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2024年04月06日

誘拐卿くぅじー@国営人攫い系VTuberから逃げるRTA

ブログならくぅじーに発見されないはず!
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最近よく、誘拐卿くぅじー@国営人攫い系VTuberという人の話が流れてきます。

自衛隊の入隊希望者に、親切にアドバイスをする元広報官だそうです。

図1 海自
図1 海自.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/operation/training/enyo/2017/img/ts2017-01/13.jpg

だけど空自よりも、海自の方がカッコイイぞ!

誘拐卿くぅじー@国営人攫い系VTuberから逃げ切って、海自に入隊しよう!
(前回記事):『AAM-6開発着手と見ていいのかな?
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(1)広報官は大変でしたね!

誘拐卿くぅじー@国営人攫い系VTuberさんは、元広報官だそうでいろんな情報を発進しています。

図2 誘拐卿くぅじー@国営人攫い系VTuber
図2 くうーじ.png
URL:https://twitter.com/Kuzy_Youtube

私も入隊時には、担当広報官に非常にお世話になりました!

1.1 広報官(人攫い)はどこの所属?

意外と知られていないのが、広報官(人攫い)がどこの組織に所属しているか知られていません。

実は防衛省の所属だけど、陸海空自衛隊とは違う組織だったりします。

図3 防衛省の組織
図3 防衛省.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/images/mod20220713.png

防衛省の中にある共同の機関である、地方協力本部に所属して地域事務所にて働いています。

そのため陸海空自衛官の他に、事務官も所属しています。

図4 地域事務所(札幌地方協力本部の場合)
図4 地域事務所.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/pco/sapporo/img/contact/map.png

皆様のお住まいの地域には、だいたい募集事務所などがあるので訪問してみよう!
(そして願書に名前を書こう!)

1.2 つまりくぅじーも人攫いされたということか?!

くぅじーさんも良く考えると、空自から地方協力本部に人攫いされたことになるのですね!
(怒られるからヤメナサイ!)

広報官は組織的には、陸自方面隊の管理統制下になるので別組織に誘拐されたことになるね〜。

誘拐卿くぅじーの背後には、ラスボス誘拐卿が存在するのか・・・

自衛隊って恐ろしいところだな〜(白目)!
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1.3 担当広報官に3級賞詞が付いたのがうれしいな!

私の場合は、一般幹部候補生試験とは違う超レア試験で入隊しました。
(毎年陸海空で10人しか合格者がいない、超レア試験)

そのため担当広報官に、第3級賞詞が付く恩返しができたのが思い出としてあります。
(当時はその試験の合格者を出すと、担当広報官に第3級賞詞が付いた)
図5 賞詞授与
図5 賞詞授与.jpg
引用URL:https://d1uzk9o9
cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2021/06/28/5febb198c06c1e2688f32ed23184f02a321578ef_xlarge.jpg

入隊後に、いかに第3級賞詞がすごかったのか思い知らされました。

けど海軍はいいぞ!江田島の同期の桜になろう!
図6 海軍兵学校
図6 海軍兵学校.jpg
引用URL:https://img.mp.itc.cn/upload/20170630/fc83b7ebe43042718dacf28e304f6082_th.jpg

写真は海軍兵学校のものだけど、全く同じことをやってるからいいや!

図7 総短艇
図7 総短艇.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1470181676747608068/photo/4

短艇(カッター)にて、(尻の皮が血だらけになる)華と散ろう!(錯乱)
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(2)ただの元海自ですうう!

いい加減怒られそうなので、見つかったときの言い訳という名の紹介をしておきます。
図8 土下座
図8 土下座.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2018/09/blog-post_143.html

生意気コキました〜!ただの元海自なので許して〜!

1.1 ちょっと特殊なことしてただけの元海自です!

ブログの自己紹介やエピソードで書いているように、ちょっと特殊なことしてた元海自です。

某コウモリ部隊の、拳銃・短機関銃・狙撃銃を扱ったり・・・
(関連記事):『【艦発隊】特別警備隊(SBU)に関係する研究について

自衛艦隊後方幕僚を体験したり・・・
(関連記事):『【艦補処】自衛艦隊司令部後方幕僚に派遣!(その1)

図9 潜水艦
図9 潜水艦.jpg
用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ss/oyashio/img/main_590.jpg

潜水艦で色々ゴニョゴニョなことしてたりした、フツーの元海自なだけです。

2.2 入隊後も人攫いに遭遇することもあるよね?!

そういえば、自衛隊入退後にも人攫いに合うことが結構ありますよね?

図10 内局
図10 内局.jpg
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRfp7D8LY9dPArVc3AqLlr9lslje-XW4GYwuYMGfhbTYf1yUvKc

ホイホイとついていったばかりに、防衛省内局の人攫いに遭う経験をしました。
(関連記事):『【艦補処】内局の「人さらい」勧誘がキタ――(゚∀゚)――!!

逃げ切ったと思ったら、私は地方防衛局に誘拐(出向)する結果になりました。
(地方防衛局は、昔の防衛施設庁と調達実施支局が合併してできた組織)
(関連記事):『【艦補処】内局の「人さらい」勧誘がキタ――(゚∀゚)――!!

同期は外務省や、経済産業省に誘拐(出向)される人間が結構いました。
(武器輸出入管理の関係で、経済産業省の仕事が増えたため)

入隊後も、人攫いに合う危険があるので注意が必要だぜ!
(内局は曹士でもお構いなしに人攫いするから注意!)

2.3 お疲れ様です!がんばってください!

たぶんブログなら、誘拐卿くぅじー@国営人攫い系VTuberから逃れることが出来るはず!

マニアックな人事が得意ですので、何かあれば相談してください!
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posted by sstd7628 at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 自衛隊

2024年03月30日

AAM-6開発着手と見ていいのかな?

『ついにAAM-4の後継ミサイル開発に乗り出すか!』
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令和6年(2024年)度防衛予算が成立して、各種の装備品が登場してきます。

その中で気になったのが、次期中距離空対空誘導弾の開発開始です。

図1 次期中距離空対空誘導弾
図1 次期中距離空対空誘導弾.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20240328.pdf

現用のAAM-4B(99式空対空誘導弾B)の後継として、次期戦闘機に搭載されるのかな?

JNAAAMを超える性能を、たたき出すことが出来るか?!
(前回記事):『イスカンデルはおそロシア!
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(1)AAM-6になるという認識でいいかな?

概算要求の段階から登場していた、次期中距離空対空誘導弾の開発が正式に決定しました。

現有ミサイルの装備優先で削られるかと思い、今まで言及を見送ってきました。

1.1 AAM-4Bの後継になるのか〜!

現有の国産中距離空対空ミサイルと言えば、AAM-4B(99式空対空誘導弾B)になっています。

図2 AAM-4B
図2 AAM-4B.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/adtw/adm/shiken/missile/AAM-4_kai.jpg

1999年に制式化されたAAM-4の改善型で、2008年に調達が開始されました。

2024年度防衛予算でも、備蓄弾薬増加のために多数の調達が行われています。

1.2 2030年代を考えると開発開始は妥当!

しかしながら元のAAM-4開発開始が1980年代であることから、2030年代に次期戦闘機が登場するころには性能の陳腐化が想定されます。

図3 次期戦闘機
図3 次期戦闘機.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/defense/nextfighter/images/nextfighter_06.jpg

ステルス戦闘機にふさわしい、新型の機能を持つミサイルを開発するには2024年に開発を進めるのが一番良いのでしょう。

AIM-120D(AMRAAM)がF-35戦闘機用に導入されていますが、やはり国産弾を持っておくのも重要です。

図4 AIM-120
図4 AIM-120.jpg
引用wiki

次期戦闘機は、米国が参加しないのでAIM-120の供給がいつ止まるか分かりません。

1.3 2030年までの開発計画!

