2021年12月13日
【冬到来・足車としても】北海道の降雪地域でオススメ&お手頃な中古の軽自動車
積雪シーズンに頼もしい&便利な軽自動車の条件
今年も雪の季節がやってきた。一年のうち3分の1か半分程度は雪が降る北海道。雪が1年の半分くらいあって、そして生活の足として車が必需品な地域もかなり多いのが北海道の特徴である。
それゆえに北海道で乗られている車の多くは軽自動車もミニバンもセダンもみんな4WDが大多数。FFやFR、MRなどは少数派である。そしてその4WDの中でも最低地上高が高くて腰高なクルマに人気がある。
同じ4WDでも最低地上高が低いと大雪の時や急な暖気で積もった雪が溶けて轍になった時にお腹が支えてカメ状態になる危険性が高くなる。
※画像はイメージ:旭川の除雪業者トランスターさんより
もちろん除雪が行き届いていればFFやFRでも問題ないのだが、急な大雪の場合はその除雪が追いつかない場合がある。そういった状況でも会社に出勤しないといけないとなるとFFやFRではスタックの危険性もあり心もとない。
一方で雪とシャーシー下部の距離をできるだけ高く取った腰高なクルマだとカメやスタックの心配がなく、また乗り降りもしやすいので便利なのである。
北海道の積雪地域でオススメ&便利な軽自動車
北海道などの生活必需品的な地域では維持費が安い軽自動車が人気で、上記の腰高で4WDな条件に当てはまるモデルが人気である。
そして積もった雪により雪幅が狭くなりがちな街乗りでも、軽自動車のように幅が狭ければ普通車よりも走りやすいメリットがある。ランクルやパジェロは確かに悪路走破性が高く絶対的な安心感があるが、狭い雪道ではその大きな車幅がデメリット。道幅が狭くて追い越せず、特に交差点などで右折待ち車両が居ると取り回しが悪くなる。
また、近年は異常気象の影響なのか短時間で大雪になったり、あるいは季節外れの暖気(プラス温度の日)が増えたりと以前とは状況が異なってきた。
かつては「北海道でも除雪されてればFFでOK」という言葉を聞いたことがあるが、これが成立しなくなってきた感がある。特に大雪や急な暖気の日ではFFのプリウスやアクアが埋まってスタックする姿を多く見かけるようになってきた。
今回はそれも含めて積雪シーズンに便利で使い勝手のいい腰高な人気モデル、オススメのモデルをご紹介する。冬や大雪を見据えた北海道での軽自動車選びの一つの参考にして頂きたい。
北海道でも不動の人気第1位〜スズキ ハスラー
画像参照元:ガリバー
まずはスズキのハスラー。ワゴンRをベースに最低地上高を高くし、15インチの大径タイヤを履かせた軽クロスオーバーSUV。
その最低地上高は180mmと、同社のアルトやワゴンR、スペーシアなどよりも高い。そして15インチという大きなタイヤにより雪を乗り越える能力もあってライトなSUVという性能が与えられている。
また4WD性能を高める機能として「グリップコントロール」という擬似的なLSDも付いており、よりスタックしづらくなっている。さらに下り坂で安心の「ヒルディセントコントロール」も付いている。
内装の質感も遊び心あるポップなデザインで、燃費もS-エネチャージ搭載モデルであれば軽自動車らしくかなり良い。モデル終盤では自動ブレーキも強化されてもしもの時も安心だ(※悪天候によっては作動しない場合もあり)。
2代目ハスラーでは外観がよりSUVらしくなったほか、新たに雪道用の「スノーモード」が搭載され、より雪国での使い勝手がよくなった。
ただしその利便性と雪国以外でもデザインなどから人気のモデルのため初代であってもそこそこの値段がするのが難点。少々気軽には買えないモデルである。
元祖・軽クロカン〜スズキ ジムニー
スズキが世界に誇る軽クロカンのジムニーも北海道では大人気。
画像参照元:スズキ認定中古車
16インチという軽自動車としては巨大なタイヤに最低地上高は同じく軽自動車としては最も高い205mm。昔ながらの前後50:50直結なパートタイム4WDを採用し、最新の4代目(JB64)ではフレーム剛性の強化やグリップコントロールが標準装備されるなど悪路走破性が強化されている。
ハスラーほどではないがこのジムニーも北海道ではよく見かける軽自動車で、趣味以外に街乗りや通勤などでも重宝されている。ノーマル状態であってもハスラーより大雪や轍での走破性が高く、軽自動車らしくない個性的なデザインも人気の理由である。
