2011年05月24日
学校での放射線量基準Q&A …について考える。
学校での放射線量基準Q&Aというタイトルで準備していたのですが、
世の中の動きが変わってきたので、構成を変えようと思います。
まずは政府から5月2日出た「学校での放射線量基準Q&A」をそのまま掲載します。
学校での放射線量基準について (首相官邸)
Q1:学校で計測される放射線量の値によって、子どもたちの行動はどのように制限されるのですか?
A1:校庭・園庭での測定値が、1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上の場合、
校庭等での活動を1日当たり1時間程度にするなど、児童生徒等の屋外活動を
なるべく制限することが適当です。
Q2:それは、大人(一般人)の基準と同じなのですか?
A2:あくまでも目安であって、実際はもっと低い線量となるよう図っていくこととしています。
@ まず、原子力安全委員会が暫定的な目安(参考レベル)とした、原子力発電所等
の事故後の復旧時に一般人に許容される放射線量の上限は、1年間に20 ミリシーベルトです。
A A1で定めた「屋外で1時間当たり3.8マイクロシーベルト」の放射線量ですと、
《1年間ずっとその値の中で、毎日8時間を外で過ごし続ける》と仮定した場合に、
年間の被ばく総量が@の水準に達します。
B ところが、今回の措置では、1回の測定で「毎時3.8マイクロシーベルト」という値が出た時点で、
学校における「外の活動は1時間」という制限が取られます。
子どもたちは多くの時間を学校校舎内で過ごすことから、
以後1年間「校庭・園庭で毎時3.8マイクロシーベルト」の状況が続いたとしても、
子どもたちは、@が定める大人なみの放射線量を浴びることには全くなりません。※注1
Q3:そもそも、その大人(一般人)の上限値は、国際基準に合っているのですか?
A3:*合っています。ICRP(国際放射線防護委員会)が定める「非常事態収束後の参考レベル」では、
一般人に許容される放射線量を、年間20〜1ミリシーベルトの間で状況に応じて選定することを
勧告しています。まだ“収束後”とは言い切れない段階にある今回の場合、暫定的な目安として、
まずはA2@のとおりその上限の20 ミリシーベルトから出発し、段々に下げてゆく(=より安全性の
厳格な方向にしてゆく)という方針で臨んでいます。※注2
*ただし、繰り返しますが、“上限から出発”と言うのは《目安の設定》の話であり、子どもたちに
《現実に実施》される規制は、A2Bの通り、既にそれより格段に安全を重視したものになっています。
Q4:放射線量は、地上からどれくらいの高さで測っていますか? 子どもの身長の低さは、考慮されていますか?
A4:はい、考慮しています。通常の測定は1メートルの高さで行いますが、今回、
保育所・幼稚園・小学校では地上50センチで測定した数値で判断をしています。
また、大気ではなく校庭の表土の汚染が主要な放射線源である場合には、これは、
より安全を重視した判断材料となります。
Q5:子どもたちの日々の学校生活の工夫で、受ける放射線量をさらに少なくできる簡単な方法はありますか?
A5:以上説明したとおり、今回の規制措置で十分ですが、次のような対応を取ればさらに安心です。
・校庭・園庭等の屋外での活動後等には、手や顔を洗い、うがいをする。
・土や砂を口に入れないように注意する(特に乳幼児は、保育所や幼稚園において砂場の利用を
控えるなど注意が必要。)。
・土や砂が口に入った場合には、よくうがいをする。
・登校・登園時、帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす。
・土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉める。
Q6:一方で、屋外活動の過度な規制は、子どもたちにストレスを生じ、クラブ活動への影響など、教育的にも好ましいとは言えません。この点と、安全性との兼ね合いを、どう考えて基準を決めているのですか?
