こちらもご参考に!PR/

(1)VLSの洋上再装填は難しい!

イージス艦を始めとしたVLSについては、弾薬庫と発射システムを兼用した便利な装備となりました。

図2 VLS
図2 ロシアVLS.jpg
引用URL:https://www.navyrecognition.com/images/stories/news/2017/november/UKSK_Russia_VLS.jpg

ロシアなどの東側諸国でも、VLSが主流となってきています。

1.1 垂直発射システムは革命的!

VLSが登場する前には、GMLS-3ミサイル発射機のように箱形のミサイルランチャーを使うことが多くなっていました。

図3 Mk29
図3 Mk29.jpg
引用URL:https://www.seaforces.org/wpnsys/SURFACE/Mk-29-launcher_DAT/Mk-29-missile-launcher-062.jpg

8発のミサイルを発射した後は、再装填には時間がかかっていました。

図4 シースパロー再装填
図4 シースパロー再装填.jpg
引用URL:https://www.seaforces.org/wpnsys/SURFACE/Mk-29-launcher_DAT/Mk-29-missile-launcher-021.jpg

中々大変な作業でもあり、大量のソ連軍対艦ミサイル豊和攻撃には即応性を欠くものでした。

そんなときに登場したVLSは、多数のミサイルを保管して即応射撃ができる優れものでした。

1・2 VLS装填はクレーンを使って吊り上げる!

VLSの採用によって、対空ミサイルやVLAなどについてはミサイルセルに入れて保管・装填ができるようになりました。

図5 VLS装填
図5 VLS.jpg
引用URL:http://www.rimpeace.or.jp/jrp/umi/yokosuka/040407msdf.jpg

Mk41VLSだと、ミサイルセルが約5mの長さとなるため岸壁にてクレーンを使って吊り下げにて装填していきます。

1発1発ごとなので、結構時間がかかることが問題といえるでしょう。

装填の前には、使用済みミサイルセルを引き出すという作業もあるため非常に時間がかかります。

イージス艦では、洋上にて再補給装填を行うためのクレーンが装備されていた時期もあります。

図6 再装填クレーン
図6 再装填クレーン.jpg
引用URL:https://www.seaforces.org/wpnsys/SURFACE/Mk-41-VLS_DAT/Mk-41-VLS-047.jpg

しかしながら、洋上にて実際に装填作業をすると非常に危険であることが判明してほとんど利用されなくなりました。

図7 米軍装填
図7 米軍装填.jpg
引用URL:http://www.rimpeace.or.jp/jrp/umi/yokosuka/040407missileincg1.jpg

現在では、米海軍では洋上台船(バージ)に横付けして装填する方法を取っています。

想像以上に、洋上での再装填は困難を極めます!
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(2)洋上は波で揺れる!

洋上でのVLS再装填を困難にしているのは、自然現象ともいえる洋上の波が絶え間なく揺れることです。

図8 波揺れ
図8 波揺れ.jpg
引用URL:https://www.sunflower.co.jp/cargo/safety/img/bonding-01.jpg

当たり前ですが、洋上では波の揺れの影響を受けます。

2.1 どんなに静かな海でも波で揺れる!

荒れていない海面は、時として鏡のような風景を映し出します。

図9 海面
図9 海面.jpg

しかしながら、海面はわずかに揺れていいるものです。

静かな海面で、錨を入れてVLSを再装填すればよいというわけではありません。

少しの揺れでも、VLSの装填部分は結構動き回ります。

2.2 わずか1度の揺れでも結構動く!

艦船の船底から、上甲板までの高さを約10mと仮定します。

図10 VLSの計算
図10 VLSの計算.png
洋上にて装填しようとするとき、ローリング(横揺れ)が1°あるだけでも約17cmのずれが発生します。

そんな中を、精密機械であるミサイルを入れようというのはかなり厳しといえます。

ミサイルセルにてある程度強度が保たれているとはいえ、精密機械にはあまり良い環境とは言えません。

ミサイルをひん曲げようものなら、ミサイル屋さんからめちゃくちゃ怒られます。

そんな経緯もあり、洋上再装填があまり実施されなくなったといえます。

自衛艦隊後方幕僚部での演習に参加したときも、再集結地点にてミサイルの再装填を行いました。
(参考記事):『【幕僚編H】再補給・JTF再編成、離島奪還への作戦準備!

