本タイトルは、検索除けにわざと書いてます。
『始まりはなだしお事件救済スキームから!』(ホントのタイトル)
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潜水艦の裏金問題について、特別防衛観察が決定するなど事件が広がっています。
一見すると、潜水艦乗員に会社が利益供与という分かりにくい話です。
図1 潜水艦
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/sbf/images/index/slide09.jpg
裏金スキームは、そんな簡単な話ではありません。
まずは時代背景と各種の関係性の話で、情報整理をいたしましょう。
(前回記事):『潜水艦の裏金騒ぎがついに露見したな!』
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(1)昭和では当たり前だった
今回の裏金問題については、自衛隊員倫理規程に明確に違反するものです。
図2 自衛隊員倫理規程
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/meeting/rinri/pdf/gaiyo_01e.pdf
ただ昭和の時代には、問題にもならなかった話です。
1.1 昭和の感覚を悪い伝統にした
船舶の世界では、昭和の時代までは似たようなことが慣習としてありました。(ココ重要!)
艦船の建造・定期修理などでは、長期間になるためどうしても濃い人間関係が出来ます。
図3 艦船修理
引用URL:https://daizokyo.or.jp/img/image1.jpg
昭和は浪花節の世界でもあり、乗員とのなれ合いも伝統でした。
昭和の悪い伝統が、今回の潜水艦裏金事件の背景にあることを覚えて欲しいです。
1.2 潜水艦隊の閉鎖体質も一因
潜水艦の世界は、いい意味でも悪い意味でも閉鎖体質(家族気質)の所があります。
そんな世界だから、伝統にとらわれ過ぎて改革の風が吹かなかったといえます。
1.3 潜水艦乗りの中にも危機感を持った人はいた!
潜水艦乗りの中にも裏金作りなどに疑問を持ち、危機感を持っていた人は何人もいました。
私ペンギンが、潜水艦艦長1名を裏金問題で更迭できたのも乗員の協力があったからです。
図4 乗員
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/stc/assets/img/kyouiku/kan6.jpg
しかしそんな気概ある乗員は、昇進や潜水艦勤務から弾かれることが多かったのです。
家族主義の弊害が、裏金問題を発覚しにくくしました。
さらに潜水艦乗りは情報職種に進むことも多く、情報保全隊が潜水艦乗りの植民地でもありました。
警務隊や情報保全隊も信用できないのが、潜水艦裏金事件の背景です。
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(2)ペンギンの立ち位置をはっきりさせておきます。
本ブログで書いてきましたが、私は艦船造修(装備)畑の元幹部自衛官です。
潜水艦乗員としての教育は受けていません。
そのため今回の件について、俯瞰的な話と歴史を網羅することが出来ると思います。
2.1 情報保全上話せないこともある
潜水艦という機密の塊である以上、情報保全の立場から離せないこともあります。
(情報保全の刑事罰は、退職後も適用される)
本当に話せないことは、記載しません。(潜水艦の最大深度とか?)
|д・)つ(コトッ)https://fanblogs.jp/sstd7628/archive/206/0
そのうえで聞いていただければ幸いです。
2.2 入隊前と退職後の話もある。
背景は、1980年代までさかのぼります。
源流と言えることが昭和から平成にかけておきました。
そのため、入隊前のことは上司・先輩から伝え聞いた話も多くあります。
退職後も、いろんな話が流れてきました。
その辺もソース源を、隠蔽しながら書いていきます。
私ペンギンが、入隊年や退職年を書いていないのはそんな情報漏れを防ぐためです。
(このテクニックは、潜水艦出身の情報教官から教えてもらいました)
根拠が薄い情報となりますが、ご了承ください。
(今回の潜水艦裏金の件は非常に根に持っています!)
2.3 前提条件となる背景
・ペンギンは、潜水艦に関わった艦船装備幹部である。(艦補処・造補所・検査官)
・1980年代に、裏金の源流がある。
・情報源を明かすことはできないが、ぺンギンも関わりがあった。
・入隊前・退職後の情報のある。(口伝の歴史)
・潜水艦だけでなく、(官側の)潜水艦造修も責任の一端がある。
・情報保全隊・警務隊・観察本部も信用できない。
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(3)1988(昭和63)年なだしお事件がきっかけ!