元々中古車はライバルがほぼ居ないため顕著に推移していたが、4代目へジムニーにフルモデルチェンジした際に人気が爆発。納車待ちの影響が中古車にも派生して全体的に価格が高くなってしまった。
そのため一つ前の3代目の高年式なモデルでは当時の新車価格を越えるタマも珍しくない。また、20年落ちの10万キロであっても意外と値段がする状況となっている。
また、ジムニーの場合はボロくても値段が高い場合もあり、単純に値段だけ比較すると割高だったり、とても高い(値段とその車の状態が合わないボッタクリな)場合もあるため注意が必要だ。
新車は納車待ちで中古でも割高感があるが、ノーマル状態での走破性は最強クラス。降雪シーズンの相棒としてセカンドカー的に所有しておくと冬期はかなり安心感がある。
未だ雪国では人気 三菱 パジェロミニ
かつてジムニーのライバルともいわれた三菱のパジェロミニも雪国で未だ人気だ。
画像参照元:三菱認定中古車
パジェロをそのまま小さくしたようなエクステリアにジムニーと同じ前後直結50:50のパートタイム4WDを採用。最低地上高は195mmという程よい高さで、ハスラーよりも大きな15インチ大径タイヤを履く軽クロカン。
よりシティユースを前提としビルトインモノコックフレームにフロントには独立懸架式サスペンションを採用するなどジムニーよりも街乗りでの乗り心地が良いのも特徴である。またエンジンは現在では存在しない4気筒エンジンを搭載し、アイドリングから高回転まで優れた静粛性を誇る。
その軽自動車に見えないスタイリングや雪道での走破性、街乗りでの使い勝手や乗り心地などからいまだ北海道ではよく見かけるモデルの一つである。
また、ジムニーに比較すると年数経過もあるがかなり中古価格が手頃で足車として選びやすい特徴もある。ただし最近はジムニー人気が派生して、最終モデルの中古価格が上昇傾向にある。
なお、2代目パジェロミニの後期(最終型)では日産へキックスとしてOEM供給も行われた。フロントグリルがエクストレイル風にアレンジされ、パジェロミニとは雰囲気も異なる。
三菱のイメージが嫌いとか、日産仕様のデザインが気に入ったのならこちらもアリ。
軽クロカンで唯一の5ドア〜ダイハツ テリオスキッド
パジェロミニほどではないがダイハツのテリオスキッドもそこそこ未だ人気がある。
画像参照元:ダイハツ認定中古車
テリオスキッドはジムニーやパジェロミニに対抗してかつてダイハツから販売されていた軽クロカンのモデルで、この手の軽自動車としては唯一の独立した後部座席を持つモデルであった。
そして最低地上高は標準モデルが195mm(カスタムは175mm)、パジェロミニと同じ大径の15インチタイヤにジムニーよりも長い2420mmのロングホイールベースなど雪道での走破性と後部座席による使い勝手を両立させたモデルであった。
エンジンは3気筒エンジンを縦置きに配置し、後輪を駆動するFRベースの4WDとかなり本格的。ジムニーやパジェロミニと同じく5MTの設定もあるため趣味的なモデルとしても楽しめる。
また、4WDシステムはパートタイムではないもののタイトブレーキング現象の心配のない扱いやすいフルタイム4WD。そして軽自動車としては珍しいデフロック機構を標準で備える。
中古価格はパジェロミニと同じく比較的安価で購入しやすい。パジェロミニにはない後部座席の利便性など走破性と合わせてまだまだ雪国で重宝する1台だ。
ハスラー対抗・新世代のクロスオーバー〜ダイハツ タフト
2020年6月に発売されたばかりの新型クロスオーバーSUVのダイハツ・タフト。
ハスラーと同じサイズの15インチタイヤに最低地上高は190mm。ハスラーの「グリップコントロール」と同じ機能の「グリップサポート制御」を備え雪道でのスタックしずらい。
見た目もSUVらしいゴツゴツとしたエクステリアにインテリアでは開放的な天井にガラスルーフを全車標準装備するなどよりアクティブな印象を強くしている。
発売からまだ年数が経っていないので街中ではさほど見かけないが、新車販売台数はハスラーといい勝負でトップ10入りするなど順調に売れている。
丸目ヘッドライトでクロスオーバーSUV〜ダイハツ キャストアクティバ
画像参照元:ダイハツ認定中古車
タフトが登場する前には「ダイハツ キャストアクティバ」というモデルもあった。元々は上述のテリオスキッド後継モデルとされていた軽自動車で、キャストスタイルをSUV風に仕立てた仕様となる。
