アフィリエイト広告を利用しています
アフィリエイト広告を利用しています

2017年10月25日

ホワイトデーテロリズム レビュー感想 これもう半分持手木がヒロインだろ(ネタバレ)

前作バレンタインテロリズムの後日談。今年のホワイトデーが配信日なのがちょっとカッコイイ。
前作をプレイしてないとサッパリなんでプレイ推奨






タイトルにテロリズムとあるが、今回は平和的な内容で、ホワイトデーにヒロインにお返しをするストーリー



だが、この主人公とヒロインらしいといえばらしいが、折角の後日談ゲームなのに恋愛の進展がなく、ちょっと拍子抜け。






メモリーズオフにせよ、北へ。にせよ、クラナドにせよ、普通こういう題材のゲームは、恋人になった主人公とヒロインが描かれるからね






でも、お返しを用意できなかった主人公が、急遽、好意を現すキャンデーを大量にプレゼントしたのはなかなかカッコよかった(買ったのは持手木だが)



そしてメインキャラがなぜかヒロインではなく、ライバルの持手木。



あんなに嫌な奴だったのに、急に映画版ジャイアンのごとくイイヤツになりすぎ。でもこっちが本来の性格なんだろう










評価C
60点



スチルも0枚、素材オール使い回しで、やってもやらなくてもいいゲームでした
でも妙な小粋さが面白くて、前作が好きなら楽しめるかと


2017年10月24日

バレンタインテロリズム レビュー感想 伏線回収が中々に凄いゲーム(ネタバレ)

同人サークル、ペットボトルココアが開発(ヘッドロココ進化に語感が似てるね)





非モテの主人公、颯太がバレンタインをブチ壊す為に画策する学園ラブコメディ。







去年のバレンタインに、チョコを1つも貰えない悪夢から目を覚ます颯太。




ヒロイン一瀬冬菜は毎朝主人公を起こしに来るベタな幼馴染ヒロイン。明らかに主人公のことが好きだが、主人公は気付かない
1.jpg






2人は仲のいい幼馴染だが、去年のバレンタイン以降少し関係がギクシャクしている





ああ、どうせこれ、主人公は気付かないフリして去年手ひどくフったんだろうなあ…。


関係を壊さないようにしながら、結局拗れた奴だ…








ライバルとして冬菜を「一瀬さん」と慕うイケメン登場



イケメンは容姿端麗で金持ち、全てを持つ男だが、唯一颯太だけを敵視している。



バレンタインにチョコは山ほど貰えるが、去年意中の人からもらえなかったと主人公を憎悪している





うわあ、分かりやすい噛ませ犬だなあ。






颯太は冬菜の母、春菜と、姉の夏菜、近所のおばさんからもチョコを貰う約束を取り付け、これで3つ貰えると非モテらしく喜ぶ




他にもまだあるでしょと歯噛みする冬菜







まあここまで来ると余りにもベタベタ過ぎる程ベタな学園ラブコメなんだけど、モテるくせに自覚がない颯太が、バレンタインをブチ壊す為に放送室をテロったり、余りにもベタで言う事がないくらいベタな物語だね。



イケメンとどちらがチョコをもらえるか勝負するんだけど、それは本題と無関係だったな。あくまでメインはテロ





絵もシナリオも一昔前の学園モノっぽいノリで、いわゆるドタバタコメディと言われたジャンル






そう、ここまでは






バレンタインテロリストの颯太が、冬菜と2/14当日に出会うところで空気は一変。






冬菜は告げる、颯太の恋人であり自分の姉でもあった、去年のバレンタインデーにチョコを渡せないまま事故死した秋菜のことを








( ゚д゚)



(この一瞬、これまでの伏線全てを理解)







(゚д゚)彡








はぁ〜…





ちょっと感心した。








ここで主人公が去年の事を忘れる為、かつての自分を取り戻す為にテロをやっていたことが判明するんだけど、実に巧妙な伏線の連続だ。



ラブコメの王道を逆手に取った手法が実に上手い。






ちょっと甘くて苦すぎるラブコメディー!
というアオリはこれだったんだね






冬菜が毎朝起こしに来るのは、恋人の死のショックで未だ精神が不安定、引き篭もっていた主人公を登校させるため



ライバルが言ってたのはあくまで「一瀬さん」。冬菜とは一言も言ってない…





一瀬家の名前に、秋だけが存在しない…(親父が秋夫かもしれないが)






などとても細かい




恋人の死を乗り越えた主人公とヒロインがひとつ大人になってエンディング。





冬菜が義理といいながらもチョコをくれるシーンで少し涙目
優しい世界_No-0001.jpg







どうもこのゲーム、物語を恋愛ではなく、「人生」と表現してることが、なんだか重くて、特に後半は前半とはまるで違う世界観だよ




普通、ゲームや漫画だと恋人や家族が死んだら廃人になるのが定番だけど、このゲームだと今後の人生、生活があるからいつまでも塞ぎ込んでられない、だからね。(勿論ショックは受けるんだけど)




絵は可愛いけど妙にリアルでびっくりだよ









クリア後は冬菜視点の前日談が読める(旧バージョンは条件が何か難しかったらしいが、最新版は簡単)がサウンドノベル風の文章もとても上手い。


でもどうせならちゃんと颯太が復帰するシーンまで描いて欲しかったかな。




折角絵が可愛いゲームなのにバリエーションが少なくて、室内でもコートにマフラーだったり、私服じゃなくて制服のままだったり、手抜きで萎えた






秋菜は冬菜を自慢の妹といいながらも、妹の意中の相手と平然と付き合っているし、気持ちには気付いてなかったんだろうか。そこも描写してほしかった。




不満はそのくらい






評価A
80点





非常に面白かった。



しかし颯太は引き篭もってて出席日数足りないのに、よく進級できたね



恋と汚物にさようなら レビュー感想 意外にもさほど汚い話ではなかった(ネタバレ)

グロを謳っているが、序盤は爽やか青春モノっぽい入り方。「俺たちのギャルゲ」のタイトル画面でも使われていた、清涼感のあるBGMが流れて笑った




幼馴染の少年に片思いする主人公。そしてその少年に片思いするライバル。





主人公が強姦されていて非処女、そして自殺してしまう。レイプシーンと自殺シーンのあるフリゲとはなかなか切り込んだシナリオだ。まあフワっとした表現ではあるのだが






ブラックや女性蔑視を煽っているが終わってみれば案外マトモ









作者は女子高生がひたすら脱糞するエログロゲーを作っていたしビジュアルも心理的にも、もっと汚いものを想像していたが、登場人物に悪人らしい悪人がいない
(レイパーは除外ですよ)





