2018年06月28日
mi・mi レビュー感想 これもう完全に恋人だろ
三十路の変態魔法使いざらめが、女子小学生みふねを監禁する同棲ノベル
前作miを未プレイでもストーリーは分かるが、プレイしていたほうが理解は深まります。
▼前作に比べると、雰囲気が結構違うね。
みふねもざらめにデレるようになったし、ラブコメっぽい。
それに、前作は明らかに男性ユーザーをターゲットにしていたが、女性向けっぽくなった。
まあ客観的にカテゴライズすると、主人公が少女で攻略対象がイケメンの、乙女ゲームだからね
▼ネット界隈のノリっぽい特有のギャグが相変わらずで、笑っちゃった
皆がお世話になってる「例のプール」が唐突に登場したり、じわじわくるネタが多い
(ちょっと狭い(笑))
▼miに比べるとみふねにセクハラ、いたずらするような要素がかなり薄くなり(クリックで体を触るエロイベントも無し)、前作の伏線を消化する、ストーリー要素の高いノベルになってて少し驚いた
エロが控えめになった分グロが割り増しで、四肢切断達磨、ヒロイン孕ませ、姉妹レズによる猟奇殺人、なんでもあり。
生理や愛液(フリゲで愛液ネタなんて初めて見たな。しかも女子小学生で…)、ざらめの大好物である脇おにぎりも最後の最後にある
同じものを作ってもマンネリなので、いい変化じゃないかと
フィット感抜群で付けていることを忘れる軽さ&心地よさ【SPIBELT スパイベルト】
以下、ストーリーレビュー(ネタバレ)
▼ざらめの狙いがみふねの保護であるとは思っていたけど、みふねが既に叔母に殺されている蘇生された死体ってのは、読めなかった
前作のレビューを読み返したら、魔法使いがヒロインを何度も蘇生できる設定は地味に新しいなんてズバリ核心に迫ってるのに、みふねが既に死んでいたなんて思いもしなかったね。
何せ、みふねがざらめに殺されるシーンが作中にあるから、「既に1度死んでいる」なんて思いもしなかった
初死(?)だとばかりね
評価C
65点
ストーリー性とギャグと微エログロの両立が見事でした
これで完結かと思いきや、よりエログロを増した3も製作するということで、密かに楽しみです。
LikeRoute:浅草 レビュー感想 未完成の完成版
▼2015年のブラゲー、LikeRouteのリメイク版。テキストや表示なども地味に修正されている。
ご当地ゲームをプレイするのは、Island Girls以来かな
▼主人公の青年東木と、ヒロイン恵実が、浅草寺を取材するADV+SLG
北へ。と風雨来記に触発され作られたゲームだが、テイストは風雨来記に近いかな。
実写背景をクリックして移動し、風雨来記同様、行き先のルート分岐もある。
▼お寺に関するトリビアなんかもあって、会話シーンは面白い
(北へ。はヒロインがガイドさんだったが、本作は主人公がガイドさん)
▼でも前記の2作と違いギャルゲー要素はほぼなく、ガイド9割、ギャルゲー1割くらい。
ストーリー性も殆ど無いガイドソフトなので、恵実もヒロインというより、イメージキャラクターといった感じかな。折角可愛いんだけどね。
突然方言を喋ったり、兄がいるという設定があったり、何か背景がありそうなことだけはにおわせるが、これも言及がないまま終わってしまう
▼そしてこのゲームもタイトルに浅草と加えながらも、浅草の名所は全く出てこない。浅草寺のみで終わってしまう…
移動アイコンがカメラのフォーカスになっており、イメージイラスト(恵実も年齢より若く見える設定だが、主人公も高校生みたいやな)でもカメラを構えているが、撮影要素もなし…
撮影は話にだけ出るが、そこまでストーリーが進まない
これなら、東京観光シーンのあったサクラ大戦のほうが、まだバーチャル観光ゲームっぽいかもしれない(あれは実写でもなければ、太正時代という架空の大正が舞台だが)。
▼本作は合同会社DESVIOが資金援助を募って開発したゲームらしいが(大口のパトロンに、懐かしの佐藤両々がいて吃驚)、残念ながら苦戦を強いられているようだ
浅草が舞台ならば、もっと理想の形があったのでは…と思ったが、そこが影響していそうに思う
数年前に立ち上げた2である『谷中ぎんざ編』も開発難航中らしく、HPも404になっているが…
無事完成するといいね
東京の人気ホテル・旅館が最大50%OFF
評価C
60点
何気に立ち絵差分の多さや、綺麗な音楽もクオリティが高いです。
多分、理想の形には持っていけなかった作品でしょうけど、掌編ADVとしては良いデキなので、実写ゲー好きにはおすすめです。
2018年06月27日
紅華 レビュー感想 きおくのかけら