対空ミサイルの開発については、近年の開発ラッシュにより令和6年度から令和12年度までの開発線表が発表されております。

図5 開発線表
図5 開発線表.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_14_honbun.pdf

順調にいけば2031年(令和13年)に、AAM-6(31式空対空誘導弾)として登場するでしょう。

AAM-4Bを超える、長射程・巡航ミサイル対処能力・ステルス性を見せてくれるでしょう。

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(2)JNAAM研究終了は残念!

空対空ミサイルと言えば、夢のミサイルともてはやされたJNAAMがありました。

図6 JNAAM
図6 JNAAM.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/nishiyama_kobayashi.pdf

しかし2024年3月をもって研究が終了し、量産化しないことが決まっています。

2.1 研究には意義があった。

JNAAMは2014年から日英研究開発が始まり、野心的なものでした。

図7 概要
図7 概要.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/nishiyama_kobayashi.pdf

西側で唯一ダクテッドロケット搭載のミーテイアに、AAM-4Bの誘導部分を小型高性能化したものを搭載しました。

当時としては最高の研究となりましたが、量産を目的としていないため予定通りの終了といえます。

2.2 GaN素子誘導部が出来たから良いかな?

日本側としては、GaN素子を使用したミサイル誘導部の先行研究が出来たから十分良い結果と言えるでしょう。

図8 ミサイル誘導部
図8 ミサイル弾頭部.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EmMxt7aU4AAETUz.jpg

各国でもアクテイブ誘導ミサイルの高性能化が進み、ミサイル弾頭部にGaN素子を使用することが当たり前になっています。

日本も遅れずに、先行研究が出来て実用化のめどが立ったから日英共同研究には意義がありました。

2.3 長射程が確保できれば良い

JNAAMの研究に着手したときは、ダクテッドロケットの長射程が非常に魅力でした。

図9 F-35
図9 F-35.jpg
引用URL:https://d3lcr32v2pp4l1.cloudfront.net/Pictures/780xany/8/1/4/81814_f35bmeteorcjamiehunter_mbda_623851.jpg

しかしながら固体燃料での長射程化が可能になり、ダクテッドロケットにこだわる必要性が薄れました。

長射程さえ確保できれば、技術的に安全な固体燃料方式でも十分でしょう。
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(3)PL-17に勝てるかな?


中国は新型対空ミサイルPL-17を、早々に登場させてきました。

図10 PL-17
図10 PL-17.jpg
引用URL:https://p1-tt.byteimg.com/origin/tos-cn-i-qvj2lq49k0/3d995e1d27f24935a69e39f5a44eec0d.jpg

射程300km以上と言われ、AWACSキラーとも言われています。

3.1 射程400kmは欲しいねえ!

AAM−6となる次期中距離空対空誘導弾は、長距離での射撃も要求されるでしょう。

図11 A-50
図11 A-50.jpg
引用URL:https://theaviationgeekclub.com/wp-content/uploads/2024/02/A-50-Shot-Down.jpg

ウクライナ戦争を見ると、長距離AAMの重要性が良くわかります。

今後も注目していきましょう!
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2024年03月22日

イスカンデルはおそロシア!

『変態技術者め、イカれた進歩をしやがって!』
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ウクライナでKN-23が使用されている間に、ロシアのイスカンデルMミサイルが進化して来たようです。

そんなところに、電子誘導モジュールを増設するんか!

図1 イスカンデル背景
図1 イスカンデル背景.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIfu2DbXEAA5qxc?format=jpg&name=large
ウクライナ戦争の長期化で、なかなかグロテスクな技術的進化遂げるようになりました。

やはりロシアの技術思想は、おそロシア!
(前回記事):『防衛省日鉄呉工場跡取得と毒まんじゅうの不安!
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(1)デコイに続いて電子モジュールか!

2024年3月13日に、ウクライナで発見されたイスカンデルMミサイルの破片から奇妙なものが発見されました。

図2 ミサイル尾部
図2 ミサイル尾部.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIvcrLzXMAEV-R0?format=jpg&name=large
一見すると、普通のイスカンデルMミサイルの破片に見えます。

1.1 ミサイル尾部に誘導モジュール?

以前に発見されたイスカンデルMミサイルについては、囮デコイ搭載の存在が判明するなどおそロシア技術が良く表れていました。

図3 ミサイルデコイ
図3 ミサイルデコイ.png
引用URL:https://twitter.com/CAT_UXO/status/1502936791665491970
(関連記事):『イスカンデルのデコイ機能がついに露見?!【軍事技術】

この時は、ミサイル尾部にデコイランチャーを装備して実際に使用していることが判明しています。

Kh-101巡航ミサイルにも、フレア発射機能が搭載されるなどなかなかイカれた技術思想はバカにできません。

そんな中で、イスカンデルMミサイルの尾部に新たな機能が搭載されていました。

1.2 ここにGNSSモジュールを付けるかぁ(呆)?!

今回発見されたイスカンデルMミサイルの破片には、デコイ発射口に電子機器が装備されていました。

図4 GNSS
図4 GNSSモジュール.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GIfu3gkXsAARMBw?format=jpg&name=large
なかなかイカれた位置に、GNSS受信モジュールを装着したものです(呆れ)。

ロケット噴射の熱でカバーが焦げていますが、中身までは損傷していないようです。

普通のミサイル技術者なら、ここに電子機器を装着しようとは思わないなあ・・・

それだけロシアも、焦っているのかもしれません。

1.3 残弾不足と電波妨害対策のためかな?
2023年の団塊で、イスカンデルMミサイルなどがかなり撃ち尽くしているとの報道が出ています。

図5 ミサイル残弾
図5 ミサイル残弾.jpg
引用URL:https://twitter.com/ukraine_map/status/1736778969079226500/photo/1

特にイスカンデルMミサイルは、開戦から相当数を発射して残りが少なくなっています。

さらにロシア・ウクライナ(NATO?)双方の電波妨害により、精密誘導が厳しいようです。

図6 セヴァストボリ
図6 セヴァストポリ.jpg
引用URL:https://www.navalnews.com/wp-content/uploads/2023/11/Sevastopol-GPS-Jamming-26-Nov-2023-scaled.jpg

セヴァストポリ軍港周辺でも、かなりの電波妨害が起きているようです。

その対策として、GNSS受信モジュールを追加したのかもしれません。

やはりロシアの技術思想は、西側と異なるおそロシア状態です。
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(2)KN-23に還流すると厄介だな!

ウクライナ戦争では、北朝鮮KN-23が実戦使用されたものの精度が悪いようです。

図7 北朝鮮KN-23
図7 KN-23.jpg
引用URL:https://i2.obozrevatel.com/news/2024/1/5/filestoragetemp-61.jpg?size=2010x1050

問題はKN-23がイスカンデルMのような改造を受け、北朝鮮に技術がバックフィットされることです。

2.1 KN-23の精度はどのくらいなのかな?

KN-23については、ロシアに輸出されたものはかなり精度が悪くなっています。

もしかすると、GNSSなどの精密誘導装置をわざと取り外しているかもしれません。

図8 イスカンデルコンピュータ―
図8 コンピューター.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/185/TgQ38.jpg

北朝鮮のKN-23の成功具合から、イスカンデルM搭載システムと同程度の能力はあるはずです。

図9 KN-23命中
図9 KN-23命中.jpg
引用URL:https://img9.yna.co.kr/photo/yna/YH/2022/01/15/PYH2022011500480004200_P2.jpg

相当な命中精度に加えて電波妨害対策をされたKN-23が登場すると、安全保障上危険と言わざるを得ません。
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(3)KN-23改の登場に注意!

