2019年05月02日
勝手に平成を振り返る!国内レクサスの歴史〜その1(〜2008年)
ということで勝手にレクサス開業(2005年8月)からを振り返ってみたいと思います。
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■2005年(平成17年)8月30日:レクサス日本国内開業
満を持して日本へ展開されたレクサスブランドは全国140店舗体制でスタート。
当時はFRセダンの新型車「GS」(旧:アリスト)、スポーツクーペ「SC」(旧:ソアラ)の2ラインナップでスタート。
SC430はソアラのマイナーチェンジと言えるものであり外観ではエンブレム、ホイールを換装したぐらいで、完全新型車は「GS」のみ。
そのGSについても内外装の一部の意匠やボディカラーがレクサス専用ではなく、トヨタ色を残した形でのデビューとなりました。
【モーターファン別冊 速報 レクサスIS(2005年9月18日発行)より】
当時主力のGS430。エンジンは新設計ではなく「V8・3UZ-FE」をキャリーオーバー。
一方、GS350はついにトヨタ自動車初の300psを突破し、環境性能とパワーを両立させた新エンジン「V6・2GR-FSE」を投入。後日クラウンに展開されるまではレクサス専用エンジンで、2019年時点は環境性能を向上させた「2GR-FKS」が活躍するなど2GRは息の長いエンジンです。
マスメディアでの発表当日はものすごい台風でまさに嵐の船出であり、ここからしばらくレクサスは厳しい販売状況が続くことになります。
当時のデザインコンセプトとして「エルフィネス」「アローヘッド」というキーワードがよく登場していました。
レクサスの品質を表す言葉として「レクサスマスツ」というフレーズも。
【モーターファン別冊 速報 レクサスIS(2005年9月18日発行)より】
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■2005年8月(平成17年)8月:専門サイト「LEXUS MUSTs」の誕生
当時は車に関する専門サイトは非常に少なかったと記憶しています。
その中で、レクサスに特化した「LEXUS MUSTs」と呼ばれる、すばらしい専門サイトがありました。
その後、SNSや動画サイトの普及、公式サイトの充実などもあり、現在はさまざまな形で情報を得ることができますが、当時は情報が乏しく、管理人tawaさまを中心とした意見交換が盛んにおこなわれ、非常に貴重なサイトでした。またの形での復活を期待したいです。
2006年秋に開催された、レクサスカレッジでの「LEXUS MUSTsオフラインミーティング」での集合写真。
今回の記事執筆にあたり12年ぶりに発見、懐かしすぎる・・・心当たりある方はメッセージお願いします(笑)!
雨の中のサーキット走行は壮観でした!
ちょうど、IS・GS・SCが一度に写っている貴重なショット。
レクサスカレッジ内に祈念植樹も。
お子様も多数参加されていましたが、多くの方はもう成人していると思うと、時間の経過を感じますね。
tawaさんからの情報では今年もきれいな桜が咲いたとのことです。
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■2005年(平成17年)9月28日:レクサスIS発売
レクサス日本開業から遅れること1ヶ月、新型車「IS」(旧:アルテッツア)がついに登場!
当方は当時、「IS」というかっこいい車が発売されるようだ、とのことで書店たまたま見つけた、「モーターファン別冊 速報 レクサスIS」を購入し、未だに自宅にあります。チーフエンジニア福里健さんの理念に惹かれて購入された方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。(標準オーディオのスピーカーに関するこだわりは昔からのオーナーさんから未だに聞きますね〜)
【モーターファン別冊 速報 レクサスIS(2005年9月18日発行)より】
未だに初期ISはしばしば公道で見かけるのですが、なかなかカッコいいと思います。
今のレクサス車にあるような奇抜なデザインではなく、万人受けするスポーツセダン。
リヤに関しては、30系ISがだいぶ癖のあるデザインなので、お尻上がりでタイヤがどっしりと接地しているように見えるデザインは好みでした。
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■2006年(平成18年)1月年初:レクサスIS 購入
いきなり当方の購入話題で恐縮ですが未だに一番の思い出なので紹介させてください。
ライフスタイル等をステップアップさせるため、思い切って新築マンションと高額なレクサス車を購入することに。
今でも思うのですが、人生で何度か大きな決断をするタイミングがあると思うのですが、「思い切って高額な車に買い換える」、というのはそのうちの一つであるようにも思います。当方の場合はこれが(いい意味で)大きな転機になりその後の交友関係も大きく変わりました。
デザイン面も含め、選択肢はISしかなかったのですが、ディーラーに入店するまで3ヶ月ぐらいかかり(笑)
しかも予算的に、IS350やGSはまったく手が届かず、かなり無理して「IS250 version.S」を選択。
当時の車両本体価格は「405万円」でした。
モーターファン別冊を穴のあくように見ており、今も大変懐かしいです。
当時の「version.S」は標準仕様「+15万円」で18インチホイール、手触りのよりヌバック調スポーツシート、電動チルト&テレスコ、自動防眩ミラー、ポジションメモリー等がついてくるので人気のグレードでした。
特に、ステアリングが自動で可動することや、内蔵HDDへの音楽CDの録音ができるサウンドライブラリ機能は驚愕でした!