▼始まり方といい、文体といい、長台詞といい、会話劇といい、異空間といい、原作やアニメの物語シリーズを意識しまくってるんだが(主人公の一番好きな小説が物語シリーズという設定もある)、よくもまあ、ティラノの限られた機能の中でここまで物語シリーズっぽさを表現したなぁ…と吃驚(冒頭の元ネタは傷物語かな)
▼それとは別に、絵も上手いし、動かないゲームとは一線を画す、ビジュアル面の強さは相当(このゲームにアニメーションがあるって意味ではないです)
ただ単に画像とテキストを表示するだけじゃなくて、魅せ方って大事だなぁと改めて思った
ヒロインも可愛いです(おっぱいも大きいしな)
▼ストーリーは、人間強度が下がるから友達を作らない健太と、鬼の少女紅華が、学校の屋上という限られた空間で、思春期特有の哲学や暗い過去、ストーリーの謎にまつわることを考えるというセカイ系のテンプレだが、演出がいいから最後まで飽きないね
「死んでもいいわ」のシーンには一番引き込まれた
評価C+
65点
面白かったです。旧Tacticsや、Keyが好きな人は、ハマルかも。
音楽も結構好きなんですが、聴いた事がない素材だと思えば、これも作者の自作だという…
▼それとは別に、絵も上手いし、動かないゲームとは一線を画す、ビジュアル面の強さは相当(このゲームにアニメーションがあるって意味ではないです)
ただ単に画像とテキストを表示するだけじゃなくて、魅せ方って大事だなぁと改めて思った
ヒロインも可愛いです(おっぱいも大きいしな)
▼ストーリーは、人間強度が下がるから友達を作らない健太と、鬼の少女紅華が、学校の屋上という限られた空間で、思春期特有の哲学や暗い過去、ストーリーの謎にまつわることを考えるというセカイ系のテンプレだが、演出がいいから最後まで飽きないね
「死んでもいいわ」のシーンには一番引き込まれた
評価C+
65点
面白かったです。旧Tacticsや、Keyが好きな人は、ハマルかも。
音楽も結構好きなんですが、聴いた事がない素材だと思えば、これも作者の自作だという…
2018年06月25日
アルネの事件簿Case.1 解決編 Teil3 レビュー感想 ジャージ姫の逆襲
(このリン、強そう)
▼アルネの事件簿1-3、攻略しました
かなりヒットしたゲームなので有名でしょうけれど、知らない方へ簡単に説明すると、ゲームマガジンというゲームサイトにて配信されている、プレイヤー参加型の推理ADVで(クロス探偵物語を思い出すね)、アルネの事件簿Case.1 問題編 Teil1(アルネ1-1)、アルネの事件簿Case.1 問題編 Teil2(アルネ1-2)という2つのゲームの続編
Case.1のラインヴァイス家殺人事件を3本に分けて配信しており、そのアルネ1-3が本作
貴族の少女リンと吸血鬼探偵アルネ、鏡の中に生きるオオカミ少年ジシェが父を殺した犯人を暴き出す、「本格ミステリ」(といいながらもチート能力使いまくり)
吸血鬼探偵といえば最近では「紅く追憶の水葬」が厨二病系ラノベミステリだったのに対し、本作は少年漫画ミステリなので、方向性はまた違う
フリゲという建前でも企業ゲームなので、開発費も結構掛かっているんじゃないかと
それだけに通常より頭1個分抜きん出た、質の高いゲームシリーズで、スピード感のあるOPムービーや、ツクールの機能をフル活用したグラフィカルな演出、見た目の可愛さに反面するかのようなシビアなストーリーなど、面白いゲームなのでオススメ
▼それでは、本作はネタバレ防止のため、これまでケイスケホンダくらいあえてね、レビューしていなかったのですが、いよいよCase.1完結ということで、以下は犯人から考察、case.2への予想にいたるまで、ネタバレなので、ご注意を。
▼1-2のラスト、犯人に半殺しにされ、自らも吸血鬼となることでなんとか生き永らえたリン…
地獄でのマッマとの再会が泣けるね。
リンの謎と密接に絡んだ、露骨な伏線だから、マッマは2以降にも出てくるでしょう
そんなリンの正体は…吸血鬼と人間の混血児か、ヴァンパイアハンタ―の血族かなあ。
2以降新しい設定が出てこない限り、今のところ、余り考察の材料もないね
▼推理モノのお約束、登場人物を一堂に会しての推理ショー
リンはわしが育てたと星野仙一みたいなことを言う師匠
まあ数日前に会ったばかりなんだけどね。
EDで言われてるように、そのたった数日で随分成長したから、間違いでもない。
リンは吸血鬼に妄信してないし、案外賢いのもいい主人公だった
▼このゲーム、アルネの事件簿というタイトルでありながら主人公はリンっぽいんだけど、推理ショーがダブル主人公の推理対決という形で行われたのは面白かった。