A6:後で振り返った時に「あそこまでやることはなかった」と言われることになっても、安全を最優先に考える、
というのが今回の政府の基本方針です。大変なご不便をおかけしますが、どうかご理解ください。
更に、今後の事態の推移に応じて、措置の追加・変更を行なうこともあり得ます。
Q7:計画的避難区域、緊急時避難準備区域の中の学校は、もっと厳しい基準なのですか?
A7:はい、そうです。安全最優先の方針から、残念ですが、校舎・校庭とも使用しないこととされています。
Q8:この規制は、いつまで続くのですか。
A8:*規制が適用された学校でも、今後の国による概ね1週間毎の調査で、2回連続して
「1時間当たり3.8マイクロシーベルト」を下回った場合には、校舎・校庭を平常通り使用できる
こととします。
*また、今回の措置は、当面、夏休みが終わる時期(おおむね8月下旬)までを対象とした
暫定的な考え方で、モニタリングの結果を踏まえて適切に見直します。
-------
※注1 一般に屋内は、屋外よりも放射線量が低くなります。屋外がA1の値の場合、
屋内(木造)は「1.52マイクロシーベルト」程度と仮定できます。鉄筋コンクリートの屋内では、
木造よりもさらに放射線量が低くなります。また、外にいる時間を減らすということは、
それだけ線量の回避ができるということです。
※注2 ICRPは、このような考え方を“最適化”と呼びます。この前段階(まだ緊急時が継続中)の
放射線量の制限値としては、ICRPは、一般人の場合で年間20〜100ミリシーベルトの間に
目安(参考レベル)を置いています。
Q1:学校で計測される放射線量の値によって、子どもたちの行動はどのように制限されるのですか?
A1:校庭・園庭での測定値が、1時間当たり3.8マイクロシーベルト以上の場合、
校庭等での活動を1日当たり1時間程度にするなど、児童生徒等の屋外活動を
なるべく制限することが適当です。
Q2:それは、大人(一般人)の基準と同じなのですか?
A2:あくまでも目安であって、実際はもっと低い線量となるよう図っていくこととしています。
@ まず、原子力安全委員会が暫定的な目安(参考レベル)とした、原子力発電所等
の事故後の復旧時に一般人に許容される放射線量の上限は、1年間に20 ミリシーベルトです。
A A1で定めた「屋外で1時間当たり3.8マイクロシーベルト」の放射線量ですと、
《1年間ずっとその値の中で、毎日8時間を外で過ごし続ける》と仮定した場合に、
年間の被ばく総量が@の水準に達します。
B ところが、今回の措置では、1回の測定で「毎時3.8マイクロシーベルト」という値が出た時点で、
学校における「外の活動は1時間」という制限が取られます。
子どもたちは多くの時間を学校校舎内で過ごすことから、
以後1年間「校庭・園庭で毎時3.8マイクロシーベルト」の状況が続いたとしても、
子どもたちは、@が定める大人なみの放射線量を浴びることには全くなりません。※注1
Q3:そもそも、その大人(一般人)の上限値は、国際基準に合っているのですか?
A3:*合っています。ICRP(国際放射線防護委員会)が定める「非常事態収束後の参考レベル」では、
一般人に許容される放射線量を、年間20〜1ミリシーベルトの間で状況に応じて選定することを
勧告しています。まだ“収束後”とは言い切れない段階にある今回の場合、暫定的な目安として、
まずはA2@のとおりその上限の20 ミリシーベルトから出発し、段々に下げてゆく(=より安全性の
厳格な方向にしてゆく)という方針で臨んでいます。※注2
*ただし、繰り返しますが、“上限から出発”と言うのは《目安の設定》の話であり、子どもたちに
《現実に実施》される規制は、A2Bの通り、既にそれより格段に安全を重視したものになっています。
Q4:放射線量は、地上からどれくらいの高さで測っていますか? 子どもの身長の低さは、考慮されていますか?