全ての始まりは、1988年(昭和63年)のなだしお事件の後始末です。
図5 漁船
引用URL:https://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/judai/60s/fuji.jpg
はじめは、救済スキームとして裏金が出来ました。
3.1 金とコネのある造修部門がスキームを作った
潜水艦隊は1981年に設立されたばかりで、金と権力が当時はまだありませんでした。
造修所潜水艦科や、調達実施本部神戸分室などカネとモノを用意できる部門が協力して救済用としてのカネの捻出に企業を巻き込んで作られています。
悪い意味の家族意識が、源流にあります。
3.2 造修部門が力を失い艦隊が権力を増強
1990年代になると、造修部門など防衛庁の調達部門の癒着が問題となります。
結果として1998年(平成10年)に、「10改編」と呼ばれる海自後方部門大改編が発生します。
・造修所潜水艦科は武器部門が切り離される。
・大物装備品調達は、艦船補給所・補給本部に移管となる。
・造修補給所監督官は、3年ルールですぐに転勤となる。
結果として、造修部門が技術力と実務能力を徐々に失っていきます。
潜水艦乗員は、プロフェッショナルですからすぐに監督官の業務代行のような状態になります。
3.3 乗員の細部カスタムメイドオーダーが横行
調達実施本部の検査官は、造修所の定期修理艦船の監督を代行できなくなり監督の目が届かなくなります。
そうなると、潜水艦乗員の天下とも言えます。
潜水艦乗員は修理建造契約(物品納入)について、口出しできる権限はありません。
(造修部門の監督官・検査官のみが対応できる)
しかし細部を監督できるベテラン監督官がいなくなり、裏金スキームも暴走していきます。
艦船により細部ぎ装が違ってくるなんてのが横行し始め、裏金も増大します。
ここまでが序章で、さらに地獄は暴走します。
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なだしお知る関係者ということで、かなり詳しい内容をありがとうございます。
疑問にあった、なぜ潜水艦と造修部門が垣根を超えてスキームを作ることが出来たか?それを出来る将官クラスなどがいたのか?
この答えとしては、かつて短期間存在した潜水艦技術幹部教育があると思います。
かつて潜水艦の教育には、造修を行う技術幹部課程も短期間ありました。(私のころには無くなっています)
潜水艦造修は、半分潜水艦の家族だった時期があります。
当時はまだ潜水艦造修を行った幹部がいた時代だったので、垣根を超えたスキーム作りが可能だったといえます。
また一般大出身の装備幹部が将官級に上がるとき、潜水艦造修がエリートコースでした。そのため、将官級の間でも意思疎通がしやすかったと聞いています。
1981年まで横須賀造修所長は将補職だったこともあり、権限が非常に大きく海幕の直接の下請けをしていました。
海幕との距離が近かった横造修所だから、海幕の意向をくんだ結果だと思われます。
海自OB のふろすとです。
今回、ペンギン様のブログを拝見しまして、潜水艦裏金問題のはじまりと川重(だけじゃない)潜水艦乗員に便宜を図らざるを得なくなった経緯と構図が良く理解できました。
失職したなだしお元艦長の再就職に当たっては、当時、海自による後押しがあったものと推察するとともに、あって然るべき(私自身、裁判費用の募金も率先しました)と考えていました。さらに志しなかばで海自を去らなければならなかった元艦長が再就職先で活躍していると聞くたびに、うれしく思ったものです。それが、元艦長の再就職の斡旋だけでなく、利益供与も併せて行われていたとは、事実(事実だと思います)とすれば、言語道断の所業と言わざるを得ません。
1990年代、元なだしお乗員(幹部)であった方と某部隊で机を並べて勤務しました。当然のことながら、なだしお事件について、こちらから聞くこともなく、その方も語られることはありませんでしたが、事件後、陸上部隊に更迭され不本意な境遇にあることは察するに余るものがありました。海上自衛官(幹部)の常で、その方とは1年余りでお別れすることとなりましたが、後年私が海幕に出張した際、その方から連絡があり、旧交を温める機会がありました。そして、なだしお事件のことを初めて話されましたが、潜水艦から更迭された無念の想い(恨みつらみ)は話されず、最後の配置が潜水艦に関わる配置だったことを大変うれしく思っていると晴れやかな笑顔で語られたことが忘れられません。
ペンギン様が知る由もないことと存じますが、なだしお元艦長の救済スキームについて、得心し得ない点があります。それは、一介の潜水艦艦長(2等海佐)に過ぎず全面的に非があったとは言えませんが、なだしお事件で有形無形の多大な損失を海上自衛隊に与えた者に対し、なぜ、異例とも言える救済スキーム(潜水艦部隊と造修部門(主導))が発動したのでしょうか。
戦前の海軍兵学校の入試に際しては、父親が海軍兵学校出身者の将校である場合、温情で合格(その場合、官報の合格発表の記載順位は後尾)としていたのは有名な話です。
