2022年01月25日
【卸が衰退】道北の売上トップ企業の30年にみる業界変化
この30年で旭川は食品の卸売が衰退
たまに購入している「北海道経済」の2022年2月号に面白い記事があったので紹介しようと思う。
全文を紹介すると転載になってしまうので要点や自分なりの解釈をいれての紹介だが、その内容が「この30年で道北圏の卸売が衰退」したというもの。
旭川市は北海道のほぼ中心に位置し、交通の要所(国道や鉄道路線の終起点)という点から道内の物流拠点でもある。そのため古くから食品関係の業種が市内には多く、それに関連して卸売も多かった。
北海道経済に載っていた1991年の旭川をはじめとした道北売上ベスト20には卸売が6社ほどランクインしていたが、2021年では半減。売上も当時と比べると半分まで落ち込んでいる。
これは90年に高速道路が鷹栖まで開通。2003年には4車線化したことが大きいと記事にはあった。これにより物流量が多くなる一方でストロー効果により札幌などの大都市圏に商圏が奪われたことも影響している。
上記にランクインしていた卸売のうち、3社は本社が旭川にあったものの、高速道路の開通で拠点を札幌方面に移したり、吸収合併で消滅している。
これ以外にも小売業でも消滅や再編が。かつて士別や名寄地区で強かったスーパー三島が破綻しラルズが継承。それをアークスが吸収したり、ふじがウェスタンをはじめとした複合施設を建設したり、そのふじも最終的にはアークスの傘下となってアークスが大きくなるなどスーパー業界では再編が多かった。
ただ、2021年の12月には本州ディスカウントストア大手の「トライアル」が大型店のメガセンタートライアルをイトーヨーカドー跡地にオープンさせたり、既存2店舗も改修し攻勢をかけるなど市内食品スーパーはかつないほどの激戦状態にある。個人的にはアークス1強の時代は変わるものと予測している。
逆にこの30年でトップ20とはいかなかったものの、トップ21にランクインしたのはマスクなどの不織布を使った製品を製造する「日本メディカルプロダクツ」。数年前の西川市長時代に企業誘致で旭川に工場が誕生した経緯があり、旧来の旭川にある食品や土建、家具系とは完全に異なる業種の会社。
2021年度の決算では7億3000万円ほどの売上があり、個人的に注目したい企業。
少子高齢化・人口減少時代では改革必須
近年では少子高齢化の影響で消費そのももの減ってきており、かつての売上が見込めなくなってきている。何もしなくても市場は縮小する一方で、30年前と同じようなやり方では確実に時代にそぐわなくなっており、改革が必須と思われる。
その改革の一つとして働き方改革も重要だ。特に最近では働き手が減少していることから昔と同じ採用方法では思うように募集できず、ブラック企業体質では人手不足に陥りやすい。長時間労働、残業代なし、休日出勤、有給休暇なしという職場なんて今の若者は好き好んで選ばない。
ただでさえ求人は売り手市場であり、昨今ではSNSや企業の口コミサイトで簡単に内部事情がわかる時代。その企業がブラック企業だと判明すればまず選ばれないと思っていい。
それ以外にも知名度の低い企業や不人気な業界(飲食、物流、食品、建設、介護等)でそれが顕著で、そういった業界こそ働き方改革は必須だと思う。
特に市内で昔からある大きな会社で働き方改革がなされてないところは、数年でどうこう変化はないと思うが、10年や20年スパンで考えると確実に影響が出てくると思う。
若い人の入社がなく今居る社員はいずれ定年を迎えて、あるいは定年を越えても新規採用でも人が来ないから延長雇用せざるをえず、負のスパイラルとなることだろう。
負のスパイラルでなんとかなればいいが、最悪人手不足による事業縮小や倒産もありえる話である。
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