アイドル、またはアイドルの卵がヒロインのシナリオでは最高傑作のひとつじゃないか。素晴らしいストーリーだった。ここに来てヒロインが残念な人って設定をフルに使ってた。で、残念なだけじゃなくてちゃんと努力家でもある
アイドル業界を全く美化しておらず、枕営業についても描写したり、ヤクザ同然の厳しい世界として描いてるのがリアルで好印象
アイドルがヒロインのシナリオって大抵、ありえないくらいアイドル(業界)を美化しまくってるからね。
主人公の親友が2人いる設定も面白いが、そこに薫が加わって男3人+女1人という組み合わせが非常に珍しい。
思い浮かんだのはときメモドラマシリーズ彩のラブソングくらいだが、あれは仲間であって友達ではなく、案外ビジネスライクな関係だったからなあ
よく男2人女1人のお友達グループをドリカム状態なんていうけど(昔のドリカムは男が2人いたらしい)、これはなんというんだろうね。
▼枕営業しようとしてたところを主人公に助けられ、大物プロデューサーの面目を潰し、芸能界で仕事が出来なくなった薫
主人公は打開策として学園コンサートをすることを閃き、胡蝶のコネを使うが、ここでも胡蝶と薫の苗字が残念な設定をちゃんと生かしてる。こういう、ちゃんと設定を拾うシナリオは好き
学園フラット2の主人公はかなりアクティブだと思っていたが、このあたりは本当に有能
ただ、薫の芸能人としてのキャリアが終わっていた事を、最後まで黙っていたのは、なかなかの畜生(いくら助けたとはいっても、もう芸能界で仕事ができなくなったと知らされたら、薫も失望したんと違うか)
▼緊張の嵐でまともに歌えない薫を主人公達3人が励ます。おお、これはいいシーンだ…主人公とヒロインの恋愛関係だけじゃなく、主人公の親友とヒロインの友情もしっかり描かれてるとは、これまた珍しい…
登場人物が多すぎると思っていたが、それももう許した
告白シーンからエピローグまで本当綺麗だった。感動だけじゃなくて驚きもあって、心山玲がアイドルのナナちゃんだったのは驚き。
どうもこのゲームは「変身」ってのが裏テーマな気がする。見た目が激変するキャラが多い事多い事
エンディングでは薫のキャラが全然違うが、主人公はそれが天然か作為か分からない。
知恵をつけた怖い女の作為という気がする
ラストは恒例の、ヒロインの笑顔をこれからも見守る、というキメゼリフ。
作者、どんだけこのパターンが好きやねん(笑)
素晴らしいシナリオで泣けた。でもラストシーンでは、ヒロインの(巨乳の)成長をギャグで演出して終わる、これも最高
評価 95点。非常に面白かった
そういえば薫が180cmを超える大女って設定は、意味がないとまでいわないが、必須ではなかったな。ぶっちゃけアイドルとしてはデカイ体よりも顔に染み付いた雀斑のが致命的だが、何故かその事に触れるシーンはなかった(メイクで消せるからいいんだろうか)
身長は、漫画のタイトルに「五味山さんは清原くらいデカイ」とあるので、そのまま解釈すると薫の身長は188センチか…
他のヒロインとの比較だと、マジでそのくらいありそうなデカさ。
つまようじの元ネタは新庄剛志が実況解説で発言した「清原さんのバットはつまようじくらいに見えた」かな
いろはが心山を見覚えがあるといったまま思い出すことはなかったが、いろはが昔のアイドルを知ってるBBAいうことやろなあ…
▼バッドエンド回収
好感度が低い状態で告白し、好感度判定に失敗すると「私も首薬くんが好きですよ……堂瀬くんも天台寺くんも !」というまあ定番のフラレ方をするんだけど、セリフが全部グッドエンドルートの使い回しなんで凄く不自然。いくらなんでも友達相手に「私のこと、どう思うんですか…?」なんて意味深なこと聞かないだろう(笑)
逆に、好感度が高い状態で天上ヒカリのファンを選んでも、薫は極普通の友達に対する反応をする。これもおかしい。普通なら主人公がフラれたのと同様、ガッカリするシーンでしょ。セリフはかなり細かく作ってあるが、ここは手抜き
この2つは全く同じテキストのエンディングでお友達エンド。バッドエンドなのに最後にドラマの悪役を演じる薫の一枚絵あり。
そして気になるのは、主人公が薫にフラれた際、唐突に出てくる謎の「???」の好感度判定
好感度44で判定失敗したが、誰だろうか。胡蝶かなあ、かなり気になる。色々探したが見付からない
こういう面白い仕掛けを思いつくあたり作者のゲームクリエイターとしてのアイディアはすごいわ
次は照島麗亜編
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