僕が警備員を辞めた理由

職場でめちゃくちゃ怒られる人という
のは、仕事の能力と言うよりはこいつなら
怒りをぶつけても大丈夫、と思われている。



そんな話を聞いたことがあります。
要するに、舐められているということ。



これには僕も経験があって、カテゴリ
「番外編〜ぼくが警備員をはじめた理由」
に第５章に紹介してあります。



当時の僕は、自信の無さを見抜かれて
上司から攻撃されていたのです。



会社を辞め、地元にUターンしたものの
以前の仕事はしたくない。



ただでさえ不景気の折、これまでの仕事
と決別するのはかなり無謀でした。



３０歳過ぎて、未経験の仕事に就くのは
如何に難しいか。この現実がのしかかる。



働くのが怖い。また同じ目に逢いや
しないか。月日だけが流れていきます。



そんな時、出会ったのが地場警備会社で
あるA社。警備の仕事は初めてでした。



市の緊急雇用対策事業を請け負って、求人
を出していたのです。このアルバイトが
きっかけで僕はA社に入りました。



僕はA社、それも市役所警備で大きな収穫を
得ました。それは力ある人に認められた事。



前職では箸にも棒にも掛からぬ扱いだった
のに、市役所警備では市の幹部や議員さん
、そしてA社社長も評価してくれました。



翻って、この認められ自信を付けたものは
何だったのでしょう？



先を読んで行動する、これです。



警備ではトラブルを未然に防ぐことが、
最上の成果とされています。



この職能力を伸ばす事が、評価され自信に
繋がると踏んだのです。いわば警備の
醍醐味ですね。



これはまず、警備マニュアルの理解から
始まります。マニュアルを遵守する。
基本中の基本です。



これに、経験から来る読みを持って業務
遂行します。



ある朝、市役所玄関前に立哨している時、
市長車の来る時間に、現金輸送車が来ました。



現金輸送車が停車してすぐ、市長車登場。
僕は現金輸送車の運転手さんに、少し
駐車位置の異動をお願いし、市長車IN。



市長が降りて来た時に、僕に対して
ありがとうを言わんばかりのしぐさを
してくれました。



市長車の来る時間帯を頭に入れ、他の車両
にも異動をお願いできるよう、身構える。



これをするだけで、評価はグーンと上がり
ます。少し頭を使えばいいだけ。言うのは
簡単ですが、実践する隊員は少なかった。



力ある人たちに認められる事で、自信が
ついてきました。一目置かれるように
なったのです。



警備隊内での権力闘争、頭の抑え合いは
続いていましたが、この自信をバックに
主張することもできるようになりました。



マニュアルを理解し、経験で磨き上げる。
見せる警備から魅せる警備へ。カッコつけ
て言えばこうなります。



いささか傲慢になった部分もありましたが、
この自信が、その後の僕の財産になった
のです。



警備だって、職能力を磨くことができる。
ミソは警備マニュアルの範囲内で行う事。



功名心から、警備マニュアルを逸脱した
越権行為は、すぐクライアント側に見抜かれ
悪い意味で目立つ見本になってしまいます。

簡単ホームページ作成ペライチ