A4:はい、考慮しています。通常の測定は1メートルの高さで行いますが、今回、
保育所・幼稚園・小学校では地上50センチで測定した数値で判断をしています。
また、大気ではなく校庭の表土の汚染が主要な放射線源である場合には、これは、
より安全を重視した判断材料となります。
Q5:子どもたちの日々の学校生活の工夫で、受ける放射線量をさらに少なくできる簡単な方法はありますか?
A5:以上説明したとおり、今回の規制措置で十分ですが、次のような対応を取ればさらに安心です。
・校庭・園庭等の屋外での活動後等には、手や顔を洗い、うがいをする。
・土や砂を口に入れないように注意する(特に乳幼児は、保育所や幼稚園において砂場の利用を
控えるなど注意が必要。)。
・土や砂が口に入った場合には、よくうがいをする。
・登校・登園時、帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす。
・土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉める。
Q6:一方で、屋外活動の過度な規制は、子どもたちにストレスを生じ、クラブ活動への影響など、教育的にも好ましいとは言えません。この点と、安全性との兼ね合いを、どう考えて基準を決めているのですか?
A6:後で振り返った時に「あそこまでやることはなかった」と言われることになっても、安全を最優先に考える、
というのが今回の政府の基本方針です。大変なご不便をおかけしますが、どうかご理解ください。
更に、今後の事態の推移に応じて、措置の追加・変更を行なうこともあり得ます。
Q7:計画的避難区域、緊急時避難準備区域の中の学校は、もっと厳しい基準なのですか?
A7:はい、そうです。安全最優先の方針から、残念ですが、校舎・校庭とも使用しないこととされています。
Q8:この規制は、いつまで続くのですか。
A8:*規制が適用された学校でも、今後の国による概ね1週間毎の調査で、2回連続して
「1時間当たり3.8マイクロシーベルト」を下回った場合には、校舎・校庭を平常通り使用できる
こととします。
*また、今回の措置は、当面、夏休みが終わる時期(おおむね8月下旬)までを対象とした
暫定的な考え方で、モニタリングの結果を踏まえて適切に見直します。
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※注1 一般に屋内は、屋外よりも放射線量が低くなります。屋外がA1の値の場合、
屋内(木造)は「1.52マイクロシーベルト」程度と仮定できます。鉄筋コンクリートの屋内では、
木造よりもさらに放射線量が低くなります。また、外にいる時間を減らすということは、
それだけ線量の回避ができるということです。
※注2 ICRPは、このような考え方を“最適化”と呼びます。この前段階(まだ緊急時が継続中)の
放射線量の制限値としては、ICRPは、一般人の場合で年間20〜100ミリシーベルトの間に
目安(参考レベル)を置いています。
以上が政府の発表です。
先月末、
批判なさったたこともあり、福島県の子どもを持つ方々が、政府のこの基準に対し意義を申し立
てました。子どもを持つ親の気持ちとしては当然の流れです。
そこで、福島県6市村自治体が217か所で独自に「校庭汚染土除去」を行なうことにしました。
対象となっている6市村と費用は
・郡山市(95か所、※当初は67か所):5千万〜1億円※当初の67か所分
・二本松市(58か所):2億5千万円
・本宮市(30か所):8千万円
・福島市(28か所):2億円
・大玉村(5か所):1千500万円
・伊達市(3か所):340万円
です。
費用の合計は少なくとも6億円以上になります。
除去方法としては、「埋設方式」が取られるようです。
まず表土を深さ3〜5センチ削り、校庭内に掘った穴に入れ、上から厚さ1メートルの
汚染されていない土で覆います。この方式を取ると、埋設した汚染土壌からの放射線
輻射は ほぼ問題ないレベルにまで抑えられるとのことです。
何故「埋設方式」かといえば、除去後の残土を受け入れる処分場がないためです。
(参考:読売新聞2011年5月21日土曜日 夕刊)
そのような中で、チェルノブイリ事故直後から現地を取材し続ける
フォトジャーナリストの広河隆一氏はこのように言っています。以下引用です。