今後数年以内に、ウクライナ戦争の教訓を得たKN−23改が登場するかもしれません。

図10 スカッド
図10 スカッド.jpg
引用wiki

かつて北朝鮮がスカッドミサイルのコピー商品販売で、ミサイル技術を習得していました。

今後注目すべきものになるでしょう!
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2024年03月08日

防衛省日鉄呉工場跡取得と毒まんじゅうの不安!

『跡地利用はいいけど毒まんじゅうになるかも?』
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防衛省が広島県呉市にある、日本製鉄呉工場跡地について用地取得の検討に入ったと報道があります。

かつて呉海軍工廠製鋼部があった場所であり、戦艦大和の鋼鉄を供給した場所です。

図1 戦艦大和
図1 戦艦大和.jpg
引用wiki

防衛複合施設として広大な土地は魅力的ですが、下手をすると毒まんじゅう(不良債権)になりかねません。

軍転法と土壌汚染で、施設完成にはかなりの時間がかかるかも?
(前回記事):『靖国参拝って毎年やってるやつやんけ!【海上自衛隊】
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(1)軍転法と毒まんじゅう

海自呉基地のすぐそばに広がる、日本製鉄呉工場跡地は施設として魅力的です。

図2 呉工場跡地
図2 日鉄呉工場.jpg
引用URL:https://stat.ameba.jp/user_images/20230904/13/poruporu2/81/cf/p/o0838076815333859751.png?caw=800

ただ軍転法の対象地域なので、すんなり取得できるか不安が残ります。

1.1 軍転法とは?

イメージとして、呉工場跡地を防衛省がすぐに取得して複合防衛施設建築が始まると思うかもしれません。

現実には、軍転法(旧軍港市転換法)により厄介な手続きが必要になります。

図3 海軍工廠跡地の呉製鉄所
図3 呉製鉄所.jpg
引用URL:https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/wp-content/uploads/2021/09/22f19d4ba73a12aa36d9e483140da422.jpg

軍転法は1950年(昭和25年)に制定されたもので、
(目的)
第一条 この法律は、旧軍港市(横須賀市、呉市、佐世保市及び舞鶴市をいう。以下同じ。)を平和産業港湾都市に転換することにより、平和日本実現の理想達成に寄与することを目的とする。

となっています。

現在でも有効な法律であり、旧海軍関連施設買収に立ちはだかる大きな障壁です。

1.2 財務省・県知事・市長の許可が必要!

日鉄呉工場跡地は民間施設ではありますが、この土地を防衛省に売る場合は軍転法による審議会で許可が求められます。

図4 佐世保新バース
図4 佐世保新バース.png
引用:https://lfb.mof.go.jp/kantou/content/list/20210412.pdf

水陸機動団の隣りに建設することが決まった、佐世保基地の新しい岸壁も軍転法審議会を受けて防衛省が使用できるようになりました。

いったん国有地(財務省理財局)管轄となり、知事や市町村長の許可を受けるというかなり厄介な手続きがあります。

呉工場の場合は政府と県が積極的なので早期に土地供与が出来るかもしれませんが、10年単位で時間が経過してしまう可能性もあります。

1.3 問題は毒まんじゅう込みになる可能性も!

呉工場跡地利用については、情勢緊迫化と公共インフラ強化のため早期に進むかもしれません。

問題は、毒まんじゅう(土地に瑕疵があるという比喩)が存在しても取得に動くかどうかです。

図5 工場解体
図5 工場解体.jpg
引用URL:https://jmd.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/-/img_44fee3c1ae22447c8cbaf51179958b47154206.jpg

2023年に呉工場が閉鎖となり、すでに日本製鉄は解体工事に着手しています。

日本製鉄の計画では、10年をかけて解体する予定となっています。

解体途中でも、土地の早期取得・国が代理で解体工事を早急に実施するのが適切なのか?

土地の土壌汚染が見つかっても、日鉄側に損害請求せずに工事を行う覚悟があるかな?
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(2)海軍工廠の重金属汚染が出たら?

問題は呉工場跡地を取得した後に、海軍工廠時代の土壌汚染が判明した場合の対応です。

図6 土壌汚染
図6 土壌汚染.JPG
引用wiki

海軍工廠跡地は、土壌汚染されている前提で対策をする必要があります。

2.1 1895年(明治28年)からの操業

呉海軍工廠は、1889年(明治22年)に造船部が出来て1895年には海軍工廠として操業を開始しています。

図7 工廠内部写真
図7 工廠内部.jpg
引用wiki

環境対策なんて考えていない時代から鋼鉄の製造を行っているため、どんな土壌汚染が起きているか分かりません。

製鉄所では加工工程にて、いろんな有毒物質が発生したり精錬のために使用をしています。

排液処理はかつて、海に垂れ流すのが当たり前でした。

2.2 地中から重金属が出たら最悪だぞ〜!

クロムなどの重金属は、製鉄工程にて重要な役割を果たしますが地中に漏れると大変です。
図8 クロム鉱石
図8 クロム鉱石.jpg
引用wiki

ましてや海軍工廠跡地なら、何が埋まっていても不思議ではありません。

2.3 土壌改良で5年遅延なんて珍しくない!

現代では環境アセスメントで評価されるため、重金属などの汚染が有ったら汚染除去が求められます。

図9 豊洲市場土壌改善工事
図9 土地改良.jpg
引用URL:https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/toyosu/images/inquiry/images/img01.jpg

東京豊洲市場での、土壌汚染と改良工事でかなりの時間と苦労があったことが知られています。

最悪の場合は、呉工場跡地全部の土壌を地中深くまで総入れ替えすることにもなるでしょう。

工期が5年〜10年延長されて、工事費だけかかるお荷物敷地になる可能性もあります。
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(3)どこまで急ぐか?取得をあきらめるか?


日鉄呉工場跡地は広大な土地であり、防衛省にとっては夢の土地です。

しかしかなりのリスクを承知の上で、取得すべきか検討すべきでしょう。

3.1 有事に間に合うか?

2030年代までに予測される有事に間に合わせるため、一刻も早く防衛移設建築をしたいところです。

しかし土壌汚染などで、間に合わない場合も考慮しなくていけません。

防衛予算は無限ではないため、どこかで見切りをつける必要があります。

3.2 護衛艦ひゅうが流転の悲劇を繰り返すな!

海上自衛隊横須賀基地には、2010年(平成22年)に逸見岸壁が新設されました。

図10 逸見岸壁
引用wiki

本来ならば2009年(平成21年)の、護衛艦「ひゅうが」就役と同時に運用開始する予定でした。

しかし海底地形改良や土壌汚染改善で工期が伸び、護衛艦「ひゅうが」は1年ほど米軍基地に間借りする羽目になってしまいました。

アノ時の悲劇を繰り返してはいけないでしょう。

日鉄呉工場跡地取得に、十分な考慮が求められます!

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2024年02月21日

靖国参拝って毎年やってるやつやんけ!【海上自衛隊】

『帝国海軍からの伝統であ〜る!』
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いくつかの新聞で、海自練習艦隊の靖国神社参拝を問題視する声が出ているようです。

かつて参加した身としては、何をいまさら昔からやってたじゃん!と言ったところです。

図1 靖国参拝
図1 靖国参拝.jpg
引用IURL:http://j.people.com.cn/NMediaFile/2014/0813/FOREIGN201408131307000066889238139.jpg

というか東郷さんの所とか、金毘羅さんの所が問題にならないのは何故?