これまでの話を論理的に整理出来るし、逆転裁判っぽいビジュアルは臨場感もある
でもリンは殆どアルネに丸投げで、疑似的な推理対決とはいえ。まるで勝負にならない。
多分2以降…
というかアルネの事件簿の最終目的は、リンがアルネを探偵としても人間(吸血鬼だが)としても超える事
アルネ最終章はガチの主人公対決って気がするよ
▼犯人は吸血鬼だったゴードン。
リンに最も近しい人物で、この屋敷の良心(というより他の連中が畜生過ぎ)ということで、犯人ならば一番盛り上がるキャラという方向性で選んだが、正直動機などは推理できなかった。
だが動機は至極自分勝手なモノで、唯一の良心が、まさかの一番の畜生だとは…
▼ナハツェーラーとのバトル。噛ませ犬過ぎてアルネの相手にもならず
主人公その2は、明らかに最強キャラとして描かれてるね。
本作は推理ゲーなんだけど、推理以外にも、バトルとか、プレイヤーを飽きさせない展開があるのが実に面白い。
西尾維新の物語シリーズを思い出す
▼屋敷も大火事になり、貴族としての家も完全解体するが、ディアナ、いくらなんでもクズすぎだろと(笑)
ディアナさん…
あなたがリンも父親が死んで喜んでいると笑っていたこと、私、忘れてませんよ(威圧)
リンも建て前として最後にみんなを呼び戻すといってるけど、そういう展開は無さそうだなあと、ゴードンが謎の新キャラに「あのゴミ」「知らない」扱いされ、あっさり殺されるのを見ても思った
殺したのは、OPのシルエットキャラの、
(センターの腰のあたりは、長髪?飾り?)
左で間違いなさそう。
ポジション的に、このセンターがラスボスかな。アルネにとってのラスボスといえばヴァンパイアハンターだが、神官っぽい衣装で、十字架のイヤリング(アルネは逆十字)をしているから、可能性はありそう。
本作のテーマが「親子」であることから、「最強の人間」の子供(子孫)とかね
そんな親……自称祖父代わりのゴードン、一応重要キャラっぽい扱いだったから、こうもあっさり切り捨てられるとは…
もっと、泣きながら父やリンを殺したというように、良心の呵責が描かれると思ったんだが、描写としては完全に人間の心が無い、悪だよね
ゴードンの思考回路や価値観は、乗っ取られた時のアルネと同じで、結局人間を吸血鬼以下としか見てなくて、家の人間に対する愛情は欠片もなかったね。
そう考えると、屋敷から脱出する時にも少し言われていたが、アルネって、実は人間的で優しい吸血鬼だ。
ただ本人(本吸血鬼?)がそうだと気づいてないだけでね
▼ジシェは黒幕のような扱いだね。
というわけで、case.2への高い期待が持てる、いいエンディングだ
評価B+
75点
最初の解決編に恥じない、充実したゲームでした。
数々の謎や伏線を残したままなので、続編の配信が待たれるね。
case.2ではダブル主人公が旅をする話になるのかなぁ…
それとも探偵事務所に奇妙な依頼が舞い込んで、のパターンかな
今作は容疑者が畜生揃いだったので、2では、ぐう聖だらけで、この中の誰かが犯人だなんて疑いたくない。事件を解決しても残ったのはただ悲壮感だけ。犯人も実は被害者だった…という泣ける路線でやって欲しいな。
2018年06月24日
KOBAMI レビュー感想 実績解除ゲームに、乙女ゲーとストーリー性をプラスした意欲作
ポップなボーカル曲が流れるタイトル画面。可愛い雰囲気でスタート
本格王道オンラインRPG「Tree of Savior」
▼まずジャンルが、実績解除ゲーでありながら乙女ゲーというのが、斬新じゃないでしょうか。絵も綺麗です。
ストーカーの先輩から逃げるために実績解除するだけのゲームと思いきや、他のイケメン(や女性キャラ)も登場し、攻略可能(同梱テキストにも記載されてるように、ガッツリ恋愛ではない)
1周2分で終わるので、日本一短い乙女ゲーかも
▼プレイヤーはMAPを右往左往しながら、実績解除していく
こういうゲームは引き継ぎ要素なしということが多いが、本作は特定のアイテムをニューゲームで引き継ぎ、ゲームを進めていく
以下、世界観について少しネタバレ
▼だが前回プレイとは違う会話が発生し、何故か自分だけはそのことを忘れている
仲良くなった友達に他人行儀な態度を取ってしまい、困惑される主人公
この不穏な空気が漂い始めてから、おや?と、どうやらゲームにまだ仕掛けがあると気づくんだけど、AVGの皮をかぶった実績解除ゲーとあるので油断していたが、まさかもう一枚皮をかぶっていたとはね
主人公にも(プレイヤーの知らない)隠し事があったり、黒幕っぽいキャラが出てきたり、露骨に裏をにおわせる
