眠りから覚めると いつの間にか
見知らぬ森の中にいた
晴れているのに雨が降りしきる森の中
石階段を上った先にあったものは――
▼いやー死んだ死んだ!
とにかく死んだ!
今時こんなフリゲあるぅ?というほど死んだ
そんな第16回ウディコンエントリー番号【39】、「鬼童-oniwarawa-」………
このフリゲは怖い!
アクションホラーADVでここまで怖い体験をしたのは、久しぶりだよ。
しかも今風のホラー演出が一切なく、
古き良き時代のフリーゲーム的にビックリ系で勝負してるのが、凄い。
前にも出した話題だが、最近のホラーゲームって、ジャンプスケアばっかりだからね。
でかでかと怖い画像を表示させて、ぎゃーーっ!!みたいなね。
でも「鬼童-oniwarawa-」はゲームが進むたび位置が変わっている死体が徐々に迫ってきたり、
オブジェクトが突然動いたりといった原始的なホラーであることが、令和では却って斬新だね。
2Dドットといい、古き良き時代のフリーゲームが好きな人なら、大好物でしょ。
▼レトロゲーム的に、主人公が全く喋らないのもよかった。
思考すらほとんどない。
そもそも「鬼童-oniwarawa-」のストーリーには謎が多く、説明が殆どない。
いきなり始まって、いきなり終わる。
主人公は物を語ってくれない上に台詞のあるキャラクターがいないため(アーカイブと、回想のみ)、
プレイヤーが真相を解き明かすスタイルだ。
これも昔懐かしいフリーゲームライクで、好きなタイプだ。
最近のゲームは、キャラクターがペラペラと喋り過ぎるからね。
ストーリーの途中で、恐らくはとても切ない事が起こったと解釈できるところがあるんだけれど、
その答えに行きついてしまった時、何も言えなくなってしまった。
こういうのも、キャラクターが物言わぬレトロゲームならではの面白さだよね。
誰も何かを解説してくれない(ただし私が見たのはエンド2なので、ベストエンドでキャラが突然喋り出す、といった演出ならあるかもしれない)。
▼ホラーゲームとしての特徴はそれ以外だと……
最初に書いた通り、今時ありえないほどの死にゲーであることでしょ。
本当によく死ぬ。
クリアまで、30回は死んだ(笑)。
初見殺しが滅茶苦茶に多いし、分かっていても、死んでしまう。理不尽に近い物もある。
提灯で照らされた範囲以外の敵が見えないという特性も、それを手伝ってる。
ノーゲームオーバークリアは、まず無理だと思った方がいい。
▼反面、謎解きは比較的簡単かな。
攻略メモも同梱されているので、サクサク進むでしょ。
クリアまで70分だったが、非常に濃密なゲームプレイだったね。
RPGの見るだけのムービーや
ノベルゲームの読むだけの文章のように受動的ではなく、
本当にほぼ100%が能動的なゲームプレイだからね。
指先と知恵を駆使するゲーム性の塊で、
これぞプレイヤーが作品世界に介入できる、「ゲーム作品」さ。
評価B+
75点
というわけでウディコン作品レビュー2本目は、
エントリー番号【39】、「鬼童-oniwarawa-」でした。
今のところ、今回のウディコン作品で一番気に入ってます。
面白かった!
ウディコンは見た感じ参加者の年齢が高そうな印象を受けるので、
このゲームもそれなりに高評価、高得点を得るんじゃないかな。
難しいステージもある故、攻略の爽快感は格別。
このトラディショナル和風ホラーを、是非あなたにも攻略して欲しい。
私はエンディングコンプのため、引き続きプレイします。
▼他にも「鬼童-oniwarawa-」のライバルになりそうなホラーでは、
エントリー番号【35】、「グッドバイ」をプレイ。こちらも非常に怖かった。
映像系ゲームだが、ジャンプスケアやグロ画像を使わずに、精神的な怖さを演出するとはまたすごい。
でもオチに弱さを感じた。
最後、友達が人形の顔になって歌い出す……そのほうが強烈な印象を残せたと思う。
製作者としては意図がないと見せかける意図があったのかもしれないが、
意図がないと見せかける意図と見せかける意図があってもよかったんじゃないかな。
私の言うようなラストにしたら、明確なホラーゲームになってしまうけどね。
なにか得体のしれない物を作りたかったのかな。
ストーリーも、よくあるネットの都市伝説系だし。
【このカテゴリーの最新記事】