「伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ」山口百恵 発売日: 2012/10/3 ASIN: B008CQCAGQ
昔懐かしいCDケース2枚を合体させた厚手のCDケースにピクチャーレーベル仕様のディスク3枚、12ページのジャケットサイズのカラー写真集と24ページの歌詞カードを収録している。収録時間は26トラック144分43秒=Disc1:13t 57m12s+Disc2:7t 45m38s+Disc3:6t 41m53s となる。CD層では2枚に収まりそうな時間だが、コンサートの流れでディスク交換のタイミングを考慮すると3枚組が妥当だったのだろう。
SACD層ではDST(ダイレクト・ストリーム・トランスファー)によりStereoとMulti-chの2音源を、1枚のディスクにCDと同等の記録時間で収録することを可能な上、HD層(ハイデンシティレイヤー)を2つ重ね合わせたデュアルレイヤーディスクにすればディスク交換なしの1枚で楽しめる可能性はあったかもしれない。
どちらにしろ容量ギリギリで作業を進めて何かあったらディスク枚数変更になりかねないので、BDと同じ144分をノーカットで収録するのにこのディスク構成は正解だ。
歌詞カードには”楽曲「謝肉祭」には、「ジプシー」という言葉が使われております。”と”オリジナルのマスターテープにノイズおよび音響上の不備があります。”という注意書きがある。確かに部分的な歪も感じるし、トーク部分にはハムノイズが乗ることがありボリュームを上げて聴いていると気になる。1曲目をCDとSACDステレオで試聴したがSACDであるメリットは余り感じない。1980年収録のライヴ音源と思えばまあ及第点だろう。
このSACDの魅力は何と言っても5.1chサラウンドにある。山口百恵の声はセンタースピーカーから、拍手と歓声はリアスピーカーと冒頭からコンサート会場のS席で見ている様な臨場感だ。ステレオでは演奏に埋もれて聴き取れなかった繊細な歌い方が分かり歌手山口百恵の魅力を今更ながら再発見する。ラストソングの「さよならの向こう側」も実に感動的だ。
トークも意外や面白く「横須賀ストーリー」の歌詞「もうこれっきりですか」がパチンコ屋の客に不評だったと言うエピソードには笑ってしまった。ただ語りと歌パートの繋がりが悪くぶつ切り編集ぽいのが気になる。
「伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ [Blu-ray]」山口百恵 発売日: 2012/10/03 ASIN: B008CQCC32はDTS-HD(48KHz/16bit)という音声仕様からリマスタリングの本気度が感じられなかったが、カスタマーレビューによると懸念した通りのSDビデオ画質だったようで残念だ。
ディスク1枚でコンサートを通して観たり聴いたりしたいのであればBDを、リッピングして車やポータブルプレーヤーで聴きたいのであればCDを選ぶと良いと思う。ただし5.1chサラウンドで楽しんでしまうとどうしても映像も見たくなってしまうのでサラウンド派にはBDをお勧めする。
【関連リンク】
『SACD FAQ(良くあるご質問)』
http://www.super-audiocd.com/faq/
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image