「だいたい60秒で生死が決まるアドベンチャー『MT』」のように、こういうゲームはストーリー性のないギャグであることが多いし、ノーマルな主人公が変態から逃げるゲームと思いきや、まさか変態がヒーローで、主人公のほうが問題をかかえているとは、想定外でしたね
本格王道オンラインRPG「Tree of Savior」
評価C
60点
ギャグも結構ウケました。
真ENDがある模様なので、完全攻略目指してプレイします。
2018年06月22日
タッタラドッタラTVショー レビュー感想 まさにショー
サイコクズノベル
何者かに拉致された主人公・ロキは、カラフルで不気味な施設で目を覚まし、タッタラと名乗るマスコットから「罪人として自分の番組に出てほしい」と頼まれる。同じ境遇の男女らとどうせドッキリだと楽観していたが、タッタラは「視聴者からの人気投票で人気のない者から処刑し、罪人が最後の一人になるまでゲームをする」と宣言したのだった……
説明文で、自分からカラフルなんて言っちゃうのが面白いな、見た目の印象がまんまダンガンロンパ、キミガシネ、ペルソナシリーズだな、というのが第一印象だったが…
まさかこの第一印象が、後々、重要な意味を持つとは…
本格王道オンラインRPG「Tree of Savior」
キミガシネと違い探索要素はなく、ジャンルはあくまでノベル
EDは3つあるけど、分岐が単純なのでコンプは簡単。
グラフィックのクオリティが非常に高く、しかも背景込みで、恐らくほぼ全て自作しているのが凄いね。
立ち絵も死ぬときはしっかり変わるし、相当枚数描いたのでは。
定番の、嘘つきは誰か?犯人、黒幕がメンバーに紛れているかもしれない…
罪人ばかりが集められたデスゲームだが、主人公は自分の罪に一切覚えがない…
果たして主人公の罪とはなんなのか…
という人狼系でストーリーは進む
普通このテのデスゲームゲームは一章、二章と分割するが、本作はこれだけで一応完結しているので、ストーリーは、やや長めかな
ムスカくらい人をゴミのように捨てていくグロイストーリーだったね…(しかも本当に死体をゴミ箱に捨てていく)
評価C
60点
サイコクズノベルというだけあって、キャラクターが基本屑ばかりで、ネット、同人のノリが強いので、この系統のゲームが好きな人におすすめです
製作に於ける都合上、アートワークや設定がキミガシネなどの作品を意識しているが、キャラクターが真人間ばかりで、誰を信じるかというテーマもあったキミガシネとは、実は真逆のゲームなんですよね…
そしてその都合とは…
以下、全貌ネタバレ注意
オチとしては、まさにタイトルや見た目からの直感に則した物となったのですかね。
タケノの扱いは普通なら禁じ手だが、フリゲなのでアリじゃないかと。
2018年06月20日
風見鶏は何を想うのか レビュー感想 王道青春劇場
何もない田舎の民宿へやってきた主人公
何をする訳でもなくうろつき、名物になっている自殺スポットへたどり着く。
これでようやくお前に会える…とかつての恋人との再会を口にする。
だが民宿で出会った、かつての恋人と名前の似た少女、智代と知り合って…
【カウンターストライクオンライン】
いやあ、ひと夏のせつない経験を題材にした、青年と少女が成長する、痛みと感動が入り混じった、良質のストーリーでした。
まるで短編青春映画のようだね。
本来なら定番の恋愛要素がなく、甘酸っぱいラブコメ展開がないのも、この題材ならアリだね。
智代が風見鶏に拘る理由に亮介の設定を絡ませて、風見鶏を直すために想い出のペンダントを使ったのが、最高に粋だった。そこからの展開もね。
ヒロインに見送られて新しい一歩を踏み出すラストシーンも感動的だ。
絵もかなり上手いので、もっとスチルが欲しかった。
(智代、いじめられてる設定だし、小柄だと思えば案外ガタイいいな)
基本プレイはずっと無料!大人気オンラインFPSカウンターストライクオンライン
評価C
65点
雨が上がっただけに、クリア後晴れやかな気持ちになれる良作でした。おすすめです。
閑話:
ところで亮介と智代って何歳でしょうね。智代は中学生とされているが、1年には見えないので、2年生っぽい。つまり14歳。
最初、亮介を「お兄さん」と呼んでるし年上なのは間違いないが、「亮介くん」と呼ぶので、せいぜい二十歳前後だろう
亮介もそれについてさんをつけろよデコ助野郎!と言わないので、くんづけでも違和感がない年齢差なんだろう
終盤では男として意識したのか、「亮介さん」。
とすると、大学生くらいかな…
残念。犯罪の匂いは、期待したほどでもないですね。
Doki Doki Literature Club!(ドキドキ文芸部) レビュー感想 メタゲー最高傑作
守りたい、この笑顔
あれゲボアアァァッッ!!