経験者として実際の所を語ります。
(前回記事):『13DDはダイヤモンドのレーダーになるか?【海上自衛隊】

\こちらもご参考にPR!/

(1)参拝は自由意志だったね〜

以前に私の経験を書いたもので、近海練習航海を書いたことがあります。
(関連記事):『【海上自衛隊】国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!

この時東京研修の最中に、靖国神社参拝がありました。

1.1 自由意志やで〜!つーか防大出身者は来なくていいぞ!

研修の時は、靖国神社参拝が目的ではなく遊就館(ゆうしゅうかん)の方がメインの研修先でした。

図2 遊就館
図2 遊就館.jpg
引用URL:https://www.yasukuni.or.jp/assets/carousel/sp/8.jpg

江田島にはない展示物が数多くあるため、研修の目玉と言えました。

この時、練習艦隊司令官は本殿に参拝に行くけど実習幹部はいきたい奴だけついてこい!という事前通達がありました。

政教分離の観点や、宗教が絡むので参加は実習幹部個人の意思にゆだねられていました。
『防大出身者は以前参拝してるから特に来る必要はない!』

防大では、靖国神社参拝が学生隊の行事で行われているそうなのでそんな指示がありました。

もっと切実な問題もありました。

1.2 一杯参拝したら俺のポケットマネーが吹っ飛ぶわ!(by司令官)

参拝の玉串料は、全員分を練習艦隊司令官や艦長のポケットマネーで出ることになっていました。

理由は1997年愛媛県靖国神社玉串料訴訟での公金支出が違憲とされてたためです。
愛媛県靖国神社玉串料訴訟
愛媛県知事が、戦没者の遺族の援護行政のために靖国神社などに対し玉串料を支出したことにつき争われた訴訟。最終的に最高裁が違憲判決を出した。

そのため公金支出ではなく、私的費用で玉串料を出す必要があります。

図3 玉串料
図3 玉串料.jpg
引用URL:http://awa-jinjacho.jp/images/rules/img_noshi.jpg

実習幹部が数多く参拝したら、司令官や艦長のポケットマネーが大ダメージです。

そのため、あんまり来るな!と言われていました。
(参拝しない実習幹部も多くいました:遊就館の見学時間が多くとれるため)

自由意志が徹底されていた記憶があります。

1.3 参拝しない実習幹部の意見が振るっている!

靖国神社に参拝しないとはケシカラン!なんていう意見を持つ人もいるかもしれません。

一般大出身幹部の中には、防大出身よりいろいろな意見で参加しない人もいました。
・薩長の人間に頭を下げるなんてできるか!(会津人)
・実家の家業的にちょっと問題が・・・(お東さんの宗家出身)
・西郷さんが祭られていないのはオカシイ!(鹿児島県人)


こちらの方がアブねー思想だった気がします(汗)
(不参拝者が人事上不利になることはなく、順調に出世しています)

まあ帝国海軍の後継者としては、追悼に関してもっと議論があった方がいいと思います。

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(2)東郷さんと金毘羅さん

帝国海軍・・・じゃなかった海上自衛隊としては、東郷神社と金毘羅神社があれば文句はありません。

図4 東郷神社
図4 東郷神社.jpg
引用:東郷神社Facebook

東郷神社も否定されたら、海自はキレるでしょう。

2.1 金毘羅神社の流し樽参拝は抵触する?

参拝が事務次官通達に抵触するとなったら、香川県の金刀比羅宮における流し樽参拝も該当するのでしょうか?

図5 流し樽
図5 流し樽.jpg
引用URL:https://www.jmets.ac.jp/news/qc5bl20000000d96-img/mpvk9g0000008ofn.jpg

江戸時代からの船乗りの風習で、金刀比羅宮近くを航行したとき「流し樽」にて航海安全を祈る風習があります。

海上自衛隊練習艦隊は、毎年海の風習として流し樽を行っていますがこれもOUTでしょうか?

図6 海自流し樽
図6 海自流し樽.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Am-bGaACMAATB9Z?format=jpg&name=small

経費節減のため発泡スチロールで流さざるを得なかった、海自の慟哭の涙を見よ!

これもダメになったら、海自はキレるでホンマに!

2.2 やはり誘導された誤爆が必要か・・・

やはりここは、米海軍を見習い「良く誘導された誤爆」が必要かもしれません。(怒られるからヤメナサイ!)
図7 P-3C投下
図7 P-3C投下.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/image/i32p0810.png

けっこう重要な問題が、先送りになっていると思われます。
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(3)参拝と自衛隊の問題は続く

自衛隊と宗教の問題は、有事後を見据えて本格的論議をした方がいいかもしれません。

問題が起きてからでは遅すぎるでしょう。

図8 防衛省殉職者慰霊碑
図8 防衛省殉職者慰霊碑.jpeg
引用URL:https://kiharaminoru.jp/wp-content/uploads/2021/11/7B6D376F-1BBB-4F19-96A3-00B76F1891A1-768x512.jpeg

防衛省市ヶ谷地区には、殉職者慰霊碑がありますがこれだけでいいのか?と考えています。

今こそ論議の時でしょう。
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2024年02月05日

13DDはダイヤモンドのレーダーになるか?【海上自衛隊】

『イージスの1000億よりは安いよね?!(白目)』
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令和13年度に予定される新たな護衛艦用としてのレーダー国内開発が決定いたしました。

高速高機動目標対応レーダーとして、量産単価約481億円となる見込みです。

図1 高速高機動目標対処レーダー
図1 レーダー.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2024/01/25a.pdf

量産単価が約481億円と驚く声があるようですが、イージスの1000億円越えよりは安い(白目)!

ダイヤモンド半導体を使ったレーダー素子なら、安いくらいだ!
(前回記事):『謎水騒ぎを仕様書と契約の観点から解説【自衛隊】
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(1)FCS-3性能陳腐化の教訓を生かすべき

FCS-3レーダーに比べると非常に高価になっており、驚くのは良く分かります。

図2 OPY-1
図2 OPY-1.jpg
引用wiki

FCS-3が研究開発終了時に、すぐに性能向上型開発を迫られた苦い教訓を生かすべきでしょう。

1.1 ガリウムヒ素(GaAs)から窒化ガリウム(GaN)へ!

FCS-3については、試験艦「あすか」に搭載されていたGaAsのレーダー素子を基本にしていました。

図3 試験艦あすか
図3 試験艦あすか.jpg
引用wiki

1990年代から2000年代には、ガリウムヒ素半導体がパワー半導体の主力であり選択は間違っていませんでした。

しかし1993年に実用化された青色ダイオードに使用するGaNについては、急速な技術進歩により一気に発展していきます。

図4 GaN素材
図4 GaN素材.jpg
引用URL:https://www.ganpro.imass.nagoya-u.ac.jp/img/gan_img_01.jpg

商業ベースに乗って2001年頃から、多量のGaNパワー半導体が登場することになります。

運悪くFCS-3の開発完了(2000年)と同時期になってしまったため、たかなみ型護衛艦4番艦「すずなみ」への搭載が見送られます。
(1年FCS-3開発完了が速ければ、「すずなみ」からFCS--3搭載はあったそうです)

海自も急速にGaN対応型のFCS-3を準備することになります。

1.2 19DD「あきづき」からGaN搭載へ!

