『悪魔が来りて笛を吹く(2018)』
<個人的な評価:10点中7.5点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
横溝正史の長編推理小説を実写化した作品!
和風ゴシックというほどではないけど、血塗られた一族にまつわるサスペンスミステリー。
これまでに何度も映画化やドラマ化されてるが、私が今回観たのは、2018年のもの。
いつどこで観たか知らないけど、もっと古いのを観た記憶があって、ストーリーは大体知っている。
推理ものとしては、中々面白かった。
ストーリーとしては、クズが数人いるが、そこまで血塗られてるか?と、既に色んな作品を観た私は、どうもピンとこないけど、まあ、悲劇ではあるかもしれないけど。うーん、別に心揺さぶられるほどではない。
一番可哀想なのは、犯人とは思わない。可哀想とは思うけど...でもやっぱり、一番可哀想なのは、金田一の依頼人の椿美禰子(つばき みねこ)だよ。
敬愛する父親を失い、母親は淫乱で、その母親も狂った犯人に殺されて、全てを失い、それだけじゃなく、貴族という身分さえ微妙になった。住む家もなくなった。父、母、家までも失って、それでも前向きに生きるのは、私ならできないな。
だから、椿美禰子には同情する。
あと、椿美禰子の従兄、新宮一彦にも同情する。
この人も、なにも悪くないよね。
ただ、母親がまだ生きているので、良かった。
前もいったが、近親相姦ものは、凄くハマって大好きになるものと、生理的に無理なものに別れる。
ただ、ここに出てくる近親相姦は、そのことが生理的に無理という以前に、姉弟が、愛もなにもない、ただの淫乱同士だったってだけ。姉弟で交わっている以前に、お互い、考えもなしに、色んな人とも、誰とでも、やってるから、それの方が、はるかに気持ち悪い。それこそ動物以下。
姉弟で愛し合って、姉弟だけで交わっているのなら、私も、それだけで気持ち悪いとは思わない。
ただ、色んな人と乱交しているのが、個人的に、生理的に無理。(←リアルでも、こういう連中は無理です。変な病気もってそうだし、不潔だし、とにかく私が嫌いなタイプ。まあ関わらないけど。ヤリマ〇、ヤリチ〇って日本では悪口みたいに言うらしいけど、まあ、悪口言われてもしょうがないね。だってキモイし。私は嫌いです。)
本当に、この淫乱クズの配偶者や子供たちが一番の被害者。
さて、新宮利彦(弟)というキャラがただのDV男で淫乱のクズで、椿秌子(姉)というセックス依存症の淫乱。なんで、彼女がああなってしまったのか、過去を辿れば、もしかして、新宮利彦が元凶かもしれないけど。妻にもDVするような人だし。
椿秌子というキャラだけど、子供の事はどうでもいいんだね。
産むだけ産んで、薄汚い人にあげたーって笑いながら言ってるあたり、なにも罪の意識がない。
男好きという以前に、精神病だから、しょうがないかもしれないけど。
この人の主治医も、彼女が精神病なのを利用して好き放題やってるしクズ。
本来なら、ちゃんとした施設で入院すべき人だと思う。まあ、なんか、あまり同情できない人だけど。
架空の中世ヨーロッパ風な場所が舞台のフィクションだが、近親相姦カップルが沢山でてくるのが、Game of Thrones。GoTの近親相姦はけっこうハマる。中でも、CerseiとJaimeの双子が最高。
椿秌子というキャラは、Cerseiと大違い。
Cerseiも、病んでいるし、弟と愛し合っているとはいえ、その弟から犯された事もある人だけど、それでも自分が産んだ子供たちの事は自分の命以上に愛しているし、愛する弟の子供たちでもあるから大切にしているのに。だから、好きなキャラ。
近親相姦だろうと何だろうと、母性がある人、子供への愛、家族への誇りがある人、自分や自分の家族、一族の誇りの為に、残酷になれる人は好きだし、行動全てに賛同するわけではないが、なんか応援したくなる。
Jaimeの方も、幼い頃から姉Cersei一筋で、他の女とはヤッてないという設定が良い。Cerseiへ禊をたてて、結婚もしてないし、一族の長男であり後継者でありながら、地位も財産も全て、愛の為に手放したのが最高。
ただの淫乱カップルじゃないよ。まあ、お互いに対して、淫乱な面はあるけど。
たぶん、どの映画でも、近親相姦カップルでは、この二人を超えるのはいない。少なくとも私はであった事がない。
でも、まあ、とにかく、『悪魔が来りて笛を吹く(2018)』の原作は古い小説だし、フィクションとはいえ、当時の日本の情勢、貴族の没落、貴族や平民、差別、色々な要素が、原作にはもっと詰め込まれていると思う。
時代背景もある..
そういえば、日本にも、昔、貴族がいたんだね...日本の歴史には詳しくないけど。
イギリスなどでは、今も貴族がいるけど、でもやっぱり、昔ほど、栄華はない。
城とか屋敷とかをもってても、維持費が大変らしい。ホテルや美術館などにして公開している一族もいる。
従兄にイギリスの伯爵家の令嬢と結婚した人がいるけど、夫婦2人ともフルタイムで共働きだし、庶民的な生活をしているし、郊外に別宅として屋敷はもっているが、維持費が大変なので、Airbnbにしていて、旅行シーズンになれば貸し出ししているとの事。
貴族だからって、頭も使わず、働きもしないで、家族や親戚の金ばっかりを当てにしていて、好き放題しまくってる新宮利彦みたいなキャラが、今の時代にまだいたら、まあ、家族に追い出される以前に、何か問題をおこして、刑務所の中でしょう笑。
良いか悪いかは置いといて、常に時代は変わっている。
完全フィクションであるとはいえ、当時の時代背景を基にしたサスペンスという意味では面白かった。