ライバルも主人公と仲がいい訳でもなんでもない他人なので、主人公が死んで嬉しい、これで彼が手に入ると思うのも人間的に自然な思考じゃないかと。





てっきり私はライバルが主人公を蹴落とすために男を使ってレイプさせたんだと思ってたんだけどね。







このライバル、なんか善人すぎるね。




主人公を放課後、倉庫に呼び出すシーンで絶対にやらかすと思ったのに仲良く握手だもの、拍子抜けしちゃった







ということで正直、一見ショッキングな題材のわりに衝撃度が低かったのでイマイチでした。もっとブラックにできる要素は幾らでもあったかと






評価C
60点





2017年10月23日

マツリカ・マトリョシカが久々に密室トリックの傑作なので、レビュー感想(ネタバレ)

このブログは当初読書ブログとしてスタートしたが、マンガレビューがちょっとあるだけで小説や新書のレビューが1つもない。









理由は、読書ブログを立ち上げたにも関わらず、丁度そのタイミングで、忙しくて本を読む時間がなくなったのと、現在の出版業界から良作がどんどん減っており、単純に読書への探究心が落ちていたから







フリーゲームは大体すぐクリア出来るけど、本はやはり時間が掛かるからね…(速読は好きではない)







以前は月に15冊は読んでいたが(ラノベなら1日5冊なんて日も)、今では月にほんの数冊…






そんな訳で、衰退する出版業界。



本を余り読まない人が全く読まなっただけではなく、読書家ですら本を見限り始めたという背景もある







小説の題材も出尽くしており、特に密室トリックとなると更にネタギレで、もう新しい物は作れない






と思っていたのだが、これは中々斬新だと久々に感心したのが今回紹介するマツリカ・マトリョシカ。



ということで、初めて書評を書きます(今更かよ)。












さて、繰り返すが、もう密室トリックは出尽くしているので新しいモノは一切書けない





とさえ思っていたが、本作は多少なりとも新機軸を切り開いた、これは凄い。






多少というのは、トリック自体は単純でありがちな「糸」を使った物なのだが(だから完全に新しいとまではいえない)、その内容が変化球であるということ。




そしてその変化球の曲がり方が見たこと無い球種だぞ、ということ









本作はコージーミステリなので人は死なない。






なので密室殺人ではなく「密室殺トルソー」と銘打っているのだが、なんと女子高生の胸ポケットと、スカートにはポケットが1つしかない(左ポケットしかない)ことをトリックとして利用している。







これには驚かされた。






恐らく多くの男性読者がプリーツスカートにはポケットが1つしかないこと、入口が異様に狭い事を知らないのではないか。





まさかそれを密室トリックのネタにするとは思わなかった




当然、制服のプリーツスカートでしか出来ないトリックだ




プリーツスカートは襞の構造上、右ポケットを作ると手を上ではなく前から入れる構造になってしまうため、敢えて右ポケットが作られていないそうだ







説明すると大変長くなるしこの記事の本題はそこではないので、トリックの詳しい説明は割愛するが、私の主張したいキーポイントは、密室を作るトリックその物ではなく、その副次的な要素(それも女子高生の制服)で新しさを作る着眼が凄いということだ。






実際、女子高生が主人公やヒロインの推理小説、ライトミステリ数あれど、その大部分がただ作者の若いキャラを書きたいという歪んだ欲望や、萌えオタを狙ったものだろう。(勿論本作もそうだが)









だが本作はそこだけに留まらず、女子高生だからこそ出来るトリック、女子高生だからこそ着ることのできる制服を、推理小説として見事に昇華している。





これ、史上初、前代未聞じゃないか














因みに本作のヒロインマツリカは、女子高生ではあるものの留年している設定なので、厳密には似非JKである。そこも皮肉。





トリックにも感心し、非常に面白い小説。だが内容はラノベに近い。



トリックの説明シーンが余りにも解説者口調でグダグダだったので、もっとスマートにして欲しかった。



評価B+
70点





刊行ペースが遅いので、半年に1冊で出して欲しい。




















マツリカ・マジョルカ(シリーズ1作目)

マツリカ・マジョルカ [ 相沢沙呼 ]

価格:1,620円
(2017/10/23 22:45時点)
感想(1件)



マツリカ・マジョルカ (角川文庫) [ 相沢沙呼 ]

価格:691円
(2017/10/23 22:45時点)
感想(0件)












マツリカ・マハリタ(シリーズ2作目)

マツリカ・マハリタ [ 相沢沙呼 ]

価格:1,620円
(2017/10/23 22:51時点)
感想(0件)



マツリカ・マハリタ (角川文庫) [ 相沢 沙呼 ]

価格:777円
(2017/10/23 22:46時点)
感想(0件)









マツリカ・マトリョシカ(シリーズ3作目)

マツリカ・マトリョシカ/相沢沙呼【1000円以上送料無料】

価格:1,620円
(2017/10/23 22:48時点)
感想(0件)



2017年10月22日

天使の願うもの レビュー感想 意欲だけは買うが…

ストーリーはネタバレするまでもないほど薄く、入院中のヒロインが実に元気で病気にはとても見えない。

だが裏では病が進んでいて、最後にはあっけなく死んでしまう、という、本当にただそれだけの使い古された話











それはまあいいとして、作画レベルが非常に低く、演出にもおかしい部分が多いことが気になる。

まず冒頭からいきなり、7時前でこの時期ならもう暗い筈なのに、まさかの真昼間。







なのにヒロインは青空を見て「空が、赤い」





ちょうどよかった!病院なんで診て貰うといいよ!





フリー素材っぽいが背景の遠近感や窓のデカさもおかしい…そもそも窓がハマってない…











手の作画もおかしい


右腕がまるで棒のようだ。そして小指が太すぎ、長すぎ。お前の手、キッチンミトンかよ。













娘が手術の失敗で死んだ母親とはとても思えない、まるで痴漢にでも会ったみたいな悲鳴と顔。悲壮感がまるでない。そもそもお前、何わろてんねん





医者がポケットに手を突っ込んでふぅ、やれやれ…みたいな顔なのもおかしい




母親は笑ってるけど、一応人が死んでるんやで!!お前の手術失敗のせいで!!




突然暗転するのも、非常に安っぽい演出










典型的な萌え絵なのはまあいいとして、表情や人間的な構図を描く能力が全く無いようで(ありがち)、ツッコみ出すとキリがないです





音楽も自作なのはいいとして、クオリティが低く全く耳に残らず、敢えて指摘しないが、明らかに聞き覚えのある曲もある














シナリオも言葉選びが変で、特に天国を神の国と表現していることが気持ち悪いです。


タイトルにもあるように「天使」がテーマなんだし、普通に「天国」でいいのに、なんだ「神の国」って。








(元)森総理かな?