軍用レーダーについては、「枯れた技術」により信頼性の高いものが好まれます。

しかしながら19DDは、SPY-1F売り込みもあり焦ってGaN搭載レーダーとなりました。

図5 あきづき
図5 あきづき.jpg
引用wiki

しかし運用者からGaNレーダー素子の不評は、かなり激しいものがありました。
(MTBFが予想を上回るペースになってしまった)

パワー半導体としてのGaN素子は、技術的熟成がまだまだだったといえます。

最近ようやく故障が落ち着いてきているでしょう。

1.3 FCS-4(仮称)はどの素子で開発すべきか?

FCS-3の研究開始は1983年までにさかのぼるため、基本技術は1990年代を元にしています。
(関連記事):『ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】


今回開発される新型レーダーは、2010年代の技術が基本となります。

しかし将来性を考えると、レーダー素子については可能な限り最新鋭のものにすべきでしょう。

図6 モジュール
図6 モジュール.jpg
引用URL:https://www.eis-japan.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/nxp_20230317-600x338.jpg

令和13年度(2031年)に予算計上となると、2036年(令和18年)以降に就役となります。

2030年代〜2050年代において、十分に活躍できるパワー半導体素子導入を検討すべきです。

SiC(炭化ケイ素)半導体が、当面の次世代半導体ですがその先を見る必要があります。
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(2)ダイヤモンド半導体という夢の素材

SiCはすでに商業品が出回り始めましたが、限界もあります。

図7 SiC半導体
図7 SiC半導体.jpg
引用URL:https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/feature/15/032200080/032200001/100zu01.jpg?__scale=w:800,h:320&_sh=0810b0cd0c

省電力の装置としては優れていても、大電力高周波数に対応できません。

2.1 SiCは高周波数レーダー素子には向かない

次世代半導体であるSiCについては、早くから有効性が注目されてきました。

図8 半導体分布
図8 半導体分布.png
URL:https://www.nedo.go.jp/content/100939129.pdf

比較的低周波については、SiCの効果があるでしょうが高周波数帯(GHz)ではGaNの方がまだ向いています。

米国のSPY-6/7がGaN素子を使用する理由も、大電力高周数数での使用を考えたものです。

一応SiC後継となる酸化ガリウム半導体(Ga₂O₃)の実用化が、2023年に発表されました。

図9 酸化ガリウム
図9 酸化ガリウム.png

引用URL:https://www.nict.go.jp/press/2013/06/4otfsk00000fobbo-img/20130619-3.png

しかし究極となる半導体開発が、実用化に向けて開発されています。

2.2 ダイヤモンド半導体?!のブレークスルー!

防衛装備庁が実施している安全保障技術研究推進制度で、ダイヤモンド半導体の技術的ブレークスルーが発生しています。

図10 安全保障技術研究推進制度
図10 安全保障技術研究推進制度.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/funding/seidogaiyo_20230810.pdf

この制度を利用して、2017年に発表されたのがGaN素子にダイヤモンド結晶被膜を接合する技術です。

図11 ダイヤモンド素子
図11 ダイヤモンド素子.jpg
引用URL:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/12/7b.jpg

GaN素子が作動するとき熱放出が激しいため、熱損失による性能低下が起きやすい現象がありました。

対策としてダイヤモンド半導体が理想とされましたが、実現はかなり困難でした。

そんな中で量産技術実用化も視野に入った、革命的研究成果が平成29年(2017年)に発表されています。
(プレスリリース:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/12/7.html
13DDのレーダーについて、このダイヤモンド素子を利用したレーダー開発が行われているかもしれません。

それであれば、量産単価約481億円も不思議ではありません。

2.3 枯れた技術と新技術の融合を!

軍用製品には、どうしても枯れた技術で信頼性の高いものが選ばれる傾向があります。

図12 UYK-44
図12 UYK-44.jpg
引用URL:https://cdn.vox-cdn.com/uploads/chorus_asset/file/20744791/ows_137737721361019.jpg

UYK-44みたいな古いコンピューターが、軍用では現役であることからもうかがえます。

しかしながら新技術を適時に導入していかないと、FCS-3のように開発完了時に性能陳腐化ということも起きえます。

今後の技術進歩を適切にみていくべきでしょう。
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(3)ASBM/HGVは新たな脅威!


新世代の護衛艦は、HGVやASBMの脅威に晒されるようになりました。

図13 ASBM
図13 ASBM.jpg
引用URL:https://s.japanese.joins.com/upload/images/2022/04/20220421142724-1.jpg

第二のASMDとして備える必要があります。

3.1 イージスの1000億越えよりはいいよね!

護衛艦レーダーとしては、量産単価約481億円というのは高く感じるかもしれません。

しかし1967年のエイラート号事件以降、対艦ミサイル防御(ASMD)が現代海軍の基本となりました。

図14 ミサイル艇
図14 ミサイル艇.jpg
引用wiki

近いうちにASBM/HGVによる艦船撃沈記録が出るのも、時間の問題でしょう。

そこから慌てて対策検討をするより、最初から大気圏外監視能力を持ったレーダーを開発すべきでしょう。

イージスシステムが約1000億円越えとなる中で、500億円弱で完成するなら儲けものです。

3.2 ダイヤモンドレーダー登場なるか?

将来的には、ダイヤモンドレーダー搭載護衛艦の登場もあり得るでしょう。

ステルス機やHGV/低RCSミサイル探知には、どうしても強力なレーダーが必要です。

今後の開発状況が楽しみですね。

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2024年01月25日

謎水騒ぎを仕様書と契約の観点から解説【自衛隊】

『陸自練馬駐屯地がニセ科学に騙されかけたと聞いて!』
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陸自練馬駐屯地にて、謎水なるニセ科学製品の入札公示と急きょ公示取消しがあったようです。

ニセ科学はともかく、役務調達要求仕様書と契約制度の問題が結構あるなあ・・・

図1 謎水?
図1 謎水?.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2019/03/blog-post_927.html

似たようなものは私の現職時代も結構持ち込まれたりしています。

まあ大抵指揮官クラスが、トップダウンで持ち込むんですよね〜!
(前回記事):『KN-23がウクライナで使われるとは!【世界情勢】
\こちらもご参考に!PR/

(1)謎水入札公告と公示取り消しまで

2024年1月22日に、有志の手で練馬駐屯地の地方調達にて謎水の入札公告が発見されました。

図2 Twitter
図2 Twitter.png
引用URL:https://twitter.com/konamih/status/1749341032939176206

明らかにやべー案件ですが、1月24日に無事に取り消しとなったようです。

1.1 明らかに1社決め打ち案件やな・・・

謎水とかいうニセ科学については、詳しい有識者が多くいるはずなのでお任せします。

問題はこのような案件が、正規の調達要求と入札公示手続きが行われてしまったことです。

図3 指揮官
図3 指揮官.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/lp/missions/common/img/scope/commander_mv.png

自衛隊は指揮命令系統がしっかりしていますが、会計法上の契約行為は別の統制があります。

今回の入札案件は、明らかに一般競争入札→1社入札からの随意契約を狙ったものでしょう。
(物品役務調達要求では、結構ある話)

そこにニセ科学製品が入り込んだという物です。

図4 入札 
図4 入札.png
引用https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_712.html

公示から入札まで10日というのは、予算決算及び会計令第74条の最低公示期間であり一応基準は満たしています。(ホントに最適基準のみ!)

