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2018年02月13日

映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の感想…「当初の映画の終わり方ではいけない」と話が変わったそうな。

今日は映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の感想です。

観なきゃと思っていて観れていなかった映画ですが、

やっと観る事ができました…って、本当は自分次第なんですけどね。

今回はレンタルDVDでの鑑賞です…字幕スーパー。



映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は日本公開2015年のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品。

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品は、

このブログでは映画「レヴェナント 蘇えりし者」の感想を書きました。

もう、あれ以来は「熊ちゃんみたいでカワイイ」という表現は世界から無くなったと思います。

まだ映画「バベル」とか観れていないので、いつか観たいと思っています。


先に書いておきますが今回の映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は映画の特性上、

感想を書こうと思うとネタバレが起きてしまうのでネタバレがあります。

また、普段は他の人の感想とかレビューを見たり、聴いたりする前に、

このブログを書いているのですが、今回は1度感想を書いてから、

あとから映画評論家の町山智浩さんの「映画その他ムダ話」を聴いた事が追加されています。


映画の冒頭を簡単に書きますと、

昔、「バードマン」という映画でブレイクをした俳優リーガン・トムソン。

今は全く売れず再起をはかって、

レイモンド・カーヴァーの短編小説「愛について語るときに我々の語ること」の舞台をすることにしたのだった…みたいな感じかな。


キャストですが、

落ち目の俳優リーガン・トムソンを演じるのはマイケル・キートン。

もちろん初代の映画「バットマン」のバットマン役。

彼のキャリアもこの映画の大事な要素であったりします。

パンツいっちょで街を歩いたり頑張る男を応援したくなります。

リーガンの娘サマンサ・トムソンを演じるのはエマ・ストーン。

今では映画「ラ・ラ・ランド」が代表作なのでしょうが、

個人的には映画「アメイジング・スパイダーマン」のグウェン・ステイシー。

相変わらず目が飛び出そうですが、確かに彼女が笑うと可愛い。

同じ舞台に出る事になる俳優マイク・シャイナーを演じるのはエドワード・ノートン。

やっぱり彼と言えば映画「ファイト・クラブ」での怪演というのがイメージに強い。

その映画を意識してのキャスティングと聞いてなるほどと。

そりゃジンじゃなくて水になってたら怒りますよ。

その他、ナオミ・ワッツ、ザック・ガリフィアナキス、アンドレア・ライズボロー、

リンゼイ・ダンカンなどが出演しています。


さて、映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の感想ですが、

先ほども書いたように映画の性質上、感想を書くとネタバレしてしまうので、

まだ何も知りたくないって人は読まないでください。

たぶん何も知らずに観た方が面白く観れると思います。


で、結論から書くと「面白かった」です。

まず最初に書くとしたら、まるで1カットで撮った様な映像。

もちろん実際に1カットで撮影しているのではなく、

色々な技術を使って1カットで撮った様に見えるのだけど、

普通だったら観づらくなりそうなのに全然違和感なく観れたのは、

結構凄いことだと思う。


そして物語のオチの展開ですが、

実は自分が観る前にオカンがこの映画を観ていて、

「結局どういう事なの?」って言っていましたが、

これは観た人が「そういう事なんだろうな〜」って、

それぞれ考えれば良いんじゃないのって伝えておきました。

(その後、町山智浩「映画その他ムダ話」を聴いて明確に言っていると知ったのですが)


