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2024年7月12日に、令和6年度防衛白書が公表されました。
数々の不祥事発表の最中であったため、ちょっと注目度が下がっています。
図1 12SSM
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
12式地対艦誘導弾能力向上型について、より詳細な写真が出てきています。
防衛白書は、読み込むと結構いろんな発見があるよ!
(前回記事):『潜水艦裏金B終:チャンネルダッシュ作戦と今後どうなる!』
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(1)カッコイイミサイルやんけ!
前倒しで開発が進む12式能力向上型は、2022年に一部の写真が公開されました。
図2 風洞実験
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2022/pdf/DOJ2022_Digest_jp.pdf
令和4年に公開された風洞実験モデルから、かなり進歩しているのが見えます。
1.1 陸海空ファミリーモデルがよくわかる!
12式SSM能力向上型については、陸海空どこからでも打てるように開発が進んでいます。
図3 運用
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
製造数量が増加すれば、量産コストも下がり国民の税金を大切に使うことが出来ます。
2025年には、最初の地上発射型配備を開始するものです。
今回公表された写真では、かなりミサイルの外観が分かるようになりました。
1.2 防衛白書は情報戦の意味もある。
新型ミサイルを配備前に広報してどうする!なんて意見もあるかもしれません。
図4 12SSM
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
防衛白書は政府公表資料であるので、関係各国も情報を分析します。
開発中のミサイルを掲載することで、抑止力としての情報戦にもなります。
意外と防衛白書は、バカにできない資料です。
1.3 GPIミサイルも登場したよ!
令和6年防衛白書には、GPIミサイルのイメージ図も登場しました。
図5 GPI
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
令和5年度に情報がでていましたが、今回正式に概要図が登場しています。
新たな脅威となったHGVに対処するため、SM-3BlockUAに続く日米共同開発です。
正確な資料を得るには、やはり防衛白書は役立ちます。
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(2)パトリオット用LTAMDSの情報も!
イージス・システム搭載艦の情報など、目に映るものが数多くあります。図6 イージス・システム搭載艦
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2024/pdf/R06zenpen.pdf
しかし意外と注目されていないのが、LTAMDS(エルタムズ)導入の話です。
2.1 パトリオットミサイル用レーダーの換装
ウクライナ戦争でも供与が始まり、防空システムの要となっているパトリオットミサイルです。
図7 パトリオットミサイル
引用wiki
日本では、BMDで有名になりましたが本来は野戦防空システムです。
アメリカでは1961年に設計がスタートして、1982年に最初の部隊配備となっています。
ミサイルは改良型が次々と出てきましたが、レーダーそのものは換装が遅れていました。
図8 レーダー
引用wiki
航空自衛隊のパトリオットは、AN/MPQ-53という古いレーダーのままです。
1989年から導入を開始しており、早期換装が求められます。
そんな中で、ついにLTAMDSへの換装が令和4年度以降から明記されました。
2.2 LTAMDSとは何か?
LTAMDSは、レイセオン社が新世代のパトリオット用レーダーとして開発したものです。
図9 LTAMDS
引用URL:https://prd-sc102-cdn.rtx.com/-/media/rtx/news-images/2024/07/dust2_stmta_peo-23-004_xl_retouch_02_1920x1080.jpg?rev=40635c2975ee4f59b87ce1a4f250d9df&w=1600&hash=73344988CB09ED619E8BB0B0B2E14F69
従来はレーダー1面のみでしたが、3面のレーダーにて同時対処が可能になりまます。
米国では、SM-6の誘導管制にも成功するなど革新的なレーダーです。
2024年度中にアメリカで正式配備となり、日本でも早期換装が望まれます。
2.3 費用がいくらになるかな?
革新的なレーダーとなるLTAMDSですが、費用がいくらになるかはまだ不明です。
(レーダー車両1両でも、10億円以上はするでしょう)
図10 外観
引用URL:https://militarycabinet.com/wp-content/uploads/2020/02/EG2JnOuXkAIVGDW-1.jpg
これだけ巨大なレーダーを動かす為には、さらなる大電力供給装置が必要になります。
今後換装にどれだけ費用が使えるか、検証が必要です。
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(3)防衛白書は宝物が一杯!
