SF、タイムリープによる歴史改変のゲームといえば「シュタインズゲート」などがありますが、自分の失敗を過去に戻って修正したところで、必ず歪みが出て、また別の障害が発生してしまう、というパターンがあります
そしてそれは、決まってかつての失敗よりも大きな禍となって、降り注ぐ
そんなSFストーリーを、タイムリープの能力を持つ主人公の視点で描いた一作
琴葉はタイムリープの能力を持つ、内気な女子大生
ある日、些細なきっかけで知り合った先輩と仲良くなるが、先輩の努力を台無しにする失敗をしてしまう
その失敗を修正するため、禁忌とされているタイムリープを使う
ところが歴史を修正した筈なのに、より大きな皺寄せが起こってしまった
琴葉は、修正できるまで何度もループするか、失敗した道を進む(修正しない)かの決断を迫られる…
ADVとしては多分バッドエンドはなく、いつかは必ず攻略できるゲームだが、どのようなルートで結末を迎えるかはプレイヤー次第
タイムリープものとしてはかなりシンプルでSF要素についての言及も殆どないが、女性の成長ストーリーとしてはとてもよかった
タイムリープという概念を通じて琴葉があるものを得るエンディングは、なんともハートウォーミングだ
タイトルの「笑わない鬼」の回収も実に綺麗
琴葉はもう、2度とタイムリープを使わない気がするね…
文章とプレイングも、テンポがよかった。
実は旧作の「合わせ鏡にキミはいない」「この先、行き止まり。」は積みゲーなので、初めて作者のゲームをクリアしましたね…
評価C
65点
立ち絵差分も何気に多い。
SFや女性の成長テーマが好きな人は、やってみては。
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