僕が警備員を辞めた理由

警備員として、経験を積んで検定資格を
取れば、会社に有為な人材となり得ます。



問題はそのレベルで、検定資格を取って
そこそこ使えて食いっぱぐれの無いレベル
で満足するか。



このレベルになれば、ある程度業界内での
転職も融通が利きます。少々の粗相にも
目をつぶってくれることもあるでしょう。



敵を作り過ぎなければ、そこそこ幸せな
警備員人生です。体さえ丈夫なら年金まで
食いつなぐこともできるでしょう。



一方上を目指せば、指導教育責任者となって
部下を指導する責任を負う立場もあります。



僕の知人は、上記の立場で仕事をする事を
強いられました。もちろん厳しい現場で
鍛えられ経験も十分。警備を極めたのです。



それが、そこそこ幸せな警備員にとって
煙たい存在のようです。



警備を極めた知人から見れば、彼らの仕事は
足らない所ばかり。小言を言いたくなります。



７０歳で準大手警備会社で現役を張る知人は
「警備以外の仕事がしたかった」と僕に
もらしました。



６５歳を過ぎて、年金を貰うようになったもう
一人の警備を極めた知人も同じことを言います。



何故でしょうか？



彼らだってそこそこのレベルで仕事をした
かったのでしょう。警備を極めたからと
いった給料が倍になる事はない。



それを許されず、徹底的に詰められて警備を
極めざるを得なかった。指導教育責任者の
重責を全うするために。



自分がそこそこ幸せな警備員でいられるのは、
警備を極めた上記指導教育責任者が、犠牲に
なってくれるから。



この謙虚さがない警備員は、歳と共に横柄さが
にじみ出てきます。



それでも食いっぱぐれる事はないでしょう。
警備業界も人手不足で、そこそこ使える
警備員は足りていません。



警備で人生終えるならそれでもいいので
しょうが、警備からの転職を目指すなら、
謙虚さは必須です。



少なくとも、自分が中心に現場が回っている
という態度がにじみ出るようではNG。あと
気を付けたいのは他人の批判。



批判している君はどうなの？警備を極めた
人から見ればツッコミ所満載なのです。



警備を極めざるを得なかった人たちへの
想いを馳せ、警備で得たものを謙虚に
アウトプットするスキルが要ります。



かく言う僕もその一人なのですが、業界
を支えるために警備を極めざるを得なかった
人に対し、リスペクトは忘れるべきではない。



でもそこそこ幸せな警備員ならば、今の環境を
捨ててでも、転職する人はほぼいないでしょう。



そんな人は要領も良く、立ち回るのも上手い
ので、警備業界で生き抜ける可能性は大。



要領の悪い隊員にマウントを取りながら、
現場で優位を保って、安泰を計る。



実はこういった人は、クライアント側に
職業人以前の人間性を見られている事に
気づいていない。



そこそこ幸せな警備員を続ける人でも、人柄
が良ければ人事が動いた時、要領だけで世渡り
する隊員と差がつく事になります。



結論として、そこそこ幸せな警備員を続ける
ならともかく、警備からの転職を目指すなら
謙虚さが必要。



自分より凄い人たちへのリスペクトを忘れない。
警備員にとって、そういった人間性に含まれる
要素も、存在価値の一つなのです。

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