主人公とヒロインの関係が曖昧だし、主人公が幼馴染だったヒロインを完全に忘れてるのも変。小学校の友達を、高校で完全に忘れるなんて、まずないですよ。しかもそれなりに仲のいい関係だったなら




主人公がヒロインの母親と出会っていたことについて、よく思い出さないこともおかしい。シナリオの書き方として見ると、人間的思考じゃない





ヒロインが既に重篤という設定の割に、そのシーンが一切ない。よって悲劇の演出が浅い



ヒロインが入るのが治療室になってるが、手術室では?この状態なら集中治療室でもないし…







などおかしなポイントを羅列するとキリがないほど拙い話です





安易に思い付いた重そうな設定だけで無理矢理ストーリーを作ろうとしているので、ちぐはぐで支離滅裂、齟齬が酷いです





中身が付いて来ないとは、まさにこの事







評価E
30点



自作したことは評価するが、意欲以外は見るべき点がありません


2017年10月20日

メモリーズオフシリーズ。どれから遊べばいいの?という初心者向けおすすめ解説から、懐古向けの最高傑作選びまで

Memories Offの新作、メモリーズオフ ‐Innocent Fille‐(ナンバリングされていないが、実質メモオフ8)が出るという記事を書いたら、意外にもPVがあった
https://fanblogs.jp/katananana/archive/247/0




良い機会なので、初代からのメモオフ信者が、メモオフシリーズを振り返ります。




大昔のゲームなので多少の記憶違いや印象の強弱もあるだろうが、それ含めてメモリーズなので、中途半端にググっただけの情報と違い、そんな「生の声」「経験談」のほうがリアルだと思い、その視点で解説します




もう初期作品はレトロゲームの域なので(1stなんて90年代…)、KID倒産により公式サイトは当然もう無いし、ファンサイトなど、リアルタイムでプレイした人間の情報発信も殆ど消えているので、このあたりで昔の信者がサルベージする意図もある





まず、発売年表がこうなります。分かり易くする為、廉価版などは除外し、メインタイトルを赤色にしました


1999 Memories Off

2000 Memories Off Pure

2001 Memories Off Festa、Memories Off 2nd

2002 想い出にかわる君 〜Memories Off〜

2003 Memories Off Duet、メモオフみっくす

2004 Memories Off 〜それから〜

2005 Memories Off After Rain、Memories Off #5 とぎれたフィルム

2006 Memories Off 〜それから again〜

2007 Memories Off #5 encore、Memories Off History

2008 ユア・メモリーズオフ〜Girl's Style〜、メモリーズオフ6 〜T-wave〜

2009 メモリーズオフ6 Next Relation

2010 メモリーズオフ ゆびきりの記憶

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018 メモリーズオフ -Innocent Fille-






……


改めて年表にすると、2011年からの空白期間が目立ちますね…






そうまるでニートの履歴書のように…







基礎知識として、メモリーズオフシリーズは1作が多数のハードで年代別に出ており、外伝ゲームなども非常に多く存在する



なんとギャルゲーなのに、なぜか今は亡きワンダースワンカラーやネオジオポケットカラーでも出ている。




ハード末期はギャルゲーが量産されるとはよくいうが、これには驚きだった




キッドはゲームボーイにすら、ポケットラブという謎ギャルゲーも出していた。しかもこれは続編のポケットラブ2まで出た




ゲームボーイというハードのスペック上ボイスが入らないので、ゲームをプレイしながらドラマCDを同時に流すという奇作だった




余談だが、メモオフシリーズは任天堂ハードでは出ていない(スタッフも、任天堂ハードとは縁が無いと言ってた)。



だがそれらは今回割愛し、この記事では主にメインタイトルのみに触れます。





というのも黄金期の2ndは、作品だけではなく、ヒロインごとの設定解説ファンブックが出ていた、今考えても凄い時代
1.jpg




そして私はそれらを買うくらいのかなりのメモオフ信者だったんですが、それでさえ、外伝ゲームはほぼプレイしていません。




明らかに手抜きで作られた過去のヒット作の焼き直し便乗ゲームで、信者視点ですらプレイする価値が無かったからです




多くのユーザーがそう思ったからこそ、外伝ゲームは売り上げ不振、結果KIDは倒産しました



なので激安100円でもない限り、外伝のプレイは必要ないかと




本編のみを語ります










▼伝説はここから始まった!


初代メモリーズオフ。1、1stとも呼ばれます。

1.jpg







・デビュー当時の田村ゆかり、間島淳司などが出ていて、初々しい演技が聞ける。特に間島は結構下手だ



・当時エロゲー移植やペプシマン、坂本龍馬などのキワモノゲーを出していた移植メーカーキッドによる、珍しいオリジナルタイトル



当初は「トラウマ」というタイトルだったが、メモリーズオフに改題。(トラウマじゃ絶対売れなかったよなあ…)




・ささきむつみのキャラデザによる繊細なヒロインたちを見て、お、これは切ない恋物語なんだな、と期待するも内容は非常にギャグや下品ネタが多く、電波ゆんゆん。



主人公の三上智也もかなり強烈な人物で、見た目に騙される怪物ゲーム





「アホゥ!!アホウ!!お前は正真正銘のアホだぞ!!脳をゆすげ!!脳を!!」




「バカタレェ!!バカタレェ!!脳を塩素漂白剤につけて洗え!!3日3晩は寝かせろ!!」




「あまりにも絶好調で体から薄桃色のエクトプラズムを放出しそうだぁぁあ!!」





などの明らかにジャケットの繊細な美少女キャラとは世界観が違う名台詞のオンパレード。




ライターも普通の主人公は書きたくない、とかいったそうな(やっぱり智也くんは普通じゃないんですね…)




・当時キッドが移植していた、タクティクスのONE~輝く季節へ~(後にビジュアルアーツやKEYにスタッフは移ったらしい)に似た部分があるのでキッドが移植のついでにネタをパクったと言われていたが、私はそうは思わなかった。全然似てないよ?実際。




・シナリオとしてはメインヒロインの彩花が既に死んでいるというのが一応トリックではあるが、まあバレバレである。



だがパッケージヒロインだったため、このキャラに釣られて買ったユーザーからはフルバッシングが行われていた。


確かにジャケット詐欺だ。だって攻略キャラですらないんだもん






・シナリオは極めて粗削りで、ヒロインごとにライターが違うので、完成度や長さがバラバラ。


中でもみなもシナリオは初代メモオフの一番人気で、舞台っぽいシナリオは、クオリティが桁違いに高い。シナリオライター佐々木智宏が舞台の脚本を手掛けていると聞いて、納得である


逆に小夜美シナリオはシリーズ屈指の短さで、なんと恋愛が始まる前に終わってしまう。



その後1stは何度もリメイクされたが、一向に追加シナリオが出なかったので、スタッフはもうこれを完成形としているのだろう。普段のKIDなら、小夜美シナリオ完全版が収録されたバージョンを絶対に売り出すだろう


映画のようで綺麗なラストシーンという意見もあった




・後年発売したDC版では大幅な修正が行われ、誤字脱字も減っている。追加要素もあるので、プレイするならこちらからがおすすめ。


ヒロインのBGMが入れ替わっているという、これまた奇想天外な修正がされている






▼前作を大幅に上回るクオリティ!


