2019年05月08日
キングダム(KINGDOM)
キングダムは、紀元前3世紀頃の中国を舞台にした、秦の始皇帝と李信将軍について描いた戦国記です。
原泰久が、2006年から『週刊ヤングジャンプ』で連載をスタートした漫画作品で、2012年6月から2014年3月にかけてテレビアニメ化されてNHKのBSプリミアムにて放映され、2019年4月には実写版映画となり上映されます。
<あらすじ>
漫画の主人公は信(しん)という少年で、秦(しん)の皇帝となる嬴政(えい せい)と出会い、武功を上げ李信(り しん)将軍へと成長していくストーリーとなります。
★2019年時点では、信は未だ武将としての活躍をしている段階で、李信と名乗るところまでは至っていません。
下僕という奴隷のような身分の少年であった信は、同じ境遇の漂(ひょう)と天下の大将軍になることを夢見て日々剣術の修行に明け暮れていました。
その時、秦の大臣である昌文君(しょうぶんくん)に漂だけが見出されますが、ある夜に漂が命からがら信の元に現れます。そこで息絶えた漂から渡された地図をたどっていくと、信は漂と瓜二つの少年である秦国の三十一代王となる政(=嬴政)に出会います。
政は、王弟の成蟜(せいきょう)が起こしたクーデターから逃れるために身を隠していたのですが、漂は影武者として命を狙われて命を落とすこととなったのです。信は漂の覚悟と遺志を継ぎ、政を助け、仲間と一緒に王弟の反乱鎮圧のために奮闘することになります。
最初に仲間となるのは、河了貂(かりょう てん)という山の民で、信と行動を共にするうちに力になりたいと考え、昌平君の下で兵法を学び軍師を目指すこととなります。性別不明という印象を与えるいでたちで、信は男性と思っていたようですが、実は女性で後になって気付いて驚くという展開があります。
王弟に対抗するための軍勢として河了貂の伝手で山民族を頼ることとしますが、そこで山の王である楊端和(よう たんわ)という女性に出会います。女王として山民族の軍勢を率い、政と信に加勢し、その武力を以てクーデター勢力を排除し、王都である咸陽(かんよう)を奪還します。
映画『キングダム』は、王弟反乱を鎮圧し戸を王都を奪還するところまでを描いた作品になっています。
この後、武功を上げた信は、下僕から平民の身分となり、秦の軍に兵卒として加わります。
当時の中国は、春秋戦国時代と呼ばれる乱世で、秦のほか、斉(せい)・楚(そ)・魏(ぎ)・趙(ちょう)・韓(かん)・燕(えん)の、戦国七雄と称される七つの大国がひしめき合っていました。
信の初陣は、魏との戦闘で、この戦いで功を上げ兵卒から百人将というリーダー役へと昇進します。この時、秦国六大将軍の一人である王騎(おう き)と知己を得、信は王騎を師と仰ぐようになり、王騎は信が率いる部隊を飛信隊と名付けます。
また、魏との闘いの戦場にいた羌瘣(きょう かい)という女剣士が、秦の丞相である呂不韋(りょ ふい)の差し金で政を暗殺しようとしますが、後から現れた暗殺者集団との思惑違いから、信と羌瘣は共闘することとなり、その後は飛信隊の副将として、信を支えることとなります。
信は、次に趙と戦うこととなり、趙国三大天と呼ばれる龐煖(ほう けん)と王騎による総大将一騎討ちとなりますが、そこに三大天のもう一人である李牧(り ぼく)が姿を現し、王騎は致命傷を負ってしまいます。王騎は戦線を離脱したものの、自らの矛を信に託し亡くなります。
ところが、呂不韋の画策により秦趙同盟が成り、秦は筆頭大将軍の蒙驁(もう ごう)を指揮官とし、王翦(おう せん)と桓騎(かん き)を副将にして、魏に対する侵攻を始め、三百人隊となった飛信隊は、同じく三百人隊である王賁(おう ほん)が率いる玉鳳隊と、蒙恬(もう てん)が率いる楽華隊と競い合うようになります。王賁は王翦の息子で、蒙恬は蒙驁の孫にあたり、蒙恬の父は蒙武(もう ぶ)という大将軍です。
