田舎の夏を舞台にした、定番の恋愛ゲーム。作者によると何か仕掛けがあるらしい。
ネタバレ感想
幾らなんでもAIR、kanon、クラナドなどのいわゆる葉鍵系の鍵のほうに影響を受けすぎ。
実際にAIRのパロディもある
設定も似ているし、「ゴールする」などの台詞まで同じだ
影響を受けるというにはもうパクリといっていいレベルで酷い。
主人公の設定、まんまAIRの国崎往人のパクリだし
起きないから奇跡っていうんですよなどの名言も言い方変えただけでそのままパクってるし、勾玉ってまんまクラナドの光の玉だし、パクリ過ぎ
出会って早々ラブラブ
出会って早々セックス
あーはいはい、ないない。
最後、ヒロインがあっけなく死亡。
あんなに元気だったのに、突然死ぬという謎の奇病お涙頂戴
主人公とヒロインが幻想の世界に逝ってしまってさよならリアル、ってのもハッピーエンドとは到底いえないし、安っぽくって展開も弱い。
恋愛ゲームとはいえ、たった1,2日でセックスまでいくほど惹かれ合うってのも、ないでしょ。
モテないオタクの妄想丸出しで恥ずかしいゲームだった。
評価E
30点
▼で、終わるかと思いきやここまでは序章も序章
本編に見せかけた壮大な前フリ。本編はここからスタート、その名もリアル編
爽やかだったタイトル画面は、いきなり暗雲立ち込める
序盤から少しシナリオや設定が違うが、決定的におかしいのは、ヒロインが登場するのに、なぜか絵が一切出てこない。
神社で水鉄砲で遊ぶシーンに至ってはなぜか主人公の台詞のみで、ヒロインの台詞がない。
そうまるでこれじゃ独り言だ…
ヒロインなんていないみたいに…
もうこの時点で、掟破りの禁じ手に気づいて、あっ…(察し)
やがて決定的なシーンが訪れる
前章でヒロインを抱いたシーン…
リアル編ではすべて主人公の独り言エアセックス……
腕立て伏せかな?
夕焼けの海辺でヒロインを抱きしめるシーン
すべて主人公の独り芝居……
くぱぁかな?
あの子のってこのくらいかな?みたいな
▼いやあビックリしたね。これが「仕掛け」か
本編かと思われた章は、全てリアル編で現実逃避している主人公が見ている妄想で、真実はこのリアル編というお話。
おかしいシーン、結構あったもんな。
そもそもこのゲームには登場人物が主人公とヒロインしか出てこない。
そしてヒロインが主人公以外のキャラと会話するシーンが存在しない
だって存在しないもんな、そんな人
ギャルゲーのオチに、こういうブラックというより、もはやダークなものを持ってくるとは凄いセンスだ。
しかもその「いかにもなモテないオタクの妄想」として名作ギャルゲー、エロゲーをモチーフにしてるんだよ
私は前章に感情移入してなかったので普通に読み進めたが、前章のあの単純なギャルゲ風シナリオに感動したプレイヤーは、かなりショックを受けるんじゃないだろうか
しかもそれが作者の好きな鍵系とは最高にシニカルだ。
作中でもダメオの陳腐な妄想として描いてるからね、そりゃつまらないわけだ。
つまらないことが伏線とか、斬新だ(余りのつまらなさに止めてしまうプレイヤーもいそうだが)
結局、主人公はヒロインと幻想世界に逝ったどころか本当にただ独りで精神崩壊してるだけの哀れな野郎という結末。さよならリアル
いやあこのどんでん返し、面白いね。実にいいゲームだった。
評価A+
80点
▼で、今度こそ終わったと思いきや、ここから更にどんでん返しで、IF編というヒロインが現実の世界に本当に現れる物語が始まる(3分程度の短いEDだが)
妄想の世界で恋をした少女が、現実に現れ、そして本当に微笑みかける
勿論妄想上の少女とは別人で、病気でもなんでもないただの家出少女。
最後は2人で家出をして、さよならリアル…というまさかの3段目のオチ。
ハイスクール奇面組や東京大学物語を連想させる(東京大学物語は、その現実も更に妄想というオチだったが)
▼これはなかなかに凄いシナリオ回しだね。
フリーゲームじゃないと出来ないし、一般ゲームだと炎上してしまう
このブラックさは、「タイムトラベラーズ」の「TTP」に似てるが、そこまで劣ってない
フリーゲームを作る際、大きく分けて方向性は2つ。
「フリゲでしか出来ない大っぴらな事」をやるか、「これがフリゲ!?と驚かれるような一般ゲームに肉迫するクオリティ」を目指すか
これは100%前者だね。
何せ、名作ギャルゲー、エロゲーに喧嘩を売ったゲームだから
作者が鍵っ子に襲撃されないか心配だね
▼ただ惜しいのは、最初が妄想の世界であるという伏線が殆どない
改めて読み返すとあのセリフやあのシーンが伏線だったんだ!って衝撃はあまりないので、見せ方はもっと上手く出来た。
第三者を会話に介入させて、後々読み返すと実はヒロインだけその場にいないように扱われてたとか、インパクトを強める手法が欲しい
そしてリアル編のテキストが殆ど前章の使い回しなこと。
ぶっちゃけ大部分をスキップした。だがそれでも理解できるレベルの内容だった
▼全てをクリアしてタイトルに戻ると、今度こそ本当にラスト。画面通り、なかなか綺麗な終わり方じゃないか。
(首太すぎやろ)
でもIF編は、蛇足かな。
折角ブラックなシナリオを書いたからにはブラックなまま終わらせて欲しかった
作者コメントにある「このゲームには仕掛けがある」、ってのも、言わない方がよかったかな。ずっと何かあるんだろうとは警戒してたからね
というわけで、二転三転したこのゲームも、今度こそ総評
評価A+
85点
かなり好きなタイプのゲームです
最後に一つ小話。CGモードにリアル編の、ヒロインがいないパターンもあって笑っちゃったね
「ただの背景」がCGモードに入ってるとか、斬新過ぎる
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