いまだにシリーズ最高傑作との呼び声も高い名作、メモリーズオフ2nd。

2.jpg





・メインヒロインのほたるは新人時代の水樹奈々が担当。初々しい演技と、演じるキャラクターとのギャップにビビるくらい上手い、美しい歌声が聞けます。


そして1stでは下手だった間島が、短期間でかなり上手くなっててビビル。間島の演技はここで一先ず完成されていた





・私はDC版でプレイしたが、KIDシステムと呼ばれるシステムのお陰で、プレイ環境が非常に快適に整えられている。


当時他のメーカーも真似をしろなんて言われていたくらい良かった

このシステムはインフィニティシリーズなども、改良、または改悪されたものが使われている




・前作はヒロインが死亡しており、主人公は彼女だったヒロインの思い出を振り切り、新しい恋に踏み出す…という設定だったのだが、今回はヒロインとは現役バリバリで付き合っている。しかもとってもいい子


よって、他のヒロインルートに進むためには恋人を捨てなければいけない。ヒロインたちには彼女の親友や姉もいる…という最高に盛り上がる題材


正直これはもう、最初から題材の勝利だった。話を聞くだけでも凄くプレイしたくなる



シナリオもさることながら、この恋人を捨てて新しい恋愛に踏み切るせつなさが非常に重々しい。


彼女がいい子なだけに、ゲームなのに修羅場に異常なプレッシャーがある




そんなシナリオの性質上、主人公のイナケンはとんでもないクズである


まあ浮気がテーマだからね、仕方ないね




・踏切姉妹と呼ばれる双子ヒロインの希望ルートでは、主人公が意識を失い、そして世界が再構成された…という、このシリーズで唯一のSFファンタジー描写がある。


当時キッドはインフィニティを作っていたので、その影響が出た





・水樹奈々は今でこそ声優としてもかなり上手い演技をするが、当時はまだ新人で、棒読みの部分もあった。


そして役柄が声を可愛く作ったキャラなので、声を荒げるシーンでは明らかに女子高生ではない野太い声になってしまった


その事を昔「ほたるのこのシーン、下手だよな。中の人、新人だし仕方ないけど」と書き込んだら、「声を変えたまま叫ぶのは難しいからね。実はあれが水樹の地声なんだよ、本人の声は野太い」「水樹奈々の地声は低いんだよな」




というレスがついて、「へぇ〜!」と思ったものだが、後年テレビ出演するようになった水樹。



そこで聞いた声はほたるのあの野太い声そのものだった





数年越しの衝撃だった








▼無難がテーマのメモリーズオフ〜それから〜(ナンバリングなしだが、メモオフ4)

4.jpg




・主人公が彼女であるいのりに捨てられるところからスタート。2の逆




原点回帰がテーマとかで、尖った魅力はないが欠けたものもないというコンセプトらしい。当時スタッフがHPに書いていた。主人公もクセがなく普通の少年。山場では格好いいところも見せる





・面白いのが、メインヒロインの「いのりシナリオがかつてないほど多い」という発売前情報。


オチとしては、他のヒロインのルートにいっても、主人公がまたいのりとヨリを戻すシナリオ、エンディングがある、というものだった。


シーンタイトルはヒロインごとに四字熟語だったりと特徴があるのだが、突然いのりルートのシーンタイトルである音楽絡みに戻るのはかつてないプレイ感覚




・シナリオはなかなか面白く、年上ヒロインのルートはカフェ編という名前がついている。


高校卒業後のフリーターになった主人公のシナリオなので、高校時代だけで終わる高校生ヒロインのルートとはまた違ったプレイ感覚で楽しめる




▼メモリーズオフ5、ここで久々のナンバリング

5.jpg




・最大の特徴はやはり、主人公が大学生であること。


映画制作サークルに入っており、それがテーマそのものとなっている




親友キャラもこれまで4作も稲穂信だったのに、小津修司に変更。その事もあって小津は随分叩かれてたが、私は嫌いじゃなかった。勿論信には遠く及ばないが…





・シナリオクリア後、リバースカットというヒロイン視点の物語になるが、見れるのはメインヒロインだけだし、ボリュームも少ないし余り完成度が高いとはいえない内容



・シリーズで初めて主人公に立ち絵と音声があり(正確にいうと雪蛍にもあるが)、物凄いイケメンで笑う。背も高いしガタイも良い。


スタッフによると、当初はもっと普通の顔だったが、「皆さんの分身ならかっこよく」、という理由で美化したらしい



絶対悪意あるだろ





・シリーズで唯一の幼馴染ヒロイン不在(幼馴染というには微妙なキャラなら2人いるが)



そしてKIDの作る最後のメモオフとなった…


完成度も売り上げも微妙だったもんなあ…







▼メモリーズオフ6。初代の澄空高校を舞台にした原点回帰っぽいゲームだったが…

6.jpg




・5pb.で心機一転したシリーズ6作目。T-waveはトライアングルウェーブと読み、三角関係を題材にした内容だったが、シナリオのクオリティは非常に低い



gdgd長いメインヒロインのルートよりサブヒロインのクロエのほうが人気があるという稀有な一作



・8のヒロイン、ノエルは6の外伝のキャラ



・親友キャラはまたも変更し、佐賀亨になる。ヒロインに横恋慕しているというパターンが1、5と同じ。


主人公は高校生にして社会人でもあるので、作中でもいわれてるが、妙に大人びた部分がある(それゆえキャラクター性が小さく纏まってしまった感もあるが)