▼というわけで「Doki Doki Literature Club!」(以下「DDLC」)をクリアしました。
数カ月前にブレイクした、所謂ネットで話題系ゲームですね。
もう既に旧作で、多くの長文レビュー、考察、小ネタが寄せられているので、最初からネタバレ全開でいきます。
レビューというより、クリアしてのトーク
▼まずこのテの海外産ギャルゲー(殆どないジャンルだが)をプレイするのは「かたわ少女」以来だったんだけど、ギャルゲーを皮肉ってるだけに、ギャルゲーの皮を被った、アンチギャルゲーのホラーゲームなんだよね、実は
▼最初に13歳以上推奨という微妙な注意文が出てきて笑う。海外だと、13歳が一つのキリとされているんだろうか。日本だと15歳だからね
ゲームだから警告文を入れる必要性があるんだろうけど、最初からsteamじゃなければ、多分要らなかったんじゃないかな。それが実に惜しい。
数年前「がっこうぐらし!」という、どう見ても萌えだが実際にはサバイバルゾンビものという、面白い伏線、フェイクを入れた作品が流行ったけど、あれくらい徹底してフェイクを入れた方が、ホラーと判明した瞬間のインパクトがあった
最初にホラーと分かるテキストが出ちゃうから、もう全てのプレイヤーが身構えるからね
▼オチとしてはありがちなくらいに使い古されたメタフィクションで、ゲームの中に存在するヒロインが、ゲームプログラムや、ゲームの世界にいる主人公ではなく、現実世界に存在するプレイヤーに干渉していた…というオチなんだけど、このジャンルでは最高峰のギミックだった
(モニカだけなぜか名前が横文字なのだが、やはりモニターが元ネタなんだろうか。作中でも、ネーミングが駄洒落だという会話があるし)
海外ではこのテのゲームが少ないからヒットしただけとか、ニトロプラス系のパクリとか、「君と彼女と彼女の恋。」のパクリと言われるように(意外なことに海外でもそれで随分批判されたらしい)ありふれた設定ではあるけど、そんなことよりも、ここまでゲームギミックに富んだメタフィクションゲームが、未だ嘗て無かったことを評価するね。
勿論、ホラーとしてもしっかり怖い
▼最後にキャラクターデータファイルを削除しモニカを倒したり(?)、ファイルをいじる事によってゲーム内で反応があったり、非常に面白い仕掛けが多い
▼小ネタも大量にあり、ゲームを立ち上げたら警告文があwせdrftgyふじこになってたのは、ホラーなのに爆笑しちゃった
多分、英語版だと意味不明な文字列なんだろう。それをふじこで表現した翻訳者のセンスに脱帽だ(でもふじこネタは古すぎて、どれだけのプレイヤーに伝わったか…)。
▼ゲームのメタフィクションといえば、MOTHER2とかが有名だけど、システムにまで割り込んでくるといえば、メタルギアシリーズだろう
プレステ版はメモリーカードにときメモが入ってると、ときメモが好きなようだななんて言われたりね。
当時、友達の前でプレイして大恥かかされた中学生が、何人いたことやら
あの時代、ギャルゲーは爆発的にヒットしていたとはいえ、まだまだやってて恥ずかしいという風潮だったからね。友達に隠してる人、多かっただろうな
他にもコナミや小島監督のゲームデータがあると特殊な台詞が出たり、
(何と小島監督本人の音声まで出る)
音響が重要な場面でモノラルテレビでプレイしていると、「ぬっ、ひょっとしてスネーク、君はモノラルなのか?」なんてツッコまれたりね。今見ても凄い画期的な演出だ
GBAの「ZERO ONE SP」では、解除コードがカートリッジに書かれてるギミックがあったが、メタルギアのパクリというか、パロディだろうな
でも本作のメタネタは、PCゲームというアドバンテージをフル活用し、メタルギアを超えてしまった
▼ギャルゲーへの皮肉、当てつけも徹底してて面白かった
1周目のギャルゲーパートでは、もうありえないくらい主人公がモテモテのハーレム状態
出会う女子出会う女子、全員、なぜか最初から主人公が大好き。もう、媚びっ媚び。