あまり読まれることのない防衛白書ですが、意外と宝物が多くあります。
図11 ASM-1発射
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1979/w1979_03011.gif
1979年(昭和54年)防衛白書には、開発中のASM-1の発射シーンがあります。
古い防衛白書から、思わぬ写真を発見するかも?!
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防衛・軍事ランキング
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歴史を保存する習慣が無い理由として、「保管場所が無い」と何度も何度も各所で聞きました。
文書の保存・マイクロフィルム化など手法はいくつもあっても、費用が無いと何度も聞かされました。
文書管理規則が変わり、「永久保存」の枠組みが無くなった影響が出ているといえます。
(護衛艦はるかぜを江田島で長期保存していましたが、防衛費削減のあおりを受けて売却解体したのはホントに悪手だったと思います。)
管理人様とななしMk.1様のやり取りを拝読させて頂く中で、
"海自の歴史を残すという考えが根付いておらず、
海軍資料は補完するけど海自資料は破棄する状態です。"
とありました。
私も時折閲覧する桜と錨の海軍砲術学校というサイト管理者の方(元海)も、
同様の趣旨の発言を度々サイトやブログ上でされており、
やっぱりそうだったのか…と感じた次第であります。
あまつかぜ導入の時は、精鋭中の精鋭を選抜してアメリカ海軍の教育課程に入校させて教育をしたそうです。
ただ後継艦がしばらく建造されなかったため、人員が固定されてしまう弊害があったそうです。
>88艦隊以前の教育体系
実をいうと、1980年以前の教育体系をきちんと説明してる公式資料がほとんど残っていないのが現状です。
2000年代のイージス艦情報漏洩事案を受けて、いろんな古い資料が破棄され貴重な教育資料も破棄されてしまいました。
海自の歴史を残すという考えが根付いておらず、海軍資料は補完するけど海自資料は破棄する状態です。
OB会である水交会が発行した術科を研究した「海上自衛隊苦心の足跡」も回想録ばかりで、教育体系などの資料が残っていない状況です。
お役に立てずすみません。
海上自衛隊はおか自とは違い部内や幹部予定者でも昇進するんですね。これは大きな違いだと感じました。根本的な、求める高級幹部人材が異なるのだと思います。
あまつかぜのようなターター装備艦が導入されたときは、海上自衛隊さんはどのように運用を確立したのでしょうか?あまつかぜというか、88艦隊以前の教育体系もぜひお聞きしたいです。
陸自特科出身ということで、長射程武器を陸自がどうやって運用するのかという貴重な情報を教えていただきありがとうございます。(特科が火力調整をするのは知りませんでした。)
海自では、SSMしか長射程のないDEから突然あきづき型護衛艦のようないろんなSSM・短SAMなどを積んだ船に転勤することも結構あります。
海自では「教育体制そのものを全部更新」というやり方で、幹部自衛官の教育をしてきました。
海自でも「はつゆき型護衛艦」が導入され砲こう兵器一本からミサイル戦の時代に転換するときは、かなり苦労しました。
米海軍を見習い、幹部特修科の設置や3尉クラスの任務課程まで教育体制を大転換して全部の兵器に対応できるよう教育していきます。
(イージス艦乗艦のときは、イージス専用の教育課程があります)
特にTAO(哨戒長)の制度を導入して、艦長から権限移譲を受けた攻撃指揮官はどんな艦艇でもすぐに対応できるよう教育体制を大変革したので対応できています。
(それでも1990年代までは、結構混乱したそうです)
陸自でいうAOC(幹部上級課程)に該当する、幹部中級課程までに射撃や船務などの人間を選抜しています。
海自の部内幹部(陸自ではI幹部)でも、能力がある者はどんどんと選抜され昇進していきます。
A幹(防大・一般大卒)でも、付いてゆけなければ配置転換となります。
高卒だった部内幹部でも最終的に、イージス艦の艦長を2艦も経験した人もいます。
部内や幹部予定者(陸でいうSLC)の方は、最初はかなり大変ですがスペシャリストとして活躍していますよ!