1社しか製造してないのに一般競争入札にされた時、このような手法は良くあります。

ついでに指摘するなら、1500万円以下の入札予定価格を設定していたと思われます。

物品購入(社給品)込みで予定価格1500万円ぐらいを超えると、国際競争入札の対象となり政府調達になり入札期間は1か月以上取る必要があるためです。
(数年に1回金額が改訂されるため、基準として約1500万円以上があります。)

建設役務工事・修繕役務工事なら約6億2千万円を超えたら、政府調達となります。

WTO(国際貿易機関)の国際競争入札により、公正な国際入札を実施するために定められています。

おそらく練馬駐屯地司令(第1師団副師団長)は、全く聞かされていなかったと思います。

1.2 指揮官クラスがねじ込んだんだろうなあ〜

役務調達要求元や契約担当者(会計隊)は、この手の詐欺まがいの話には十分注意しています。

しかしながら上級司令部指揮官から、「これを何としてでも入れろ!」とねじ込まれることは割とよくある話です。(調達要求現場では恒例行事)

図5 パワハラ
図5 パワハラ.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2015/07/blog-post_847.html

私ペンギンも造修補給所監督官時代には、何回も経験してねじ込んできた指揮官の身辺背後には怪しげな業者が出入りしてる情報も調達要求元には入ってきます。
(部隊に割り当てられたカネは俺のカネ!ぐらいの軽いノリなんですよね)

今回の場合は相当上位の指揮官からねじ込まれて、やむなく役務調達要求を出したんでしょう。

図6 特記事項
図6 特記事項.png
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GEbnu-bbMAAcJB_?format=png&name=medium

特記事項にわざわざ記載することで、要求元は最大限の抵抗をしたといえます。

さらに「官が認める同等品」の項目により、予決例による監督・検査で不合格・契約不履行を期待しているのでしょう。
(監督官・完成検査官が不合格を宣言すれば、未完成で契約不履行に出来る)

会計監査で突っ込まれても、ねじ込んだ指揮官は「そんな要求はしたことない!」と責任逃れすることがほとんどです。
(契約関係職員は日時を入れた文書にしてサインを要求して自衛をしています)

さて今回はどのように後始末が付くか、練馬駐屯地所在部隊の人事に注目です。

1.3 1陸佐以上の不審な人事異動に注目!

今後予想されるのが、第1師団司令部や連隊長が突然人事異動になることです。

図7 人事異動
図7 人事異動.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2023/1222c.pdf

2023年12月22日に将補の異動があり、第9師団副師団長(将補)が「陸上幕僚監部付」になっています。

今後練馬駐屯地所属部隊の指揮官が、突然異動になった場合その人物がニセ科学にはまった人物でしょう。

後情報の追跡も、結構大事ですよ!
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(2)一般競争入札は詐欺が入り込みやすくなった!

なんでニセ科学などの詐欺同然の商品が導入されるか疑問に思うかもしれません。

しかし一般競争入札導入の弊害として、このようなニセ科学製品が入りやすくなっています。

2.1 書類が整っていると調達要求を拒否できない。

官の契約の欠点として、調達要求書類が整っていると契約担当官は契約行為を拒否できないんですよね。

契約担当官は、要求仕様書に明らかな瑕疵(かし)が無い限り仕様書の内容に口出しできません。
(口出ししたら契約担当官が全部仕様書まで書け!となってしまうため)

「訓練に必要だ!」とエアガンを地方調達して、あとから会計監査で怒られた事例もあります。

そのためなかなか契約担当部署で、ニセ科学製品を差し止めするのは難しいのです。
(業者が法令違反・指名停止措置などになっていれば、契約拒否はできる)

2.2 要求元が信じ込んでしまうとヤバい!

一番ヤバいのは、要求元がニセ科学製品を信じ込んでしまって要求を上げることがあります。

図8 詐欺
図8 詐欺.png
引用URL:https://www.irasutoya.com/2014/11/blog-post_57.html

防大出身の指揮官がこの手の話によく引っかかり、調達要求を持ち込むことが結構あります。
(指摘するとすぐに怒る!)

実体験では総監部会計監査官を兼任する造修補給所科長に、護衛艦艦長が話を持ち込んで調達要求を出してきたことがあります。

見事に総監部会計監査課→総監に話がいき、翌日艦長が急遽更迭となったのを体験しました。

カネと物に関しては、マジに1日で指揮官の首が飛ぶくらい厳格な対応が行われます。

けど騙される指揮官が多いんですよね〜。

2.3 防大専門家によるチェック?ワロス!

Twitterの意見の中には、防大応用化学科出身の幹部によるチェックをしては?なんて意見がありました。

図9 防衛大学校
図9 防大.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/nda/education/files/1674200603phples07D.jpg

一般大卒の技術系幹部だった身から言わせると、
『防大卒に一般科学常識を期待する方が間違っている!』
(激しい防大卒へのヘイトスピーチ!)

それくらい防大卒幹部の科学知識は、怪しいものです。

「やめて!化学式を読めない防大幹部もいるのよ!」
(マジにあった話です!)

防大卒幹部の卒論を読んだら、他の大学教員はブチ切れるくらいレベルは低いです。

だから、ニセ科学にコロッと騙されるんでしょうね〜
(海自幹部中級課程での「7つの習慣」みたいな、怪しげなことが流行るわけだ!)



(3)怪しい入札は総務省行政評価局にタレコミだ!

今回の謎水案件は、元防衛副大臣が情報をすぐに指摘してくれたのでうまく取り消しになりました。

今後はどうすべきか?

3.1 会計検査院は契約済みのものしか意見できない

契約関係だから会計検査院だ!と思われるほど、会計検査院の重要性は国民に認知されています。

図10 会計検査院
図10 会計検査院.jpg
引用URL:https://www.jbaudit.go.jp/img/report/fy04_kensahoukoku_02.jpg

しかし会計検査院は、入札前・契約前の案件についてはあんまり口出しできないところがあります。
(証拠書類がそろっていないため)

契約済みの案件に対して、会計監査を行うことしかできません。

ではどこに相談すべきか?それは総務省行政評価局です。

3.2 総務省行政評価局は恐怖の存在!

総務省行政評価局は、行政のあらゆることに国民からの相談を受けて各省庁に照会通知をしてくれます。

図11 行政評価局
図11 行政評価局.jpg
引用URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000222741.jpg

防衛省の公益通報制度が機能不全である以上、総務省はあらゆる相談に乗ってくれます。

入札内容に疑義があるものでも、十分相談に乗ってくれますよ!
(財務省よりも権限がデカいかもしれません)

さあみんなで怪しい入札情報を監視しよう!



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posted by sstd7628 at 15:30| Comment(5) | TrackBack(0) | 自衛隊

2024年01月16日

KN-23がウクライナで使われるとは!【世界情勢】

『イスカンデルは完全に枯渇したかな?』
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2022年から始まったウクライナ戦争において、ロシアが北朝鮮製KN-23を使用する事態となりました。

皮肉なことにKN-23の実戦デビューとなっています。

図1 KN-23
図1 KN-23.png
引用URL:https://nonproliferation.org/wp-content/uploads/2019/06/preliminary-analysis-kn-23-srbm_4.png

実戦データを収集した北朝鮮は、より改良型ミサイルを出してくるでしょう。

注目すべき事態です。
(前回記事):『NBC偵察車の早期用途廃止への慚愧【軍事技術】
\こちらもご参考に!PR/

(1)KN-23がロシアから発射された?!

