<個人的な評価:10点中9.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
下記、個人的な感想。
ネタバレあり。
Christopher Nolan 監督によるSF映画。近年のSF映画では代表的存在。SFといっても、宇宙人と戦ったり、ゲームの世界が現実になったりと、色々と種類があるが、この映画はリアリティーを追求したSF映画といっていい。宇宙人とかは出てこないし非現実的なアルマゲドン的な隕石も急に落ちてこない。しかし、異常気象が進むについれて、どんどん枯れていく地球が出てくる。映画館で観たかったな。2014年とか、あの頃は、仕事で凄く忙しくて映画館に行く暇なかった。でも逆に映画館で観たくない映画でもある!号泣してしまうから。
家で、じっ〜くり観たけど(気になるところは、巻き戻して観たりもして)、何度も号泣した。
私は個人的に、親子愛ものに弱い。
SF映画ではあるが、親子愛がすごく泣けるし切ない。
父と娘の別れ。必ず戻ってくるという約束。
本当に果たしたね...
地球の時間と、父親がいる世界の時間は違う...というのも、論理的に丁寧に説明されてたな。
約束は果たせたけど...やはり、娘と再会できた時、娘は100歳近くで、死ぬ寸前だった。
でも、しっかりと、頭は衰えていなくて、父を認識し、ちゃんとお別れたできたのは泣けた。
切なすぎる。
息子もいるんだけど、それも切なすぎる。
ビデオレターで、どんどん成長していく息子を見たり...孫が産まれ、そして亡くなったり...
異常気象の中で、ボロボロになっていく地球、衰弱していく人間たち、愛する家族たち...
我々には、どうする事もできない人生という限られた時間。
映画館で観たら、きっと映像美や音質などの面で、壮大さに圧倒され、さらに感動できたと思うけど、家でみたからこそ、心のすむように号泣できたり、さらに理解したい場面は巻き戻して観たりできる。
人類存亡を賭けた未知の世界へ挑戦する勇気と希望と愛といった、ありきたりな安っぽい映画ではない事だけは言っておきたい。もちろん、それらも、あるし、重要ではあるが。
内容は、簡単に言うと、地球を離れ、新たな居住可能惑星探索を行うためワームホールを通過し、別の銀河系へと有人惑星間航行(インター・ステラー)する宇宙飛行士のチームが描かれているのだが、三次元における不可逆性の時間と重力場、相対性理論(ウラシマ効果)、特異点、ニュートン力学、スイングバイ航法、漆黒の宇宙空間、音の伝達、運動の三法則など科学的考証を用いた演出がある。
とにかく、かなり凝っている映画といっていい。
これらを全て理解するには、映画館で観ると巻き戻しできないので、映画館で観たあとにも、家でじっくり観るのをおススメする。
ちなみに、この映画では、理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタント兼製作総指揮を務めている(キップ・ソーンは2017年、重力波検出装置の構築及び重力波発見への決定的な貢献により、ノーベル物理学賞を受賞している)。
これらからもわかるように、安っぽい映画ではなく、本格的なリアリティーを追求したSF映画なのだ。
私がこの、とても長い映画を観て、感じたのは...
宇宙空間での、孤独。
孤独............
この孤独感を強く感じた。
主人公クーパーの孤独との戦い。
家族と離れたのも孤独ではあるが、時間も地球と違う、果てがない宇宙空間で、感じる孤独感はまた別のものだろう。言葉にならないよ。
宇宙はまだ未知の世界だからこそ、美しくも恐ろしいし、私が生きている間には、宇宙の謎なんか到底、わかるはずもないし、100年後も1000年後も、この地球があるかどうかもわからない未来にも、宇宙の謎が解ける事はないかもしれない。
この映画は、伏線の繋げ方が良かった。
冒頭の...娘の部屋に出てくる謎の超常現象。あれは、映画後半で、全てが繋がっていった....
勇敢で賢い父親に、さらに賢い娘。
娘の成長を近くで見れずに、娘と息子など愛する家族を置いて、宇宙に旅立った元宇宙飛行士の父。
最後の最後で、娘と再会できた時、娘は既に高齢だった。
救いともいえるだろうか。娘には既にたくさんの家族や友達ができていて、父親のいない世界で、人類に貢献していたのだ。
正直、娘とまた一緒に暮らしてほしかったけど、時間がもうないのが切ない...
娘は老衰で死んでいく。そして、最後の最後で、父親への気づかいが、また切なくて泣ける。
“No parent should have to watch their own child die”
切ないけど美しい最後だったな。
ちなみに、映像美というか、映画館でみたら凄いだろうなという場面。
クーパーが、ガルガンチュア(ブラックホール)へ落下していく場面と、無数の立方体が幾重にも折り重なった 4次元超立方体テサラクトの空間に辿り着いた場面。
無限空間ともいえようか。凄いな。これが、アカシックレコードのような場所だろうか。
クーパーはそこが、娘の部屋を通じて地球の過去、現在、未来全ての時間と連結している空間であると気付くんだけど、これまた感動もの。
2人が賢くて、離れても信頼しあっているから、成し遂げる事ができた偉業。
クーパーは最初、娘を置いてミッションに出発する自分の過去を変えようとしたんだよね。
でも、それは無理だった。娘は必死に止めたけど...
娘が、あんなに必死に止めたのは理由がちゃんとあったんだよ。父親が出ていったら、もう一生会えないかもしれないから....
そして、博士は嘘をついていたから元々、地球上にいる人類全てを救うつもりなんかなかったから。
その事を宇宙に出て、後から知ったクーパーは、どうにか過去の自分を止めたかった。
それを娘に伝えようとしたから、あの部屋でおきた超常現象は、未来のブラックホールの中にいるクーパー自身の仕業。
でも...
宇宙の神秘をもってしても、ブラックホールの中でも、過去は変える事ができない。
だが未来は変えられる。
だから、クーパーはデータを、現在の娘のアナログ時計の秒針を使ったモールス信号で表現。
彼女にそのデータの真意が理解できるのか?
もちろんできる。クーパーは自分の娘の天才的な才能を信頼していたんだ。
そして、人類の未来に希望がもたされた...
すごくきれいにまとまって感動できる映画だったな。
あくまでも、父親と娘、父親と家族、これらが感動的すぎて、クーパーと同僚の女飛行士の関係性の変化はどうでもよかったけど。特に恋愛描写がないのが幸いだわ。こういう作品では、余計な恋愛は、いっきに安っぽくなるからね。でも最後、やっぱり、あの女飛行士の元に飛んで、一緒になるんかなー?
うーん。それは、どうでもいいや。
でも、娘は亡くなったけど、クーパーは、まだ若いし、人生これからって感じなんだろうか。