現在の海上自衛隊では、そのようなことはないと信じたいですが、似たような噂はあります。某年度の遠洋練習航海においては、練習艦隊司令官のご子息が実習幹部として参加し、ご子息はその期のクラスヘッド(遠洋練習航海の成績を加味され)となったと言うものです。
なだしお事件の救済スキームは、当時潜水艦部隊と造修部門の枠を超えることができる者の意向が働いたものだったのでは、そして、潜水艦部隊と造修部門の枠を超えることができる者となだしお元艦長とは何らかの縁故関係にあったのでは邪推します。
ちなみになだしお元艦長は、潜水艦出身者として初の海上幕僚長となりえる逸材として将来を嘱望されてました。
先のコメントにあげました情報保全隊の無理筋とは、次のとおりです。
次の海上幕僚長と目されていた某海将が女狐に取りつかれて、某海将(女狐)と対峙した某幹部の非違行為をつかむために情報保全隊を使い身辺を調査させたと言うものです。某幹部は清廉潔白な方であったため、情報保全隊の動きは徒労に終わり、その後、某海将の所業が海上幕僚長(航空部隊出身)の知るところとなり、勧奨退職にて海上自衛隊を去ることとなりました。
余談ですが、女狐が海上自衛隊のある件について書いた著作は今でもAmazonで購入することができます。
まさに、2000年代以降はそのような状況が常態化していきました。
「現場行く暇があれば書類を早く出せ!」と、先輩監督官(技官)から指導されるのも結構起きていました。
部長・所長クラスから、「最近の若手監督官は現場に出ない!」と苦言を呈されても業務が追い付かず現場要求を丸のみする実態が続きました。
調達実施本部(装備庁)の検査官が人員削減で、神戸造船所に常駐しなくなったことで管理管制を行う目が無くなってしまいます。2000年〜2012年は加速度的に悪化したといえます。
監督官がハンコ押すだけ
修理等の要求も現場の要求が丸っと通る状況になると
現場側はどうせハンコ押すの別の人ってことで責任無しで言いたい放題のモラルハザードに陥りやすいんですよね
こういうのを防ぐためにも管理部門が必要なのですが
現場から遠くて目が届かないとか
突っ込むだけの時間の余裕や知識が無いとか
情報保全・身内意識が邪魔をしたとかありそうですね
当時の現場で艦長への支援が行われ、合法なものと合わせて今の感覚でいう利益供与の状態で発注されていました。
元艦長が、失職後も横須賀潜水艦隊司令部に出入りしていて結構不思議に思っていた人も多かったようです。
私も裏の話を聞くまで、全く分からなかったものです。
さすがに平成の中頃になると、元艦長への救済スキームは表向き解消されていきます。
(会計検査院に突っ込まれる寸前だったため)
潜水艦修理現場からの、現場要望追認という形に裏金スキームは変化していきます。
総務庁行政監察と会計検査院から、ほぼ同時に調達方法の非効率を指摘され改善したのが一つの契機になっています。
監督官は書類業務に追われ、現場能力を失って現場要望の追認がまかり通りました。
最初の救済スキームが、現場監督代行に伴うやりたい放題に変わった時期です。
「救済スキーム」という単語から、もしや利益供与、斡旋ではなかろうか?でもさすがにそれはないだろう・・・・
って思って聞いたんですけどマジでそっちでしたか・・・・
なんで今にまでそれが残ったのか、本当に問題はそこですね。
ここだけ平仮名混在っ
なのはまぁ置いときまして平成10年位というと会計検査院からも調達方法で色々と指摘だかあった時期でしょうか
効率化のために集約したけど集約した先が現場と遠すぎて実務能力を失っていった
あげく書類上の検査に終始して現物の確認は現場の追認になってしまったみたいに感じます
こういう状況になると仕様の策定も現場の希望がそのまま通ったりするんですよね
なだしお事件の救済スキームとして、有罪判決を受けて失職した元艦長の再就職支援・仕事受注として始まっています。
ゆうしお型潜水艦5番艦「なだしお」から、ハープーン発射機能が装備されています。
ZYQ-1潜水艦指揮管制装置と、米国から輸入したAHWCS(Advanced Harpoon Weapon Control System)の連接プログラムメンテナンスを元艦長が再就職した会社に随意契約で発注していたそうです。(元艦長はPGC(プログラム業務隊出身)だったため)
当時は、バッシングを恐れて裏金ルートで救済スキームとなったのです。
まあろくでもない理由から、裏金スキームが始まっています。
潜水艦の乗員の思想面は、私のいたころはまだ大丈夫でした。
いまはどうなっているのか・・・(汗)
潜水艦適正については、心理面思想もかなり念を入れて調査されるので大丈夫とは思います。
「保障や修理など、後始末のための金を捻出するためにその他の艦の修理費を水増し確保した」
ということなのでしょうか??
普通に予算付けられる内容だと思いますが・・・・
(立場的に言いずらいのはわかります)
潜水艦乗りは他職種より機密に厳しいとは言われてましたが
それが悪い方向に作用したんですね。
もしかして裏金だけじゃなく、思想面でも危なかったりするのでしょうか?
陸でも閉鎖性のある特殊部隊はそういう傾向があるので(ドイツKSK、元Sの初代郡長など)
昔、沈黙の艦隊とかいう漫画もありましたが
あれもあながち大げさな話じゃ無い気がしてきます。