癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

4年ぶりの大雪・・・と騒がれた昨日。
確かに雪は降った・・・4年前とは違ったが・・・
4年前の事は覚えている・・・筈だった・・・。


当時、休み中に降り積もった雪は休み明けも残り、
交通機関は麻痺していた。
それに気付いたのは翌朝の通勤時間だった。
あらゆる道路が行き詰まっていた。

ちょっとした混乱状態だった。
混雑を避けながら、知り得る道の限りを走り続け、
何とか時間内に会社に辿り着いたあの日。

あの日・・・あの数日の記憶・・・
母の記憶・・・あの時母は家に居た。
同じ屋根の下・・・確かにいた。
当時は病気も発覚していなかった母。
寒い中父の介護に追われていた。

父の事は母に任せっきりで、
悠長に休日を過ごしていたことだろう。
こんなことになるのなら・・・と何度思ったことだろう。
だが、そんなことになるとは思ていなかったからこそ・・・だ。

休み中の大雪の記憶は思い出せるのに、
母の・・・あの日の・・・あの時の母の記憶が残っていない。
信じられない・・・きっと、自宅で母と雪の話をしただろう。
凄い雪だね・・・とか、何とか話をしたに違いない。

だが、思い出せない。
2014年、2月・・・あの時・・・
母は癌だった。
肺がんだった。
その時点で、恐らく頭蓋内に腫瘍があっただろう。

病気発覚後、母が言っていた。
あの年、春ごろから身体がおかしくなった。
それまでとは何かが大きく違ったらしい。
何処かが痛いとかではなく・・・身体がおかしい・・・と。

丁度その頃・・・あの年の4月、友人たちと東京に旅行に行った。
そしてその8か月後に母は倒れて緊急入院した。

その丁度真ん中くらい・・・夏ごろに、
母は一度私に「体がおかしい」と訴えている。
それが何度目の訴えだったかも覚えていないが
それが初めてではなかった。

4年前のそう言うことは思い出せるのに
大雪の時の母の事だけが消えてなくなったかのように
思い出せない。

そのことに気付いたのは・・・今日。
自分自身驚いている。
あるはずなのに、辿れない母の記憶。
開かない引き出しどころか
引き出しの場所さえも分からない・・・なぜなんだろう。


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