ここ最近は、スタンド・オフ能力だ!とばかりにいろんなミサイルが増えています。
このミサイル・全部対艦ミサイル・じゃないですかー!と怒られそうな気がします。
量産効果を上げるために、ミサイルの種類を絞り込むというのも確かに重要なものと考えます。
ただ空自のAMRAAMのように、突然供給国アメリカがウクライナ戦争優先のため納入延期が発生するなど種類を絞ると思わぬリスクが発生します。(国産AAM-4Bがあるため、何とかなってる。)
目標観測弾と弾頭交換型誘導弾は、もしかすると共通化できるかもしれません。
ただ誘導弾は、複数種類の誘導弾で同時攻撃した方が攻撃効果は上がります。
今の時期は、経済的効果と軍事効果のトレードオフをどれだけバランス良く考慮するべきかと思います。
(今はとにかく手数が欲しい時期です)
陸上自衛隊では長射程武器は全て特科が火力調整します。(MPMSや中多のような普通科火器も)正直ジジイの私にはとても辛かったです。
近年では陸上自衛隊のSLCの受験資格年齢を引き上げるとか聞きましたが、特科のI幹部みたいな高卒たちに何を期待してるんだと常々考えております。
12の能力向上型とか、現場のFHやSPから飛ばされてきた幹部が射撃を決定すると考えると不安しかないです。
ここからようやく本題なのですが、海上自衛隊さんでは、DEとかからイージスのように突然弓矢の射距離が変わったりするときはどう考えていらっしゃるのでしょうか?
管理人様はB出身なので比較的元々勉強されていらっしゃったと思うのですが、海上自衛隊さんのI幹部はいかがでしたか?
乱文で申し訳ございません。
島嶼防衛用新対艦誘導弾
目標観測弾
弾頭交換型ミサイル
トマホーク
様々な種類が有りますが整備や量産効果を考えると絞った方がいいと思うのですが
無理でしょうか?目標観測弾と弾頭交換型の偵察弾頭は別なのでしょうか?
確かに!目標観測弾も、遠方目標の観測・継続探知情報を送信するのに適していますね。
12SSM能力向上型を充分に生かせる、目標観測弾を何とか実用化して欲しいものです。
(なんだか日本版P-700グラニートに近づいてきた感じがするけど・・・)
千葉銀鳩と申します。
遠方の水上目標の索敵・誘導については、目標観測弾も1つの手段になるのではないでしょうか。
仕様書によると、COTS品の画像センサで捉えたデータを衛星経由で12式SSM能力向上型の指揮統制装置に送り付けることができるそうですし。
合成開口レーダーと共に、光学衛星・UAVによる長距離光学偵察を組み合わせる感じになるかもしれません。
(RF-4偵察機の代替をどの手段にするか)
かなりの難問ですね〜。
(暑さにお気をつけください)
分解能あげると観測幅が狭くなっちゃうし
無数に出てくる船っぽい反応から軍事目標を識別するのが至難だと思うのですよねぃ
おまけに一般船舶の中身が兵士や侵攻用の装備かそうでないか、どうすりゃ区別できる?と考えると悩ましくて夜しか眠れないです
「(いずも)護衛艦です!通してください!」
まあ原型の面影かなくても、改良型ですので同じものです!
索敵・誘導系については、ウワサの衛星コンステイレーションにて継続探知するのが有効でしょうね。
最終的には、弾頭に組み込んだ赤外線映像シーカーにて区別するしかないでしょう。
(揚陸船団に組み込まれた民間船の攻撃は、けっこう判別がむ難しいんですよね)
衛星を経由したUTDCとか長射程化は夢が広がりますがそんな長距離において目標の識別と捕捉が継続できるの?が気になります
近傍にある同タイプの船に只の民間船舶と揚陸船団に編入される船が混在してた場合とか