萌えシチュエーションもギャルゲーとしてはベタだが、現実にはこんなのねーよ(笑)という展開なのが、後々読み返しても、実にシニカルだ。
だってそれが、現実にはありえないギャルゲー(アニメ、ラノベも)だからね
そして2周目から強烈なグロホラーでそれをひっくり返す…このギャップが見事だね。
でもユリがヤンデレというか最早ただのキチ〇イなだけで、他のヒロインは暴走もせず、案外マトモだったかな
ナツキに至っては世界の異変に気付いてたり、三次元側の台詞まであるし、被害者というポジション
もっと全員が発狂して、崩壊していく日常感があってもよかった
そして皮肉といいながらもグッドエンドでは、プレイヤーとキャラクターが良い関係になる、清涼感のある結末だった(でも作者のコメントが唐突に出てくるのは不要だっただろう)。
ゲームの中にも、プレイヤーとのつながりがちゃんとあったってことね
▼マイナスファクターを挙げると、これといって意味のない要素があることかな。
たとえば思わせぶりなヘルプ。
モニカに閉じ込められるシーンで、使えば何かあると思えば、普通にブラウザが立ち上がるだけなんだよね。これには拍子抜けした。
今更逃がさないわよと言われて何もできない…なんて演出があるといい感じに怖かったでしょ。
評価A+
80点
凄い良作でした、今後ゲームファンの間で語り草になるでしょう。
「DDLC」を超えるメタゲーギミックは、現時点では想像もつかないくらいです(何せ現代ゲームに密接な、配信ネタまであり、配信系ソフトを使うと怖い仕掛けがある)。
絵も日本向けで上手いし(立ち絵は癖があるが、スチルは可愛い)、ギャルゲー、ホラゲーまで洋ゲーに負けたら、本当に市場が食われ兼ねない、国産ゲーの立場がなくなるかも…と危惧するくらいのデキでしたね。
あれゲボアアァァッッ!!
▼というわけで「Doki Doki Literature Club!」(以下「DDLC」)をクリアしました。
数カ月前にブレイクした、所謂ネットで話題系ゲームですね。
もう既に旧作で、多くの長文レビュー、考察、小ネタが寄せられているので、最初からネタバレ全開でいきます。
レビューというより、クリアしてのトーク
▼まずこのテの海外産ギャルゲー(殆どないジャンルだが)をプレイするのは「かたわ少女」以来だったんだけど、ギャルゲーを皮肉ってるだけに、ギャルゲーの皮を被った、アンチギャルゲーのホラーゲームなんだよね、実は
▼最初に13歳以上推奨という微妙な注意文が出てきて笑う。海外だと、13歳が一つのキリとされているんだろうか。日本だと15歳だからね
ゲームだから警告文を入れる必要性があるんだろうけど、最初からsteamじゃなければ、多分要らなかったんじゃないかな。それが実に惜しい。
数年前「がっこうぐらし!」という、どう見ても萌えだが実際にはサバイバルゾンビものという、面白い伏線、フェイクを入れた作品が流行ったけど、あれくらい徹底してフェイクを入れた方が、ホラーと判明した瞬間のインパクトがあった
最初にホラーと分かるテキストが出ちゃうから、もう全てのプレイヤーが身構えるからね
▼オチとしてはありがちなくらいに使い古されたメタフィクションで、ゲームの中に存在するヒロインが、ゲームプログラムや、ゲームの世界にいる主人公ではなく、現実世界に存在するプレイヤーに干渉していた…というオチなんだけど、このジャンルでは最高峰のギミックだった
(モニカだけなぜか名前が横文字なのだが、やはりモニターが元ネタなんだろうか。作中でも、ネーミングが駄洒落だという会話があるし)
海外ではこのテのゲームが少ないからヒットしただけとか、ニトロプラス系のパクリとか、「君と彼女と彼女の恋。」のパクリと言われるように(意外なことに海外でもそれで随分批判されたらしい)ありふれた設定ではあるけど、そんなことよりも、ここまでゲームギミックに富んだメタフィクションゲームが、未だ嘗て無かったことを評価するね。
勿論、ホラーとしてもしっかり怖い