だから社会人の信と、歳の離れた親友でもよかったんだけど






▼恋愛だけではなく、推理要素などを加えた意欲作メモオフ7

7.jpg




・サブタイトルは指きりの記憶


指きりというやや風変わりなシステムがあるが、ただの選択肢をグラフィカルにしただけで特に意味はなし。


公式でゆびきりしまくると大変な事が…とアオられていただけに何も無くて残念だ




・恋愛だけではなくミステリ要素があり、主人公やヒロインの過去を探っていくストーリー展開。主人公がルートによっては殺されてしまう





・2でも主人公が自殺するバッドエンドがあったが、事件に巻き込まれて死ぬ展開があるのは7だけ。他にも恋人になったヒロインを権力者に寝取られたり、ヒロインに捨てられて失踪されたり、かなりえぐいバッドエンドがある




・シナリオ、グラフィック、ムービー、総じてクオリティは非常に高く、シリーズ最高傑作との呼び声も高い




・シリーズと一切関係ない絵師が初めてキャラデザを担当したが、2nd以来本当に久々にキャラデザを良いと思ったし、違和感は全くなかった。



だがPSP版まではまだよかったが、PS4、PSVITA移植版からの絵の劣化が酷すぎる。



キャラデザ担当に何があったのだろうか…。ヒロインの顔も完全に別人で、これでは売り物にならないだろう





・主人公は見た目は大人しそうだが、ケンカが強く男らしいイケメンで、主観視点でもボイスつきで喋るシーンがある



・親友キャラは佐賀亨が続投。クラスメイトだった6の主人公と違い長年会ってなかった設定だが、それにしては活躍するし、なんとEDまである。


バッドエンドではヒロインと付き合う展開も…(NTRの鬱エンド。りりすのことはええんか?)





・EDコンプするとシーンタイトルにジャンプ出来るので達成率埋めは簡単だが、時代に着いていけなかったのか、システムが非常に悪い。


シーンスキップや次の選択肢までのスキップもないので(PS2のクラナドにすらあったのに…もう他社に負けてる…)、無駄に時間を浪費してしまう。


EDコンプに50時間以上かかったが、数時間はただスキップを眺めてるだけだった。










まとめ



結論からいうと、どれもそれぞれの良さがあるが、最高傑作は2か7と思っている。





2は大昔のゲームなので想い出補正がかかっているが、近年のゲームにも拘わらず、それと戦えるほど、7の面白さは図抜けている。



ミステリ要素もあって、「ギャルゲーユーザー以外がプレイしても面白い」のは7だろう





シリーズ初心者は、恋愛ゲームがやりたいなら2、他の要素もあるADVをやりたいなら7がおすすめ





次点で1st、それからが良作だった。


この2つも恋愛重視
なので、好きな絵や題材でどちらか選ぶといい




残念ながら5,6は明らかに完成度が低い。


そして当時としては売上も低い。余程絵が好みとかじゃないなら、おすすめはし兼ねる



リアルな話、5は既に会社が倒産危機にあり開発がスムーズに行かず、6は新しく始めるのに躓いたのではと思う








では同じゲームでもイッパイ出てるけどどのバージョンがいいの?というと、殆どのケースでは後から発売したほうが追加修正が加えられているので、そちらをおすすめ



スーパーライト版は説明書が白黒で、商品としては簡易化されているが、オマケモードで見れる版権絵が、後発ということで増えています(小説版やテレカなどの絵が見れる)。




ただしメモリーズオフデュエットなど、背景がウネウネと気持ち悪く動いたり、同じシーンでも流れる音楽が違っていたり、スタッフロールの演出が劣化していたりと、後発にも拘わらず劣っている例もあります





後に5pb.が発売したPSP版はハンディにプレイできることがメリットだが、一枚絵によっては絵が潰れているという致命的なデメリットも(特に7はハードスペックの差が大きいので落差も酷い)



シリーズもイッパイあってどれを遊べばいいか迷う、という人は、メモオフシリーズは主人公と彼女(メインヒロイン)の設定がいつも凝った内容なので、その興味を基準に選ぶといいかも




1st 彼女に死なれてしまい、新たな恋に踏み出す(シリーズで唯一の故人)

2nd 彼女を捨てて他の女性に向かう(シリーズで唯一彼女あり)

それから 彼女に捨てられて他の女性に向かう(シリーズ唯一のメインヒロイン1人)

5 映画製作サークルの青年が、親友を殺した女と出会う(シリーズで唯一、メインヒロインと敵対した状態からスタート)

6 付き合ってくださいと告白され、仮の彼女が出来、他のヒロインとの三角関係に(シリーズで唯一のお試し期間彼女)

7 1人暮らしをしていた主人公、周りには内緒で、謎の女と同棲する事に(シリーズで唯一ヒロインと一つ屋根の下)

8 斬新な設定に期待









シリーズの皆勤賞キャラクターとして、1〜それからでは親友キャラとして、5〜7では隣人や上司として、稲穂信が登場


FFのシドのように大作感を意識したと言われるが、シドと違い、なんと初代から全作に登場する




主人公との年齢差があるせいか、親友キャラからは残念ながら降板し、出番も激減している。年上の親友でもよかったのに、非常に残念だ。


それからをプレイしていた頃は、信はずっとメモオフシリーズの親友キャラだと思っていた…




それからと5のみ何故か同じ絵が使い回されてるが、他のゲームではキャラデザが全くの別人になってて、その変貌ぶりに笑えます(特に1〜それからまでは完全に別人)。





どれからプレイしてもストーリーは分かるけど、信のストーリーも時系列で展開し(1stでは高校生だったのに、2ndではフリーター)、全ての物語が同じ世界観の話なので前作ネタもあり、1stから発売順にやるのも全体像が掴めて面白いかも



2ndで唯笑のBGMを着メロにしているので、お前未練タラタラじゃねえかとツッコめたり、前作をプレイしていると考えさせられるネタが色々ある





小林沙苗が「メモオフは新人声優の登竜門」と言っていたが、どれからやっても、その時代の新人が出ているので時代を感じられるのも面白いですね



メモリーズオフシリーズはなんだかんだで非常に面白いゲームだったので、8にも期待










え?




