2014年10月09日
ラルマナイ川上流紀行
8月28日のブログ「ラルマナイ川上流で虹鱒」で、行くことのできなかった金山沢に再び挑戦するために、札幌から支笏湖に向かう国道453号線に架かる山水橋を目指した。
たまたま、ラルマナイ川の源流部である空沼岳に何度も登っているという、60歳代後半の人と林道のゲート前で知り合った。金山沢とラルマナイ川上流の状況を聞くと、「上流には岩魚はいるが、多くの釣人が入っていることもあり、数も少なく簡単には釣れない」という。
前回の釣行では山水橋付近で虹鱒を釣ったが、これは放流された魚が自然産卵を繰り返して繁殖したものだろう。漁川と合流する下流域では、虹鱒や岩魚を何度も釣ったことがある。もともと、ラルマナイ川のネイティブ種は岩魚だったと思う。岩魚は獲りつくすと再生がきかないために、この川の上流の岩魚は長い年月の間に減少したのかも知れない。何とか上流でも岩魚の姿を確認したい、という気持ちが湧き上がってきた。
ラルマナイ川上流に沿って伸びる林道を経由して、金山沢の流れ込みを目指して歩き出してから5分もかからずに、突然道路が無くなった。9月の大雨による川の氾濫によって林道が削り取られ、文字通り道路が消えてその先は崖となっていた。河原も幅100メートルを越える氾濫の爪跡が残り、上流から流れ着いた流木や大きな岩で様相が激変した。
ただ、水量は落ち着いていて、底まで見通せるほど澄み切っている。川の流れだけを見れば、道路を破壊するほどの氾濫は嘘のようだ。
途中で消えた林道の横から河原に降り、上流に遡行を開始してから15分ほどで川は二筋に分かれた。左が目的の金山沢だ。思いのほか川幅が広く、本流とそれほど変わらない。
しかし、すぐに小滝の連続するゴルジュが姿を見せた。滝つぼや釜は底まで見通せるほど透き通っているが、肝心の魚は見えない。当然、いくらドライを流し込んでも全く反応はない。それが50メートルほど続いた段階で、本流に戻ることにした。というのも、本流の先に巨大な砂防ダムが見え隠れをしていたからだ。
魚がいれば、ダムの落ち込みは最高のポイントとなるが、いなければ遡上の妨げ以外の何者でもない。
下流域から金山沢、砂防ダムの落ち込みまで、フライへの反応は一度もない。氾濫で川の様相が変わったことが原因なのか。魚はどこに行ったのだろう。砂防ダムを越えると、また新たなダムが姿を現した。これが3回ほど続いて、3度目のダムを越えると川の流れが緩やかになってきた。
上流には橋が見えてきた。地図上では、林道の入口から3キロメートル付近となる。その橋の下を越えると、小滝と釜の連続するゴルジュが現れた。釜は深さが2メートル以上もありそうだが、底まで澄み切っている。そしてそこには魚の姿は見えない。
釜が連続する先に、3つに分かれた滝が出現した。滝にかかる紅葉が美しく映える、というシチュエーションは最高だが、目的は岩魚を釣ること。滝壺にフライを打ち込んだが、底から浮き上がってくるものはない。
「この滝を越えた先で今日は終わりにしよう」と、上流を見渡すと再び砂防ダムが現れた。山水橋からここまで、小さな堰堤と砂防ダムが合わせて8つ。途中の砂防ダムのひとつは2段になっていた。
この川の魚の絶対数が少ない理由として、初めは多くの釣人が入渓するためと思っていた。しかし、実際は魚道の無い堰堤や砂防ダムが数多く備えられたことからだろう。皮肉なことに、これだけの砂防ダムを設置しながら川の氾濫を止めることができなかったわけだ。
写真上左:林道ゲートから5分足らずで道路が消えて、その先は崖となっていた。同上右:氾濫後のラルマナイ川上流の様子。同中左:ゴルジュが連続する金山沢。同中右:魚道の無い多くの砂防ダムが魚の棲息を脅かす。同下左:姿を現した上流の林道に架かる橋。同下右:ゴルジェの先に3つの滝が姿を見せる。しかし魚の反応はない
