24/11/13(水)10:00『Inter BEE 2024』が幕張メッセ展示ホールで開幕した。11/10(日)に左足首を痛め2日間エージェント活動も短時間に抑えていたのだが痛みが引いていない。それでものんびり出かけ11時半前に会場に着いた。いつもなら階段を使う所でもエスカレーターを使い電車内でも座ることを優先し休憩を多く取り会場を歩き回った。
ブラックマジックデザイン(株)では「DaVinci Resolve Demonstration Theater」を開催していたが予定が掲示されておらず運次第で参加した。
14:00〜14:40 H8「ブラックマジックデザイン(株)」ケーススタディ:劇場アニメ「ルック・バック」廣瀬清志(エディッツ)
絵コンテを見て間とリズムを制御するのがアニメの編集作業と説明があった。台本を読みながらタイミングを構築していく。その後絵コンテからスペシャルな作画が描かれ格好の良い映像が作られるのを見ると編集冥利に尽きる、と語った。
アニメ制作は絵コンテと作画は未だに紙を使用しDX化が進んでいない。またテレビアニメで文字のシナリオを絵コンテに起こしたら尺が足りない、または長すぎるということや、演出家が異なるとキャラクターの行動や台詞がぶれるといった問題が起きる。
この解決方法としてシナリオをまず仮ラジオドラマ化してBlackmagic Cloudを使いスタッフ間でタイムラインと解像度の高い作品イメージの共有化を進めたい。ラジオドラマから絵コンテを描けば尺やキャラぶれ問題も解決する。AI自動化で誰でも70点の動画が作れるようになれば余った時間で人が120点の作画に挑戦できると将来展望を語った。
アニメの編集作業は演出であり芝居の指導なのかと大変勉強になったデモだった。「ルック・バック」を観てその編集内容を確認したくなる話だ。
14:30〜15:30国際会議場 2F 201会議室「radiko技術15年から見た5年後の技術展望」
出演:株式会社radiko 最高技術顧問 香取啓志、月刊ニューメディア編集部ゼネラルエディター 吉井勇
15分遅刻して聴講した。ラジコを運営するシステムのアップデートの歴史と技術顧問として今後の展開を語っていた。サービス開始時はとにかくお金なく間借りして始めたがサービス強化と参加ラジオ局が増えたことで徐々にシステムが強化されて行ったとのことだ。
16:00〜17:20展示ホール7 特別企画オープンステージ「音声コンテンツとしてのラジオの展望、そしてテレビが学ぶべきことは?」
モデレーター:株式会社TVQ九州放送コンテンツ戦略局 コンテンツ戦略部 永江幸司 氏
パネリスト:株式会社オトナル代表取締役 八木太亮、株式会社ニッポン放送コンテンツプロデュースルーム・ルーム長 冨山雄一、RKB毎日放送株式会社編成局アナウンス部 冨士原圭希、プロレタリア星地球営業所 サラリーマン
永江氏は、広告費がテレビは緩やかに下がっているのに対しラジオは緩やかに上がっている。2024年ラジオはスマホradikoアプリで若者に聴かれている。この現状を確認したくてこのステージを設けたと言う。
冨山氏からは、ラジオはパーソナリティ、製作スタッフ、聴取者、スポンサー企業との距離感が近くコミュニティが出来上がる。この結果クリスピーナッツのオールナイトニッポン(ANN)からケンタッキーのCM出演やオードリーのANNのリアルイベントが球場で大成功を収めることが出来た、という説明があった。
ANNはリアルタイム聴取よりラジコによるタイムフリーな聞かれ方が多いそうだ。SNSでバズりニュースになれば聴取数も増える。ニッポン放送のポッドキャストユーザーはラジコより多い、とのことだ。
冨士原氏は平成生まれの昭和特撮オタクとして「特撮風ラジオドラマ 空想労働シリーズ サラリーマン」を制作したところ関連3賞を取ってしまった。お陰で第二弾「帰りたいサラリーマン」を作ることが出来た。地方色を入れず全国をターゲットとしラジオドラマだけに収まる気はなかったので最初からスーツを作りYouTubeチャンネルで映像を入れ配信しているということだ。
八木氏からラジオはインターネットと競合していなかったが、現在ラジオをデジタル音声コンテンツと捉えると全エリア全コンテンツがライバルとなりユーザーの時間を奪い合う熾烈な戦いを繰り広げることになる。
マネタイズを広告に求めるとシビアに数字と向き合う必要がある。BtoCで売り上げるには選んで聴かれる番組を作る必要がある、とビジネス視点を語った。
Z世代はラジオを持っておらずラジオ放送も単なる音声コンテンツと思っていると言う話には驚かされた。現場の最新情報を聞くことが出来て充実した1日だった。