しかし、しかし当時はこの「+15万円」の捻出も厳しかった・・・
フロアマットは高額過ぎて社外品にしました(笑)当然ディーラーオプション等も新車時は取得税の対象となるため、ほとんど装着せず、納車後しばらくして装着した記憶があります。
【モーターファン別冊 速報 レクサスIS(2005年9月18日発行)より】
なお、当時のISは月販目標台数が「1600台/月」でしたが、当方が納車になった頃(発売から半年後)にはすでに月1000台を大きく割り込んでおり、日本における高級車の販売が難しいことが言われ始めていた頃でした。
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■2006年(平成18年)3月16日:GS450h発売
価格は標準グレードで680万円、”version.L”で770万円とこちらも驚きの高価格!
専用カラー「プレミアムライトブルー」と新意匠のホイールは街なかでも結構目立っていましたね。
写真は、「LEXUS MUSTs ミーティング」でのサーキット走行時。なんと、先導車がGS450hでした。
2段階のリダクションギアを使用したFR用ハイブリッドシステムは当時のだれもが未体験で、その加速感は当時から話題で、輸入車オーナーがレクサスに注目しはじめた最初のレクサス車と言えるかもしれません。
また、オプションではありますが、ドライバーモニター式プリクラッシュセーフティシステム、レーンキーピングアシスト、ヘッドライトのAFS機能など、当時最先端の機能を備えており、このときのレクサス車は同クラスの欧州車には備わっていない機能を導入していたように思います。
スペック的にはそれほどでもないですが、体感的にはLC500hよりGS450hの方が加速度も上だったように感じますね。それだけ、当時はその加速感は「異次元」でした。
また、FRセダンのGSにハイブリッドシステムが搭載されたからこそ、「ISにもハイブリッドを」!・・・という声が出始めたのもこのころですが、その登場まではなんと7年もの歳月を費やすことになりました。
ヘッドライトのレンズにほんのりブルーの差し色が入る点など、素敵でしたね。
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■2006年(平成18年)9月19日:LS460発売
ついに真打ち、フラッグシップモデルレクサス「LS460」が登場!
新型V8エンジンと8速のATトランスミッションを搭載、セルシオからの全面改良でようやくレクサスラインナップが完成。
レクサスの初年度の販売計画は大きく未達と思われますが、LSの発売により一気に販売数を増加。
なんと当時の月販目標台数は「1600台/月」と現在ではありえないほどの計画。2019年現在、LSシリーズ合計で月販売目標台数が月「600台/月」、実売で月300台〜400台程度まで落ち込むとは想像できなかったかもしれませんね。
【モーターファン別冊 レクサスLSのすべて(2006年11月9日発行)より】
また、以下のような先進装備を採用(一部オプション)
しかし、多くがLS専用モデルであったため、コストも下がらず・・・
これらを他のモデルにも積極的に展開していれば、第2世代レクサスの評価は違ったかもしれません。(今考えるとホントもったいない・・・)
・全車速追従型レーダークルーズコントロール
・歩行者検知式プリクラッシュセーフティシステム
・後方プリクラッシュセーフティシステム
・ブレーキホールド&電動パーキングブレーキ
・アルカンターラルーフ
・酸素濃度コンディショナー
・カードキー
・G-security(リモートイモビライザー)
レーダークルーズや車線逸脱防止等の先進安全装備や、電動パーキングブレーキ&ブレーキホールドが高級車以外にも普及し始めたのがだいたい2012〜2013年頃ですから、LSはそれよりもはるか前に備えていたことになります。トヨタ/レクサスの先進安全装備(Lexus Safety System+/Toyota Safety System)の本格スタートが2015年ですから・・・この間に多くのメーカーは一気に先進安全装備の標準化や高性能化を進めていきました。
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■2007年(平成19年)5月16日:LS600h発売
世界初のV8エンジンにハイブリッドシステムを組み込み、当時世界初の「LEDヘッドライト」を装着。
システム総合出力445ps、6LNAエンジン相当の出力のネーミングを与えられ、駆動方式はAWDに。
今ではおなじみのハイブリッドブルーエンブレムを装着するなど微妙な差別化も実施。
価格は970万円〜ロング仕様の「LS600hL」まで幅広く、最高価格は1510万円に達し、ついにトヨタ車の最高峰「センチュリー」の価格を超えることに。
カタログも大判・ハードカバー仕上げで大変コストが掛かっていました。
世界初LEDヘッドランプの採用は当時大きな話題になり、その後急速に小型化・省電力化が進みました。
ハイブリッド専用色「ブラックオパールマイカ」を備え、一時期都心部ではブラックオパールマイカのLSを見かけない日はないぐらい、レクサス=高級車のイメージを確立させた1台と思います。独特な乗り味など、ユーザーからの声を元に着実な改良が施され完成度を高めていったようですが、やはりこのエンジンあってのLS600hでしょう。