2024年1月になりアメリカは、北朝鮮製KN-23弾道ミサイルがロシアからウクライナに発射されたと発表しました。

図2 米国発表
図2 米国発表.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/GDClUG_b0AA4Qv9?format=jpg&name=medium

北朝鮮の弾薬支援は、弾道ミサイルまで供与していたことになります。

1.1 間違いなくKN-23の破片だ・・・

2024年に入ってからウクライナ各所でイスカンデルミサイルとは異なる部品発見報告が相次ぎました。

図3 部品
図3 部品.jpg
引用URL:https://englishsl.com/wp-content/uploads/2024/01/Russia-fires-North-Korean-missiles-at-Ukraine-for-first-time-640x427.jpg

ロシアのイスカンデルミサイルにしては、ずいぶんと古めかしい構造となっています。

どこかで見たようなボルト止めのロケットとなると、あの国しかありません。

図4 北朝鮮KN-23
図4 北朝鮮KN-23.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/card_img/1745810129306484736/-ZdPAbLa?format=jpg&name=small

北朝鮮のキムカンデルこと、KN-23短距離弾道ミサイルにそっくりです。

ほぼ断定されたのは、やはりミサイル底部の部品の写真が登場したことです。

図5 ミサイル底部写真
図5 ミサイル底部.jpg
引用URL:https://fakty.com.ua/wp-content/uploads/2024/01/06/novyj-proyekt-1.jpg

ああ、これはKN-23で確定だなと言えるものでしょう。

1.2 射程は500kmほどなのか?

今回ウクライナに向けて発射されたKN-23については、約460kmを飛行したとされています。

KN-23は射程約500kmと言われており、ほぼ最大射程で発射したと言えるでしょう。

図6 イスカンデル
図6 イスカンデル.jpg
引用wiki

しかしながら射程400kmと言われたイスカンデルミサイルが約800km飛行したこともあります。

KN-23は射程約1000kmまで行くのでは?と以前から主張してきました。
(関連記事):『【北朝鮮】イスカンデルミサイルもどきを再整理してみる!

かなり厄介なことになりそうです。
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(2)KN-23について判明したこと。

ウクライナで発見されたKN-23の部品は、イスカンデルとは異なる部分があります。

図7 発射機
図7 比較画像.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-2/analysis3.jpg

専用の発射機でイスカンデルとは共通化していないと考えられていました。

しかしながら、従来予測が覆ることになりそうです。

2.1 ミサイル直径が同じ?

ウクライナからの情報では、KN-23の直径が予測より細くイスカンデルミサイルと同じ直径であるとされています。

図8 部品計測
図8 部品計測.jpg
引用URL:https://reporteasia.com/wp-content/uploads/2024/01/photo_l-34.jpg

かなり荒い部品計測ですが、直径約0.9mであるとされています。

この情報はかなり重大な情報となり、北朝鮮ミサイルの性能向上をうかがわせるものです。
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2.2 2019年の予測では直径約1.1mだった

KN-23が登場した2019年にはいくつかの写真から、KN-23の寸法が予測されていました。

図9 寸法予測
図9 寸法予測.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-2/analysis4_a.jpg

この時は、直径約1.1mと予測されていました。

しかしながらウクライナに着弾したのは、直径約0,9mのミサイルだったのです。

予測が間違っていたのか?最初から直径0.9mのミサイルだったのか?

今後検証が必要でしょう。

2.3 KN-23とイスカンデルに共用性があるかもしれない。

2019年に登場したときは、KN-23とイスカンデルミサイルに共用性が無いと思われていました。

しかしながらウクライナ戦争により、ロシアがKN-23を使用したことで可能性が出てきました。

図10 KN-23改良型
図10 KN-23改良型.jpg
引用URL:https://www.b14643.de/Spacerockets/Specials/Pukguksong_GLBM-3/2021_5.JPG

すでに北朝鮮は2022年にKN-23改良型として大型化したミサイルを登場させています。

注文に応じて、イスカンデル発射機に合わせたミサイル製造も可能になっているでしょう。

今後イスカンデルKN-23のようなキメラミサイルが登場する可能性も否定できません。

警戒して状況監視をするべきでしょう。

戦争中の急速な技術進歩は、時としてとんでもないものを生み出します。

恐れるべきでしょう。
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posted by sstd7628 at 14:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 世界情勢

2023年12月23日

NBC偵察車の早期用途廃止への慚愧【軍事技術】

『もう少し技術的成熟をすべきだったなあ』
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2024年度の防衛予算案が登場して、新装備の開発も進むことになりました。

しかし思い入れのあるNBC偵察車が早期に用途廃止となるようです。

図1 NBC偵察車
図1 NBC偵察車.jpg

引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/photo/nbc_2.jpg

量産初号機に監督官刻印を入れたものとして、結構後悔が残るものになりました。

そんなNBC偵察車の思い出について書いていきます。
(前回記事):『ASBMを撃墜しろだなんてむーりいー無理!!【海上自衛隊】
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(1)初号機監督官をやってね!え?海の人間だけど?!

NBC偵察車は防衛省出向時に、検査官として関わりがありました。

(関係記事):『【防衛省】知られざる地方防衛局・防衛事務所という組織のお仕事!
図2 検査官
図2 検査官.png
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F8nfrYWaQAA4vgN?format=png&name=900x900

偶然の結果で、本来の陸検査官の代わりに監督刻印を押すことになったのです。

1.1 検査官ってなんやろな?

防衛省出向時には、製造される装備品の監督検査を行う「検査官」という仕事を行っていました。

図3 完成品
図3 完成品.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/rdb/chushi/030_kouhou/010_kouhousi/kouhou55.pdf

陸海空の装備品が製造されるとき、地方防衛局所属の検査官が監督・検査をして合格判定行うものです。

基本はそれぞれ陸海空の検査官が担当しますが、たまに陸装備を海自検査官が検査するなどします。

むろん事前教育はしっかり行われ、製造品への監督検査はしっかりできるようになっています。

1.2 NBC偵察車の予備監督官に指定ね!

会計法により、国が発注した工事・物品には必ず監督検査・完成検査は行う必要があります。

大規模な装備になると、複数の検査官を指名して検査漏れが無いようにします。

防衛省地方防衛局に出向したときは、前任者の契約業務を引き継ぎ検査官業務を引き継ぎます。

図4 潜水艦業務
図4 潜水艦.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/F68ALZObcAAAvMe?format=jpg&name=900x900

ちょうどNBC偵察車量産初号機の、予備監督官業務も引き継ぐことになりました。

「まあ、何もないから安心しとけ!」

そんな言葉が先輩検査官から掛けられますが、安心できないのが自衛隊です。

まさかの事態が発生します。

1.3 ちょいとNBC偵察車の監督検査してこいや!

NBC偵察車の量産初号機が完成して、あとは監督・完成検査立ち合いだけというときでした。

監督業務をしてた陸検査官が、陸自人事の都合で急きょ後方支援連隊の中隊長に上番することになります。

図5 後方支援連隊
図5 後方支援連隊.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/14b/butaisyoukai/kakubutai/7_log/images/keyvisual.jpg

急な話なので、当然後任者が来る予定が全くありません。

検査官を離れると、当然装備品の監督検査書に押印する権限が無くなります。

「ちょwwNBC偵察車の監督刻印誰が押すんですか?www」
「ペンギン!お前が完成検査の監督やっとけ!」

急きょながら、海の人間が陸自装備NBC偵察車の検査をすることになります。
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(2)サスペンションに油いれてんのか〜い(怒)!

急きょNBC偵察車初号機の監督検査をすることになりましたが、ひどいものでした。

図6 NBC偵察車外観
図6 N偵.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Em_ERO5UYAAcAz0.jpg:large

当時最新鋭だったはずのNBC偵察車は、設計者出てこ~い!の状態です。

2.1 サスペンションがいまいちすぎる!

