▼徒花の館・地獄篇
漫画でよくあるデスゲームを題材にした徒花の館シリーズ、4作目
まあ仕方ないっちゃ仕方ないんだが、4作も続いて、しかもそれを同じ人間が作るとなるとね、もう完全にマンネリなんですよ。
同じような話やトリックの連続で、飽きてくる
なんて事は全くなく、間違いなく、怒涛のシリーズ最高傑作でした
こりゃすげえ
mineo Aプラン デュアルタイプ 1GB
▼まず設定が面白い。
主人公は初代徒花の館で敵だった少年、陸。そしてその仲間たち。
それに敵対するのは、徒花の館・蒼で主人公の殺しのターゲット、つまり敵であった桃太郎一味
つまり本作はシリーズの敵vs敵という、斬新な構図
そしてレギュラーキャラだった音霧紅刃らも勿論登場する
▼方向性が変わり、これまではデスゲームにシナリオ要素が少し入っただけだったが、今作は寧ろシナリオがメインで、デスゲームは副次的な物といえるだろう
選択肢が強制で進むポイントもあれば、スキルと呼ばれる能力がBLEACH並のご都合主義のため、余り考える要素はない(ただし1stステージの攻略は結構難しい。ラスボスも一回ではまず勝てない)
1stステージ、2ndステージ、そして準決勝、決勝と、物語は進んでいく…
細かいどんでん返しの繰り返しで、最後まで目が離せないストーリー展開。
そしてラストに待っていたのは、デスゲームとしては更にスケールが大きい展開だった…
▼ネタバレ感想
まー目まぐるしく裏切ってくれるストーリー展開が面白いのなんの。
桃太郎を裏切る金太郎、金太郎を裏切る桃太郎は、クズとして生きていく道を選ぶ。
仲間の猿雉たちも、唯一信じられる大人に影響され、変わっていく。
これまでの彼らが正当化されるわけではないが、クズにはクズなりの葛藤があったんだなって思ってしまうね。
続編での悪役の救済、更生とは、ゲーム性こそ全く違うが、マキシマムデイズ2.5を思い出したよ。
▼このゲームの絵って、毎回素材だと思うんだが、キャラクターの顔やポーズが同じであることを、ストーリー上で理由付けしたのは上手いと感心してしまった。陸が友達にそっくりなのは、真似をしてたからなんだね
(まあそれをいうなら、関係ない空もそっくりさんだが…)
▼特に音霧紅刃が執事の思念体、つまり偽物、コピーである展開には吃驚した。
いつもの執事である翠が居ない理由は、このゲームの設定がIFである所為か?と思っていたのだが、まさかこんなどんでん返しだったとはね
でも、だとすると陸が言っていた音霧紅刃評や、実は人を殺したことがないってのは、やっぱり違ったんだな。
まあ、こいつだけは、本物のぐう畜だわな。
紅刃さん…
私は、貴女が陸たちにしたこと、忘れていませんよ。
▼ラスボスが海、つまり主人公vsヒロインなんてのもアツイ展開だ。
ヒロインがラスボスのゲームといえば第四の天外や桜国ガイストなどがあるが、この設定も随分久々だった。
お互いを救うために戦うというのも、なんとも悲しい戦い。
▼そしてデスゲームの真の目的は、大悪魔の転生体である陸を、もう一度大悪魔として覚醒させること。
初代からは考えられないくらいの、出世じゃないか陸。
▼戦いの果てに、カイン率いる人類軍団と、大悪魔軍団の、世界をかけたデスゲームが幕を開ける…
(2度こっち見んな)
はぇ〜〜〜〜〜〜……
すっごいおっきい(スケール感)
5作目である煉獄篇〜七つの大罪〜が、シリーズ完結編なんだろうねえ。
音霧紅刃が殺したターゲットと組むなんてのも、非常に面白そうだ(本作の設定はパラレルワールドなんで、実際にはターゲットにはしていないが)。しかも対戦相手は執事だろうしね。
▼でも、スケールこそはアップしたが、完成度や人間賛歌的なストーリーはこの地獄篇が極まってたと思う。これまでの面白そうなネタも、全部使ってしまったしね。
煉獄篇がどんなゲームになるかはまだ不明だが、地獄篇の総合的なクオリティ、ボリューム、完成度が高すぎて、ユーザーはもうただのデスゲームじゃ満足しないだろうし、相当な良作が求められるだろうから、ハードルを上げすぎたのでは?というのも危惧してる。
mineo Aプラン デュアルタイプ 1GB
評価A
80点
これを超えるのは難しいというほどの、シリーズ最高傑作。
正直このシリーズのことをお手軽デスゲーム短編としか思ってなかったので、ドラマ性の高いストーリーには完全に想定外。
流行りに乗っかっただけのゲームが多い中で、本作は、濃密なストーリーとデスゲームの緊張感を見事に融合させた、デスゲーム系ゲームの、初めての完成形じゃないかと。
煉獄篇は、さてどうなるか…
これは楽しみですね…
【このカテゴリーの最新記事】
神曲的に。