普通の大学生である主人公「私」は、現在話題の恋愛攻略ゲーム「キミに恋して」略して「キミ恋」にドはまりし、続きを楽しみに眠りについた。
しかし、目が覚めるとキミ恋の負けヒロインである「アミ」に転生してしまっていた
唐突な現状に戸惑いつつも、主人公「私」は負けヒロインという理不尽な運命から脱するために切磋琢磨するのであった−−。
前途多難な大逆転ストーリーを、ぜひお楽しみください!
▼うわぁいい意味で期待を裏切られた(笑)。
「負けヒロインに転生したので勝ちに行くことにした。」は乙女ゲーではあるんだけど、作風が想像とはかなり違った。
俺はてっきりコレ…
乙女ゲーの負けヒロインが勝ちヒロインに負けじと頑張る!ヒーローに選ばれたい!
…っていうお話だと思ったんだよね。まあ普通のなろう系恋愛ゲームだと。
…思ったんだよねというか、それが普通の読みなんだが…
▼でもこれ…
ぶっちゃけどんなゲームかというと…
勝ちヒロインを斃すゲーム
…
うん、これに尽きる。…尽きる。…よね。
主人公がヒーローと協力し、勝ちヒロインを斃す話。
「勝ちに行くってそういうことかよ!」とか思った(笑)。
▼…まあ開始直後に分かるし、これを書かない事にはレビューにも感想にもならんから書くけど…
…このゲームの勝ちヒロインであるユリは正攻法ではなく、卑劣な手でヒーローをモノにしたとんでもないクズなんですわ。
いやーこんな悪党キャラ久しぶりだな。
可愛いしおっぱいも大きいけど、こいつは許せない。
乙女ゲーのライバルキャラというより、もう完全に「敵」だもん。
卑劣な手を駆使し主人公を潰そうとするが、それらを打ち負かしながらヒーローと結ばれるために頑張るのは、なかなかに独特のプレイ感覚だったな。
…実際、「負けヒロインに転生したので勝ちに行くことにした。」と同じ題材のフリー乙女ゲームがちょっと思い当たらないし、オリジナリティは高い(他にも転生ネタにオリジナリティがあるが、ネタバレなので伏せる)
▼さて肝心のストーリー。ここはしっかり乙女ゲームしてた。
いくら勝ちヒロインを斃すことが目的といっても、あくまで恋愛ゲーム。イケメンとのキャッキャウフフは必須。
このブログでレビューする乙女ゲームは男でも楽しめるもの(というより老若男女を問わないもの)というお約束があるが、しっかりそのハードルを飛び越えた
ヒーローも丁寧な口調で、女性を丁重に扱う紳士的少年で好印象。
▼残念なのは演出だが…
なんでこんなにBGMが少ないんだろう?
無音シーンがやけに多くて、重要なシーンでもいまいち盛り上がりに欠けた。
意図的な演出なんだろうか?
評価B+
70点
いわゆる「なろう」な設定ですが、「なろう」のようなご都合主義は殆どありません。
力のない負けヒロインに転生した主人公は、やっぱり力がありません。
一度攻略したゲームの情報も、あまり役には立ちません。
ですが自身が勝ちヒロインになるために、ヒーローを守るために、強大な勝ちヒロインに戦いを挑みます。
その戦いの果てに何が待つのか、ぜひ見届けて欲しい…
…
男でも楽しめる、一風変わった良作乙女ゲームでした。
他には「あなたに咲く」をプレイ。
以前レビューした某フリゲを連想した。
…この作者も…もしかして転生してない?(違ったらスマン。スマだけに)
【1年前の良作ピックアップ】
今月振り返る1年前の8月にレビューした良作フリゲは…
斧鬼〜魍魎の棲む家〜完全版
レビュー感想では「完全版というよりリメイク」とつっこんでますが、本当にそんな感じでした。
なんとかしてオリジナル版と両方やって欲しいね、どっちも面白いから。
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こういう創作のあるあるですが、あれだけ美少女で演劇部…舞台映えするスタイルのアミが、男たちに見つからないのは不思議ですね(ずんぐりむっくりのユリと違い高身長でスタイルが良いことにも言及されてないし)。「君に届け」の風早くんの「他の奴に見つかっちまう」…は「何いってんだこいつ」と…「なんだこの世界観」と昔思いましたね。
協力した「私」と「アミ」がそれぞれの情報や強みでボスを倒すのは、中々にアツい展開ですねぇ。「遊戯王」のペガサス戦っぽい。プレイヤーと主人公が協力しラスボスを斃すのは、フリゲでは斬新な展開では(「私」がメタなプレイヤーじゃないとわかるのは最終盤なので、プレイ感覚はまさにそれ)。
主人公二人で敵を倒す展開は熱かったですね