2022年02月19日
【人手不足】2021年12月・旭川(+周辺14市町村)の有効求人倍率は0.97倍 ...卸・小売と製造で急増
旭川では卸・小売と製造で人手不足?
先日、旭川公共職業安定所から2021年12月の有効求人倍率が発表された。これによると求職者1人あたりに対する求人数(有効求人倍率)は0.97倍で、2ヶ月間連続で前年同月比を上回った。
業種別にみると、「卸売業・小売業」が前年同月比で42.2%増えて246人。「製造業」が同48.7%増えて174人。「情報通信業」が28.6%増加の5人、「医療業」は17.5%増の179人。一方で「建設業」は6.9%の増加の271人だった。
小売業での大幅増加は某大型ディスカウントストア開店の影響か?
旭川市では昨年の12月。イトーヨーカドー旭川店の跡地に巨大なディスカウントストア、「メガセンタートライアル旭川」が誕生した。これに伴い旭川市内では既存店を含めた3つのトライアル店舗での大量求人募集がおこなわれていた。
トライアルの公式サイトやシゴトガイド、折込チラシのほか、旭川公共職業安定所に対しても11月や12月はトライアル求人が掲載されており、これが「卸売・小売業」の求人を大きく押し上げたものとみる。
このほか製造業の増加要因を考えたが、内訳を見ると「食料品製造業」と「印刷・同関連業」の増加率が200%を越えており、特に「食品製造業」においては220%の48人。これは年末年始にからむ需要や人手不足で市内の弁当製造関連会社の求人が増えていてたことが要因と考えられる。
依然として旭川市では建設業が超人手不足
最後に、求人のバランスシートを見てみよう。これを見ると旭川管内の求人では建設採掘関連の有効求人倍率が5.08倍と、飛び抜けて高いのがわかる。
旭川管内の企業は卸・小売が最も多く、その次に医療福祉(病院など)。次いで建設業、製造業、飲食と続くのだが、5.08倍という数字から察するにより多くの建設関連の事業所が求人を出していることになる。
建設業界は全国的に不人気な業界で、人手不足になりやすい。求人を出しても募集すら集まらないのであれば継続して求人を出したり、あるいは条件を変えて出し続けるなど増える要因が考えられる。
また、建設業は離職率が高く平成28年3月新規高卒者の建設業における離職率は45.3%。平均の39.2%よりも高い数値。採用で人を増やしてもすぐに居なくなるので常に求人募集状態であることが推測できる。
有効求人倍率が第2位のサービス業は2.44倍。サービス業は飲食店やホテルなど接客業などの業種以外に、IT関連の情報通信業や物流の運輸業、郵便業、賃貸の不動産業、物品賃貸業や学術研究、専門・技術サービス業などが含まれる。
その中でも近年人手不足とは飲食系と物流の運輸業など。これも建設業に似ているが長時間労働や休みが無いなどブラックなイメージが付いて全国的にも不人気な業種。
第3位の生産工程は製造業や工場などがこれに分類される。上述したように旭川管内では食料品製造業の求人が増加しており、有効求人倍率を押し上げたものとみる。
2023年4月の労基改正で長時間労働は改善するか?
近年は働き方改革の名のものとに労働基準法が年々改正され続けている。直近では有給休暇に関するものが改善され、正社員であれば年5日の有給休暇を取らせることが義務化されたが、次の労働基準法の改正では長時間労働にメスが入る。
これまで月60時間を超える残業には割増賃金として大企業のみ50%以上とし、中小企業は猶予(60時間を越えても25%のままと)されていたが2023年4月にその猶予が解除される。
これにより中小企業であっても月60時間を超える残業に対しては割増50%を支払わないければならなくなる(※60時間を超える残業に対しては代休での取得も労働者との契約により取得させることも可能となる)。
これら改正に向けて企業では従業員の労働時間の適切な把握や長時間労働の社員に対しての代替休暇の検討、残業削減や業務効率化が求められ、労働環境の改善が期待できる。
旭川市内はブラック企業が多く、残業時間の長い会社が多いと思うが2023年4月以降は残業代が割増となるためなんらかの対策が必要となる(そもそも残業代が適切にに払われてない場合はもっと悲惨だが)。
これにあわせて労働環境を改善し、ホワイト企業であることをアピールすることで人手不足の解消も見えてくると思う。とういうかやらないと不人気な業種は本当に人手不足で倒産しちゃうかも。
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