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■2007年(平成19年)10月18日:GSマイナーチェンジ
レクサス初のマイナーチェンジが行われ、今となっては希少な4.6LNAエンジンを搭載した「GS460」を新設定。
また、欧州車等で先行搭載していた「ドアミラーウィンカー」を装備、賛否が別れたのは記憶にあたらしいところ。
その他、「セミアニリン本革」の採用や内外装意匠変更を実施し、トヨタ車風な意匠からレクサス車専用意匠への換装が完了するなど、第1世代レクサスにおけるGSの完成形といえます。
なお、「GS460」はGS450hの約20万円安となる「661万円〜761万円」の設定でしたが、LSのエンジンをデチューンした仕様(347ps、46.9kgm)ということもあり、GS450hの先進性・燃費性能と比べるとPRポイントに乏しく。またエコカー減税や電動アクティブスタビライザーをレスした場合は、GS450hとGS460の総支払額が逆転するなど、GS460が販売数を伸ばす要素が乏しく、販売状況は芳しくなかったようで、見かけることは稀でした。
また、GSシリーズ全体での月販目標台数は「1100台→500台/月」に大幅に引き下げされましたが、GS450h、GS460、GS350と豊富なラインナップから選択できたのはGSの特徴でもあります。
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■2007年(平成19年)10月4日(12/25発売):IS F発表
レクサス開業から2年、GS450h、LS600hなど先進的なハイブリッドシステムを搭載した新型車を投入する一方、古典的な大排気量NAエンジンを搭載したスポーティーカー「ISF」が満を持して登場。おとなしいイメージがあったレクサスブランドにおいての異端児として、特にエンジン始動時のサウンドには驚いた方が多いのではないでしょうか。
当時日本車ではほとんど見かけなかったホワイトのセミアニリン本革、シルバーカーボンパーツなど内外装の専用意匠も魅力あるものでした。
オーナーズカードも「F」専用のものが発行され、所有感をくすぐりました。
同時期に登場したニッサン「GT-R」といい、日本発のスポーツカーが注目を集めた時期でもあります。
しかし、改良を繰り返し世界的な人気の「GT-R」とは異なり、レクサスISFはモデル末期において生産が中止、第2世代レクサスでは発売されることがなく、公式サイトでもすでになかったかのような存在になっているのは残念です。
手頃なサイズの4ドアスポーティーセダンの復帰はまさに今がラストチャンスといえる時期ですが、平成最後の日(2019/4/30)においても「IS F」の後継車開発の情報はありません・・・。
「IS F」は生産数が極端に少なかったせいもあり、一時は伝説となる納期2年待ちになるほどに。
お詫びとして予約したオーナーには富士スピードウェイでの体験走行会が実施されるなど、異例の措置が行われました。
当方も参加させていただきましたが、このようなスペシャルなイベントは定期的に開催してほしいものです。
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■2007年(平成19年)12月26日:IS特別仕様車 発売
レクサス初の特別仕様車として、インテリアの意匠変更をした特別仕様車 “Elegant White Interior”を2008年2月16日から700台限定で発売することがアナウンスされました。
また、翌月にはGSにも特別仕様車“Passionate Black Interior”を2008年4月21日から500台限定で発売であることも発表。
このようにマイナーチェンジ前後のテコ入れ策として商品力を高めた商品を投入しましたが、外装の意匠変更はなく、価格面での優位性もほとんどなかったこともあり、販売数増加の切り札とまではいかなかったようですが、レクサスの特別仕様車の方向性を示すモデルとなりました。
2019年における特別仕様車は欧州車も含め、「スポーティな外装と専用カラード内装」で、このようなインテリアだけの変更は珍しいですね(LCぐらいか?)。
特にGSの特別仕様車はブラックの内装に、レッドの差し色が入り、フロアマットもレッド。
高品質なインテリアパネルと調和してとても素敵な特別仕様車でした。その後もいくつか特別仕様車が設定されていますが、個人的には未だに一番記憶に残っている素敵なインテリアだと思います。
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その後、「IS F」が一般ユーザーに納車が開始されはじめた2008年3月頃には世界的な景気減退が鮮明になっており、2008年9月にはいわゆるリーマンショックが発生、ISFの納期は(北米でのキャンセル等を要因に)一気に短縮。その後のレクサスの戦略にも大きな影響を与えたと推測されます。
そして今では信じられないような、レクサスの暗黒期が到来します。
*あまりに長くなったので続きは次回に・・・なお、以上の内容は完全に当方の主観です。