2.3 アーセナルシップなら問題がなかった!

イージス艦が洋上配備となったころから、洋上再装填の問題が取り上げられていました。

洋上再装填の問題に対して、米軍がか考えていたのがアーセナルシップです。

図11 アーセナルシップ
図11 アーセナルシップ.jpg
引用URL:https://i3.read01.com/9-z73_IarAfC7DjvXM4NJus/0.jpg

VLSを大量に搭載した、アーセナルシップが配備されていれば洋上再補給の問題も解決していたでしょう。

しかしながら、非現実的なアイデアとして不採用となりました。

何か革新的なアイデアが登場しない限り、VLSの洋上再装填という問題は続くでしょう。
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(3)外付けVLSもアリかな?

Mk41VLSのように、艦内にVLSを搭載することが洋上再装填を難しくしているところがあります。

図12 スラヴァ級
図12 スラヴァ級.jpg
引用wiki

スラヴァ級のように、艦の側面に搭載するという手法もあります。

3.1 Mk48VLSを上甲板に搭載する手法もある!

Mk41VLSが、洋上再装填を難しくしているのあればMk48VLSを上甲板に張り付ける手法もあります。

図13 オランダ海軍カレルドル―マン級
図13 カレルドル―マン級.jpg
引用URL:https://www.seaforces.org/wpnsys/SURFACE/Mk-48-VLS_DAT/Mk-48-VLS-Karel-Doorman-class-04.jpg

オランダ海軍カレルドル―マン級フリゲートなどで見られた、ヘリコプター格納庫の側面にVLSを搭載する方法もあります。

重量バランスは厳しくなりますが、上甲板にVLSを設置するというのも一つの手段でしょう。

なかなか、すぐには解決しない問題です。

3.2 技術革新を待つしかない!

補給艦が横付けして、大型クレーンにて一気に引き抜くという手法も考えられますがなかなか難しいでしょう。

VLSの洋上再装填には、革命的な技術革新と発想の転換を待つしかありませんよ〜!
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posted by sstd7628 at 15:52| Comment(6) | TrackBack(0) | 軍事技術

2022年05月29日

護衛艦じんつうやっちまったなぁ〜【海上自衛隊】

『船越岸壁って結構狭いのよねえ〜!』
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2022年5月22日に、海上自衛隊横須賀基地船越地区にて護衛艦じんつう(DE230)が掃海母艦うらがに衝突する事故がありました。

図1 じんつう事故
図1 護衛艦じんつう事故.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTbbJ5hacAA7h24.jpg

護衛艦じんつうは艦首がへこみ、衝突された掃海母艦うらがも船体中央部に大きなへこみと亀裂が入る事故となりました。

横須賀造修補給所船体科大激怒案件ですが、船越岸壁の出入港はかなり難しいものがあります。

運用性を取るか、騒音対策を取るかの問題となるでしょう。
(前回記事):『【世界情勢】スラヴァ級巡洋艦撃沈ってマジかよ・・・(汗)
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(1)船越岸壁は特殊だからね〜?

今回の事故については、横須賀のいつもの吉倉岸壁とは違う場所で発生しています。

図2 吉倉逸見岸壁
図2 横須賀基地.jpg
引用wiki

自衛艦隊司令部などがある、奥の岸壁で発生しています。

1.1 船越岸壁はめちゃくちゃ複雑!

船越地区にある岸壁には、吉倉岸壁に泊まれなかった艦船が集まってきています。

図3 船越岸壁
図3 船越岸壁.png
引用URL:https://www.google.com/maps/@35.300644,139.6370869,893m/data=!3m1!1e3?hl=ja

少し前の航空写真ですが、岸壁の様子が分かるようになっています。

今回発生したのは、特に大型艦が係留する岸壁(画像右上)のところで発生しています。

広いように見える水域ですが、意外と狭い水域なので出入港に苦労する場所です。

1.2 結構難しい場所!

