『The Great Gatsby (2013)』
<観賞2度目>
<観賞2度目>
<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
(映画のネタバレだけじゃなく、ドラマ Gossip Girl の一部ネタバレも含むので注意)
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
(映画のネタバレだけじゃなく、ドラマ Gossip Girl の一部ネタバレも含むので注意)
アメリカでこの原作を知らない人はいない。
『The Great Gatsby (2013)』は、 F. Scott Fitzgeraldによる同名の小説を基にした映画。
初めて原作小説を読んだのは、9th Grade (日本でいう中3ぐらい)の時の、literature class のだった。
当時はアメリカンスクール。その時は、どんな印象を抱いたのか実は覚えてない。
謎の大富豪 Gatsbyは、癖のある口調をしてた、そしてDaisyって女がクズと、当時は思ってたな。
その後、私が大学に入った頃に、この映画が出た。
きらびやかな印象で哀愁漂う映画だったのは覚えている。
「Young and Beautiful 」のメロディーが今でも頭から離れない。好きな曲だ。
Leonardo DiCaprioは、ロミオとジュリエットも、タイタニックも、演じてたが、どっちも有名だが私は、ああいう恋愛ものは大嫌いだ。しかし、ギャツビーは、好きだ。
そして大人になった今、Daisyというキャラに共感できるのだ。私はDaisyかもしれない。
学生の時はちゃんと読まなかった小説も、大人になって、改めて読んで名作と思ったし、この映画も良かった。
ロミオとジュリエットや、タイタニックのヒロインには共感できないが、デイジーには共感できる...
私にとっては、リアリティー感があふれた女性だ。
煌びやかでファンタジーのような美しい世界観、純愛かのような恋愛、でも最後にデイジーは、ギャツビーの葬式にも出なかったし、花も送らなかった。
最後に彼女が選んだのは、同じ家柄の家族だ。そして娘もいる。
夫は不誠実な奴だが、でも一家の大黒柱の務めは話しているだろう。
割り切った関係なのだろう。でも現実でも、世の中、特に、家柄の良い人達では、こういうのが沢山いるのを私は知っている。離婚が簡単になった今の時代なら、離婚するのもいいが、でも、離婚せず、そのまま割り切った関係を続けてもいいんじゃないのかと思う。
男女間の恋愛感情は、燃えたり燃え尽きたり、季節のように移り変わる事もあるが、血統と金の価値と家族の絆は変わらない。ギャツビーは貧困から大富豪になったが、デイジーたちとは、違う世界の人間で、それはどんなに努力しても変わらない。そして、デイジーの決断は、デイジーにとっては正解だったのだろう。全ての女性がデイジーみたいな人とは思わない。人それぞれだ。だが、デイジーのような女性も多いと思う。昔は彼女を嫌な女と思ったが、今の私は彼女を批判しない。
私もデイジーなら、同じことをするだろう。(葬式ぐらいには出るが...)
デイジーには夫との間に娘もいる。
娘を捨てて、ギャツビーと結ばれるのはリスクがあるし、辛すぎるだろう。
もし、デイジーが娘を捨ててギャツビーと恋愛逃避行したら、娘は、母親が男の為に自分を捨てたって哀しみの感情を抱えて生きていくことになる。そういう母親も沢山いる。だが、デイジーは、そういう女ではない。彼女の選択が良いか悪いかは置いといて、彼女は責任感がある母親だと思った。彼女は娘を捨てなかったし、家族を諦めなかった。
なんでも持っているかのようなデイジーだったが、夫の不倫や、下品で横暴な夫の愛人に、悲しんでた。
そんな時に、死んでたと思ってた元恋人が生きていて、自分に愛を捧げてくれる。
こんな状態だし、揺れ動いて不倫に走ってしまうのもしょうがない。(夫も不倫しまくってたしな)
ギャツビーにとっては、デイジーとの時間が、真実だったが、デイジーにとっては、現実からの逃避行だったのかもしれない。彼女がどれだけ、夫の不倫に悲しんでたか。
デイジーも、一時はギャツビーを愛してただろう。しかし、結婚した後だと、状況は変わる。特に家族を大切にする責任感ある人だったら、なおさら。彼女もギャツビーを愛してたが、彼への愛は、ギャツビーの、ひたむきで真っすぐで純粋な愛とは違う。
あの物語の中で、唯一、純粋だったのがギャツビーだ。
彼は、法律違反もしたが、生涯、1人の女性だけのために、無から、巨大の富を得た。
最後に最後まで、その女性の愛を信じて、そして死んだ。
葬式には、デイジーからの花もない。
ギャツビーは絶望して死んだのか?
私の解釈になるが、ギャツビーは、デイジーとの美しい人生を夢みたまま、それを抱えたまま、死んでいったと思う。
デイジーに裏切られた事も知らないまま...
切ないが、なんと美しい物語なのだろう。純粋な悲恋、純粋な片思いだ。
愛する人を信じる純粋な心。1人の孤独な男の人生。
まさに、GREAT。
物語の中の筆者のNickが、最後に、小説のタイトルに、「The Great」って付け足した、その想いが、凄く伝わってくるのが最高に良い。
あと、この映画としての感想だが、映像美が良い。
当時のニューヨークの時代背景、富豪たちのファンタジーのような世界感、音楽、ファッション!