魏は、元趙国三大天であった廉頗(れん ぱ)が指揮を執りますが、その配下の四天王と呼ばれる武将のうちの一人である輪虎(りん こ)を信が討ち取り、その功により飛信隊は千人隊になります。
魏との闘いが終わった後、秦は突如六か国の合従軍の侵攻を受けることになります。李牧が画策した六国連合軍により王都である咸陽のすぐ近くまで攻め込まれることになりますが、王である政が自ら前線で戦う姿を見せることで秦の軍勢は奮起し持ちこたえることとなります。
その後、呂不韋の策略により王弟である成蟜が落命することとなり、続けて政の母である太后が毐国(あいこく)を興してしまうと、再び呂不韋が手引きをして毐国が反乱を引き起すものの、飛信隊のふんばりもあり最後は呂不韋との争いに終止符を打つことができます。
これにより秦をまとめあげることができた政は、中華統一への道を歩み始めることとなります。
魏への侵攻に続き、趙とも戦を行なうこととなり、飛信隊は桓騎の軍勢に組み込まれます。この戦闘で信は、李牧が筆頭将軍と認める慶舎(けい しゃ)を一騎討ちで倒し、趙に対する勝利を得ます。
その頃、戦国七雄の一つである斉とは、秦王の政と斉王の王建王(おうけんおう)の会談が行なわれます。政は、戦国の世を終わらせるには、国が乱立しているのではなく統一国家が求められ、それも「人」ではなく「法」によって国を統治する法治国家とすべきと主張します。法治となると、人による恣意性が排除され、恩賞と懲罰は公平となり、規律により軍隊も強化され、国家としての安定度が強化向上されることになります。その考えを聴いた斉王は感嘆し、斉は秦に対し事実上の降伏宣言をします。
同じ時に、李牧とも話合いが行なわれますが、李牧が現状に基づいた七国同盟を提案するものの政はそれを断り、あらためて秦と趙のデスマッチが繰り広げられることとなります。
趙の攻略では、王翦を総大将とし、山の王の楊端和と桓騎を副将に三軍体制で臨み、趙の王都である邯鄲(かんたん)のすぐ手前にある鄴(ぎょう)を目指します。信は飛信隊を率い、玉鳳隊と楽華隊とともに王翦の配下で戦に臨みます。
鄴攻めは秦と趙の戦闘のクライマックスとなる部分なので、漫画コミックスでは46巻から描かれ、2019年4月の54巻でも決着がついていません。
ところで、キングダムの実写映画化はコミックス50巻達成を記念して企画されたものです。
<映画>
主人公である信は山ア賢人が演じます。
実は、2016年に連載10周年記念として実写特別動画が制作されており、その時も山ア賢人が信の役を担当しており、今回の映画化でも山ア賢人が主演を務める前提で企画されています。この時の実写特別動画には、山本千尋が演じる羌瘣と、五城健児が演じる龐煖の3名のみ取り上げられています。
秦王の嬴政は吉沢亮が演じ、漂も一人二役で担当しています。
河了貂は橋本環奈で、昌文君は嶋政宏、楊端和は長澤まさみ、成蟜は本郷奏多、そして王騎は大沢たかおが演じます。
今回の映画化は、王弟が起こしたクーデターを制圧して、王都に返り咲くところまでとなっています。
今後、続編が制作されるとなると、王賁、蒙恬、李牧といった役を、どの俳優が演じるのでしょう。羌瘣と龐煖は、実写特別動画の同じキャストになるのでしょうか。
主題歌は、ONE OK ROCKの「Wasted Nights」という楽曲です。
2019年2月13日に発売されたONE OK ROCKの9枚目のアルバム[Eye Of The Storm (アイ・オブ・ザ・ストーム)]に収録されているナンバーです。ちなみにアルバム[Eye Of The Storm]は、オリコンの週間アルバムチャートで首位を獲得しています。
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