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たまたま、ラルマナイ川の源流部である空沼岳に何度も登っているという、60歳代後半の人と林道のゲート前で知り合った。金山沢とラルマナイ川上流の状況を聞くと、「上流には岩魚はいるが、多くの釣人が入っていることもあり、数も少なく簡単には釣れない」という。
前回の釣行では山水橋付近で虹鱒を釣ったが、これは放流された魚が自然産卵を繰り返して繁殖したものだろう。漁川と合流する下流域では、虹鱒や岩魚を何度も釣ったことがある。もともと、ラルマナイ川のネイティブ種は岩魚だったと思う。岩魚は獲りつくすと再生がきかないために、この川の上流の岩魚は長い年月の間に減少したのかも知れない。何とか上流でも岩魚の姿を確認したい、という気持ちが湧き上がってきた。
ラルマナイ川上流に沿って伸びる林道を経由して、金山沢の流れ込みを目指して歩き出してから5分もかからずに、突然道路が無くなった。9月の大雨による川の氾濫によって林道が削り取られ、文字通り道路が消えてその先は崖となっていた。河原も幅100メートルを越える氾濫の爪跡が残り、上流から流れ着いた流木や大きな岩で様相が激変した。
ただ、水量は落ち着いていて、底まで見通せるほど澄み切っている。川の流れだけを見れば、道路を破壊するほどの氾濫は嘘のようだ。
途中で消えた林道の横から河原に降り、上流に遡行を開始してから15分ほどで川は二筋に分かれた。左が目的の金山沢だ。思いのほか川幅が広く、本流とそれほど変わらない。
しかし、すぐに小滝の連続するゴルジュが姿を見せた。滝つぼや釜は底まで見通せるほど透き通っているが、肝心の魚は見えない。当然、いくらドライを流し込んでも全く反応はない。それが50メートルほど続いた段階で、本流に戻ることにした。というのも、本流の先に巨大な砂防ダムが見え隠れをしていたからだ。
魚がいれば、ダムの落ち込みは最高のポイントとなるが、いなければ遡上の妨げ以外の何者でもない。
下流域から金山沢、砂防ダムの落ち込みまで、フライへの反応は一度もない。氾濫で川の様相が変わったことが原因なのか。魚はどこに行ったのだろう。砂防ダムを越えると、また新たなダムが姿を現した。これが3回ほど続いて、3度目のダムを越えると川の流れが緩やかになってきた。
上流には橋が見えてきた。地図上では、林道の入口から3キロメートル付近となる。その橋の下を越えると、小滝と釜の連続するゴルジュが現れた。釜は深さが2メートル以上もありそうだが、底まで澄み切っている。そしてそこには魚の姿は見えない。
釜が連続する先に、3つに分かれた滝が出現した。滝にかかる紅葉が美しく映える、というシチュエーションは最高だが、目的は岩魚を釣ること。滝壺にフライを打ち込んだが、底から浮き上がってくるものはない。
「この滝を越えた先で今日は終わりにしよう」と、上流を見渡すと再び砂防ダムが現れた。山水橋からここまで、小さな堰堤と砂防ダムが合わせて8つ。途中の砂防ダムのひとつは2段になっていた。
この川の魚の絶対数が少ない理由として、初めは多くの釣人が入渓するためと思っていた。しかし、実際は魚道の無い堰堤や砂防ダムが数多く備えられたことからだろう。皮肉なことに、これだけの砂防ダムを設置しながら川の氾濫を止めることができなかったわけだ。
写真上左:林道ゲートから5分足らずで道路が消えて、その先は崖となっていた。同上右:氾濫後のラルマナイ川上流の様子。同中左:ゴルジュが連続する金山沢。同中右:魚道の無い多くの砂防ダムが魚の棲息を脅かす。同下左:姿を現した上流の林道に架かる橋。同下右:ゴルジェの先に3つの滝が姿を見せる。しかし魚の反応はない
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