何か忘れてないかって???






kurorekisi.jpg




あーこれなぁ…想い出にかわる君、なあ…







これはもう、黒歴史すぎるんだよ。







何せシリーズで唯一外伝ファンディスクが出ていない







会社の看板ゲームなのに緑犬ふうとかいうズブの素人の謎のライターが書いてるし(スタッフの嫁という説あり)




そんな緑犬ふうが女性ということで無駄に男性キャラ押しの展開で、冒頭なんてヒロインが登場するまで30分くらい野郎だけの話が延々続くし




主人公はただのヘタレだし





メインヒロインのカナタは声優が下手過ぎてゴッドボイスなんて皮肉られてたし(余りの酷さにか、OVAで交代という前代未聞の内容。しかも後任の村田あゆみは素人なのに上手いという)





何より当時メモオフの絶対条件だったささきむつみが降板したことも大きい(今となっては、ささきむつみが描いてないゲームのが多いけどね)




ボリュームもないしクソゲー以上凡作未満くらいのデキでした



なのでこれはやらなくてもいいです






あ、テンチョー死ぬよ






ホワイトホワイトデー レビュー感想 軽快な会話劇

ホワイトデーを題材にした兄妹の会話劇ビジュアルノベル







このテの設定だと妹がブラコンであるのが常だが、他に意中の人がいて兄貴にまるで興味なし。兄は兄で妹にはさっぱり興味がないのが珍しい設定だ







会話劇は軽快でテンポもいいが、ラストシーンはちょっとキリが悪かったかな






兄貴が英語翻訳をやってるのは作者の心の叫びか








評価D
55点


2017年10月19日

みのりびよりに レビュー感想 のんのんびよりみたいなゲームかと思えば…

▼みのりびよりにクリアしました。攻略もちょっとやっていきます。




ネタバレ注意









▼まず先入観0情報0でプレイしたので、よくある夏の田舎を舞台にしたギャルゲーだと思ってたんですよ。




実際序盤はそんな感じで進む。






ボーイミーツガールで(ボーイというには主人公は25歳だが。ヒロインは10歳)、ヒロインは明らかに主人公が好きだが、主人公はクールな青年で、まあ大人だから子供のヒロインをまるで異性としては見ていない、という甘酸っぱい展開

優しい世界_No-0011.jpg






ああ、これはタイトル通り、のんのん○よりをギャルゲーにしたようなゲームなんだなって思ってた矢先、









唐突に謎のバケモノ、登場







ファッ!?


優しい世界_No-0000.jpg







そのままブチ殺されてバッドエンド。







え?これそういうゲームなの?






どうやら伝奇モノでもあるらしい…







▼気を取り直して再開。









引き続き夏のギャルゲー(ギャルというには10歳は幼すぎるが)と伝奇モノが交互に展開されていく


恋愛パートでは、少女の片思いをテーマにした、甘酸っぱい展開が続く

優しい世界_No-0001.jpg










▼伝奇パートでは、記者の主人公はバケモノの調査を開始する。





町の不審者だった野本に殺されそうになったり、みのりの祖母であるかよから聞き込みをしたり、徐々に真相に迫っていく






バケモノの名前はどうやら水虎という神様らしい





ああ、有名なアレだね。ゲームやマンガで御馴染みなので誰しもが聞いた事くらいはあるでしょう




水虎は人間界に紛れ込んでいて、殺して食った人間に摩り替わっているらしい







▼正直この時点でみのりの正体は「あっ…(察し)」だったんだけど、このゲームはそんなベタながらに魅せ方が非常に上手い。







主人公がアンパンを買ってあげた日から、既に別人に摩り替わっていたみのり。




だが水虎はその性質として、食った人間の意志や感情を全て受け継いでしまう…




神様ながらに主人公を好きになってしまった水虎を、人の感情が支配する。水虎も悪い神様ではない






だが目の前の相手はみのりであってみのりではない、水虎というバケモノには違いないし、みのりを殺したのもまた事実





そんな愛憎劇が結構踏み込んだグロさで描かれるのだが、一連のシーンはショッキングかつインパクト絶大だった

優しい世界_No-0007.jpg
優しい世界_No-0008.jpg
優しい世界_No-0002.jpg















▼完全に正体を現した水虎(みのり)が、一切デフォルメされてないデザインってのは、ヒロインの成れの果てとしては珍しい。普通は半分人間で描かれるからね





これもう100%バケモノだろ


優しい世界_No-0005.jpg







そして水虎に食い殺されたみのりの遺体は、調査中に訪れた祠の中に…




買ってあげたアンパンに蟻が張ってるのが、また物凄い悲壮感あるね




子供が死んでるシーンは家庭用ゲームではかなり難しいので(表現規制的に)、これは同人ゲームならではのショックあるシーンだった

優しい世界_No-0003.jpg
優しい世界_No-0004.jpg







▼いよいよ大詰めだと身構えていたのだが、ここからの選択肢、なぜかどっちを選んでもバッドエンドになってしまった。




どうしてもみのりは完全にバケモノになってしまうか、主人公が自殺してしまう。何も救われない悲しい結末だ





どうやらかなり序盤の選択肢で川へ行くか行かないかというのがあり、それが原因のようだ。




正解は一見するとみのりに会いに川へ行くことなのだが、実際には行かない事が正解





そのルートで主人公は、正博からライターを貰う。






▼ライター所持でここまで来ると、主人公はナイフではなくライターを持ち、祠と遺体を燃やし、なんとたったそれだけで永久に続く殺人の輪廻を回避。








あ…


あっけなさすぎぃいいいいいいいいいいい!!
















これまでの引きと数百年繰り返された犠牲はなんだったんだろう…






そもそもこんな火程度じゃ、まず人体は燃えないだろうし…





主人公もこの解決法に直感的に気づくんだけど、みのりたちの長年の苦悩も一体なんだったの???という肩透かしがかなりあった









みのりたちは犠牲になったのだ…犠牲の犠牲にな…









▼最後は半分人間、半分バケモノのようになった10才の少女、みのりへの恋愛感情に気付いた25歳の主人公(正確には1年後だから11才と26歳か)が、みのりとともに生きていくことを誓いエンディング。





俺もいつかみのりに食われてしまうのだろうか…と考えている時、みのりに唇を奪われる(食われる)のが、シャレた演出だ

優しい世界_No-0013.jpg
















▼クリア後にプレイ出来る記憶ルートサイドAではみのりの母親視点の話。


手帳達成率100%で出てくるサイドBでは、みのり視点の話。




どちらも悲壮感があり、サイドBのラストシーンは惨劇のまま終わる



この後、普通に水虎がみのりとして主人公と接していたというのは、少し怖いね。水虎がみのりとして目覚めてから、そこまでのシーンも、描いて欲しかった








▼しかし母親とみのり、似すぎ。


野本や母親が、これで自分の娘だと気付かないのは相当ムリがあるだろう(みのりですら直感的に「お姉さん」を母親だと気付いてたのに)

優しい世界_No-0006.jpg













▼さて、総評すると、グラフィック、シナリオ、声優の上手さ、主題歌、総じてクオリティが高いが、余りにも酷いのがプレイ環境とシステムまわり。なんとこのゲーム、ADVの癖になぜかRPGツクールVXace