96式装輪装甲車が比較的乗り心地の良い車両なので、安心できるだろうと思っていました。

『サスペンションに油入れてんのか〜い(怒)!』

実路の走行試験ではあまりの振動に、思わずこう叫ぶほど乗り心地が悪いものでした。

図7 バイク悪路走行
図7 バイク悪路走行.jpg
引用URL:https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/event/playsurvive/playsurvive2021/img-0002/pic_002.jpg

まあ、中間試験で合格してる以上は合格にするしかありませんでした。

2.2 エンジンをここに置いたのは誰だ!

NBC偵察車で一番悔やまれるのは、エンジンの位置です。

図8 96式
図8 96式.jpg
引用URL:wiki

96式はエンジンが運転席左にあり、安定性がありました。

しかしNBC偵察車は車体中央右にあり、車内スペースを圧迫していました。

当然横転性が上がっていましたが、陸自の合格基準内に入っていました。

これもまた試作車両で合格が出てる以上、量産車も合格印を出さざるを得ませんでした。
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(3)もっと煮詰めるべきだったなあ

当時は量産スケジュールが詰まっており、合格印を出せというプレッシャーが大きくありました。

図9 S-10
図9 S-10.jpg
引用wiki

海自でS-10試作機を不合格にしたとき、装備スケジュールが大幅に狂った苦い思い出があります。

3.1 もっと時間があればなあ

当時は化学防護車と生物偵察車しかなく、NBC偵察車の装備化が急がれていました。

結果として問題が山積のまま、部隊配備予定数50両を大きく下回る結果になります。

もうちょっと煮詰めてから出荷すべき車両だったと、慚愧の念に堪えません。

技術者として反省すべきところだったと思っています。

3.2 パトリアならやってくれる!

NBC偵察車は早期に用途廃止となり、パトリアAMVの派生型が後継になるようです。

図10 パトリア
図10 パトリア.jpg
引用URL:https://www.defensehere.com/img/2023/09/Ekran-goruntusu-2023-09-20-100924-e1695193780828-850x478.jpg

中途半端に終わってしまったCBRN対策車両を、必ず達成してくれるでしょう!

期待して待っています。
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posted by sstd7628 at 14:48| Comment(4) | TrackBack(0) | 軍事技術

2023年12月06日

ASBMを撃墜しろだなんてむーりいー無理!!【海上自衛隊】

『ASBMだなんて聞いてないよ〜!』
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2023年11月26日に海賊対処派遣中の護衛艦「あけぼの」の近くにASBMが撃ち込まれました。

何とか無事に離脱できたのが幸いです。

図1 ノノ
図1 ノノ.jpg
引用URL:https://i.pximg.net/img-master/img/2013/03/01/19/19/06/33918180_p0_master1200.jpg

海自の中の人にしてみたら、ASBMなんてむーりぃー!と叫びたくなる状況です。

SSN-22ならともかくASBMを撃墜しろってのは、イージス艦以外では現状無理です!
(前回記事):『潜水艦と機雷は存在するだけで脅威となる!【海上自衛隊】
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(1)海賊対処中にASBMが飛んでくるなんて想定できるか!

海自ならASBM(対艦弾道ミサイル)ぐらい落とせ!なんて言われるかもしれません。

図2 イージス艦
図2 イージス艦.jpg
引用wiki

イージス艦とSM-3のイメージが鮮烈すぎるのも考えものです。

1.1 むらさめ型護衛艦だとほとんど対処不能!

現場にいた護衛艦「あけぼの」(DD108)は、むらさめ型護衛艦の8番艦です。

図3 護衛艦あけぼの
図3 護衛艦あけぼの.jpg
引用wiki

イージス艦とは違い対空レーダーは回転式のOPS-24B、FCS-2で誘導するESSMという状況です。

図4 OPS-24B
図4 OPS-24B.jpg
引用wiki

はっきり言って、弾道ミサイル探知能力なんて持っていません。

1.2 LINK11とCENTRIXSで情報が来たんだろうね

ASBM探知の情報は、米軍からLINK11とCENTRIXSで通報されたのでしょう。
(むらさめ型にはLINK16がない)
図5 LINK11
図5 LINK11.jpg
引用URL:https://electronicstechnician.tpub.com/14088/img/14088_91_1.jpg

情報共有でCENTRIXSは非常に参考になります。

図6 CENTRIXS
図6 CENTRIXS.jpg
引用wiki

情報が来たならば迎撃できそうじゃないか?と言われそうですが、個艦で捕捉できないと射撃は困難です。

イージス艦搭載のCECとEORが無いとかなり厳しいでしょう。

1.3 ESSMもそんなに高く飛べない

搭載してるESSMも射程最大約50kmと言われていますが、確実に命中させるにはもっと射程は短くなります。

図7 ESSM
図7 ESSM.jpg
引用wiki

ASBMに対しての現状における最善手としては、全速力で逃げるしかありません。

マッハ5以上で宇宙から降ってくるミサイルなんて、想定していなかった戦場としか言いようがありません。
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(2)飛んできたイラン製ASBMについては?

イエメン反政府勢力フーシ派は、イランからASBMを供給された模様です。

図8 ASBM
図8 ASBM.png

引用URL:https://i.postimg.cc/Hxct2h4Z/48.png(ORYXJAPAN)

ハリジ・ファルスと呼ばれる、イランオリジナルの対艦弾道ミサイルのようです。

2.1 めちゃくちゃ厄介だぞこれは!

ASBMなんてしばらくは無理だろうと、中国DF-21Dを見ていましたが意外なところから出てきました。

図9 機動
図9 機動.jpg
引用URL:https://tommytoy.typepad.com/.a/6a0133f3a4072c970b0162ff1110c7970d-800wi

DF-21Dのような機動を取るのであれば、探知は非常に難しいといえます。
(OPS-24やFCS-3の探知範囲外を滑空してくる)

ハリジ・ファルスのCEPが1m程度と主張されていますが、迎撃にはSM-2級の長射程SAMが必要です。

短SAMのESSMでの迎撃は、最後の手段としか言いようがありません。

2.2 イージス艦を海賊対処に派遣するのは本末転倒になる

海幕はイージス艦を海賊対処に派遣することを検討し始めたようですが、圧倒的に数が足りないといえます。

ASBM迎撃を行った場合、海賊対処法の武器使用根拠を超えてしまうためです。

海上警備行動や弾道ミサイル破壊措置命令という方法もありますが、法的整理が必要です。

2.3 しばらくは米軍に任せるしかない。

悔しいですけど、むらさめ・たかなみ・あきづき型の護衛艦ではASBM対処は厳しいでしょう。

戦闘システムを無理に作り変えるより、次期護衛艦に任せた方が無難です。

(関連記事):『ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】
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(3)対艦弾道ミサイル対策が今後の目標かな?

将来の海戦においては、対艦弾道ミサイルからの防御が目標になるかもしれません。

図10 イメージ
図10 イメージ.jpg

引用URL:https://www.usni.org/sites/default/files/styles/hero_image_2400/public/Turnwall-PRO-11-19%201.jpg?itok=1HE9bqj7


ESSMの後継がNSAMになるか?それともSM-6になるか注目です。

3.1 探知さえできれば撃墜は可能!

海自はKh-31やSS-N-22を一つの目安として、CDSなどの戦闘システムを構築してきました。

図11 Kh−31
図11 kh−31.jpg
引用wiki

何とか探知さえできれば、ワンチャンスで撃墜は可能です。
(マッハ4で飛行して、探知から着弾まで十数秒の中でやるしかないけど)

とりあえずASBMは、発射されたら逃げるしかないですね!
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