▼最後にキャラクターデータファイルを削除しモニカを倒したり(?)、ファイルをいじる事によってゲーム内で反応があったり、非常に面白い仕掛けが多い
▼小ネタも大量にあり、ゲームを立ち上げたら警告文があwせdrftgyふじこになってたのは、ホラーなのに爆笑しちゃった
多分、英語版だと意味不明な文字列なんだろう。それをふじこで表現した翻訳者のセンスに脱帽だ(でもふじこネタは古すぎて、どれだけのプレイヤーに伝わったか…)。
▼ゲームのメタフィクションといえば、MOTHER2とかが有名だけど、システムにまで割り込んでくるといえば、メタルギアシリーズだろう
プレステ版はメモリーカードにときメモが入ってると、ときメモが好きなようだななんて言われたりね。
当時、友達の前でプレイして大恥かかされた中学生が、何人いたことやら
あの時代、ギャルゲーは爆発的にヒットしていたとはいえ、まだまだやってて恥ずかしいという風潮だったからね。友達に隠してる人、多かっただろうな
他にもコナミや小島監督のゲームデータがあると特殊な台詞が出たり、
(何と小島監督本人の音声まで出る)
音響が重要な場面でモノラルテレビでプレイしていると、「ぬっ、ひょっとしてスネーク、君はモノラルなのか?」なんてツッコまれたりね。今見ても凄い画期的な演出だ
GBAの「ZERO ONE SP」では、解除コードがカートリッジに書かれてるギミックがあったが、メタルギアのパクリというか、パロディだろうな
でも本作のメタネタは、PCゲームというアドバンテージをフル活用し、メタルギアを超えてしまった
▼ギャルゲーへの皮肉、当てつけも徹底してて面白かった
1周目のギャルゲーパートでは、もうありえないくらい主人公がモテモテのハーレム状態
出会う女子出会う女子、全員、なぜか最初から主人公が大好き。もう、媚びっ媚び。
萌えシチュエーションもギャルゲーとしてはベタだが、現実にはこんなのねーよ(笑)という展開なのが、後々読み返しても、実にシニカルだ。
だってそれが、現実にはありえないギャルゲー(アニメ、ラノベも)だからね
そして2周目から強烈なグロホラーでそれをひっくり返す…このギャップが見事だね。
でもユリがヤンデレというか最早ただのキチ〇イなだけで、他のヒロインは暴走もせず、案外マトモだったかな
ナツキに至っては世界の異変に気付いてたり、三次元側の台詞まであるし、被害者というポジション
もっと全員が発狂して、崩壊していく日常感があってもよかった
そして皮肉といいながらもグッドエンドでは、プレイヤーとキャラクターが良い関係になる、清涼感のある結末だった(でも作者のコメントが唐突に出てくるのは不要だっただろう)。
ゲームの中にも、プレイヤーとのつながりがちゃんとあったってことね
▼マイナスファクターを挙げると、これといって意味のない要素があることかな。
たとえば思わせぶりなヘルプ。
モニカに閉じ込められるシーンで、使えば何かあると思えば、普通にブラウザが立ち上がるだけなんだよね。これには拍子抜けした。
今更逃がさないわよと言われて何もできない…なんて演出があるといい感じに怖かったでしょ。
評価A+
80点
凄い良作でした、今後ゲームファンの間で語り草になるでしょう。
「DDLC」を超えるメタゲーギミックは、現時点では想像もつかないくらいです(何せ現代ゲームに密接な、配信ネタまであり、配信系ソフトを使うと怖い仕掛けがある)。
絵も日本向けで上手いし(立ち絵は癖があるが、スチルは可愛い)、ギャルゲー、ホラゲーまで洋ゲーに負けたら、本当に市場が食われ兼ねない、国産ゲーの立場がなくなるかも…と危惧するくらいのデキでしたね。
2018年06月16日
MINDCIRCUS レビュー感想 MajiでGero吐く5秒前
アル中寸前の落ちこぼれ医大生:院府は鬱々とした日々を送っていた。しかし、ひょんなことから海外旅行に当選する。
バカンスを満喫するもつかの間、謎の連続殺人事件に巻き込まれてしまう。
彼は事件を解決し島から脱出することができるのか?