なので致命的にADVが遊びにくい







クイックセーブなしクイックロードなし、既読スキップなし、その他ないない尽くし。






特に面倒なのは、選択肢に最初から選択カーソルが入力されてしまっているので、ページ送りの最中、唐突に表示された選択肢をうっかりクリックしてしまう、という事故が発生してしまうこと。これは本当に面倒臭かった







▼シナリオも登場人物が少ない割に、宮里や野本の扱いが随分雑だったね。




宮里は主人公に片思いしてる設定がなんら意味を成さないし、活躍の場のない空気キャラ。多分余りにも使えない子だから田舎に左遷されたという設定があるんだろうけど、それも言及なし



野本はみのりに新しい父親が出来ても思い出される事すら無いし、死んだ後はまるでいなかったかのような扱い。ヒロインの実の父親なのに





田舎町が舞台になっているが、グラフィック枚数が少なすぎるためか、行動範囲が狭すぎるためか、町が死んでいるという感じが否めない。


普通こういう題材だと夏の田舎っぽい場所が舞台になるんだけど、ほぼ川と道しかない。



舞台に魅力が全然なかったなあ。別に田舎町じゃなくても成立する話だし











▼そんなマイナスファクターこそあれ、クオリティの高いゲームでした。

開発のしっぽロボはこれがデビュー作なんだろうか?新作でも年の差を題材にしたゲームを作って欲しいね





評価B
75点









▼しかし、「俺たちのギャルゲ」の最年少ヒロインは13才だったけど、それを大幅に超える10才というヒロインは、ゲーム史上でも最年少じゃないだろうか(勿論、ちゃんとした恋愛シナリオゲームの話ですよ。ヒロインが幼稚園児のゲーム、とかじゃなくて)。







主人公、開き直ってるけど、結局ただのロリコンだからね







しっぽロボには、次は8歳ヒロインに挑戦して欲しいね。





LOのこだわりは8歳らしいし、二桁は寧ろ邪道だろう



2017年10月18日

【今のゲーム業界とゲーム開発費について思う事】ゲーム開発費の平均は10億円〜20億円らしいけど

1.jpg
3.jpg





フリーゲームレビューブログの、偶のコンシューマーゲームの話題





家庭用ゲームは余りプレイしなくなったし、本文中に結論がないので、まあ酒の席の終盤くらいのテンションで、だらだら喋ります









いやあ、ゲーム開発費って凄いですね。



もう1本売れないだけで即倒産に繋がるから、メーカーもそりゃ必死になるよね、売るために。




好きだったソフトハウスも、もう何十社も倒産してるね。トンキンハウスのような事業撤退も含めると、もっとある





その昔、ファミ通で鈴木みそが連載していたおとなのしくみで、「昔(ファミコン時代を指す)のゲーム開発は掘っ立て小屋。今(PS全盛期を指す)のゲーム開発はガンガンビルが建つ」というネタがあったり、開発マシン1台で100万なんて話もあったり、ゲーム開発費はやはりあのころから高騰したんだろうけど、当時は市場規模が大幅に拡大してたから、違和感は全然なくて、寧ろゲームファンとして、誇らしいくらいに思ってたね。



ゲーム業界、ゲーム産業ってすごいんだ、って。




何せ、みんなゲームをやってる時代だからね。



2000年代の話になるが、電車や待合所で、みんなDSやってたでしょ?でも、今はみんなスマホだからね(スマホゲームをやってる場合もあるが、古参ゲーマーには嫌われてるので、90年代にあったような「ゲーム」ではないとここでは定義します)









遡って90年代。


ゲームバブルでそれはもう凄い時代だったよね、90年代は。きっと物凄いお金が動いてたんだろうな。



ゲーム黄金期にしてサブカル黄金期。アニメ、漫画、音楽も凄い。


アニメはゴールデンタイムに数多くの作品が放送され、ちびまる子ちゃん、サザエさん、ドラゴンボールはすさまじい視聴率を叩き出していた。(全部フジテレビだ、今ではありえない勢い)


朝や深夜にやっていたアニメでさえ、今のほぼなくなったゴールデンタイムアニメ以上の視聴率を取っていた




ジャンプの発行部数は過去最高の653万部で、もうこの記録は未来永劫破れないだろう。


CDもミリオンヒットなんて珍しくもなんともない時代。勿論握手券なんてついてない。




でも現在はもう何もかも物が売れない時代。御多聞にもれずゲームも売れない時代で、販売本数なんて減る一方だから、膨れ上がった開発費を回収するのは、DLCなどを乱発しないと不可能なんだろうね。





結果それが作品のクオリティダウンになってる。


本編が明らかに未完成版で、DLCを全部買って、やっと1本のゲームだったりね






名作であるグランディアの開発期間と開発費は4年と7億円だとゲーム批評に載ってたんだけど(ソースは記事の最後に掲載)、開発期間はともかく、この7億円という当時は驚いた開発費も、いまじゃ平均以下で、ひどく安上がりなゲームなんだろう




でも、今の水準で見てもグランディア以上のゲームなんて殆ど無いし、じゃあ開発費ってなんだろうって思ってしまうね(余談だが、グランディアが対抗心を燃やしていたFF7は、開発費150億円近いそうな。研究費込みだろうけど)





http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7978/ps.html
もちろん、クソゲーのTHE UNSOLVEDのようなつまらなくても金がかかったゲームもあったけどね








史上最大の開発費70億円を掲げた(実際の開発費は50億円程度という説あり。当社歴代作品比と書かれてるが、実際に世界一だろう)シェンムー 一章横須賀はそれはもう豪華絢爛で素晴らしい名作だったから、お金や時間を掛ける事は否定しないけど、現在の無駄に開発期間と開発費を掛けているゲームは、正しい形で開発費と開発時間を、労働生産性、開発力、ゲーム完成度に反映できてるのかな?と疑問。





FF15なんて開発10年掛けても、悲惨なデキだったからね




日本の労働生産性の落ちてることと、開発費高騰は、密接にリンクしてるんじゃないかなー







【グランディアに関するソース、本文抜粋。当時でさえこう言われていた。じゃあ今は…】


制作期間4年と7億円の費用をかけて作り込んだゲーム アーツの新作RPG。随所に職人芸らしいこだわりの思想が見える。


〜〜


FFVIIの向こうを張ったこだわりのRPG




 表現力が増したハードで制作者の想像力は何を生み出せるのか。ことRPGの分野に限れば「映画とゲームの融合」という命題が数年来唱え続けられている。その最右翼がFFを筆頭としたスクウェアRPG群であり、今やRPGは表現力で勝負する時代と言われるまでになった。その結果制作費が高騰し、多くのメーカーにとって挑戦しにくいジャンルになっていることも確かだ。ポケモンのヒットによってシステム重視のRPGが再評価されていることも、この流れと無関係とは言えないだろう。こうした背景の中で、「グランディア」は、大作指向というFFと同じ土俵に上がりながら、まったく異なる手法を用いて一つの回答を示した作品だといえる。