最低地上高は180mmと、ハスラーと同じ高さでタイヤサイズも15インチ大径タイヤでハスラーとまったく同じサイズ。ホイールベースはテリオスキッドと同じロングホイールベースで2455mmとし雪道での直進安定性を高めている。
また4WD機能としてブレーキLSD的な「グリップサポート制御」、坂道で安心の「ダウンヒルアシストコントロール」も標準装備し雪道でも安心の機能性を持つ。
中古車としてはまだ高年式なため比較的高いのだが、丸っこい乗用車のようなスタイリングが好みであれば選んでも良い1台だと思う。
元祖クロスオーバーSUV〜スズキ Kei
ハスラーの先祖にあたるのがスズキ Kei。最近では後継のハスラー登場で街中でほとんど見かけなくなってしまったが、値段は激安なためここでも扱う。
Keiは当時のベーシックな軽自動車、アルトをベースに大径タイヤと最低地上高を上げて腰高にし、雪国での使い勝手を良くしたモデル。当時としてもジムニーをよりシティユースに仕立てたモデルとして注目された。
最低地上高は185mm。ハスラーとはインチ違いだが外形はほぼ同じ14インチタイヤを履き、悪路走破性を高めている。後部座席の足元は少々狭いがラゲッジスペースがその分広いため使い勝手も良い。
10年以上に渡って2度のマイナーチェンジを経て作られたモデルで、モデル末期ではターボ付きでもFFの5MTであれば新車価格が100万を切るバーゲンプライスで売られていた。現在では中古車としてかなり安価なため、とりあえず雪国で腰高な軽自動車を探している人にオススメしたい。
ただしハスラーのようなグリップコントロールやヒルディセントコントロールなどの本格的な4WD機構は持っていないため過度の期待は禁物である。
三菱のKei的なモデル〜eKアクティブ
初代eKシリーズの派生モデルとして誕生したeKアクティブ。現行ではeKクロスになっているが、eKクロスは最低地上高がノーマルとほぼ同じなためここでは割愛する。
ekアクティブはekスポーツをベースに最低地上高を10mmアップの165mmとし、14インチの大径タイヤを履かせて腰高とし、バンパーやグリルもSUV風とし悪路の走破性を高めたモデルである。
ベースがベーシックなeKワゴン(スポーツ)で、それに悪路の走破性を高めるパーツを組み合わせている点はこれもクロスオーバーSUV的な軽自動車である。イメージ的にはパジェロミニの下に位置する。
本格的な4WD機構はKeiと同じく持たないため街乗りオンリーだが、使い勝手はeKワゴンと同じなので誰でも乗りやすく取り回しも良い。そしてこいつは中古価格が超安いという特徴もある。そこまで積雪に心配が無いのであればKeiでなくeKアクティブでも悪くないと思う(そしてレアなので他人と被らない)。
まとめ
軽自動車で腰高な4WDを挙げてみたが、維持費が安く取り回しの良いサイズに雪道でも安心なモデルは各社から複数販売されている。同じ4WDでも最低地上高が低いとカメになる心配があるがこれらクロスオーバータイプやクロカンタイプであれば(限界はあるものの)その心配も少なく、安心して雪道を運転できると思う。
特にFFやFRに今まで乗ってた人は腰高な軽自動車を強くオススメする。大雪でのスタックの心配がない点やぐちゃぐちゃな雪解けの悪路でも4輪で安定して前に進む走破性には感動するはずである。
モデル的にはハスラーが一番人気だが、人気故に中古価格も高い傾向がある。その部分はよく見極めて選んでほしい。あと雪国で使用された車両は融雪剤のせいで足回りが錆びやすく、激安だとそのサビを隠して(あえて説明せずに)売る場合もあることから、よく下回りは入念に確認すること。サビの修理は相当お金がかかるし、サビが進行しすぎると車検時に不合格となるため、注意されたい。
なお、気になる燃費だが、本格的なクロカンのジムニーやパジェロミニ、テリオスキッドは悪く、クロスオーバーのハスラーやタフトは比較的良い。特にハスラーはマイルドハイブリッドを搭載したモデルではそれが顕著で、価格は高いがそれに見合う価値があると思う。
下の方の激安なKeiとeKアクティブは古いのでパジェロミニやジムニーと似たりよったりだ。
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