ちなみに、ギャツビーの口調、「old sport」
男性が男性に向けての馴れ馴れしい呼びかけだが、日本語に完璧に訳すのは難しい。
当たり前だが、決して、古いスポーツ!って意味じゃないので直訳は間違いだ。
ニュアンスとして、「イケてる君」「お前さん」が近い。
nativeなら、意味はわかるが、リアルでは、現代では使っている人はみた事がない。
使ってるとしたら、ギャツビーの物真似だ。
あの時代なら使ってる人もいたかもしれないが。
意味としては、「Good morning Sir」や「Good Morning Ma'am」と変わらない。
「Good Morning Old Sport」つまり、呼びかけの一種ってだけ。
しかし、今の時代、使うようだったら、気を付けて。
ギャツビーの物まねをしていると思われているか、洒落てるつもりか、と思われるか、変な奴wと思われるか、なので、親しい人以外に試すのはお勧めしないです。
話がそれるが、私が昔、好きだったドラマ、Gossip Girl を、主人公のDan Humphrey の視点で観ると、The Great Gatsbyの物語を思い出す。実際、参考にしているらしい。
Gossip Girlのドラマ、シーズン4の後半、そしてシーズン5の、どんでん返し。
Danが本当に愛してたのは、Blairだった。彼女を妄想し、彼女をヒロインにした小説を、コツコツとずっと書いてた。出版するつもりなんかなかった。まさに壮大なラブレター。
上流階級に憧れた孤独な少年が、上流階級の少女に恋をした。
Dan と Blair。お互い大嫌いだったのに、一緒に過ごすうちに、Danの方から、どんどん惹かれていって、気づいた時には、彼女に夢中になった。気持ちをずっと押し殺してたので、もちろん彼女は最初は気づかなかった。既に彼女には王子という婚約者と、彼女を虎視眈々とずっと狙ってた富豪男もいた。まわりの友達や家族の誰一人も、Danの気持ちを知らないし、知ってたとしても、誰一人、応援はしなかった。そして彼女は王子と結婚をしてプリンセスになった。色々あって、DanとBlairは、なんとか付き合う事ができたが、王子と離婚した後も、最後に彼女が再婚相手に選んだのは同じ上流階級で幼馴染の大富豪だった。
Danは、あのカースト最上位の仲間達の中に入れたと思ってた。でも彼女にとって、Dan は、一時、付き合ったことはあっても、よそ者だった。彼女にとっての「仲間」は、血は繋がってない(←たぶん笑)けど、同じUESで、小さい頃から一緒に育った連中。そんなに大事なのか。実際、Teenドラマなので、BlairとChuckの恋愛関係や、SerenaとBlairの友情は、美化されているが、(暴言スイッチ入ります→)全部真実の事なので、はっきりとぶっちゃけ言うが、Danのヒロイン、Blairは、最後はメンヘラ暴君である不動産王と結婚して、上辺だけは正統派イケメンだが実際はfuckboyの元彼や、自分の初恋兼彼氏を寝取るような淫売尻軽女を、親友で仲間と呼び、本当の自分を真剣に愛してくれた、Dan を、最後までよそ者扱いした。
世の中には、どんなに努力しても手に入らないものがあるのだ。そして世界は不公平だ。
Danも、正体が、Gossip Girlだったし、Danも、そういう面では一番のクズだが、Blairも、Serenaも、Chuckも、どのキャラも、全員、性格がクズ。それでも、クズはクズでも、上流階級のクズはなぜか美化されて、一般人のクズは叩かれる世界。
もちろん、美化されたTeen Dramaで、少女漫画チックなので、ヒロインたちの恋愛が叶うエンディングになるのは、わかりきってたが。最後の最後に、Dan も、Serenaと晴れて結婚したし。
Season 5、Dan を取られまいと、Serena、必死すぎて悲惨だったからな。嫌いなキャラだったけど、初めて同情したよ。ただ、Dan と Blairの関係は、美しくも、切なく、でも残酷で、『The Great Gatsby』のようだった。結ばれないとわかってても、私は、Dan と Blairの悲恋、Dan → Blairの片思いの方が、なんか心に来るものがあった。しかし、最後、Serenaと結婚したDan、もう一つの側面でみると、Dan も、ついに、あの連中の本当の仲間になったともいえる。小説で大成功して、友達を裏切って、でも、彼は彼なりに成功したので、結局はGossip Girlだった事も、友達にも許されて認められて、UESで、マンションも購入できるまでになったから。成功者だ。皮肉なことに、裏切り者が成功できる社会。そして、みんなそれを黙認どころか、助け合う。高校時代は悪戯程度の悪だくみも、大人になっていくと、犯罪だ。それでも、彼らは大人になっても変わらない。彼らの両親をみればわかるだろう。ドラッグを売ってたり使ってたり、マフィアと繋がってたり。恋愛関係も滅茶苦茶。親友の恋人を寝取るどころか、話が進むにつれて、姉妹間で同じ男を取りあったり、その母親の世代も、姉妹間で夫を取りあったり、従姉妹が実は妹だったりという世界。そういえば、実はIQが高いらしいが間抜けなイケメンのNateは、大親友のChuckの母親疑惑があった女とも、何度も性的関係あった笑。あのカップル面白いから好きだったが、実際、母親じゃなくて良かったね。普通にキモイから。でも、はっきりいって、Serena、Blair、Nate、Chuck、あの4人、どっかで血が繋がっててもおかしくない笑。近親相姦かも。世界が狭すぎる。よくあんな小さい世界で、恋愛関係更新できるな!と思ったら、親世代からやってたという。あの親にして、あの子供だ。あの世界は、大人のような子供と、子供のような大人が、有り余った特権と金でやりたい放題の世界だ。
Gossip Girl も、10代の頃は、ドキドキする煌びやかでセクシーなTeen Drama だったが、大人になった今みると、あれは、『The Great Gatsby 』のようだったなと思う。
そういう側面でもみれるから、ただのTeen Dramaとは思わないし、大好きなドラマだ。キャラ達は、Danも含めてクズだが、善人のふつ面キャラを観るより、クズな美形の方が、フィクションとしては面白いので好きだ。