最初に護衛艦じんつうがうらがに突っ込んだと聞いたときは、「おいおいどんな操艦したらぶつけるんだ?」と考えてしまいました。

図4 昔の船越
図4 船越係留.JPG

昔やってや係留であれば出船係留でぶつける要素があまりないように感じていましたが、最近は民間地区にエンジン排気音をぶつけないように、入船係留していることが多くなっているのを忘れていました。

図5 入船係留
図5 入船係留.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FTXgMpqVIAAWquM.jpg

この状況で、港内にて方向転換するのに各艦ともかなり苦労していたのを覚えています。

1.3 ブイ係留保管船があると狭い!

船越岸壁地区には、掃海艦が停泊する艦船補給処の桟橋と船越岸壁の間に浮標(ブイ)があり、退役した船が係留されていることもあります。

図6 浮標係留
図6 あきしお係留.JPG

ほんとに回転する水域があるとしたら、掃海母艦「うらが」の横しか海域が無い状況です。

護衛艦じんつうの事故は、そんな中で操艦ミスの部分が大きいといえます。

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(2)曳船使い・機械の使い方・艦橋での遅れ?

出入港については、事故が起きやすい部分であるので最も注意しているのですが事故は起きてしまいます。

図7 曳船との連絡
図7 曳船との連絡.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E-lXY9vVgAIiILS?format=jpg&name=medium

いくつものミスが発生した可能性があります。

2.1 出港前ブリーフィングの伝達不足?

可能性の一つとして、出入港での艦長のインテンション(意図)を周知する出港前ブリーフィングにて意思疎通不足があったのかもしれません。

図8 出港前ブリーフィング
図8 出港前ブリーフィング.jpg
引用URL:https://fanblogs.jp/sstd7628/file/E587BAE6B8AFE5898DE38396E383AAE383BCE38395E382A3E383B3E382B0E381AEE9A2A8E699AF.jpg

参考記事):『【海上自衛隊】船務士も出港時にはお仕事いっぱいだよ!

このコロナ過で密集することがあまり好まれない状況で、的確にインテンションを伝達できたのかという問題があるでしょう。

ここで、意思疎通不足があったのかもしれません。

回頭する位置や、回転スピードの細かい指示が十分でなかったのかもしれません。

2.2 艦橋が騒がしい船は事故る!

練習艦隊や護衛艦勤務の時によく言われたこととして、出入港作業における艦橋の在り方です。

『艦橋が騒がしい船は、必ず事故になる!』


図9 艦橋
図9 艦橋.jpg
引用URL:https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/wp-content/uploads/2018/02/6f77947fad1a2a20454880c963fb6829.jpg

艦長の操艦号令が、正確に伝達されなければ事故の元になります。

部下の報告も、艦長の仕事の邪魔をしないようにて適格に行う必要があります。

2.3 緊急投錨の時間もなかっただろうな〜

出入港の際には、艦の動きが予想より大きく動いてしまうこともあります。

そんなときに船を止める手段として、緊急投錨という手法があります。

図10 釣り錨
図10 釣り錨.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/news/02/img/08/03.jpg

出入港作業において、必ず錨の一個については「釣り錨」として船を止める最後の手段として緊急投錨にて止める作業をします。

一瞬の時間なので、緊急投錨する時間もなかったかもしれません。
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(3)昔が豪快すぎた?

昔の船乗りの話を聞くと、多少こすっても許されたおおらかな時代がありました。(おおらかすぎた?)

しかしながら最近では、ぶつけたら即時に大問題となってしまいます。

3.1 駆潜艇のような哨戒艦の早期配備を望む!

最近の護衛艦は大型になりすぎて、若い時代に艦艇長勤務経験ができる駆潜艇が無くなったのも経験を積める機会が少なくなったといえます。

図11 駆潜艇
図11 駆潜艇.jpg
引用wiki

今回の事故は艦長の操艦ミスとして、簡単に片づけていい話ではないと考えます。

艦艇の十分な経験がしっかり詰める環境として、哨戒艦などの早期配備が必要になってきているといえます。

今後の計画をしっかりとしてほしいものです。
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