▼ミステリー風味ADV風味ノベルゲームということで、実質探索ノベルゲー。ミステリ要素というか、推理要素は、実はほぼ無い
▼グラフィックが秀逸で、OPのタイトルロゴが出るシーンで、いきなり引き付けられた
アニメーションする部分もあって、かなり手が込んでる
▼ストーリーと設定は王道も王道で、ゲーム説明にも元ネタがあると書かれてるが、まあ誰がプレイしても〇〇に似てると思う内容かなあ…(電波テキストは、須田剛一っぽい)
リングシリーズよろしく、正直またこの設定か…と思ったが。
トゥルーエンドタイトルが「予定調和」だし、まあ意識したお約束ではあるのかもしれないけど、SFサイコミステリやファンタジーでは、もっともよくある結末の1つなので、キレのある電波テキストくらい、キレがあるオチだとよかったのだが
以下、黒幕や世界観設定についてネタバレ注意
▼舞台の島に集められたメンバーは、みな自殺未遂を犯した人間で、これまでの世界は更生プログラム中のお話
ルークやホテルの人間らが黒幕だが、あんなにフレンドリーに接してくれた人たちが、現実だと冷酷な人間(根は良い連中かもしれないが)なのが寂しかったな
▼でもそんなありがち設定ながらに、このゲーム何が凄いかって、描写に遠慮が無い。グロと電波の完成度が高い。
特にグロは、主人公が女の子が吐いたゲロを唇から直飲みするド変態だし、こりゃグロゲーというより、ゲロゲーだよね(ゲロインと呼ばれる女性キャラの嘔吐シーン数あれど、主人公がそのまま吐瀉物を飲み込むゲームは初めて見た)
女性キャラはメンヘラやビッチばかりだし、マトモな奴はほとんどいない。
こういうところもPC98っぽいかな。エルフとか菅野ひろゆきが流行ってた時代って、とにかく女性キャラの描写やストーリーに、遠慮がなかった
今のゲームやアニメは、女性キャラをプレイヤーの理想像として描くのが普通だからね
そして決まって危害を受けない安全地帯にいる。
彼氏がいたなんて設定はまずない。
特に、れあるのように正統派ヒロインとして登場するキャラでは、まずありえない
でもこのゲームの女性キャラは彼氏はいるわ援交はするわ博打はするわリスカするわヤクザに売られそうになるわで、「かんなぎ」も「下級生2」も裸足で逃げ出す非処女揃いなのが、リアルで、突き抜けてるんだよね。
これはフリゲならではだね。
商業作品だと、間違いなく炎上しちゃう…
絶対ディスク割られる(笑)
▼ヒロインがれあるではなく、しおんなのは予想外だった。プールでキャッキャウフフするあたりから、ヒロインが交代した感じ
EDで弁護士やカードゲームの話が出るくだりで、ニヤニヤしちゃったよ。それこそ、予定調和ではあるけどね
主人公……めっちゃ爽やかな笑顔やな。ゲロ飲んでたのに
▼ディティールにはもう少し拘って欲しかった。大学なのに「生徒」になってたり、描写が中学高校っぽいのが不自然ではあった
評価C+
60点
ストーリーというより文章やグラを楽しむゲーム。
王道ながらに挑戦的な一面があり、電波ゲー、グロゲーが好きな人にはおすすめです。
2018年06月14日
SECRET GARDEN(シークレット・ガーデン) レビュー感想 どしゃぶりでもかまわなーいとーずぶぬれでもかまわないーとー
▼両親に亡くした主人公は、高校にもいかず、絵を描いて過ごしていた。
いつも絵を描く東屋に、一言も喋らず、微動だにしない女性が現れて…
主人公はひっそりと隠れ、彼女の絵を描くのだった
第二新卒・若手に強い転職サイト
▼とこれだけだと何やらストーカーじみているが……
(ヒエッ…)
実際どうなの?というと、これがまた、
本当にストーカーじみているんですよ
流石の俺もこれは引くわ…
▼でもね…
ストーカーじみた導入部から清涼感のある展開になる、良質のストーリーなんですよ
▼設定は王道も王道で、「言の葉の庭」とかにそっくりなのだが、丁寧な心理描写や、謎の女性の正体は?
仲が深まって会話をするようになったのに、なぜ執拗に名前だけを隠すのか?
(手とペン描くの上手いな)
毎日話すようになったのに、突然消えたのは何故か?
というお題目で引っ張っていくのが、王道ながらに飽きさせないストーリ―
▼ヒロインは得体が知れない感じだったが、実像を知ると余りにも人間臭すぎて、寧ろ生々しいくらい。
ネットのエピソードが出てくるのも、リアル過ぎた(序盤からは想像できない世界観)
▼高い頭身に小さな目と、スケッチ風の絵は綺麗で、他のゲームにはないリアルな雰囲気がある(画風や東屋の男女というテーマで、籠の街を思い出すかも)
季節が変わると、衣装がちゃんと変わるのも良かった
ヒロインの冬服…ファーがでかすぎてモココみたいだが。
▼ただ、スタッフロール後のタイトル画面演出はいいのに、巨乳化した彼女との同棲(結婚?)は蛇足でしたね…
控えめな男女の関係を描いてたのに、いきなり大人の階段を登り恋仲になってて、驚いちゃったね。悪い意味で…
このふたり、絶対に性的なものを匂わせてはいけない関係だったでしょ。
私はこのゲームを人生に躓いた少年と女性が出会いを切っ掛けに立ち直るストーリーだと解釈していたのだが、どうやら作者的には恋愛ものやギャルゲーのように作っているのではという、温度差を感じた
主人公が彼女に気の利いた言葉を返してエンディング、でよかったでしょ
au/ビデオパス 映画やドラマ・アニメ動画が見放題
評価C
60点
製作1本目にもかかわらず、クオリティが高い一作でした。
面白かったです。
彼女の正体は…
そして彼女は何故突然失踪したのか…
その答えは、
みんなが確かめるんだZO!☆
Σm9(`ゝω・´)