〜〜

ゲームの出来と共に、インタラクティブメディアにおける物語の力を、改めて感じさせる作品と言える。制作元のゲーム アーツは、完成までに4年の歳月と7億円の費用をかけたと言われており、随所にこだわりが光る良作となった。他メディアを通しても「元気の良い男の子の物語」として久々の快作であり、時代に媚びず、自らの目指す物を誠実に作り込んでいくことが、結果として良作を生むことを、改めて示したようにも感じる。










2017年10月17日

メモリーズオフ Innocent Fille発売決定と、倒産したKIDのホームページ跡地を見たら、ワイシャツ屋になってた件

出ますねメモオフ8。シリーズ最終作とかいう触れ込み。


売上が激減しているので、最後でもしかたないんでしょう


そもそも8は数年前に発表する予定だった。随分伸びたね







月刊先生こと日暮茶房がメインライターってことに、一抹の不安を覚えます



名作のメモオフ2でも、この人の書いた鷹乃シナリオだけは著しくクオリティが低く、HPでスランプだったとか言い訳までしてたからね。技術、センスがないことよりも、プロ意識がないことも問題




メインライターをやったメモオフ6は更に酷い物で、駄文水増しライターという





キミキスのラノベ版も納得いくものを書きたいと延期までした割に、内容はお粗末でした




そんな人間が書くことにだけは正直不安しかありません。私も、もうすっかりギャルゲーはやらなくなったので、知らない内に技量を上げていることに期待します









そして驚くべきことに、ギャルゲーでは大変珍しい、中国語版同時開発



メモリーズオフシリーズが日本のゲームにも関わらず日本ではすっかり寂れてしまい、何故か台湾で秋之回憶というタイトルで大ヒットしているというのは知ってた





織姫の声優が台湾でイベントやってたりね





嬉しいような悲しいような…






検索しても予測検索で勝手に「秋之回憶」と出てしまう。「メモリーズオフ」は出ないのに…





なのでメモリーズオフ7のxbox360版の売上が7500本と振るわなかったにも関わらず8が出せるのは、台湾勢のお陰なのかな


ジレンマやね







このシリーズのサブタイトルは日本語の、妙に詩的なワードが多いけど、フランス語が混じってるのは初。中国語じゃなくてよかった



メインヒロインのノエルがフランスハーフだからかな。




ヒロインが前作(外伝ファンディスク)のキャラってのも、シリーズ初ですね


りかりんは想君に名前だけ出ていたし、鈴もシンには姉がいるって設定だけあってけど、ここまで直接的に出てきたことはなかった




6以降、ヒロインに外国人がいるのがお約束になりましたね


7のリサに至ってはハーフやクォーターではない生粋のアメリカ人だし。今回もお国柄ネタがあることを期待





正直私はメモオフ7が大好きで、懐古にも関わらず、これは名作の2ndを超えたか!?とまで思ってたので、この世界観の続編はもう要らないとまで思ってたんだけど、出るならいずれやるでしょうね



ときメモも2で飽きて、唯一、ファンディスクを除く全作をプレイしているギャルゲーなんで、期待。


こうなったらもうメモオフの最期まで付き合おうと思う



多分〜これが〜最期のデート〜♪


あなたにー会うときはー♪


いつもそう思うようにしてるの〜…♪


もしあなたがいなくなあったーらー〜♪


想い出すことを想い出してね〜〜♪





……


………











さて、一頻熱唱したところで、話を再開します





KIDには名作もクソゲーも大量にあるけど、5pb.が移植だけじゃなく続編も出したのはこれとインフィニティシリーズくらいかな





そんな思い出がイッパイあるKIDのホームページ跡地を久々に見たら、おかしなページになってた。



まずメインページだったメーカーサイトのURL跡地は山喜というワイシャツメーカーになってる。

【悲報】KID、ワイシャツ屋になる
http://www.kid-game.jp/



商品サイトは、変なゲームサイトになってる(商品ページは全部改装中として何故か残っている)
http://www.kid-game.co.jp/






久々にネットアーカイブで昔のゲームを見ていたら面白い


夢のつばさは、成瀬ちさとの絵だけなら今でもバツグンにキレイ。ゲーム中の絵は別人だったけどね。

そしてホームページ全盛期って感じで、ユーザー交流コンテンツがやたら多い


かなり細かく更新してる





ゲーム業界用語辞典、ゲームチラシコレクションは跡地がヨーグルトになってました(笑)
gamedicってのがまんまゲームチラシ、だったんだけどなー


その前はデアイ系に使われてた模様。たまにこうやってHP跡地を見るのも面白いですね








メモリーズオフ2ndは、かつて10年落ちなんて皮肉られてたけど、もう10年どころじゃない。





埃を被ったのではなく、殿堂入りということにしましょう。




殿堂入りなら埃も被らないし
1.jpg






最新記事
最新コメント
おすすめ名作フリーゲーム
  1. 1. 死月妖花〜四月八日〜 レビュー感想 守りたい、この世界
  2. 2. 夜底奇劇・星空物語 プレイ日記2(クリアまで)と総評 夜明け
  3. 3. 夏ゆめ彼方 レビュー感想 将棋を通じて少年の人生を描く一大叙情詩。傑作!(ネタバレ)
  4. 4. ほろびのゆりかご レビュー感想 ラストシーンで判明する真相は、最早SFファンタジーのスケールを超えた(ネタバレ)
  5. 5. 鼓草 レビュー感想 極限の花婿たち
  6. 6. 色は黒に包まれて レビュー感想 深い光に包まれて
  7. 7. 怨溺 ―ONDEKI― レビュー感想 世界は救われる、彼女を失えば
  8. 8. 籠の街 レビュー感想 少年の爽やかな成長物語と思いきや、まさかの欝ゲー展開に…
  9. 9. かわいいは壊せる レビュー感想 七つの愛憎
  10. 10. 決戦前のヒトリ 〜主人公以外全員『カップル』がいるアドベンチャー〜 レビュー感想 うげっ、なんでそこまで分かるんじゃ!!?ロリコンは皆こうなのか……?
  11. 11. 電波障害ノベルADV AlexiA〜アレクシア〜 レビュー感想 もう、勇者しない。
  12. 12. Human killing レビュー感想 東出大好き