チェルノブイリ事故(1986年4月26日)のときは、原発から120km離れたウクライナの首都・キエフの子供たちすべてが、5月半ばから9月までの間、旧ソ連の各地の保養所に収容された。日本でも政府は国内の国民宿舎などすべてを借り切って、被曝が疑われる地域に住む妊婦と子供たちの収容に踏み切るべきである。
それなのに、日本では政府が逆のことをやっている。福島市と郡山市の学校の土壌が放射能に汚染されていることを受け、政府は子供の被曝量の基準値を、毎時3.8マイクロシーベルト、年間20ミリシーベルトとした。これには国内からだけでなく、世界から猛烈な批判が出ている。
「20ミリシーベルト」という数字は、「国際放射線防護委員会(ICRP)」が、「非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル」とされる<年間1〜20ミリシーベルト>のもっとも高い数値であり、大人を対象にしていることはいうまでもない。
それが特に子供たちにとっていかに高い被曝量であるかは、私の知る限り、チェルノブイリに汚染された土地のどの地域を居住禁止地区にするかについて、1991年にウクライナ議会が行った決定が参考になる。そこでは1平方キロメートルあたり15キュリー(放射能の旧単位)の汚染地域を立ち入り禁止地区とする、つまり居住禁止地区に規定したのだ。現在の単位に換算して、ここに住むと、年間5ミリシーベルト被曝してしまうという理由である。
(参考:女性セブン2011年5月26日号)それなのに、日本では政府が逆のことをやっている。福島市と郡山市の学校の土壌が放射能に汚染されていることを受け、政府は子供の被曝量の基準値を、毎時3.8マイクロシーベルト、年間20ミリシーベルトとした。これには国内からだけでなく、世界から猛烈な批判が出ている。
「20ミリシーベルト」という数字は、「国際放射線防護委員会(ICRP)」が、「非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル」とされる<年間1〜20ミリシーベルト>のもっとも高い数値であり、大人を対象にしていることはいうまでもない。
それが特に子供たちにとっていかに高い被曝量であるかは、私の知る限り、チェルノブイリに汚染された土地のどの地域を居住禁止地区にするかについて、1991年にウクライナ議会が行った決定が参考になる。そこでは1平方キロメートルあたり15キュリー(放射能の旧単位)の汚染地域を立ち入り禁止地区とする、つまり居住禁止地区に規定したのだ。現在の単位に換算して、ここに住むと、年間5ミリシーベルト被曝してしまうという理由である。
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以下は私、タケマツの見解です。
まずは、“学校での放射線基準量について”ですが、Q6は一体誰が考えたのだろう…と。
教育的に好ましい好ましくないの問題ではないと思うのは私だけでしょうか。。。
そしてこの回答なのですが、
『後で振り返った時に「あそこまでやることはなかった」と言われることになっても、
安全を最優先に考える、というのが今回の政府の基本方針です。』
という方針があるならば、徹底的に安全を優先に考えてみてはどうなのか、と思います。
6億円を上回る費用をかけて、土壌除去を行う前に、広河氏の言うように、
『被曝が疑われる地域に住む妊婦と子供たちの収容に踏み切る』のが先ではないでしょうか。
今後、どれだけ土壌汚染が進むかは現時点ではっきりしたことは言えませんが、
大気中に放出された放射性物質が土壌等へ積算されていくことは分かりきった事なのですから
安全を期するなら、被曝が疑われる地域から被曝の心配のない地域へ妊婦と子供たちを避難
させる措置を取ったほうのが良いと私は考えます。
見知らぬ土地へ避難することは、心配や不安に苛まれるとは思います。
しかし、被曝の不安から比べれば……と思うのですが、実際問題どうなのでしょう。
白黒つけられる問題ではないですけれど、子供たちを守るための措置は早急に必要かと思います。
問題が山積し首の回らない政府の措置を待つよりも、
今回のように各自治体が声を大にして提言してゆく必要もあるのではないでしょうか。
皆さんはどう思われますか。
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