映画が始まると、音に合わせて出てくる文字。

「この人生で望みを果たせたのか?果たせたとしても君は何を望んだのだ?」と。

「"愛される者"と呼ばれ、愛されてると感じること」という感じの言葉。

隕石みたいな映像へと続くのですが、映画「君の名は。」を思い出したぐらいで、

なんの事なのか自分では全くどんな意図があるのか分りませんでした。


その後、1カットの様な映像で見せるシーンになるのですが、

リーガンがブリーフいっちょで浮いている状態。

ブリーフかよっ!ってツッコミもあるのですが、さらにズラかよって。

雰囲気は真面目な感じなのに結構笑える感じが色んなシーンである。

後で知ったのですがコメディだったんですね。

もちろん、単純にコメディ一色ではないのですが。


「確かにド下手だ」とか「あいつもスーパーヒーローか」とか、

「体をシェアしてる」なんかのセリフの面白さも良いですね。


先ほども書いたのですが1カットの様に見せていること。

普通、なんでカットを割っているかって言えば、

観やすくするためとか、カットとカットを重ねて意味を出したり、

映像にテンポを出したり…つまり簡単に書くと「面白くするため」にカットを割る。

1カットが長いことで独特の雰囲気が出ることもあるので、

しばしばロングカットというものは多くの映画で観る事が出来るのですが、

ほぼ全編を1カットでみせるってのは珍しい。

やったとしても観づらくなるだけだったりするのですが、

本当にこの映画では計算されつくしてるというか、

全く不快に思わなく観れる…これは本当に凄い事だと思う。


1カットでぐるぐる回るのとか、カメラマンと俳優の息が合わないといけないのですが、

何回やってるんだろうなって、そっちの方が気になってきます。

なんかメイキングだけでも1本分の映画が作れそうな気がする。


そういう1カットの様なみせ方だけでなく、

普通に演出としても上手く作られていて、

例えば映像ではリーガンが浮いていたり、

超能力を使って物を飛ばしたりしている様に見えるのですが、

「これは本当にそうなってるのではない」とすぐに分る様に作ってある。

最初に競演する俳優をボコッた時も映像では能力を使って物を落下させたのだが、

明らかに他の人からはリーガンが殴ったように見えている。

もちろん、空を飛んできた後にタクシー代を請求されるのもそう。

そういう部分がすごく分りやすく作ってあるのは親切だなと思う。


俳優の演技もさすがというか、

サマンサがリーガンと言い合ってる後、表情で「言い過ぎた」って分ったり、

舞台に出るとニコッとなったり、

俺の舞台で勝手に勃起するなとパンツいっちょで揉めたり、

さすがだなあって。


"芸術家になれぬ者が批評家になり、兵士になれぬ者が密告者になる"というセリフがあるのですが、

映画監督とか何か物を作る人は常に批評の的になる。

そしてその批評をする批評家に対して色々思う気持ちはあるだろうなって。

そうそう、批評はリスクがないからね。


あとアメリカでは子供は将来ジャスティン・ビーバーになりたいんだなって。

日本では誰になに当たるんだろう…HIKAKINとかなのかな、でもちょっと違うよなあ。

今って日本ではスーパースターみたいな人って不在だよね。

でも「ネットの力」ってのは映画の内容にまで影響してるよね。

俳優とかよりも有名人である事が影響力があるというか。

元バードマンだから写真を求められたりして、

ブロードウェイ俳優は誰も気付かない…世間はそういうものですよね。


たまに演劇を扱った映画とかは観るのですが、

演劇ってあんまり観てないんですよね…数えるぐらいしか。

もうちょっと演劇とかも観たいなあって思った。

映画の黎明期は演劇の映画化が盛んに行われていた訳で、

映画の勉強をするなら演劇ってのは避けては通れないものですし。

まあ映画では、みんな好きなのは血とアクション。


さて、カットが変わってからの映像でうちのオカンが「どういう事?」ってなりました。

本格的なネタバレなのですが、

舞台で銃に実弾を込めて自分を撃ったリーガン。

目が覚めると病院で、どうやら弾は鼻を貫通していた。

鬼気迫る演技は評価をされテレビではリーガンの復帰を求める声。

娘のサマンサがライラックの花を持ってお見舞いに。

ふとリーガンが窓を開ける。

サマンサがベッドにもどるとリーガンはおらず、開いた窓が。

まさか飛び降りたのかと下を見るが何もなく、

上を見ると…そこでサマンサがニコッと笑うシーンでこの映画が終わる。


自分は超能力とかそういう映像は実際に起きていた訳ではなく、

映像で「そういう感じ」に見せていた事もあり、

これはバードマンをトイレに捨てたリーガンが、

自分の力で空を飛ぶ…もちろん本当に空を飛んでいる訳ではなく、

バードマン「それぐらい成功する」って事なんだと思って観ていました。

隕石の映像は何か分らなかったのですが、

最後のカットが始まる前に「クラゲ」の映像があるのですが、

劇中でリーガンが海でクラゲに刺される話をしていたので、

このクラゲはリーガンの背中とかを刺したクラゲで、

リーガンが陸に上がった時に落としていった、

つまり生き返ったって事なんだろうなって、そんなふうに観ていました。


で、ここからは映画評論家の町山智浩さんの「映画その他ムダ話」を聴いた後の感想。

この映画はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督自身の映画だと。

映画冒頭の文字と隕石についてですが、

この文字の出し方は映画「気狂いピエロ」だそうで、

それが分ると映画がもっと分るそうです。

そもそも落ち目の男が再起する映画なのに、

なんで愛がどうのこうのって文字が出るのだろうと思っていたのですが、

実は大事なのは娘との関係の話だったという。

確かに再起を図ってもう1度娘の尊敬を得るという訳なのですが、

娘の方が大事だったとは…なるほどと思いました。

あと、あの隕石の様な映像は劇中でもセリフがあった、

イカロスの翼のイメージとの事。

先日、感想を書いた映画「キングコング: 髑髏島の巨神」の感想で、

アメリカ製のイカロスの翼って感動したのですが、

まさかそのイカロスの翼のイメージ映像だったとは…つまり調子に乗った人が落下する様。

ちなみにクラゲは特に意味のない物という存在という事らしいです。


この映画が好きな人は町山智浩「映画その他ムダ話」を実際に聴いてもらいたいのだけど、

最初はこの映画はリーガンが舞台で自分を実弾で撃って死ぬところで彼の話は終わり、

カットが変わるとジョニー・デップが出てくるはずだったとか。

しかし、監督自身がリーガンを殺すのは正直じゃないと作り変えたそうで、

今のエンディングに変更されたとの事。

たまにこの映画の感想でリーガンは死んだって言ってる人がいるみたいですが、

まずは「映画その他ムダ話」を聴いてみてください。


そんな訳で、久々に他の人の意見を調べてしまった映画でした。

直接監督に話が聞けるってうらやましいなあ。



でも普通に面白い映画。

一生に一回でいいから黙ってろとか、

汚い尻をナメた様な不機嫌な顔って表現とか、

やっぱセリフが良いよなあ。

「インポが必要」ってのもね。


あ、日本語訳で「You are fine」ってのが「そこそこ」なんだなって。

なかなか字ずらとニュアンスって難しいですよね。

最後に、音楽がよかったのと、出産ビデオはいらないなあって感じかな。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Blu-ray]




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思いついた事を羅列。 映画「DETH FOREST 恐怖の森2」みたいなくだらない映画が凄い好き。 映画の感想は基本的にネタバレなしを心掛けています。
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